最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE: 作:マスターチュロス
【あらすじ】
レスキュー訓練のためにUSJ(ウソの災害や事故ルーム)に向かった1年A組の仲間たち。そこに突如現れたのは死柄木弔率いるヴィラン軍団と、バックアップデータから復活した自己進化型NOUMUコード000。魔理沙は相澤先生の指示の元、A組の仲間たちを1年A組の教室にワープさせ、戦闘を開始した。
■
クラスメイトを全員教室に返した魔理沙は、先ほど緑谷に渡したプロジェクターに対応する自動操作型のドローンを飛ばし、撮影を開始した。
その後、魔理沙は相澤先生の元に駆け寄った。
「全員教室に戻しましたよ。相澤先生」
「でかした魔理沙。後はヤツらを捕えるだけだな……」
「……寂し」
魔理沙はボソリと呟いた。それもそのはず、相手はチンピラと死柄木弔と黒霧、そしてスペック不十分のコード000である。相手として不足である。
とはいえ、もう孫〇空レベルでないと私の相手は務まらないため、誰と戦ったところで対して何も変わらないのだが。
「魔理沙、俺が先陣を切るからお前は奥の主犯格らしき二人を捕らえろ」
「いや、あのチンピラたちは全部私が片付けます。相澤先生はなるべく離れた場所から"抹消"でサポートしてください」
「出来ればあの
「じゃ」
魔理沙は一瞬で地を蹴り、チンピラたちが集う中央エリアへと向かっていった。
「おい待て、魔理沙!!」
「アイツ……ッ!!」
相澤先生が魔理沙を呼び止めようとしたが、既に魔理沙は中央エリアまでの長い下り坂を降りきっており、手も声も届かない。
「ガキが居なくなったかと思えば、まだいるじゃねぇか!」
「ノコノコと俺らの前に出るとはマヌケにも程があるぜぇ!!」
「お前を殺したらオールマイトが泣いて出てくるんじゃねぇかぁ!?」
「オラいくぞ! 射撃隊!! 蜂の巣にしてやれ!!!」
下卑た笑みを浮かべるチンピラたち。それに対し魔理沙は、憐れみすらも超えた表情をしていた。
「「死ねぇぇぇぇぇぉぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」
チンピラたちは一斉に攻撃を仕掛けようとした。しかし魔理沙は既に魔法を展開しており、相手の射撃よりも早く発動させる。
「
「
魔理沙が唱えた瞬間、無数の心臓が宙に浮かび上がった。その光景はあまりにも異様で、チンピラたちの動きが一瞬止まった。
「ヴァイスシュナーヴェル」
さらに魔理沙の周囲に心臓と同数の氷剣が出現し、一瞬で全ての心臓を氷剣で貫いた。
「……ぁがッ!?」
「胸がぁッ……!!」
チンピラたちは一斉に膝から崩れ落ち、左胸を抑えながら地に伏せていった。射撃隊も近接格闘が得意なチンピラもみな平等に倒れ、結依魔理沙ただ一人だけがその場に佇んでいる。
『
魔理沙が再び能力を発動すると因果律に歪みが発生し、その後チンピラたちの左胸に螺子が撃ち込まれた。キリキリとねじ込まれた螺子が肉体を貫通して地面にまで突き刺さり、チンピラたちの存在を強く捉えた。
『今、お前たちは心臓を潰されて死んだ』
『けど、
魔理沙は話しながら倒れたチンピラたちを念動力で1箇所に集め、山のように積み上げた。
そして特に理由もなく手についた埃を払うと、チンピラたちの方に振り返る。
「相手が悪かったね。本 当 に 。」
魔理沙はスタスタと死柄木たちの方へと向かった。
「ま……待て……!」
「ライデイン」
「があああああああああああああああ!!!!!」
魔理沙は振り返ることなく魔法を放ち、まとめてチンピラにトドメを刺した。
そして、魔理沙は中央エリアの噴水付近にまでたどり着いた。そこには死柄木弔を含む5人のヴィラン、すなわちこの襲撃事件の主犯格が全員揃っていたが、全くこちらの存在に気づく様子が見られない。
これは舐められている。そう感じた魔理沙はよく出来た笑顔で話しかけにいった。
「やぁ、ヴィラン連合with脳無共。君たちの親愛なる隣人、結依魔理沙だよ」
「君たちが長々と喋ってる間に、ここにいた連中全員叩きのめしたけど、何か遺言はあるかな?」
首を傾げる魔理沙。それを見たヴィランたちに緊張が走るも、その時間は一瞬で過ぎてゆく。
「やれ!!! 脳無ッッ!!!!!」
「ク"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!」
死柄木の命令により起動した対オールマイト用脳無が、雄叫びをあげながら結依魔理沙に襲いかかる。魔理沙二人分並の身長を持った怪物が何の前触れもなく拳を振りかぶってくるのでなかなか迫力があるが、何も怖くない。
魔理沙は脳無から放たれた拳の一撃を片手で受け止めた。そのパンチはオールマイトのパンチに匹敵するほどの力と衝撃があったが、魔理沙は身一つで衝撃を相殺していた。
「軽過ぎるわァッッ!!!!!」
魔理沙はその身の細さから想像できないほどの力で脳無の拳を押し返し、脳無の肉に指を食い込ませるほどの握力で握りながら、勢いよく地面に叩きつけた。
「……"怪人"脳無。人間ツギハギして生まれた個性社会の闇」
「そのドス黒い魂みたら神様すらひっくり返るだろうよ」
倒れた脳無の顔面を魔理沙は足で踏みつけ、地面にめり込ませる。
脳無はその強靭な脚力に抗うべく暴れたが、魔理沙の体はビクともしなかった。
「可能なら人間だった頃に戻してあげたかったが、魂歪み過ぎて治しようがないね……」
「ならばせめて、安らかに死……」
そう言いかけた瞬間、魔理沙の脳裏にアレがよぎった。
「……んでもらおうと思ったけど今カメラ回してるからもっと別な方法考えないとなァッ!!」
魔理沙は思い出した。今回、クラスメイトたちを全員教室に戻した以上、私が映像を通してヴィランとの戦闘がどういうものなのか伝えなければならないということを。
当然だが現ヒーローはヴィランを殺したりはしない。たとえ相手が脳無だろうと、警察に突き出して正当な手続きを受ける必要がある。なので、みんなの前でゼットンファイナルビームを撃つことは出来ない。
となると脳無を無力化しなければならないが、さっきみたいな即死技+オールフィクションでぐったりしてくれる相手とは思えないので別の方法を考える必要がある。
パッと思いついたのはエルキドゥの天の鎖。だがアレは相手の神性の高さに応じて強度が上昇するため、神性さの欠片もない脳無に対してはあまり効果がない。ならば、アンドロメダ瞬のグレートキャプチュアーならどうだろう。アレは
そんなことを考えているうちに、コード000が奇襲を仕掛けてきた。
「危なッ!!」
「大人しく死んでください」
珍しく刀を振り回して首をはねようとするコード000だったが、魔理沙は刃が触れるギリギリのところで回避した。
「隙ありッ!!」
さらにその回避先を読んだコード003がドロップキックを仕掛けてくるも、魔理沙は一瞬でコード003を足首をつかみ、先ほど斬りかかってきたコード000のいる方向にブン投げた。
「いや誰だお前!?」
さらっと面識のない人間が吹っ飛んで行ったが、アレは何なのか。存在自体は認識していたが結局答えを知らないまま現在進行形で戦闘している。
投げ飛ばされたコード003はコード000によって綺麗にキャッチされ、体勢を立て直した。
「彼女はコード003。今回の作戦のために補助役として来ました」
「あ、そう!!」
案の定彼女もNOUMUであることが判明し、魔理沙は適当に返事した。聞いておいてアレだが正味どうでも良い。
会話をしたことで気が緩んだせいか、魔理沙の足の力が一瞬だけ緩み、脳無が結依魔理沙を押しのけて立ち上がろうする。流石にもう抑えきれなくなった魔理沙は脳無から半歩離れ、そして脳無が膝を立てた瞬間に強烈な蹴りを顎下に叩き込み、跳ね上げてからさらに追加で蹴りを胴体に食らわせ、弾き飛ばした。
「黒霧ッ!!」
「……ッ!? 個性が……!」
攻撃後の隙を狙った死柄木が黒霧との連携攻撃を行おうとしたが、死柄木が黒霧の体に触れても何故かワープが発動しない。
「ナイス相澤先生」
魔理沙は死柄木たちとの距離を一瞬で詰め、スキル『
これであの二人を病気にすることで無力化を謀ったが、絶妙なタイミングでまた
「フンッッ!!」
だが魔理沙は一切躊躇わずに爪を振るった。
「効きません」
「脳無!!!!!」
彼女の掛け声に合わせて戻ってきた脳無が、魔理沙の背後から襲いかかる。ミサイルの直撃を食らった魔理沙は爆発時の衝撃と爆音にやられているため、普通であれば目も耳も機能していない状態である。仮に魔理沙であったとしても数秒は時間を稼げるとNOUMUたちは考えた。
「甘い!!!!」
だが、魔理沙はその程度の怪物では無い。魔理沙は即座に姿勢を低くしながら振り向き、拳に魔力を集中させて反撃の構えを取っていた。
繰り出される脳無の拳。魔理沙は拳の軌道を完全に捉え、触れるギリギリのラインで回避しながら脳無にクロスカウンターを浴びせようする。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!」
その直後、コード000が脳無の背後から剣を突き刺し、肉を貫いて魔理沙の左胸に突き刺さった。
「ッ!?」
しかし魔理沙のクロスカウンターも脳無に直撃し、その衝撃で脳無とコード000が胸に突き刺さった剣もろとも吹き飛んでいく。
即座に超再生で胸の傷を治す魔理沙だったが、背後から近づいてきたもう一人のNOUMU、コード005が魔理沙を羽交い締めにした。
「やって! コード003!!」
魔理沙の動きを押さえつけている間、コード003が何かを持って近づいてくる。おそらくそれが結依魔理沙を倒す秘密兵器であることを、魔理沙は直感で理解した。
「終わりよッ!!」
コード003が飛び上がり、秘密兵器を振りかぶって魔理沙に突き刺そうとする。
(……
魔理沙は秘密兵器の正体が
日本ではかつてこの薬物による一般人のヴィラン化が問題となり、最終的に流通していたものに関しては警察がすべて処分した。だがオールフォーワンが捕まっていない以上、
トリガーは本来個性の強化を目的として開発された物質だが、副作用によって理性が低下するため、大抵の場合暴走してしまう。
そんなものを複数個性保持者である魔理沙に注入するとどうなるか。理性の低下によって暴走した結依魔理沙の個性が周囲に存在するすべてを壊し、敵味方問わず暴れ狂うだろう。
魔理沙は咄嗟にコード005を破壊しようとしたが、005は個性『武器化』によって全身を剣山に変え、逃げられないように串刺しにした。
逃げの選択肢を潰された魔理沙だったが、その表情は意外にも冷静であった。
「
その瞬間、魔理沙の全身から強烈な光が漏れだした。
「「ッッ!!?!」」
身の危険を感じたコード005と003は咄嗟に離れようとした。しかしもう遅い。自らの肉体を犠牲にした結依魔理沙の大規模な自爆によって周囲一帯は消し飛び、イディオ・トリガーもろとも粉々に破壊した。
「ふぅ……」
そして不死身である魔理沙は何食わぬ顔で復活。魔理沙は肉体の99%、いや100%欠損したとしても肉体が即再構築されるため、
なお、メガンテの爆発をもろに受けたコード005と003はボロボロに壊れ、再起不能となっていた。
「さて、茶番はこれで終わりだ。これからお前ら4人の身柄を確保し、警察に突き出す」
「もうじきプロヒーローたちも来るだろうし」
魔理沙がゆっくりと死柄木たちのいる方に歩き出す。その姿はまるで絶望の化身のようで、とても人間が太刀打ちできる存在ではないことを意識させられる。
「死柄木、黒霧、ここは我々に任せて逃げてください」
「我々
コード000と脳無が死柄木たちの前に立ち、結依魔理沙と向かい合う。彼らの後ろ姿はまるで英雄のようで、勇気や希望を感じさせた。
脳すら持たぬ、ヴィランだというのに。
「お前……」
「死柄木、今回の作戦は失敗です。ですが、彼女を知る上でこれほど重要な戦闘データはありません。今後の活用次第で彼女を倒すための策を新たに練ることができるでしょう」
「では、さよなら」
コード000は直接脳無の肉体に指を食い込ませ、指令を送ると、脳無は全力で走り出した。
「今更2人がかりか?」
魔理沙は即座に天地魔闘の構えで応対しようとした。だが、脳無は直前で地面を踏みしめ、空へと舞い上がった。
「は?」
脳無の起動を目で追う魔理沙。その先には援護中の相澤先生がいた。
「チッ!!」
敵の狙いを理解した魔理沙は即座に振り返った。だが右腕を強く引っ張られたことで重心が後ろに傾き、反射的に足を後ろ側に下げてしまう。
「逃がしません」
コード000は魔理沙の右腕をさらに自身の方に寄せることで魔理沙のバランスを崩させ、拳の届く半位に引き寄せた。
魔理沙はコード000の左手に注射器を持っていることを確認した。やはり万が一に備えてNOUMUたちは
だが、どちらにせよアレさえ食らわなければ負けることはない。ただし天地魔闘の構えは脳無の行動にビックリして解除してしまったためもう撃てないが、それ以外の力でかつ常時発動するタイプの能力であれば即時に反撃可能である。
ということで魔理沙は
「甘い」
コード000は即座に魔理沙の唇にキスをした。
「ッッッ!!?!?!?!?」
予想外の行動に魔理沙の脳が強制シャットダウンし、思考も能力も停止してしまう。
その隙にコード000は
「やはり貴女は戦闘以外凡人ですね。キス一つで動揺するとは」
倒れゆく魔理沙を見届けながら、捨て台詞を吐くコード000。
「それに舐めプせず未来予測でも使っておけばこうはならなかったでしょうに」
「ま、全部作戦通りです」
(こいつ……ッッッ!!!)
魔理沙は咄嗟に踏ん張り、コード000の顔面を破壊しようと試みた。だが既に
(……まずい、
今まで取り込んできた個性が薬の力で暴走し始め、魔理沙の右腕が歪にねじれながら爆発と衝撃波を同時に引き起こしていた。
To be continued...
【いろいろ紹介】
●ヴァイスシュナーヴェル
→『アカメが斬る!』に登場するキャラクター、エスデスが使う技。なお、エスデスがこの技名を作中で叫んだ描写は一回しかない(シャンバラで無人島に飛ばされた時)。
●ライデイン
→『ドラゴンクエスト』シリーズに登場するデイン系呪文。電撃系の呪文で勇者ならだいたい習得することが出来る。