最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE: 作:マスターチュロス
少し長くなります。
ちなみにこの話は26話の後の話ということなので、ご了承ください。26話見てなくても(まだ出来てないけど)大丈夫です。
あと時間軸はダンまちのコミックス版の8巻から10巻の間です。(ロキファミリアが18回層で休憩していて、そこに主人公ベルくんが転がり込むところです。)
さらにこの話には独自設定、独自解釈があるのでそこのところもよろしくお願いします。
番外編2-1 ~ ダンジョンに風穴をあけるのは間違っているだろうか ~
USJ襲撃事件兼崩落事件から少したったある日の土曜日、今日やることを言う前にまず報告することがある。まず弱体化の件だが治った。あの事件の後日談は26話で話してると思うからそこんとこよろしくな。
まぁつまりは細かいことは気にしないでおくれってことだ。で、今日の目的というのは、弱体化から治ったばかりでなまった私の個性を鍛え直すために、ダンまちのダンジョンに潜るというアレだ。前回のワンピースの時は酷かったが、失敗は成功のもと。反省点を活かして今回こそ清々しくやるぞ!
とりあえず異世界の扉を開く。何だか今回は失敗しない気がする。別に根拠はない、女の勘だ。.........、元男の勘だ。
とうっ!!
ふぅ、やってきたけどここ暗いな。あ、ゲート閉じなきゃな。開けっぱなしはダメって私の過去がそう告げているぜ。
見渡すとなんかそこら辺にコケとかあるし、透視したらキモイモンスターが見えるし、もしかして世界を間違えたかな? いや、そんなわけあるまい(反語)。確かこのダンジョンって三角錐みたいな構造で、下に行けば行くほど階層が広くなるはず。で、ここをちろーっと見たけどすごい広い。北海道丸々一個ありそうなんだが。てことはここチョー深い! つまりモンスターもえげつないくらい強い上に数も多い!! よし、上に行こう。
しかし、北海道並に広いこの階層からたった一つの階段的なものを探すのは面倒臭いに決まってる。仮に見つけたとしても、次の階段的なものにそのまま繋がってるわけじゃない。じゃあどうするか。上に穴をあけてそこから登ればいいじゃないか! 私には無駄に能力があるんだからそれでほほいのほいよ。よしやろう。即刻破壊するのだ。
「ワンフォーオール50%+αデトロイトスマッシュ!!!」
+αでエグい強化をしたデトロイトスマッシュを真上にぶつけてみると、ギャルギャルギャルギャルと不思議な音をたてながら衝撃波が遥か上まで昇っていった。その後、余波で削られて降ってきた瓦礫を流水岩砕拳という拳法で全て叩き割って自分の身を守る。結果、最後に残ったのは真上まで続く大きな風穴。よし、ここから出られるぞ!!
(いだだだだだおぐァあああああああ!!!!)
なんか悲鳴が聞こえた。
(はぁ、はぁ、てめぇ、外来種がぁああああ!!)
まぁ、誰か爆風に巻き込まれたんでしょう。ご愁傷さま。さて、上に行くか。
(おい、金髪黒顔の外来種。てめぇだよ。)
え? まさかバレたの? ここに冒険者はいないはずなんだがなぁ.......。
(俺の事冒険者と勘違いしてんのかオイ? 俺はダンジョンだ)
どうやらこの声はダンジョンの声らしい。
「嘘つくな」
(嘘じゃねえよ!? ほら、な? わかるだろ?)
「わかんねぇよ。わかるわけないしわかりたくもねーよ!!」
想像してみてほしい。RPGのゲームをやっている途中で急にダンジョンが「俺はダ☆ン☆ジ☆ョ☆ン☆だ☆」と言ってる場面を。恐怖でしかない。
(あっそう、じゃあ俺がダンジョンだっていう証拠教えてやるよ。お前の隣に5秒後、俺の眷属が生まれるから。これマジ。)
ほぇ? 5秒後? マジで? 念の為警戒しとこ。というか隣ってどっち!? 右!? 左!?
首を左右交互に傾けて警戒していると、なんと右からモンスターが現れた! え、こいつマジでダンジョンなの!? ダンジョンって意思あったの!?
(だから言ったろーがこのハゲ!!)
「まだハゲてねーわ!!」
ダンジョンにディスられるという滅多にない経験をしつつ、「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」で現れたモンスターを駆除する。
(で、何か言うことないのか?)
「なんだよ......、もう疑ってないからいいだろ」
(あるわボケ。俺の体に風穴あけたこと)
「あぁ......、それかぁ.........」
私は少しだんまりと考えて、何か策を考えてみた。私が今できること、これしかない。
「すいませんでしたぁああああああああ!!!」
手をついて土下座。日本の伝家の宝刀。サラリーマンの秘奥義。これをすれば何をしたって許されて何を頼んでも頷いてもらえる最終奥義だとどっかの神様が言ってた。
だが人でも神でも生き物でもなんでもないダンジョンには全く効果がなかった。
(ブハハハハ!! クソだせぇウハハハハ!!!)
「このダンジョン壊すぞ」
(すいやせん、マジ勘弁してください)
なんだ、そこまで悪いやつじゃあなかった。
あれから少しだけ休憩をして落ち着きを取り戻した私。自分のことダンジョンだ、とか言ってるけどホントは中の人がいるんじゃないの?
(なんだよ、まだ疑ってんのか)
「そんなこと言ってませんんんん! 空耳ですぅうううう!!」
(ダンジョンに言い訳できるとでも思ってんのか?)
そもそもダンジョンが言い訳を聞いてくれる時点でツッコミどころ満載だけどね。
(ま、俺に風穴を空けたお前の処罰は......)
あの、パシリとかなら喜んでしてあげるけどこれだけはやめてほしい。オークとかゴブリンとかに這い寄られて、モンスターリョナみたいな展開になるやつだけはガチでやめてくれ。もしそうなったらマジあいつ呼ぶぞ。なんだっけ、ゴブリンスレイy
(今ここにいる全ての冒険者をボコボコにしてほしい)
「え?」
いや確かにダンジョンらしいかもしれないが、風穴空けた張本人は私だぜ? いいのそれで?
(だって俺の眷属達じゃお前に勝てねぇもん。ハンデをつけたとしても)
あー、うん。そうだね(小並感)。あとさらっと人の心を読むな。
(だからあの憎き神の眷属どもをケチョンケチョンにしてくれたらいいなぁって)
「お前のことだから念のために聞くが殺さなきゃダメか?」
(うーん、出来れば殺してほしいんだけどな。こっちは風穴空けられたとはいっても頼む側だし)
よかった、これで殺さなきゃテメーはモンスターリョナの刑だ! とか言われてたら、この世界を滅ぼしてでも脱出するつもりだった。
「じゃあ気に食わなないやつだけ殺すわ」
(若干不穏な空気が漂うがよろしく頼む)
今回は助ける側じゃなくて虐殺する側か。ある意味この姿の本当の在り方かもしれないな。まぁ、結局自分の目標は達成するからこれでもいいか。
「境符『四重結界』!」
幻想郷の賢者、八雲紫お墨付きの結界。これで今ダンジョン内にいる冒険者は簡単に脱出することはできん。獲物を退路を遮断して確実に仕留めるのは狩りの鉄則だぜ。
(じゃ、任せたぞ “
仮にも私は人間なんだがなぁ...。魔神じゃダメ?
(次言ったらモンスターリョナの刑に処すぞ)
あー、俄然とやる気がでたわぁ。私の野性味溢れる血が冒険者をぶっ潰せと疼き騒いでしかたがないぜ! あぁ、酒! 飲まずにはいられない(未成年)!
こうして仮魔王認定された結依魔理沙は、自分が無理くり空けた風穴の中を移動し、冒険者を血眼で探すのであった。
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冒険者の集まる街、オラリオ。しかし平和なオラリオに突如として大地震が発生した。脆い建物から順に崩れていき、生活必需品や食料、本といったものが地面にぶちまけられ、多くの被害が出た。発生源はダンジョンの奥深くと推定され、ギルドの中には、これはダンジョンが引き起こした神為的な事故、「神災」だと訴える者がいたが、真相は不明である。
■
オラリオの西のメインストリート沿いに立地する大きな酒場、『豊饒の女主人』。そこで働く人間の女性店員(女性しかいないけど)、シル・フローヴァは心配していた。地震で家具が倒れたとか、壊れたものを買い直すとか、そういうことではなく、ダンジョンに潜っていった一人の冒険者ベル・クラネルと彼の捜索隊として協力することになった同じ酒場の店員仲間であるリュー・リオンの安否についてである。
「ベルさん、リュー、絶対無事に帰ってきてね。ちゃんと帰ってきたら、たくさん料理を出して財布の中身をカラッポにしてあげるんだから....」
心の底からの想いを声に出し、自分が今できることをこなそうと奮闘するシル。だが、その願いを軽くひねり潰せる厄災そのものがこのオラリオに現れたことなど、今はまだ、誰も知らない。
■
「ダンジョンに入れない?」
「本当さ!! あの地震が起きた後、仲間が心配でダンジョンに潜ろうとしたんだけど、入れなかったんだ!! このままじゃ僕の仲間達が......」
「わかりました。私たちだけではこの問題に対処することはできませんので、すぐに上と連絡を繋ぐのでお待ちください」
ここはギルド、ダンジョンの管理機関である。地震の影響でたくさんの冒険者が雪崩のごとく入り込み、対処に追われていた。そこで入ってきた新たな情報、ダンジョンに入れない。このことを同僚から聞いたギルドの受付嬢のエイナ・チュールは自分がアドバイザーとして担当する冒険者ベル・クラネルの心配をしていた。
「大丈夫かな......、ここ3日間くらい会ってないし、ダンジョンで何かあったんじゃ......」
その上大地震の発生とダンジョンから脱出出来なくなっているって.........ダメでしょ!?!? ベル君大ピンチじゃない!!! あわわわわどうしよう!?
実はもう捜索隊が結成されてダンジョンに潜り、さらにはもう生存確認されていることを彼女はしらない。
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~ 結依魔理沙サイド ~
長い。このダンジョン縦方向にどんだけの距離があんだよ。しかも階層の一つ一つの天井の高さが高かったり低かったりバラバラだし、今自分がどこにいるのかわからん。
(今50階層。)
へぇー、でもここもあれか。さっき通ったとこと同じ
(そ、俺の眷属が湧かないとこ。俺もよくわからん)
なるほど、だから人の生活の痕跡があるのか。納得。つかダンジョンさんもわかんないとかどういうこったい。というかまだ冒険者に会えてねぇ!!
(ここは神の眷属らにとっては深いところだから簡単にはたどり着けないのさ。)
あっそう。まぁもう少し上に行くか。そしたら強いヤツとかいたらいいなぁー。魔法使えるやつとか、剣技が凄いやつとか、やたらパワーだけが取り柄のやつとか、全然素直になれなくて罵倒や暴言しか言えない狼少年とかいないかなぁー♪
ま、知った上で言ってるんだけどね。
(お前ってホント悪趣味だよな。ほんとにニンゲンなのか? お前)
ただの一般人にこんなクソチートを与えるからこんなんになっちまっただけだ。まだ人殺し......、別世界の敵とはいえ既にやっちまったか.....。暴れていな、いやいつも暴れてるか、タイトル通り。世界を滅ぼしてな......、いや、やりかけた。やってないけどやりかけた...教室で。ダメだ、もう自分で自分を擁護できませんすみませんでした。けど、だからどうした(開き直り)。勝てば正義だ(ヤケクソ)。
自分の行いを反省しつつ、上層へ向かう結依魔理沙。さぁ、戦いはもうすぐだ。冒険者どもに真の強者の力を見せつけるのだ。
そしてあわよくば宴会を開いてウェイウェイしたい。ボコボコにしにいくやつが目標と一緒に宴会やるとかバカなのか? とか思われてそうだけど、幻想郷だって似たようなもんだし別にいいしょ。あの人たち異変の原因と一緒に酒飲んでるし。
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~ 一方こちら18階層 ~
「というわけでヴァレン何某君は野営地にでも帰りたまえッ! というか僕の許可なく抜け駆けするんじゃなーい!」
「ごめん.....なさい....?」
「ちょ、神様っ。おちついて.....」
「あぁっ、なんだい!? ベル君、君も君だぞ! この浮気者ー!!」
憧れのアイズさんと
ドゴォォオオオオオオン!!!
「じっ、地震!?」
「ここ、ダンジョンのはず......、おかしい。」
「べべべベル君!? 大丈夫、僕が守ってあげるから!!」
そう言ってベル君の腕にしがみつく神ヘスティア。
衝撃波は遠くで吹き上がり、クリスタルを砕き、地面を巻き上げ、そして消えていった。つまり、この地震はあの衝撃波が原因だと言うことは明白である。しかし、何故? 下から吹き上がったということは中層、いや深層から真上に向かって誰かが攻撃したということになる。モンスター? 何故真上に? 冒険者達の居場所がわかったから? じゃあなんでもっと前からそうしなかったのか。疑問は尽きず、頭がクラクラしてしまったアイズ・ヴァレンタイン。
「あの衝撃波の場所にいきましょう!」
ベルは何の迷いもなく声をあげた。
「えぇ.....、仲間が心配」
「僕も行くよ!!」
あの場所にいけばわかることがあるかもしれない。そう考えるアイズたんであった。
■
商店街から少し離れた森の中にその衝撃波の跡が残っていた。その惨劇は凄まじく、直径50メートルほどの大穴が出来ており、上の階層まで続いている。木々も猛風でなぎ倒され、地面も抉れ、もはや災害と呼べるほどの有様であった。
この穴に集ったのはロキファミリア、ヘスティアファミリア、商店街にいる武器商人たち、そしてベル君捜索隊として来ていたメンバーなど、この18階層にいるほとんどの人がここに集結していた。
「あっ、アイズー! おかえりー!」
「...ただいま。」
〈
「ん? その後ろにいるのはもしかして......、〈
「てぃっ、ティオナさん!?」
何かあったのかベルはティオナを見たとたん顔を赤らめながら少しずつ後退りをしていた。
「ベル君、またなのかい? また女を振りまわしているのかい? サポーター君やヴァレン何某で僕はもう手一杯なのにさらに追加する気なのかい?」
ヘスティアは爪を齧りながらティオナに向けて敵意の目線を向けた。それに気がついたのかティオナは「じゃあまたねアルゴノゥト君~♪」と朗らかに立ち去っていった。
一旦落ち着いたところで現在の状況の確認をする冒険者たち。みんながみんな意見を出そうとすると効率が悪い上にただただやかましくなるだけなので、代表してロキファミリア団長のフィン・ディムナがこの場を取り仕切ることになった。
「みんな聞いてほしい。さっきみんなが感じた地震は見ての通りこの穴の底から発生していた。そして天井まで続くほどの衝撃波、これはただの地震なんかじゃない。
フィンの言葉に一同が驚愕する。確かに普通の地震だったらこんな綺麗にくり貫いたような大穴はできない。しかし信じられるだろうか? 底が見えないほどの奥深くからここまで穴を空けるようなものがいるということに。
フィンは自分の親指を軽く舐めて確かめる。
「いつも以上に指が疼いている。いや、生涯の中で最もといっていいほどの危険な空気だ。これは単なる僕の憶測だが、この大穴を空けたものは多分、この穴の中を移動して上層に向かっていると思う。」
「フィン、仮にそうだとしたらどのような対策を?」
ロキファミリアの副団長、リヴェリア・リヨス・アールヴが口を挟んだ。
「そんなもんぶっ飛ばせばいいだけだろうが!」
ロキファミリアのウェアウルフ、ベート・ローガが生意気な声で叫んだ。
「ベート、うるさい。」
「誰がうるさいだあぁん!?」
「お前だよお前」
「上等だコラ後で泣いても知らねーからな」
「とにかく! 原因や正体がわからない以上、不用意な行動は避けて大人しく過ごすんだ。いいね?」
\\ はぁーい //
団員の痴話喧嘩を抑えつつ、皆を統制することに成功したフィン。しかし
「お、冒険者みっけ。」
その後、歴史に残る全面戦争が始まってしまうことなど、誰も知るはずがなかった。
ダメだ、説明口調が苦手すぎる......ッ!
もう少しダンまちの住人達に喋らせたかったけど、私の集中力と想像力と文章構成力が圧倒的に足りねえ......ッ!!
許しておくれなんでもしますから(なんでもするとは言ってない)
今回は紹介なしで。( ˘ω˘ ) スヤァ…
この後作者が行方不明になることなど、この時誰も知らなかった。