提督「艦娘からのアプローチが怖い」   作:かむかむレモン

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村雨と小さな一歩

 

 

 

 

 

 

提督(青葉に俺の過去をバラした翌日、普段マセてる子たちが少し大人しくなった。どう考えても青葉が言いふらしたんだろう)

 

提督(でも、それのお陰で執務に集中できたり、誘うような素振りを見なくて心が安らぐ。健全な男子はこのような思考にはならないだろう)

 

提督(今日の秘書艦は村雨だ。秘書艦じゃなくても俺のところに来ては、村雨のちょっといい所見せると言ってくる。だが、今日は執務を始める時にしか言ってない)

 

 

 

提督(ところでこの子本当に駆逐艦なの?発育が良すぎて最初軽巡かと思った。しかも最近改二というやつになってオッドアイになるし、胸とか更にでかくなってるし)

 

 

 

 

 

 

 

 

村雨「提督?どうしたの?」

 

提督「ん...」

 

村雨「もしかして、村雨に見とれてたの?」ニヤニヤ

 

提督「ん...字が綺麗だなと思ってな」

 

村雨「そ、そうですか...?///」

 

 

 

 

 

 

 

 

提督(咄嗟に嘘を言ったが、本当に綺麗だったよ。いや、俺が汚いのか?)

 

提督(つーか女の子って視線に敏感なんだな。気をつけないと)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督「...ふう、そろそろ休憩しようか」

 

村雨「なら、村雨が紅茶淹れたげる!」

 

提督「紅茶か、茶菓子も用意するか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督「ふう、落ち着くな」

 

村雨「村雨がちょっといい茶葉、取り寄せたんだから」

 

提督「へぇ、普段から紅茶飲むのか」

 

村雨「て、提督のために取り寄せたの...///」

 

提督「俺のため?何で?」

 

村雨「何でって、その...///」モジモジ

 

 

 

 

提督(村雨がいつになくしおらしいな。いい茶葉といい普段見せない感じといい、何かあるな?)

 

提督(うーん、どうしても嫌なほうに考えてしまうな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督「...言いたくないならいいよ」

 

村雨「...提督、喜んでくれると思ったんです」

 

提督「え」

 

村雨「いつもの方法じゃダメだと思って、何かないかと思って、それで、それで...」

 

提督「紅茶か?」

 

村雨「こんな事しか思いつかなかったけど...でも!村雨は本当に喜んで欲しくて、笑顔になって欲しくて、その...」

 

 

 

 

 

 

 

 

提督(...いつになく真面目な表情をしてるし、俺の目をしっかり見てくる)

 

提督(これは俺でもわかる。村雨は真剣だ)

 

提督(そうなると、村雨は本気で俺の為を思った行動をしたと言うことになる)

 

提督(しかし悲しいかな、真剣な思いを伝えられても、俺はそれを受け止められずにいた)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『どうせ嘘だ』

 

 

『また俺を騙して嘲笑うんだ』

 

 

『女の考えてる事なんかそんなものだ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督(心の奥から聞こえてくる、得体の知れない声)

 

提督(俺が自身の心を守る為に生みだした歪んだ自衛心が、俺を縛り付ける)

 

提督(真剣だとわかっているのに、それでも恐ろしく思ってしまう。これは最早呪いだ)

 

提督(以前までならこんな思いをしなかったのに、何故今はもどかしく、胸が締め付けられるような感覚に陥っているんだ?)

 

提督(いつも通りにあしらう気が全く起きないのに、何故迷う必要がある)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『いつもの冗談さ。相手にするな』

 

 

『女は嘘を付いてても目が泳がないんだぜ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督(ちょっと黙ってろ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『黙る?黙ったら前みたいに素直になれるってか?』

 

 

『無理だな。お前はずっと女を信用しない、できない』

 

 

『お前は純粋な想いを持っていたが、女どもはそんなものに価値を感じないどころか、踏みにじりやがったんだ』

 

 

『それは、お前が一番知っているだろう?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督(...悔しいが、今の俺には、艦娘たちは違うと思える確証が無い)

 

提督(いや、思いたいが、やはり怖いんだ)

 

提督(この恐怖を克服しない限り、俺は過去に囚われたままなんだ)

 

提督(もうあの時とは違う。真剣な眼差しをしてくれる子に...いや、子たちに出会えたんだ)

 

提督(だから、俺も変わらなければならないのは分かってるんだ。後は、変わる勇気を...)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督「そ、そうか。どうも」

 

村雨「あ...」

 

提督「それなら...もう一杯淹れてくれないか」

 

村雨「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督(...すまない。ありがとうの一言も、気の利いた事も言えない俺を許してくれ)

 

提督(申し訳ないが、俺にはまだ勇気が足りなかった。例え駆逐艦であっても、俺はまだ、どうしても恐怖を拭いきれなかった)

 

 

 

 

 

提督(笑顔、か...あの日から俺は愛想笑いしかしてない気がする。心からの笑顔なんて、また見せられる日が来るのかわからない)

 

 

提督(やはり、俺はもうダメなのか...)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村雨(真剣に提督の目を見て話してみたけど、とても哀しそうだった)

 

 

村雨(いつも思わせぶりな事を言ってるから、さっきのもいつもの事と思われてそう)

 

 

村雨(でも、今はそれで構わない。いつか、いつか必ず、提督の心を満たせるなら、それで...)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼鷹「おかえり~。どうだった?」

 

妖精「~」ボソボソ

 

隼鷹「よしよし、よくやったね。今日はアイス奢ったるよ」

 

妖精「♪」

 

青葉「ただいま戻りましたー!」

 

隼鷹「おかえりー。そっちはどうだった?」

 

青葉「とりあえず二人目の詳しい現状を調査してきました」

 

隼鷹「いいね~。あたしは一人目の特定に成功したよ」

 

青葉「お疲れ様です!」

 

隼鷹「ま、奴らがどんな目に遭ってても、あたしは許す気は無いかな」

 

青葉「何にせよ、司令官にバレないように動かないとですね」

 

隼鷹「ま、バレたらそん時は腹括るしか無いね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼鷹(勝手に不幸になってもらっちゃ困るんだよねぇ。まだ一つ、大きいものが返ってくるんだから)ハイライトオフ

 

青葉(図らずとも世の中の闇を覗いた気がします。けど、同情は一切ありませんからね)ハイライトオフ

 

 

 

 

 

 

 

 






トラウマはまだ残ってるから、仕方ないね♂

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