最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

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この世界の時間軸だとまだ4月5月くらいっていうね。アレ。

UA3万突破!! ありがとうございます!!


利用規約を見て思ったこと......。

(>д<*)コワイ 運営に消されないようギリギリの範囲でやりたいと思います。


※脳無との戦闘シーンを大幅に変更しました。個人的にも腑に落ちなかったので、これでいいかなぁと思っています。




USJ襲撃事件、終結(25話)

 

 

前回は頑張ったよ。誰か褒めて、讃えて、崇めてくれ。はい、いつもニコニコ私の隣に這いよる混沌こと自己進化型人工知能「noumu」の2体を撃退することに成功。その上その2人は私に二度と攻撃しないと誓ってくれたからやや安心だ。あと何体いるか全くわかんねぇけどな!! して、今は相澤先生をボコボコにしかけた筋肉ゴリラこと対オールマイト用脳無と戦闘中。後ろに死柄木弔もいるけど何とかなるだろう! ちなみにまだ個性は弱体化したままだ! いつ治るんだろうなぁ.......。

 

さて、この筋肉ゴリラはその名の通りパワーはオールマイト用に超強化されてる上に「ショック吸収」という相手の攻撃のダメージを軽減する個性を持ってるから防御も堅い。ならどうするか? そんなことは決まっているさ、その防御を上回るくらいのパワーで殴る!! 脳筋理論は可能か不可能かを無視したものが多いが、私ならどんな理論も無理くり可能にできる......はずッ!! つまり私×脳筋=MUTEKIなのだ。そうであってほしい。

 

私は指を鳴らしつつ、脳無に近づく。無敵とはいえ、今の私は素だ。正直に言うと無敵でも何でもなく、どう足掻いてもこっちが圧倒的不利だ。だが思い出してほしい、私らには個性を消せるヒーローが近くにいるということを......

 

「相澤先生、あの筋肉ダルマの個性を消しながら死柄木弔の相手はできますか?」

 

「問題ない......。だが、背後にいるヴィラン2人が厄介だ。結依、お前の強さは承知の上だが無理は絶対するな。危ないと思ったらすぐに逃げろ」

 

「そうですか......、じゃあ緑谷」

 

「はっ、はい!! 師匠!!」

 

近くに隠れていた緑谷が元気よく返事をする。

 

「あの手袋ヴィラン、やれるな?」

 

「了解です!!」

 

「了解です、じゃねーだろ!!! 何やってんだ緑谷!!」

 

今にも飛び出しそうな緑谷を全力で止めようとする峰田実。エロボケ担当の峰田がここまで必死になってツッコミを入れるのは珍しい。

 

「いやだって、師匠の命令だし.....」

 

「ダメよ緑谷ちゃん。あなたが行っても、相澤先生の邪魔になるだけだわ」

 

「でも、師匠のめいr」

 

「おい緑谷しっかりしろ!! お前そんなキャラじゃねーだろ!! 蛙吹だってそう言ってんだから大人しくしろよ!」

 

「師しょu」

 

「......ダメだわ峰田ちゃん。目が完全に逝ってるわ」

 

どれだけ止めようとしても静止しない緑谷に諦めを感じた二人は、緑谷を見守るような位置に移動した。緑谷が強いことは先の戦いで理解したが、かといってここまでやらせていいわけがない。もし緑谷がピンチになったら、二人でサポートしよう、そう決意する二人であった。

 

「緑谷、お前の個性のヒントを今教えてやる。今から言う言葉をしっかり聞けよ? いいか? 『()()()()()()()()()()()()()()()()』。わかったか?」

 

「わっ、分かりました師匠!!」

 

「というわけで相澤先生、緑谷くんといっしょに頑張ってください」

 

「ちょ、ま」

 

緑谷は少しアドバイスすれば勝手に強くなれるヤツだからな。これで相澤先生の負担は減らせるだろう。

 

「さてと、待たせたなぁ脳無」

 

「キュキュイ?」

 

うーん、字面は可愛いけど見た目と声がなぁ...。流石にギャップ萌えしねーわ。

 

私は拳を握りしめる。ラッシュ攻撃は子どもの頃からスタンド「ザ・ワールド」と共に練習してきた得意中の得意技。どっかの深海王が言ってた...、「連打っていうのはね、確実に仕留めるられるように、一発一発殺意を込めて打つのよ」ってな。

 

「行くぞおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

「キュワァアァアア!!!!」

 

無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!

 

一瞬で距離を詰めた私は即座にラッシュを決め込む。脳無も私の意思を読みとったのか、迎撃するようにラッシュを返す。序盤は五分五分といったところか。

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!!」

 

だんだん腕が疲れてきた。声も出してるから体力の消費が激しい。だったら声出すなって? 声を出さない無駄無駄ラッシュとか、耳のついてない食パンといっしょじゃねーか!!

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄......」

 

あかん、押されてきた。比率で言うなら3対7、私が3だ。あっちは体力の概念が無さそうだ.....。だってめっちゃにこやかな顔で殴ってくるもん。女の子に乱暴すんじゃねぇ( ゚д゚)クワッ!!

 

「無駄無駄無駄......」

 

やはり無謀だったか.....。相澤先生のほうが何とかなってくれりゃあこちらも挽回できなくはない。頑張れ! 自称弟子の緑谷くん! 私の運命はお前に託したぞ!!

 

ちょくちょくチラ見をしていたら、緑谷くんの頑張ってる姿が見えた。あ、なんかもうフルカウル使えてる! いやはや流石だな我が弟子、ヒントあげただけでもう答えにたどり着いちゃったよ。体育祭、強敵になりそうだなぁ。

 

緑谷が死柄木を抑え込むのに30秒はかかると見た。ならば耐えるしかあるまい、この魔理沙様の素の全力を持って!!

 

ラッシュは押され気味だが、まだやれることはある。正直反則かもしれないが、私はやるぞ。

 

アサシンスライドキック(卑怯者の不意打ち)!!」

 

高速で横蹴りを相手に喰らわすただのキック。だが、予測不可能な攻撃に対して生物は弱い。場合によってはそのまま倒すことも可能だ。脳無だって生き物、不意打ちが効かないわけではあるまい。

 

モロ脇腹に蹴りを入れられた脳無は膝をついて倒れこんだ。そして見上げるような視線で、「なんでそんなことするの(╥﹏╥)」とでも言わんばかりの表情で見つめてきた。すまん、死にたくないんだ。

 

「師匠!! なんとか押さえ込みました!!」

 

「離せクソガキいいい!!!」

 

ベストタイミング、ナイスだ緑谷くん。やれば出来る子や。後は私がトドメを刺すだけ!!

 

「相澤先生!!」

 

「言われなくとも......ッ!!」

 

相澤先生の個性によって個性を消された脳無。この隙を狙って、私は渾身の一撃を放つ。

 

「くたばりやがれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

空間全体に轟音が響き渡り、爆風が突き抜ける。これが意味することはたったひとつ、脳無に風穴が空いて倒れたということだ。

 

「脳無ッッ!! クソっ、オールマイトも来てねぇのに死にやがって!!」

 

残念だったな死柄木弔、相手が悪すぎたようだなぁ。痛覚無効をオンにしてるから分かりづらいけど、多分明日は全身筋肉痛だろう。凄いピリピリする。

 

「そのまま離すなよー」

 

「了解です師匠☆」

 

「離せつってんだろうが!!! いい加減にしろ!!」

 

緑谷くんは4の字固めで死柄木をガッチリ拘束し、動けないよう関節をキメていた。死柄木はただ地面を叩くことしかできず、まるでプールで溺れた子どものように見える。

 

「その手を離しなさい」

 

音もなく現れたのはワープの個性のヴィラン、黒霧であった。黒霧は現れると同時に緑谷を引き剥がし、ぶん投げる。ちょうど私のところに来たのでふんわり優しく受け止めてやるか。

 

「あっ、ありがとうございます師匠」

 

「頑張ったな、緑谷。お前はもう休んどけ」

 

さてと、黒霧の登場で距離がまた離れちまった。これじゃあ攻撃が当たらん。何より私の体はもう限界に近い、ここは大人しくするしかないなぁ。

 

「黒霧、状況を報告しろ」

 

「それなんですが死柄木弔。厄介なことに.....」

 

「...何だよ」

 

首をボリボリと掻きむしりながら死柄木は耳を傾ける。

「雄英の生徒に救援を呼ばれてしまいました。5分、10分間前後にプロヒーローが来ると思われます。誠に申し訳ございません」

 

その言葉を聞いた途端、全身が怒りで震え、今すぐにでもコイツを潰そうと考えた死柄木であったが、寸前で止めた。

 

「黒霧てめぇ、何やってんだよ。てめぇがワープゲートじゃなかったらこの場でぶち殺してたぞ...」

 

「.....。」

 

「はぁ、チンピラ共はほぼ全滅した、子供たちは強かった、脳無も死んだ、金髪がチートだった、プロヒーローの救援を呼ばれた......、負けどころかボロ負けだなおい......。」

 

「あぁ、ムカつくなぁ。イライラして全然落ち着かねぇ。おい、金髪」

 

「なんだよ」

 

「次会った時覚えてろよ。てめぇの顔面をボロくずにして塵に変えてやる。その上踏みつけてぐちゃぐちゃにして二度と動けなくしてやるからな!!」

 

うわぁ、すっごい悪役らしい捨て台詞吐いて逃げようとしてやがる。だがお前らは逃げられねぇぞ? 忘れてるかもしれないが相澤先生はまだ全然戦えるからな?

 

と、思ったら意外ッ! それは謎のスイッチ!!

 

なんか死柄木弔が謎のスイッチを持ってやがる。押したら某吉良吉影みたいに一時間だけ時が逆行したりするのかな? それともただのおとうさんスイッチ? しかしこの場面でスイッチってことは何かしら起こるんだろう? 嫌な予感しかしねぇ!!

 

「おーい死柄木くーん、その謎のスイッチは何だい?」

 

「あぁ.....鬱陶しいなぁ......、そんなにやかましくされたらうっかり押しちゃいそうだなぁ...!」

 

えぇ? なんで? えぇ?(困惑)

 

「これはな......、ここに仕掛けた爆弾の起爆スイッチだ。こんな古典的なものに頼るとか.....、はぁ、いいや。お前ら、特に金髪とイレイザーヘッド、少しでも個性を使う素振りを見せたら即爆破させる。いいな?」

 

マジかよ、これはキツイぞ。ここにいるのが私だけなら何事もなく終わったけど、ここには相澤先生や蛙吹さんといった身体強化系や防御性能を持たない人がいるから迂闊に突っ込めない。かといってそのままワープゲート使って逃げていくのを見逃したとしても、ワープゲート先で起爆スイッチを押されたら元も子もない。ここは慎重かつ迅速に、アイツから起爆スイッチを奪うしかないのだが......、策が思いつきません。オワタ\(^o^)/

 

まぁでも安全性を考慮するならアイツらがワープゲートをくぐった瞬間、みんなで出入口に向かって全力で走って脱出するしかねぇ。はぁ......、結局爆発オチかぁ.........。

 

この案が自分の中で最もまともなやつなので、テレパシーでこの案を伝える。

 

(あ、あ、あー、聞こえる? あのヴィランたちがワープゲートをくぐった瞬間に全員で出入口まで走って逃げるぞ! 他の残っているクラスメイトに関しては私が回収するから、みんなは先に行ってくれ!)

 

すると相澤先生がこっそりハンドサインを私に見えるようにやった。

 

えーと? バツ、俺も、指矢印、1人、バツ。

 

つまり翻訳すると、「その案は却下だ。それなら俺も一緒に行く。1人はダメだ。」でいいのかな?

 

(了解)

 

さて、今、死柄木たちがワープゲートを通過しようとしてるな。 ここで逃がすのは悔しいがクラスメイトの命の方が優先に決まってる。

 

「じゃあな......ヒーロー共。次会う時はお前らに明日はこねぇ........」

 

そしてヴィランはこの場から逃げた。

 

よーし、私達も逃げるぞー。仕掛けられてるとしたら多分、今私たちがいる中央が怪しいから全力で離れるぞー!

 

「おい結依、さっきのわかってんだろうな?」

 

「勿論ですとも! 空中で見たところ他の仲間たちは山岳ゾーンと暴風ゾーンと出入口付近ですね。このまま相澤先生と平行に走ると遅いんでちょっと飛びますよ!!」

 

私は相澤先生を抱えて本気でジャンプした。え? 何抱っこか教えろ? いっとくがお姫様抱っことかしねぇよ?

 

しかしジャンプした直後、中央で爆発が起こった。 でもみんなちゃんと逃げきれてるからバッチリ! と思いきや、いろんなとこで爆発が!! あ、ヤバい。この施設を支える支柱がやられた。システムも死んで何もかも機能してねぇ!! これが何を示しているかと言うとね

 

「相澤先生、この施設、崩れます。」

 

「そんなこと見ればわかる。一刻も早く生徒の安全の確保し、脱出するぞ。いいな!!」

 

「あっ、ハイ」

 

よし、山岳ゾーンに着いたから相澤先生を下ろして、さっさと暴風ゾーン行こう。このままじゃガチで明日が来なくなる。

 

「先生、ここには八百万と耳郎響香、上鳴電気がいるんで救出頼みます! 私は暴風ゾーンに行くので!!」

 

「あぁ、結依。ありがとな」

 

相澤先生が人を褒めた..........だとッ!?

 

いろいろ悶々とするが早く暴風ゾーンに行こう! 帰って美味いラーメンを食うんだ!!

 

 

 

 

~ 暴風ゾーン ~

 

 

 

「なんだこの揺れは......、地震か?」

 

「......」コクコク

 

暴風ゾーンに飛ばされていたのはスタンド使いこと常闇踏陰、そして無口であまり喋らない口田甲司くんの2人であった。

 

「おーい! お前らー!!」

 

「その声は.......結依か?」

 

「......」ビクッ

 

よし、暴風ゾーンに着いたし生存も確認。後は状況説明だ。

 

「お前ら、さっき揺れを感じたよな?」

 

「あぁ......、これはヴィランの仕業なのか?」

 

「ご名答。ヴィランが脱出するために爆弾を起爆させやがったんだよ......」

 

「爆弾だと.....?」

 

「そのせいでこの建物が今崩れようとしてるから脱出しようってこと! 相澤先生も他のみんなも出入口に向かってるから一緒に行くぞ!!」

 

「状況は掴めた、その話に乗るぞ」

 

「......」コクコク

 

「じゃあお前ら、両脇にこい。」

 

「は?」

 

「お前ら抱えて飛ぶから早くしろ」

 

「女子の両脇にか......?」

 

「問答無用」

 

時間ないので自分から常闇と口田くんを抱えてジャンプする。おっ、重い。流石にもう限界だ。連チャンで戦ったあげく救出もするんだから辛くて仕方がない。オールマイト、これよりもっと凄い状況で千人も助けてんだから凄いよな。オールマイトの凄さを初めて痛感したわ。

 

 

 

さて、出入口付近に着いたし。これでひt

 

「私が......来た」

 

やっとか......、遅せぇよ全く。

 

「結依少女、この状況を説明してくれないか」

 

随分険しい顔だな。ヴィランに対する怒りというより自分に対する不甲斐なさの方に苛立ってんな。ほんと反省しろ。

 

「実はですね、カクカクシカジカ」

 

「.......、ホントに申し訳ない。すまない...」

 

「それは後ででいいです。あの、まだ相澤先生たちがこっちに来てないので回収しにいってください」

 

「あぁ、勿論だ.....。だが結依少女、君はどうするんだ?」

 

「私は全員いるか確認したらみんなで脱出します。先生、マジ頼みます。仲間を助けてください。」

 

「絶対に助けると誓う。結依少女も頼んだぞ」

 

そしてオールマイトは山岳ゾーンへ向かっていった。しかし崩落がもうそろ起こりそうだ。ちゃっと数えて即退散しよう。えーっと、緑谷、蛙吹、変態王子、爆豪、切島、轟、葉隠、お茶子、砂藤力道、障子、瀬呂範太、死にかけの13号先生、飯田くんはプロヒーローに助けを呼んだらしいからここにいない、芦戸っち、で常闇、口田、これから連れられてくる八百万、上鳴、耳郎響香を加えて、18人。私を含めて19人。あれ? 一人足りないぞ? えっと、水難ゾーンに緑谷たち、土砂ゾーンが轟たち、建物が爆豪たちで暴風ゾーンが常闇たち、山岳ゾーンが八百万たちでその他の面子は出入口付近.....。

 

あ、火災ゾーン忘れてた。あと、そこにいるの尾白猿尾じゃねぇか!!!

 

嘘だろ、今救いに行ったら多分私と尾白くんは生き埋めだぞ。いや救うのは確定なんだけどさ、救えるか? いや可能不可能を考えてる暇はねぇ!! やるしかねぇ!!

 

「緑谷くん!! 師匠命令だ、みんな連れて先に外で待ってろ!!」

 

「でも師匠は!?」

 

「さっさと行けクソッタレ!! もう時間ねぇ!」

 

天井からどんどん瓦礫が降ってくる。こうしてる間に尾白がやられてたら全能の私としてのプライドが許さん。死んでも全員助ける、弱体化なんてクソ喰らえだ。

 

「ししょぉおおおおおおおお!!!!」

 

私はまた、大きく空へ飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ 火災ゾーン ~

 

 

「ハァ....ハァ...、息が苦しい。」

 

尾白はヴィランに奇襲と撤退を繰り返すことで時間を稼いでいた。だがここは火災ゾーン、酸素は少なく、熱が思考能力を脅かし、運動が疲れを呼ぶ。尾白の体力はもう底をつき、建物の裏側でひっそりと休んでいた。

 

「はぁー、見つけたぞ」

 

しまった! ヴィランか! っと戦闘体勢に戻る尾白。しかしやってきたのは見慣れた顔だった。

 

「違う違う、構えるな。ほら私、魔理沙だよ。」

 

やってきたのは1年A組の異端児、結依魔理沙。正直なんの接点もないけど、仲間が来てくれただけでも嬉しい。

 

「他のみんなはどこに行ったの?」

 

「今からそのみんなのとこに行くから安心しろ、つか周り見ろ」

 

火災ゾーンの真上から容赦なく降ってくる瓦礫。いったい何が起こったというのだろうか。

 

「いろいろ聞きたいことがあるのはわかるが、今はそれどころじゃねぇ。この施設、もうすぐ崩落するから早く逃げるぞ!!」

 

そう言うと彼女は僕を抱えて、とんでもない速さで移動した。瓦礫も丁寧に避けて。

 

けど後ろはもっとすごく、どうやら建物が奥から一斉に崩れているらしく、眼前に見えるのは瓦礫の滝。早く逃げなければ巻き添えになるだろう。

 

後ろをチラッとみた彼女は顔を青く染めて、「インディージョーンズは却下だぁああああああ!!」と叫びながら走っていた。インディージョーンズって?

 

そして見えた出入口、ゴールはもうすぐだった。

 

 

「あっ」

 

 

不幸にもゴール直前で足を挫いてしまった。

 

 

「結依さん!!」

 

 

「行けぇええええ!!!」

 

 

魔理沙は最後の力を振り絞って尾白を投げ飛ばし、最後に真っ黒な笑顔でグッチョブサインを送った。

 

 

「結依さん!!」

 

 

手を伸ばそうにも、距離がありすぎて全く届かない。

 

 

「あばよクラスメイト、楽しかったぜ」

 

 

 

遺言とでも言うようなセリフを吐いた魔理沙は、静かに消えていく。

 

 

 

「結依さぁぁあああああああん!!!!!」

 

 

 

彼女は崩落に巻き込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

はぁ、せっかく転生して神にも勝るチートを手に入れたというのにしくじってしまった。でも、頑張ったからいいか。ラーメンも、あの世で食うとしようか。はぁ......、クソッタレ...........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ? 死なないぞ。もしかして弱体化終わった? それならここから脱出できるぞ。

 

と思ったら全然違った。オールマイトが私を崩落から守っていたのだ。

 

「君にここまで無理をさせといて......、私たちが何もしないままなんて.........、あっていいはずがない!!!」

 

マジか、あの一瞬で瓦礫の中に入って私を守るってどんな力だよ。あー、クソっ、体が動かねぇ。オールマイト、後は任せた。

 

「オクラホマ・スマッシュ!!!!」

 

オールマイトが周りの瓦礫を一瞬にして粉微塵に変えてしまった。もっと早く来てくれれば良いものを......。これだから......、ナンバーワンヒーローは............、はぁ..................。

 

あぁ......、陽の光が暖かい。眠い。

 

「結依少女.....? 結依少女ぉぉおおおお!!」

 

負傷者複数名、死傷者0人。施設崩落のピンチを救ったのはたった一人の少女であった。マスコミにもスクープされ、雄英高校では知らぬものなどいないほど有名になり、のちに結依魔理沙は雄英の四天王の一角として名を馳せることになる。

 

 

USJ襲撃事件、完

 

 

 

 

 




これでUSJ襲撃事件編は幕を閉じます。

次はまた番外編をやって、その後体育祭だ!!! 世の中の一般ピーポーに結依魔理沙を見せつける時が来たァああああああああぁぁぁ!!

いろいろ紹介

吉良吉影:年齢38歳独身。仕事はそつなくこなす人。けど女の手フェチで殺人鬼。

おとうさんスイッチ:おとうさんスイッチの作り方。空き箱にボタンを5つ貼り、そこに平仮名をかく。曲げたストローをアンテナ風につけたら完成! 歌うと規約違反になるらしいので説明口調でお送りしました。

オクラホマ・スマッシュ:オールマイトの技のひとつ。体をぐるぐる回して周りの敵を吹き飛ばす全体攻撃。強い



ありがとうございました。




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