最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

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ちょっと長くなってしまった。








第四章:雄英高校入学編
オーバースペック(15話)


 

 

 

清々しい朝の目覚めだ。いつもなら8時20分くらいに目覚める私だが今日は7時ぴったしに起きることができた。やんわりとした暖かい空気が私の体を包んでいるはずなのだが、熱変動耐性を獲得しているため何も感じない。能力をオフにしとけばよかった。あらゆる能力をパクリまくった私は食事や睡眠などは本来必要は無い。しかし前世の癖というかなんというか、自分にとっては無駄だとしても、やらなきゃ本当に人間としての感覚を失うかもしれない。私は前世の感覚をなによりも尊重したいと思うのさ。思いやりとか、愛情とかね。

 

これでシリアスっぽい展開にできただろうか。いや、これはただの情景描写か。もういいや、前回の出来事を簡単におさらいしようか。雄英高校受験に向けて行った緑谷くん魔改造計画『緑谷くんのドキドキ大冒険』がついに完結し、準備万端の状態でいざ受験! 緑谷くんがどうなったかは私は知らないが、私の方は実技試験で暴れまくった結果、敵ポイントと救出ポイントの合計がなんと427。雄英高校過去最高記録を大幅に更新したのであった。言うまでもなく、ぶっちぎり合格。めでたしめでたし。

 

記憶も戻ったし、朝飯を食べようではないか。

 

「かぁぁあさあぁぁん。腹減ったぁ!」

 

「随分と早起きじゃない? 今日は嵐がくるわね。」

 

「ほんとにきたら吹き飛ばせるから安心してね母さん!」

 

「冗談もほどほどにしないと4の字固めするわよ........なんてね。ほら、朝ごはん出来たわよ」

 

おぉ、今日はフレンチトーストじゃあないか。甘いもの好きの私にとっては至福の料理だ。まいう。

 

「ほんとすぐ食べ終わるよね。太るわよ?」

 

「そしたら個性『ボンキュッボン』みたいなのを手に入れてくるわ。」

 

「なにそれ、母さんすごくほしい」

 

安心するんだ、母さんは一般的に見て普通だよ。フッ。

 

こんなたわいのない家族の温もりは私の心を癒してくれる。いいよね、こういう感じ。嫌いじゃないわ! はぁ、準備も終わってるから行くとしますか。

 

「支度もおわってるからいってくるね」

 

「まだ7時5分じゃない。瞬間移動できるんだからそんなに急ぐ必要は..........、もういないし。」

 

春の新風がカーテンを揺らす........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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なぜ早く家を出たか教えてあげよう。それはドッキリを仕掛けるためだ。お題は『同じ朝を繰り返しているッ! それが運命というものなのだ』だ。内容はまず、BITE THE DUST (負けて死ね)という能力を使う予定だったんだが、条件がけっこう厳しいので別の作戦でいくぞぉ。まず、緑谷くん.....、おっと被験者の名前を言ってしまったじゃあないか。被験者Mさんが学校の目の前まで登校してきたら、私以外の時間を被験者が外に出る時間まで巻き戻す。被験者の記憶は固定しておけば無くならずに済むから後は繰り返し.....。1回やってみたかったんだよねこれ。反応が楽しみだぜ。

 

「見つけた」

 

へ? 誰が? 何を?

 

直後、黄金の巨大な掌が私の真横を掠めていった。これは、こいつは、まさかまさかの.....、

 

「何しにきやがったコード000。10年間何してたんかしらんけど、もう負けねーからな」

 

10年前くらいに私を襲ってきた自己進化型人工知能『NOUME』コード000。原作の脳無とは全く似てなく、容姿は白髪でゴールドアイで軍服っぽいのきている男の子.....、ん? いや、女の子.....? オカマか? なんでこんな艦コレみたいな姿なんだろうか。もし、あの時の事件がなかったら妹にしたいレベルの可愛さだ。自己進化型ってそういう意味なのか.....?

 

「マスターが僕を改良して、より柔軟な思考を持てるようにしたんだ。体は察しろ」

 

心読まれたあげく流暢に喋りやがった。前はもっと機械っぽい感じだったくせに。というかこいつ作ったやつはいい趣味してる。絶対男の娘好きだ、同士だ、仲間だ、私は確信したぞ。

 

「はいはい、わかったよ。で? 何しに来たのさ。まさかまた暴れるつもりか? 私はお前のせいで執行猶予かけられているんだから、暴れるつもりなら空中でやるからな。」

 

コード000は表情一つ変えずに言葉を返した。

 

「僕は君を拘束しろとマスターに言われた。だから拘束する。あと、君の都合に合わせるほどの器を持ちあわせてはいない。」

 

「へぇ、ついに誘拐に手を出すんだね君のマスター。こんないたいけな少女を拉致るなんてどこのエロゲーかな? えっちぃのは嫌いです。」

 

「マスターを侮辱するな、そして死ね。コード000戦闘モードに移行。」

 

シネッテイワレタヨ...、エエ?

 

またあの時のように戦うことになった私はコード000を警戒した。というかボクっ娘銀髪軍服主従関係持ちの能力観音様とかどんな属性だよ。何一つシンクロしてないよ! なんてツッコミを入れている暇などなくあいつは一直線に近づいてきた。

 

完全不可知化(パーフェクト・アンノウアブル)、重力操作、能力向上、筋肉増強、ワンフォーオール50%、衝撃波吸収強化、亜光速化!」

 

淡々と能力を発動し、迎え撃つ。朝起きたばかりだから元気が出ないが、やらなければならない。こいつの個性は『ヴィジョーカー』、超質量のロボット兵器をだす能力だと考えると、本人そのものが強くなる個性ではない。近距離で1発ノックダウンが好ましいかな。

 

距離が縮まり、攻撃の届く範囲に入った瞬間、私は亜光速でコード000に拳を叩き込んだ。はずだったのだが、()()()()()()()()。おかしい、他の人は私と違って個性は1つしかもてないはず。避けた? 亜光速を越える速度の攻撃を避けるには光速で避けなければならぬ。しかし、ほんとにそうなら街は余波で吹き飛んでいるだろう。というか人工知能が光速で動くことがおかしい。

 

「先入観で物事を決めると寿命縮めますよ」

 

私の背後には消えたはずのコード000が金色の拳を構えて待っていた。え? なんで? ちょっとま、

 

ドゴンッと鈍い音を立てて私は空の彼方へ吹き飛ばされた。摩擦無効によって空気抵抗なく吹っ飛ぶから速すぎる。あかん、間違えたかもしれない。つか消えるなんておかしい、なにか秘密があるはず! あいつ、さっき先入観に囚われるな的なこと言っていたな。ということは、まさか個性2つ持ちか!? あっ、

 

景色を見渡すとあら不思議、おそらが真っ黒になっていますわ。眼科には青い球体がゆっくりと回っていて、それで、その、うん、帰りたい。これ以上ここにいると某究極生物のように体の内部から凍りついて宇宙空間を永遠と彷徨うことになる。まぁ、ならないけどね。

 

まだ授業は始まらないはず、あいつを取っ払う方法を考えなければ。下手に能力使ったらマスターやらに情報が漏れるかもしれない。というかあいつロボットみたいなものだから殺してもいいのだろうか。しかし、前世の私が二次嫁を殺すなと訴えかけている、うーむどうしたものか。

 

「生存確認、始末します。」

 

「原点回帰!?」

 

いつの間にか背後にまわっていたコード000がかかと落としを仕掛けていた、だがそれを上手くキャッチ。ふふ、二度目はないぜ。相手の足を捻りつつ背後にまわり、相手の腹のあたりを腕ごとがっちりホールド。

 

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!」

 

お前は本当にロボットなのか? それともただのコスプレイヤーか? だんだん怪しくなってきたんだけど。だが、そんなことは無視! この体勢と高さなら決められる! いける! やれる! くたばれぇぇぇええ!

 

「ジャーマンスープレックスゥゥウウウウウ!!」

 

説明しよう! ジャーマンスープレックスとは!? 相手の背後から両腕を回して腰をクラッチし、そのまま相手の後方へと反り投げ、ブリッジした状態でフォールを奪う投げ技(wiki調べ)! 日本では原爆固めと呼ばれ(wiki調べ)、アントニオ猪木も使ってた技らしい(wiki調べ)。ようするにめっちゃ強いということだ。

 

これを大気圏外から地面に向かっておもいッきり叩きのめせば、確実にやれる! 自分も大怪我するが、超速再生とベホマがあれば復活可能! この勝負はもらったああああ!

 

まて、重要なことを忘れていた。こんなことしたら街にクレーターができるのは目に見えることではないか。じゃあどうしよう。もう止められないんだけど。あっ、いや、衝撃波吸収強化が発動しているんだった。ならばよし。

 

そんなこんなしているときにはすでに大気圏を突破、地面衝突まで後5秒もかからん! よし、このままいけ! ん? あれ? アイツがいない。なぜ? このままじゃ一人で地面とキスを...

 

ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ !!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なーんてことにはならず、時間停止でかるく回避&着地。しかし、あいつがなぜ急に消えたのかがなんとなーくわかってきたぞ。少なくとも地球、いや地面と関わりがなきゃ使えない能力なんだろう。そうじゃなきゃジャーマンスープレックスなんて物理攻撃が当たるなんてことはない。地面にあって、空中に無いもの.....。ピンとこないな。

 

「あなたの考えていることは全て想定済みです。」

 

え? いみわからゴグハァ!!??

 

いつの間にか殴られていた。何処から殴られたかよくわからない。こんどは姿が見えなかった、隠れて攻撃? 空間の隙間からか? 影の中? 異次元? 時間差攻撃? 私のアニメ漫画ゲームの能力の知識をフルに活用させるが情報が足りなさ過ぎてわからん。一番濃いのは影の中、空中で使えないという点に関しては一致する。つか早くしなきゃ個性把握テストの分が書けなくなる! まてまてまて落ちつくんだ私。冷静になれ、COOLになれ。

 

また見えないところから殴られた私。暴力反対。思考加速1万倍で作戦をひとつ考えたぞ。それは!

 

「捕まえてみやがれ!」

 

作戦名『肉を切らせて骨を断つ』だ。アイツの目的は私の身柄拘束。ならば、いずれは私を拘束するために姿を現すはずだ。よって何もしない、これが私のスペシャル攻撃だ。

 

「そんなあからさまな罠にはのりません」

 

ですよねゲボハァレグハ!!!

 

モロに極太光線をくらった私は吹き飛ばされはしなかったが、周りに被害が入ってしまった。私の姿は他の人には見えてないから、普通の人から見ればただの一人芝居だろう。だからまぁ大丈夫なのだが、問題はそこじゃない。街に被害が出るイコール住民が通報するイコール警察が来る。そんなのお断りだ、社会的に死にたくないから早く謎を解こう。謎、謎? 前回と違う点を探すのはどうだろう。顔、口調、新しい能力、消える、ん.....? 顔、口調、新しい能力? これってまさか。

 

索敵魔法最強化(マキシマイズサーチエネミーマジック)『魔力感知』」

 

相手の気配を感じとれる魔力感知を最大限引き出し、相手の位置を知る能力。別世界に移動さえしていなければ、空間の隙間だろうが影の中だろうがばっちし見えるのだ。あと索敵魔法最強化(マキシマイズサーチエネミーマジック)は私が少し改造したオリジナル魔法。私の予想があっているならば、答えが見えてくるはず。

 

魔理沙が見たものは、さっきの極太光線が発射された位置からやや右の位置で、別空間を移動していると思われる()()()()()()。そして、約200メートル先の大きなマンションの上にもうひとつ、人影が見えた。

 

そう、二人いたのだ。さっきまで戦ってたのはコード000じゃない別の誰かで、本物はビルの上で高みの見物といったところか。多分、空中で能力を使わなかったり、ちょくちょく原点回帰していたのは私の思考を誘導させるためのフェイク。てっきりまたタイマンで戦うと思い込んでいたのが間違っていたんだ。アイツら、ガチだ。

 

だかしかし! 種がわかれば怖くない! 別空間から片方を引きずり落とし、もう片方にぶん投げてやる。いや、それじゃ安直すぎるから二人とも別世界に放り投げてやる。これなら二度と帰って来れまい。 私は決めたことを実行するタイプだからな!! 覚悟しとけごらぁ!

 

「お前らの種はもうみきった。こっからは私のターンだ!」

 

ドロー! モンスターカード! とはやらんが、まずは引きずり出すこと! 相手はどうやら悟ったのか私を警戒しつつ隙を狙おうとしている。ふっふっふ、あらゆる能力をもった私に駆け引きなど通用しない!

 

「『距離を操る程度の能力』」

 

これによって相手と自分の距離を無くし、捕まえる。

 

「なっ!?」

 

ktkr(きたこれ)、いやぁ散々手間かけさせやがってコノヤロウ。これ以上、原作を壊すんじゃあない!

 

「ご機嫌麗しゅうコード000もどきぃ。随分とせこいまねをしやがったな?」

 

「私の名はコード004だ。覚えとけボサボサババア」

 

うっ、傷ついたぞ。可愛い見た目して毒吐きやがったちくしょう! 私だって.....、私だって元男だけど今は乙女なんだよ! 子安ヴォイスで脅してやる。

 

「ほぉ、いい度胸だなお前。私はまだ16歳だスカポンタン。ムカつくお前には冥土の土産として二つの選択肢をやる。正直に素直に誠実に答えろよ艦コレ太郎。まずはひとつめッ...!? 仏の顔が迫ってるから早めに言うぞ。一つめは自分を差し出すかわりにお前の仲間を見逃すぅ、二つ目は仲間を差し出すかわりにおまえを見逃すぅ、選べ。」

 

ちょくちょく出てくる黄金の拳を避けつつ、返事を待った。

 

「三つ目の、あなたを拘束してズタズタにするを加えなさい」

 

死刑だ。もうこれ確定イベントに変わったかんな。私は獲物を嬲るような声で言葉を返す。

 

「却下だ。というか今日は忙しいから二人とも始末させてもらうぞ。お前は踏み外した」

 

右手にエネルギーを集中し、相手の身体を切断するがごとく手を振り下ろした。強大なオーラが、一人の少女に降り注ぐ。

 

「ごめん悪かった、なんでもしm」

 

「超亜空切断」

 

空間の切れ目が、まるで底なし沼のようなドス黒い穴に変化し、コード004は吸い込まれるように落ちていった。「最後まで喋らせろぉおおおお!!」なーんて断末魔が聞こえたけど後は野となれ山となれ。残る宿敵を倒して万事解決だ。容赦はしない。

 

だが振り返ってみると、マンションの上にはだれもいなかった。どうやら逃げられたようだ。やれやれとため息を吐きつつ、私はちまちまと街の損傷した部分を直していった。清々しい日は、ろくなことがないよ。デジャブだよ。

 

時間を確認すると、まだ7時12分であった。よかった、セーフ。まだ学校に十分間に合うぞ! 証拠も隠滅しといたし、これでやっと終わりじゃあああ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、結依魔理沙に襲いかかる事件はまだまだ続くのであった。





あれ、まだ登校してねぇ.....。なんてこった/(^o^)\ぱんなこった\(^o^)/

いろいろ紹介

個性『ボンキュッボン』:峰不二子になれちゃう個性。

BITE THE DUST :スタンド使いの吉良吉影のもつ能力。発動条件が厳しいけど、ハメれば確実に勝てる能力。

完全不可知化:姿、音、気配までも消せる魔法。本当は相手を攻撃すると魔法が解けるのだが、改良したということで.....(ご都合主義)。

衝撃波吸収強化:自分から発生した衝撃波(余波)を吸収し、それを利用し瞬発力や攻撃速度を強化する能力。オリジナル個性である。

亜光速化:一回だけ光速の99.99%で動くことができる。体力を消費するため、連発はしない。またオリジナル。

ベホマ:全回復するドラクエの魔法。そのぶん魔力は消費する。

コード004:コード000といっしょに任務を受けた自己進化型人工知能(オリキャラ)。能力は複数持っていてるが、4個か5個が限界で主人公には遠く及ばない。ちなみにコード000も004も半分はロボットで半分は人間である。なぜに.....。







そういえばコード004さん、隠れられるならなぜ最初、姿を現したのだろうか。不意打ちしたほうがよかったのでは? そこんとこどうなんですか。

コード004「万が一のため戦闘データだけでも収集するためです。」

ほぉんとに?

コード004「ほんとです」




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