最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

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【あらすじ】

ワンフォーオールの器としてついに仕上がった緑谷出久は、オールマイトから個性を譲渡され、ワンフォーオールを手に入れた。
そしてとうとう受験日を迎えた緑谷と魔理沙は、トラブルもありつつ、何やかんや説明を受け、演習場へと向かった。

※現在、13話まで更新中。14話以降はリメイク前のストーリーなため、リメイク後と展開が異なる場合があります。ご注意ください。






雄英高校受験の日 後編(14話)

 

 

 

─────そして時は動きだす──────

 

 

「テメーらがコンティニューできないのさ!」

 

私はすぐさま、手元にある破壊の目をロボットのやつのみ握り潰した。直後、試験会場全域にいる全てのロボットが爆発を起こして砕け散った。あぁ、ちょっとスカッとする。例えるならプラスチックの定規をパキッと折る感覚や.....、いや違うな、打ち上げ花火を点火したときの感覚だな.....うんしっくりくる。

 

向こうにいる受験生全員ぽけーっとしてるな。「事故?」とか「ヴィランか?」なんて寝ぼけてるやついるけどいいや、私は私のやりたいことをやるだけだ。私の今のポイントはざっと141くらい。まだまだ稼ぐぜ。

 

ここの試験会場の中心から半径300メートルは神之怒の射程範囲内だから........、あれ? これじゃ暇ではないか。あっ、いやでも神之怒に貫かれたロボットの残骸が他の受験者に被害を与えてしまうかもしんないから、それを防ぐとしよう。救出(レスキュー)ポイントも稼げるから一石二鳥か。

 

とりあえず箒を取り出し、空中を翔ける。空を飛ぶのってほんと心地いいよね、たまに神之怒が目の前に現れるからビックリするけど。

 

「うわ! こっちに倒れてくんなぁぁああ!!」

 

さっそく見つけたぞ第一の犠牲者。安心するがいい、全力で助けてやるぜ! 盛大なマッチポンプだけどな!

 

取り出した物はなんと杖。ただし、ただの杖ではなく、長さ38センチメートル、杖の芯はセストラルの尻尾の毛でできており、杖そのものの素材、いわば木の種類はニワトコと呼ばれるものでできた杖。察しがいい人は気づいただろうか? これはハリーポッターシリーズに出てくる死の秘宝『ニワトコの杖』である。ハリーがバキバキに折って谷に捨てたものを魔法で修復し、無理やり所有者を私に変更させたのだ。ちなみに初使用である。

 

ウィンガーディアム・レビオーサ(浮遊せよ)!」

 

神之怒で関節を貫かれて今にも倒れそうだったロボットが、魔法によって空中に浮かせられている。潰されそうになった男の子は驚いて「ふぇ?」という間抜けな声をあげていた。あ、こいつズボン濡れてやがる。ナニモミテマセンヨー。

 

レダクト(粉々)

 

浮遊していたロボットは粉々に砕け散り、残ったのはサラサラの砂だけとなった。ほら、この砂で君の黄金水を拭き取るんだ。おっと、見ていないんだった。

 

「あっ、あっ、あっ.....」

 

どうやらまだ動揺してるらしいな。精神安定の魔法でもかけてあげたいけど、妨害行為と判断されるのも癪だしなぁ。とりあえず、放置しとくか。

 

「困った時はお互い様だぜ☆」

 

よし、綺麗にしまったから次のとこにいこう。

 

こうして着々と私は人を助けていったのだった。というのはただの肩書きでいろんな技を試してボコボコにしたかっただけだ。すでに神之怒に貫かれてるからボロボロなんだけどね。

 

セクタムセンプラ(切り裂け)!」

 

「黄金の回転!鉄球の無限回転エネルギー!!」

 

「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ! 踊れ踊れ踊れ、我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万物等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ! これが人類最大の威力の攻撃手段、これこそが究極の攻撃魔法、エクスプロージョン!」

 

「滲み出す混濁の紋章 不遜なる狂気の器 湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる爬行する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形 結合せよ 反発せよ 地に満ち己の無力を知れ!!

 

破道の九十 『黒棺』!!!!」

 

「解き放つ一条の光、聖木の弓幹。汝、弓の名手なり。狙撃せよ、妖精の射手。穿て、必中の矢!

 

アルクス・レイ!!!」

 

次々とロボを粉微塵どころか灰も残さずに消し飛ばしてきた結依魔理沙。モニターで覗き見している先生方もさぞ驚いているだろう。結依魔理沙のスペックは尋常ではなく、もし魔理沙がヴィラン側についていたら、二度と平和などこなかっただろう。属性魔法に干渉系能力、概念すらねじ曲げるこの女に天敵はいなかった。

 

ズドォォォオォオオン! キャーキャーワー ギャアアァァ コワイヨー

 

とうとう現れたようだな0ポイントヴィラン! 神之怒が何本か貫通してるけどデカすぎて効果がなさそうだ。ならば..........、

 

箒で真っ先に突っ込み、距離を詰める。相手は動きがトロくてパンチが全く届かない。箒を乗り捨てて、0ポイントヴィランの顔面まで一気に詰めた。ここからやることなんてたったひとつだけ。

 

「ワンフォーオール50%+α! デトロイトスマッシュ!!」

 

ワンフォーオールとその他の火力増強スキルを盛りに盛って放った渾身の一撃。その威力はオールマイトに負けず劣らずの威力であった。

 

0ポイントの大型ヴィランロボットは顔面の消滅によって体勢を崩し、そのまま地面にひれ伏せた。ここの試験会場全ての受験生がたった一人の女の子に注目する。あの巨大なヴィランをパンチひとつで吹き飛ばし、悠然と空の高みに存在している女の子。逆光のせいか顔が暗くて見えないが、あれは正しく力の権化であった。そして、あまりの格の違い、いや、次元の違いに受験生達は身動きをとれずにいた。

 

「あの女の子はいったいなんなんだ.....。」

 

この言葉を最後に、実技試験は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___________________

 

 

 

あれから何日かたった。今思い返すと、やりすぎたかなと反省はしてる。だって現れる仮想ヴィランを私が全てなぎ倒したせいで私以外誰もポイントを得られなかったのだ。つまり、独占。ポイント稼ぎに独占禁止法がないことを祈る。

 

「魔理沙、受験どうだったの?」

 

「余裕のよっちゃんだぜ母さん。この魔理沙さんに不可能なんて文字はないんだよ」

 

「また人様に迷惑をかけてないでしょうね? わかってんでしょうね魔理沙?」

 

あ、うん。ある意味迷惑なことしたかもしれん。

 

「ハッハッハ、もちろんさ〜」

 

とっさに嘘をついた私はそそくさと自室に篭もり、とある手紙を開こうとした。それはもちろん雄英からの合格通知だ。確か立体映像になっていたはず.....。うん、記憶がだんだん無くなっていくからわからん! だって前世だし!

 

手紙を開けると、中から丸っこい機械が入っていた。そっととりだして机に置くと、立体映像........ではなく普通の映像が空中に映し出された。

 

「HAHAHA、久しぶりだね結依少女!」

 

わぉ、お久しぶりですねオールマイト。

 

「私がなぜここにいるかというと.....、それは雄英高校の教師になることになったからだ! HAHAHA!」

 

ごめん、知ってた。

 

「あんまり驚いてなさそうだね。ま、そーんーなーこーとーよーりー! まずは筆記試験!」

 

あぁ、あれか。うん、何も聞きたくない。

 

「合格だ結依少女! ただ、国語が足を引っ張ってしまったようだね。君は理系タイプということかな!」

 

ふぇい。

 

「次に実技試験についてだが、実は隠し要素があってね。救出ポイントと呼ばれ、誰かを助けることで手に入れることができるポイントさ! しかも審査制! 君の合計ポイントは敵ポイント398P、救出ポイント29ポイント、合計427ポイント。ぶっちぎりで君がナンバーワンだ! おめでとう! しかも雄英高校の過去最高得点すら大幅に差を広げてニューレコード! 君の今後の将来が楽しみだよホント!」

 

確か爆豪で100なんぼだからな、頑張ったぜ私。

 

「来いよ結依少女、ここが君の、ヒーローアカデミアだ!」

 

そう、ここからが本番ということだ。やっと雄英高校入学まで時が過ぎた。長かった、長かったよォ.....。これから起きるハチャメチャなイベントも全て乗り越え、私がこの雄英高校の頂点に君臨するのだ! ハッハッハッハッハッハー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女の高笑いが部屋中に響き渡り、母の怒り混じりの声が聞こえた。

 

「静かにしなさい!! 韓国ドラマが聞こえないじゃない!」

 

「ごっ、ごめんなさ〜〜い!!!!」

 

おのれ、韓国。

 

 

 






やっと雄英高校だ!

いろいろ紹介

黄金の回転:ツェペリ一族の鉄球の技術と馬の力によって放たれる黄金回転。無限に回り続け、重力すら支配し、次元を超えるという恐ろしさ。作品はジョジョの奇妙な冒険第7部。

破道の九十 黒棺:死神の使える魔法みたいなもの『鬼道』のうちの攻撃系である破道のひとつ。完全詠唱をすれば時空すら歪むほどの重力が発生する。作品はBLEACH

アルクス・レイ:発動直後に自動追尾するめちゃ早い光線みたいな魔法。作品はダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

うふふふ。


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