ワンピースー海に認められた男の物語   作:神王龍

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今回でマリンフォード及び、エース編は完結です。

それではどうぞ!


第32話 頂上戦争!マリンフォード 後編

三人称 side

 

 

白ひげ達やルフィ達脱獄組が、

壁に囲まれ赤犬によって攻撃されるなど、

色々と起きている中リュート達は、

処刑台に近づいていた。

 

「リュート、どうやってエース君を助けるの?」

 

セツナがそう聞くと、

リュートは海楼石なら溶かせることを教えた。

そう、リュートには近付きさえすれば、

鍵など必要なかった。

だが処刑台に登るには真正面からか、

処刑人が通る道のみ。

どうするか考えていると、

ルフィが、

段々こちらに向かっている事に気がついた。

そしてイナズマが処刑台への道を作り、

ルフィは登っていく。

処刑台にいたガープは、

ルフィの行く手を阻んでいた。

これを好機と見るや否や、

リュートは剃でエースに近づき錠を溶かす。

 

「兄貴!」

 

「よぉエース。助けに来たぞ」

 

「兄貴…!すまねぇ!巻き込んじまった」

 

「気にすんなって。俺はお前を本当の家族と思ってるからな。

助けるのは当然だ」

 

リュートのその言葉に涙を流しながら、エースはただただ頷いていた。

 

「逃がすと思っているのか!」

 

「思ってねぇよ。だからこそ準備はしとくもんだろ?

ワープ」

 

エースの錠が完全に溶けると、

リュートはエースの腕を引っ張りながら、

後ろに出したワープの中へと消えていく。

 

「くっ、やつはまだ島を出ることは出来んはずだ!

見つけ次第、火拳のエース共々処刑しろ!」

 

センゴクがそう言うと、

海兵達は雄叫びを上げ、

リュート達の位置が分かると、

そこに向かって突撃した。

 

「リュート、先に行って。

しんがりは私がするから」

 

「セツナ…分かった。

でもお前が危ないと思ったら絶対助けるからな」

 

リュートのその言葉にセツナは笑顔で答えると、

迫り来る海兵たちに向き直った。

リュートとエースは海へと走りだした。

 

「あら、一人でしんがりなんて私達海兵も舐められたもの、ね!」カキンッ

 

「前の私と同じだと思ったら後悔するわよ?

血の乱舞・花」

 

セツナがそう言うと、海兵達の飛ばす血飛沫がまるで花のように切られていく。

 

「私はね、リュートに剣だけは負けてないのよ」

 

セツナは笑顔でまた、斬り始めるのだった。

 

「先にユノ達は戻ってろ!ワープ」

 

リュートが船へのワープゲートを開くと、

ユノ達が通っていく。

リュートも入るのかと思いきや、

そのままゲートを閉じるのだった。

 

「ユノ!船は頼んだ。俺は少し遅れて戻る!

セツナも連れ帰らないといけないからな」

 

「分かった!」

 

リュートはセツナを横目に、

ルフィの状況を確認しようと目を向けた。

それが悪夢の始まりとは、

この場にいたリュートも、セツナも、

白ひげ海賊団も予想だにしなかっただろう。

そう、ルフィは今、

イワンコフの2度に渡る、

テンションホルモンの摂取により、

満身創痍と化していた。

 

「「ルフィ!」」

 

ルフィの目の前には赤犬が立っていた。

リュートとエースは、

ルフィのその姿を見て走り出した。

そしてエースの方が早くルフィの元へと、

たどり着いてしまった。

 

「海賊王ゴールド・ロジャー、革命家ドラゴン。

この二人の息子達が義兄弟とは恐れ入ったわい。

貴様らの血筋は既に大罪だ。

誰を取り逃がそうが、

貴様ら兄弟だけは絶対に逃がさん。

よう見ちょれ」

 

「待て!ルフィ!」

 

赤犬がマグマの拳を振り上げ、

ルフィに飛びかかる。

 

間に合うのはエース。

そしてリュートの嫌な予感が頭をよぎる。

 

「間に合え!」

 

「お前の相手は俺だ」

 

「!」スカッ

 

リュートがルフィの元に、

剃を使って移動しようとした瞬間、

青キジがリュートに襲いかかる。

リュートはそれを寸でで避ける。

この一瞬の出来事により、

リュートは気を逸らしてしまった。

リュートが急いで、

ルフィとエースのいる方を向いた瞬間、

ルフィの目の前で、

赤犬に貫かれたエースの姿があった。

まずそれを見た白ひげ海賊団が、

赤犬に突っ込んで行った。

だが、応戦するもダメージは入らない。

そこにリュートが赤犬に剃で近付き、

覇気で殴り飛ばしていた。

 

「あぁ、鬱陶しいのう!覇気使いか?

火拳のエースはもう手遅れじゃ、見てみぃ」

 

リュートが後ろを振り向くと、

ルフィにもたれ掛かるようエースが居た。

リュートは2人に剃で近づく。

 

「エース…なぁ、おい。

大丈夫だよな?

エース…急いで手当を」

 

「ごめんな…ルフィ…兄貴。

俺の、為に、あんなに、

無茶させちまったってのに、ちゃんと、

助けてもらえなくてよ…すまなかった…」

 

「何言ってんだよ?

馬鹿なこと言うな!

誰か!手当てを!エースを!

エースを助けてくれぇ!な!

誰か!エースを!なぁ!」

 

そこに白ひげ海賊団の船医が現れる。

 

「早く!エースを!」

 

「あぁ、傷を見せろ…!これは…」

 

「おい!どうしたんだよ?早く助けてくれよ」

 

「すまん…」

 

「どうゆう事だよ!何とかしてくれよ!

なぁ!おい!お前医者だろ!?」

 

「む、無駄だ…内臓を焼かれたんだ…。

も、もうダメだ…。

自分の、命の終わりくらいわかる…」

 

「そんなこと!…そうだ!イワちゃん。

なぁ、頼む!アレを打ってくれ!

俺にしたように、エースにも…頼む!頼むよ!」

 

ルフィは思い出したようにイワンコフに何度も頼む。

だが厳しい現実が待っていた。

 

「麦わらボーイ!エースボーイは…もう…」

 

「嘘だ…約束したじゃねぇかよォ…お前…!

絶対死なねぇって…言ったじゃねぇかよォ!

エース!」

 

エースとルフィのやり取りを見ていたリュートは、

何も言えなかった。

実の弟であるルフィを、

義弟であるエースが守った。

その事実だけがリュートの心に響いていた。

 

(二人とも守れなかったのは俺が弱いからだ…。

だがなんと言えばいい…。

俺は、兄貴として何もしてやれてない…)

 

「なぁ…俺は…生まれてきてよかったのかな…。

俺は…生きようとも思わなかった。

サボの件と、

兄貴やお前みてぇな世話のかかる義弟が居なきゃな…」

 

エースのその言葉にリュートは、

一瞬、ほんの一瞬だけな涙を流した。

弟達の前でかっこよくいようとした男が、泣いたのだ。

 

「そうだ…お前いつかダダンにあったら、

よろしく言っといてくれよ…。

なんだか死ぬとわかったら、

あんなやつでも懐かしい」

 

「だから!死ぬなって…!」

 

「心残りが、1つある…。

お前の夢の果てを、見れないことだ。

だけど、お前なら必ずやれる…。

俺達の弟だ…あの日…誓い合った時に、

俺の人生にゃ…悔いは、無い」

 

「嘘だ!嘘つけ!」

 

「嘘じゃねぇ…俺が本当に欲しかったものは、

どうやら名声じゃなかった見てぇだ…。

俺は、生まれてきてもよかったのか…。

欲しかったのは、その答えだ。

俺は…みんなに届くような声は出せねぇ…。

俺が、これから言うことを、後から皆に伝えてくれ…。

親父…皆…兄貴…そして、ルフィ…。

今日まで、こんなしょうもねぇ俺を、

鬼の血を引くこの俺を…。

愛してくれて、あ゙りがとう…!」

 

エースがその言葉を言い終わると、涙を流して倒れた。

その死に顔は、笑顔であった。

 

TO BE CONTEND

 




Mr.3活躍させれずすみません。
原作とは少し違う展開ですがご了承ください。

次回は…革命軍本部からスタートです…。

アルリエは仲間になるのか?恋人になるのか?予想みたいなものです。

  • 仲間になって、恋人にもなる。
  • 仲間になって、恋人にはならない。
  • 仲間にはならないが、恋人にはなる。
  • 仲間にならず、恋人にもならない。
  • 部下まで恋人に。

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