最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE: 作:マスターチュロス
【あらすじ】
魔理沙、雄英高校入学試験でブッチギリの成績を残し、無事合格。緑谷くんも難無く合格した。
オーバースペック(15話)
【AM.7:00】
ピピピピ! ピピピピ! ピピピピ!
「シャオラァア!!!」
某火文明最強ドラグナーと同じ叫び声をあげながら布団を蹴り飛ばした魔理沙。3月中であれば12時までガッツリ寝るつもりであったが、時は既に4月。長い春休みが終わり、新学期が幕を開ける。
魔理沙は天に拳を掲げ、喜びをかみしめた。
ようやく、ようやく原作に追いついた。とは言ってもまだ序の口だが、私のヒーローアカデミアがやっと始まるのだ。嬉しい。
「おはy」
魔理沙が階段を降りようとした瞬間、猛烈な勢いで足を踏み外し、グラりと体勢が崩れる。
そのまま転げ落ちるかと思いきや、魔理沙は球状の物理障壁を反射的に纏い、地面と接触せずに1階に到達し、勢いよく壁を破壊しながらテーブルもろとも消し飛ばした。
「……セーフ!」
「そんなわけないでしょうが!!!!」
朝飯の準備をしていた母親から怒りのチョップをくらった。
「痛いよ!」
「アメリカ最強ヒーローのパンチくらって平気な顔してた子が私のパンチで痛がるわけないでしょ!」
「うん」
「ホント……、この子は……!」
怒り気味の母を横目に魔理沙は破壊した壁とテーブルを時間操作で再生し、はじけ飛んだ料理も元に戻した。なお、自分の分の料理は直接体内にワープさせ、一瞬でエネルギーに変換した。
「ほんとすぐ食べ終わるよね。太るわよ?」
「そしたら個性『ボンキュッボン』みたいなのを手に入れてくるわ」
「なにそれ、母さんすごくほしい」
母からの期待の眼差しを背に、荷物をすべて座標移動で取り寄せ、出発の準備を整えた。
「じゃ、いってきまーす」
「まだ7時5分じゃない。瞬間移動できるんだからそんなに急ぐ必要は……もういないし」
あまりにも爆速過ぎる娘に頭を抱える母。「いってらっしゃい」すら言わせてくれないとは、あまりにもせっかち過ぎる。
(あんなにはしゃいじゃって……)
昔からどこか達観とした部分があった魔理沙だが、雄英に合格した時だけは少し嬉しそうに報告していた。今日に至っては早起きまでして、相当楽しみだったことが伺える。
(……頑張ってね! 魔理沙!)
母は心の中で娘を応援した後、寝起きのパパと共に朝食を食べ始めた。
■
(絶対緑谷くんにドッキリをしかけるぞォォォォ!!)
魔理沙は目を血走らせながら、おおよそ300km以上離れた雄英高校に向かって全力疾走していた。
なぜこんなにも早く家を出たか、それは昨日の夜、お布団の中でふと思いついたドッキリを実行するためである。お題は『
あとは無限に繰り返される朝にうなされ、素っ頓狂な事を言い出す緑谷くんを遠目に見ながら、お紅茶をおシバキ倒すだけ。う〜ん、愉悦。
「見つけた」
走っている途中で不思議と聞き覚えのある声が聞こえ、魔理沙の関心が傾いた。方角的にちょうど真上あたりから聞こえたが、日本において空を飛べる人間の数はかなり限られている。その上私の移動速度について来るということは……
「ホークスかn」
突如、黄金の巨大な掌が私の頬を掠め、爆風が魔理沙を襲った。だが、体幹も化け物である魔理沙は微塵も吹き飛ぶことなく、目の前に落ちた拳から距離を取り、そっと上を見上げた。
「……何だお前か。10年前の傷治った?」
金色の拳の上に立っていたのは、10年前に襲ってきた自己進化型人工知能『NOUME』コード000。原作の脳無とは似ても似つかず、容姿は白髪ゴールドアイで軍服のような格好をしている。性別は女の子……に見えるが男の子にも見える。あと意外に小さい。
「これはマスターの趣味です。口出ししないでください」
心を読まれた上に流暢に喋り始めたコード000。どうやら本当に改良されたらしい。頭も個性も。
((やはり貧乳はステータスか……希少価値だ))
「……ちょっと、何を言っているのか分かりません」
コード000は初めて困惑した表情を見せた。
「……で、今日は何」
「マスターの命令により貴方の身柄を確保することにしました。投降することをオススメします」
「出来るわけないだろ()」
反射的に言葉が飛び出してしまった魔理沙。自分の力の絶大さは、自分の想像よりも遥かに上であることを理解している。
「私たちnoumuに出来る出来ないは関係ありません。与えられた命令を遂行するのみ」
コード000の瞳が緋色に輝き、そして2つの亜空間から金色の拳が姿を現した。
「ひれ伏しなs」
その瞬間、魔理沙の亜光速ラリアットが、読心能力と高速演算による未来予測で攻撃が来る直前にワープ回避を行ったコード000の行動を完全に読み切って回避先に回り込んだ魔理沙から直撃をもらい、コード000が地平線の彼方まで消し飛ばされた。
「……」
魔理沙は手に着いた埃を取り払い、地面にゆっくりと着地した。
「甘イ」
魔理沙の真上に展開されたワープホールから黄金の拳と共に出現し、叩き潰そうとしたコード000。それに対してバックジャンプで回避した魔理沙だったが、拳を叩き込まれた地面が破裂し、衝撃によって隆起した地面が魔理沙の左腕に突き刺さった。
「……当たったよな?」
「当たってませんよ」
ヒット確認を容赦なく無視したコード000は続けざまに拳を魔理沙に振りかざす。自分の身長よりも遥かに大きい拳を前にして、魔理沙は淡々と流れ出た血液を操作し、爆裂魔法陣を形成する。
「
突き刺さった地面を起点に爆裂魔法を発動し、拳の起動を逸らす。本来なら爆裂魔法一つで数十トンクラスの拳を弾くことは出来ないが、まだ拳に速度が乗っていなかったことと、過剰魔力で強化したおかげで上手く弾くことが出来た。
境界操作によって無数の粒に変換し、視界全てを削り取る防御貫通型散弾と化した
無敵回避でも持っていない限り避けられないこの状況に、魔理沙は余裕の笑みを浮かべる。だが、コード000はワープホールを介すことなくワープし、放たれた
(マジかよ!?)
普段の回避と全く異なる手法に狂わされ、その隙に膝蹴りとゼロ距離砲塔レーザーによる追撃をくらう魔理沙。しかし崩れた体勢は並外れた身体能力で立て直し、負った傷は超速再生で回復、即座に復帰した魔理沙はフルスピードでコード000に突撃し、
「おまえには死んだことを後悔する時間すらも、与えんッ!!」
魔理沙が独特なポージングでコード000に向かって指をさした。すると、魔理沙の背後からジョジョシリーズの歴代ラスボスたちのスタンドが次々と出現し、消し飛ばした時の中で暴力的なまでのラッシュと、爆破と、逆転と、消滅を叩き込む。
「」
流石のコード000も時間跳躍に対してはどうしようもなく、蓄積された無数のダメージによって跡形もなく爆発四散した。
「……身の危険を感じたからつい本気でやったけど、流石にね?」
ワンチャン反撃が来ることを想定した魔理沙だったが、未来予測においても特に何も無かったため、警戒を解く。
「後は"種明かし"か」
魔理沙はプランクブレーンからゲイボルグを取り出し、キラークイーンで爆破を付与しつつ因果を確定した後に振り向き、ぶん投げた。
放たれたゲイボルグは勢いよく上昇し、遥か上空に到達した後、標的に目掛けて急降下し始める。
最高速に到達したゲイボルグはここから約4km先のビルの屋上で撤収しようとしていた女の子の急所に勢いよく突き刺さり、そして大爆発。これにより全ての敵対者が完全に消滅した。
「……まったく、転移系能力者は本当に厄介で困る」
後片付けも完了した魔理沙は、壊れた地面や壁を能力で修復し、怪我人が居ないことを確認した後、4km先のビルも千里眼でチェック。壊れていた最上階のガラス窓や焼け跡も修復し、ひと段落ついた。
「……行くか」
現在の時刻、午前7時21分。早めに出ていたおかげで遅刻せずに済みそうだ。
本当は緑谷くんにちょっかいをかけたかったが、先程のこともあってやる気が出ない。今日は大人しく登校しよう。
「……とりあえず米良さんには連絡しておこ……」
魔理沙は携帯で上司の中の上司に連絡を取りながら、学校へと向かっていった。
【追記】
屋上で爆破された女の子は、コード000の姉妹機であるコード004。個性『座標移動』。自分以外の特定の生物を半径2km以内の好きな場所に座標移動させる能力。ただし、自身と移動対象者が離れすぎると能力が不発する。
コード000とコード004はクラウド上でデータを共有しており、コード000から送られた未来予測の結果をコード004が受け取り、それに対応して個性を発動していた。しかし、破壊された“結果”が先に到達するキング・クリムゾンに対しては対処できず、さらに確定必中のゲイボルグに対してもどうしようもなかったため、爆散した。
【紹介】
●境界操作
→東方projectのキャラクター、「八雲紫」の能力。またの名をスキマ妖怪。基本的には空間と空間の間にスキマをつくって移動するのが主な使い方だが、本質としては2つの対となる概念の境界を操作すること。
●
→オーバーロードに登場する魔法。その中でも最上級のランクに位置する(第10階位魔法)。なお、上位互換に
●キング・クリムゾン
→ジョジョの奇妙な冒険第5部『黄金の風』に登場するキャラクター、「ディアブロ」のスタンド。5秒間だけ時間を消し飛ばし、消し飛ばした時間の中で自由自在に動くことができる。そして消し飛ばした時間の中で行われた出来事は現実に反映され、結果だけが残る。