最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

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※なんやかんやあって、魔理沙の個性はオカ研(‪✝︎黒の使徒‪✝︎)メンバーにバレました。




第三章EX:番外編
EX:オカ研の受験対策with魔理沙


 

 

【雄英高校受験の3ヶ月前】

 

 緑谷出久の特別訓練が進む中、結依魔理沙も受験勉強対策を行っていた。

 

「……時間がぁあぁあ……!」

 

 放課後、魔理沙はオカルト研究会(別名:‪✝︎黒の使徒‪✝︎)の部室で雄英高校の過去問を一切能力を使わずに解いていた。しかし難問部分で無駄に時間を消費し、それを解いてから次の問題に移行した際にはほとんど時間が残っていないことが多々起きていた。

 

 普通は解けない問題は後回しにし、解ける問題から順々に解いていくのが常套手段。しかし魔理沙は意固地な性格であるため、頭では分かっていつつもついムキになってしまう。

 

「……これでもし筆記試験で落ちたら緑谷くんと爆豪に顔向け出来ねぇ……!」

 

 魔理沙は頭を抱えながら地面に突っ伏した。勉強を初めてからそこそこ時間が経っていたので、一旦休憩するのも悪くない。とりあえず今は何も考えずに寝よう。

 

 魔理沙は目を閉じ、久しぶりに夢でも見ようと能力を発動させようとしたが、途中で雑念が入り交じってしまった。

 

 その結果、魔理沙は"過去の記憶を追体験する能力"を発動してしまった。

 

(『決着は雄英高校で着けよう、爆豪』)

 

(『緑谷くんを雄英高校に合格させるために、私が直々に教えてあげよう』)

 

「うわァ急に思い出すんじゃあない!!」

 

「うるさいぞ魔理沙」

 

 過去の記憶にうなされていると、副会長こと虎馬傷精から注意を受けた。申し訳ないと思いつつ傷精の方に目を向けると、

 傷精はのんびり寛ぎながらゲームをしていた。

 

「……お前、今何シーズンか知ってる?」

 

「受験だろ。んなもん分かってるよ」

 

「じゃあ私みたいにちょっとくらい勉強しろや」

 

「勉強しなくても既に合格してるんだなぁ……」

 

 そう言うと傷精はスマホを取り出し、志望高校の合格通知電子証明書を示した。

 

「クッ、羨ましい! こちとら合格するかしないかの瀬戸際だというのに……!」

 

「いや、いくら雄英とはいえ魔理沙は合格出来るだろ。個性使えば……」

 

 そう言いかけた瞬間、魔理沙が「チッチッチッ……」と人差し指を振る。

 

「いいか傷精、こういう大事な場面で安易に能力に頼るといざって時に上手くいかなくなるんだ。私は知ってる」

 

「魔理沙……お前、ホント勿体ないな」

 

 その気になれば合格はおろか人類の頂点に立つことさえ可能だというのに、何故魔理沙は自ら縛りを設けて奮闘するのか、傷精は理解できなかった。

 

「ケヒヒ……だからこそだ傷精。魔理沙はこういう性格だからこそ、世界との共存が成り立っている。魔理沙はこのままで良い」

 

「会長……!」

 

「ケヒヒ……、ところで魔理沙、この問題の答え分かるか?」

 

「ん、見してみ」

 

 会長から問題集を受け取った魔理沙はしばらく考えた後、会長に解答に至るまでの道程を順序よく伝えた。

 

「……おぉ! 解けた! 助かったぞ魔理沙」

 

 会長は感謝を述べた。

 

「会長も雄英志望だしな。互いに協力すればダブル合格間違いなしだ」

 

「ケヒヒ……! この学校初の雄英ダブル合格がこの‪✝︎黒の使徒‪✝︎から出たとなれば、組織の評判も上がって予算大幅アップだ……!」

 

「その時にはいないけどね」

 

「ケヒヒ……! 良いんだ。増えた予算は後輩と新入生たちに任せる。老兵は死して去るのみよ……」

 

「後輩もいないし、今年も新入生誰一人として来なかったから、後に残るのは老人の死骸だけだよ」

 

「……、スゥーッ」

 

 掘り返された現実に耐えきれず、会長は床に倒れた。

 

「おい魔理沙、今ので空気悪くなった。何か換気する能力使ってくれ」

 

「そんな能力無い」

 

「いいから探してみ。どうせあるから」

 

 傷精に催促され、渋々頭の中を探る魔理沙。

 

「……あったわ」

 

 魔理沙は半分ニヤニヤしながら指パッチンでプランクブレーンを開口させ、中から()()()()を取り出した。

 

 その剣はあまりにも細く、また、その剣はモチモチとした物体を4つも串刺しにしていた。

 

「……何それ、団子?」

 

「正解」

 

 そう言うと魔理沙は席を立ち上がり、剣を振り回しながら謎のダンスを踊り始めた。

 

「魔理沙どうした!?」

 

「■■■■■■まいざむらいの〜♪」

 

「おだんごだんだんだだんだだーん」

 

「魔理沙!? 何!? 怖い! 怖いって!!」

 

 無表情で体をくねくねと動かす魔理沙に恐怖を覚えた傷精。しかし魔理沙は止まらない。誰に無茶ぶりを振ったか後悔させる勢いで魔理沙は団子剣に膨大なエネルギーを凝縮し、そのまま天に掲げた。

 

 魔理沙が(つるぎ)を掲げた瞬間、英雄王を彷彿とさせる凄まじい闘気が放出される。これから街一つを軽く吹き飛ばしそうな雰囲気に全員が唖然とした表情で魔理沙を見つめた。

 

 魔理沙はすかさず詠唱する。

 

「 ──────束ねるは星の息吹、輝ける命の奔流、受けるがいい! 『約束された勝利の団子剣(エクス・ダンプリングカリバー)』ァァァアアアアッッ!!」

 

 魔理沙バフを受けた団子剣もといエクス・ダンプリングカリバーが傷精の口内に勢いよくぶち込まれ、全身の穴という穴から光が漏れだした。

 

「ォア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!!!!!」

 

 噛み締めれば噛み締めるほど目や鼻の穴から七色の光が放出されるという訳の分からない力と、美味しいという概念を根底から崩壊させかねない壊滅的な味に翻弄され、傷精は力尽きた。

 

「どう、美味しい?」

 

「魔理沙、火力と美味しさは比例するものではないぞ」

 

「……おかしいな。ゲームならやれ防御力を攻撃力に変換するだの、HPの値を参照して火力が上昇するだの、攻撃力に応じて回復量が上昇するだの、色々あるのに」

 

「じゃあもう少し火力を上げた方が良いんじゃないか?」

 

「だね」

 

 二人は受験勉強そっちのけでいかにして美味い団子が作れるか、傷精(被験者)を使って実験を行った。火力さえあれば良いと信じきった二人は校舎が壊れない程度の威力を団子に込め、口内に傷がつかぬよう結界を張りながら何度も『約束された勝利の団子剣(エクス・ダンプリングカリバー)』を叩き込んだ。

 

 だがどんなに火力を上げても美味しくならなかったため、この実験は中止となった。とはいえ何度もエクスカリバーをブッパなしたことで気分が晴れた二人は、気持ちよく受験勉強を再開した。

 

 傷精を除いて。

 

 

【完】

 

 






【解説】

●必笑! 団子剣
→『ぜんまいざむらい』の主人公、『善之助』がもつ剣。剣に突き刺さった美味しい団子を食べさせることで相手の心を豊かにし、改心させる。

心が汚いと団子が不味くなるらしい。
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