提督「艦娘からのアプローチが怖い」   作:かむかむレモン

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隼鷹は晴らしたい

 

 

 

 

 

 

 

提督(ここ最近隼鷹を見てないから、俺は急遽秘書艦を変更した。今日は霞だったが、目を潤ませながら怒って出てってしまった)

 

提督(子供とはいえ、女の子の涙を見ると胸が痛むなぁ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼鷹「呼ばれて来ました隼鷹でーす!ヒャッハー!」

 

提督「おう」

 

隼鷹「いきなりどうしたのさ提督~。まさかこの隼鷹さまを心配してくれたのかい?愛されてるねぇ」ニヒヒ

 

提督「しばらく見ないから飲んだくれて迷惑掛けてないかと思っただけだ。それとお前、酒臭いぞ」

 

隼鷹「ひ、久々だったからノンアルと間違えちゃったかな?」

 

 

 

 

 

 

 

提督(まさか朝から飲むのか...でもまあ、何も無かったならそれでいいか...)

 

 

隼鷹(参ったね、特定作業に力を入れ過ぎたかな)

 

 

隼鷹(でも、そのお陰で提督が秘書艦に変えてくれたし、青葉の協力もあって元カノどもの情報も揃ったし、結果オーライかな?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督(何も無かった訳がない。絶対何かあっただろ)

 

提督(まず、隼鷹は酒豪で通ってる。久々だからといってノンアルコールと普通の酒を間違えるはずがない)

 

提督(それと鎮守府にいる以上、顔を合わせる機会はいくらでもある。ましてや隼鷹は頻繁に酒を誘ってくる。それがぱったり無くなったのだ)

 

提督(隼鷹が酒を忘れるぐらい何かに熱中した事は確かだ。何だろう?ゲームとかやってる話は聞かないし、外に出るなら一声掛けるよう言ってあるし、全く思い当たらん)

 

 

 

 

提督(仕方ない、聞いてみるか...)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼鷹「ん、提督~。手が止まってんよ?」

 

提督「...少し、気になる事があってな」

 

隼鷹「お、なんだい?」

 

提督「お前、ここ最近何をしてた?」

 

隼鷹「...何って?」

 

提督「俺と顔を合わせていない間、何をしてた?」

 

隼鷹「んん...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督(今少し言い淀んだな。何かあったの確定)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼鷹(うーん、なかなか意地の悪い質問してくれるねぇ。質問自体は大きく曖昧だけど、核心はしっかり捉えてるような問いだ)

 

隼鷹(そして恐らく、今の提督に生半可な嘘は通じない。こういう時だけ鋭いし、真面目に答えるしかないか)

 

隼鷹(思ってたよりも早い発覚だけど、ここで素直に答えるほど、隼鷹さまは甘くないよ!)

 

 

 

 

 

隼鷹「...それ答える前に、一ついいかい?」

 

提督「なんだ」

 

隼鷹「提督ってさぁ、元カノの事恨んだりしてないの?」

 

提督「...何だと?」ピクッ

 

隼鷹「あたしさぁ、青葉から提督のこと聞いたんだよね。どうしてそれほどの悪意を持てるのか怖くなっちまったよ」

 

提督「...恨んでいるか、だと?」

 

隼鷹「あたしが気になるのはそれだけ。どうなん?」

 

 

 

 

 

提督(やっぱり青葉は話していたか。てことは他の艦娘たちも聞いてるだろう)

 

提督(それなら先日の村雨の件も合点がいく。村雨の厚意が本気である事も確定した)

 

提督(しかし、恨んでいるか、という問いはどういう事だ...?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督「...俺は、もう恨んではいない」

 

隼鷹「...そう」

 

提督「だが、許してもいない。もっと言うと、どうでも良くなったのかもしれない」

 

隼鷹「どゆこと?」

 

提督「俺はどうやら怒ると相手の事がどうでも良くなるようでな。最初こそ恨んじゃいたけど、今はそんな気が起きようともしない。興味が全く無くなる感じに近いかな」

 

 

 

 

 

提督(そう、許してはいないが恨んでもいない)

 

提督(相手に対し、興味を持たないという事はある意味最も酷いと思う)

 

提督(その相手の経済状況、幸福の度合い、果ては生死に至るまで、何もかもが視界に入らないのだ)

 

提督(かつて関わりのあった相手を赤の他人として見る。後ろめたさも、躊躇うことも無かった)

 

提督(何にせよ、もう終わったことだ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督「さぁ、俺は答えた。お前はどうなんだ」

 

隼鷹「ん、そうだねぇ。ハッキリ言うと、提督の元カノについて調べてた」

 

提督「んなっ...!?」

 

隼鷹「もう特定も終わってるし、今どうなってるかもわかってる」

 

提督「...」

 

隼鷹「酒を飲むと飲み続けないと集中力が切れちゃうからね。だから初めから飲まずに作業してたってわけ」

 

提督「...青葉から聞いたなら、同情も、義憤に駆られるなと言うことも聞かなかったのか?」

 

隼鷹「聞いたよ。でも、あたしはそれを聞いた上で行動したんだ。だから、命令違反さ」

 

提督「...」

 

隼鷹「処分なら何でも受けるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

提督(...うーん、お願いを聞かない子が中にはいると思ったが、まさか隼鷹とはなぁ)

 

提督(つーか特定なんてしてたのか、怖すぎだろ...まさか報復に行くつもりだったのか...?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督「何故特定なんてしたんだ?」

 

隼鷹「それは...」

 

提督「報復にでも行くつもりだったのか?」

 

隼鷹「...まあ、そんなもんかな」

 

提督「マジか...」

 

隼鷹「で、でもさ!一人目は男に捨てられて娼婦に堕ちてるし、二人目は結婚詐欺に二、三回遭って借金まみれだからどうすっかなって思ってて...」

 

 

 

 

 

提督(...因果応報というか、見事に男女関係で報いを受けたな)

 

提督(さっきどうでもいいと言ったが、黒い感情が生まれてしまった)

 

提督(ざまぁ見ろ、もっと苦しんでくれないと気が済まない、と)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼鷹「正直言うと、あたしはまだ生温いと思ってる」

 

提督「...何?」

 

隼鷹「提督はもっと酷い思いをしたんだから、それ以上の苦しみを味わわないと、割に合わない」

 

提督「...落ち着け」

 

隼鷹「あたしはもう素面だし、落ち着いてるよ。その上で言ってるんだ。止めたいなら軟禁するなり解体...」

 

提督「やめろ!」

 

 

 

提督(隼鷹は目の焦点が合ってないし、明らかに正気じゃない。俺の話を聞いただけでここまで狂えるのか?)

 

提督(それか、外の世界をあまり知らない艦娘だから、何か良からぬものに感化されてしまったのか?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督「解体なんて、しない」

 

隼鷹「じゃあどうすんの?」

 

提督「俺は、報復さえしなければ何も言わない」

 

隼鷹「提督はそれでいいんかい?絶望させるチャンスだったのに」

 

提督「そんな事をしても、俺の過去が覆る事は無いし、お前の手を汚させたくない」

 

隼鷹「そんな甘くていいわけ?あたしはやりたいんだけど」

 

提督「...もう、いいんだ。何もしなくて。俺はお前達が俺の話を真面目に聞いてくれただけで満足なんだ」

 

隼鷹「だからあたしは...」

 

提督「それに、俺は言うことを聞かなくてもいいが、話を聞かないのは嫌いだ」

 

隼鷹「う...」

 

提督「言うこと聞かないのは仕方ない。でも話ぐらいなら聞けるはずだ。話が通じないと何も出来ない」

 

 

 

 

 

 

 

 

隼鷹(嫌われる事は覚悟してたけど、面と向かって言われると...ちょっと嫌だなぁ)

 

隼鷹(ちょっと暴走気味になったけど、そこまで言われると...)

 

隼鷹(やっぱ、嫌われたくないなぁ...)ウルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼鷹「...わかった。やめるよ」

 

提督「ありがとう、それでいいんだ。話が本当なら、もう十分に報いを受けてる。隼鷹が思ってる以上に、社会は残酷なんだ。何もしなくても絶望はする」

 

隼鷹「...うん」

 

提督「良く思い止まってくれたね」

 

隼鷹「...ハグ」

 

提督「え?」

 

隼鷹「ハグしてくれたら、もう特定なんてしないし、情報も破棄するから」

 

提督「え、それは...」

 

隼鷹「頼むよ...」ウルウル

 

 

 

 

 

提督(まさかハグを要求されるとは...でも、これで凶行が防げるし、丸く収まると思えば...うーん...)

 

 

 

 

 

提督「...ほら」両手開き

 

隼鷹「...いいのかい?」

 

提督「俺の気が変わらない内に早くしてくれ...」

 

隼鷹「じゃ、じゃあ遠慮なく...!」ギュッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督(隼鷹やわらか!服越しでもやわらか!)

 

提督(髪の毛とかつんつんしてるから固いかと思ったらすっげぇふわふわしてるし、今酒臭くない。むしろ椿みたいないい匂いする)

 

提督(隼鷹の鼓動を感じる。クッソ速い)

 

 

 

 

提督(いや落ち着け俺。今の状況は他の艦娘に見られるとやばい。特に青葉)

 

提督(もうそろそろ離れなければ...って、ガッチリホールドされてる...)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼鷹(流れでハグ要求したけど、酔いが覚めてるからめちゃくちゃ恥ずい!)

 

隼鷹(まあしちまったものは仕方ねぇ!ゆっくり堪能させてもらうぜ!)

 

隼鷹(提督、結構ガッチリしてんな。学生時代も運動してたらしいし、軍学校編入して鍛えたのもあるだろうけど)

 

隼鷹(それに、抱きしめられてわかる。力強くじゃないけど、心から安心できる、優しいハグだ。何からでも護ってくれる、そんな気がする)

 

隼鷹(いつも守る側だからこういうのもいいね...何だか目頭が熱くなってきたし、胸の奥から何か溢れてくるような感じがするよ)

 

隼鷹(これが、心が満たされるって感じなのかねぇ...もう少しだけ...)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛鷹「隼鷹、ちゃんと執務やって...え?」

 

提督「あ」

 

隼鷹「んゆ?」

 

飛鷹「...提督、何故隼鷹を抱きしめてるの?」

 

提督「い、いや、この、それは...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督(終わった!飛鷹に見つかった!俺の人生終了!)

 

提督(飛鷹の目は明らかに俺がセクハラしたものとして見てる!俺は通報されて面頬に『忍殺』と書かれた憲兵に連れてかれて介錯されるんだ!)

 

提督(悲しいなぁ、こんなところで人生ゲームオーバーかぁ。今思えばしょうもない一生だったなぁ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛鷹「...提督、何があったかは聞かないで置くわ」

 

提督「へ?」

 

飛鷹「私にも後でやってよね」

 

提督「あ、はい...」

 

飛鷹「それじゃ、隼鷹。サボるんじゃないわよ?」スタスタ

 

隼鷹「わ、わかってんよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

提督(...何か許された。どさくさに紛れてとんでもない約束をしたような気がする)

 

提督(隼鷹はいつの間にか離れてた)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼鷹「ひ、飛鷹もああ言ってたし、執務再開しよっか」

 

提督「...そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







小ネタもここら辺から挟み始めてきます


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