最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

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ダンまち編最終話です。


今回の異世界編は異形郷要素を強めに作ってます。なので人気キャラクターや嫁キャラが酷い目に遭うことは必然的です。要注意です。むしろ今までが平和すぎただけです。ご容赦ください。

ま、また平和になるんだけどね


評価がだんだん下がってくぅぅよぉおお↓
まぁ、私は半分以上あればモチベが下がらない男なので多分打ち切りにはなりましぇん。

ダメなところとかあったら指摘してください。結構、勢いで書くことが多いので......

最後に、今回は一万四千文字とクソ長いのでご了承ください(もっと詰め込みたかった)。3つ分詰まってます。だから遅れました。













番外編2-4 ~ 英雄の証 ~

 

 

 

 

握りしめられた細剣、滴る血、動かない真っ黒の少女。アイズ・ヴァレンタインは遂に、邪悪な化け物に反撃することができた。しかし、ただ突き刺しただけではこの化け物はすぐ修復してしまう。確実に仕留めるにはやはり魔石を破壊するのが最も手っ取り早く、好ましい。なぜなら魔石は全モンスター共通の弱点であるからだ。しかし、どんなに斬りつけても魔石が壊れる気配はない。

 

この化け物は本当にモンスターなのだろうか? あの風穴を作ったのは紛れもないこの化け物の仕業だ。底が見えないほどの深さから上層まで穴を空けたことや、体が変形することなどを踏まえると、常識的に考えて、未到達階層で発生した強力なモンスターが何らかの理由で冒険者を索敵し、襲ってきたというのが妥当だろう。前のロキファミリア遠征では言葉を話したり、魔法詠唱ができるモンスターが出現したことがあった。未到達階層にもそのような知能を持ったモンスターがいてもおかしくはない。

 

だが先程も述べたようにどのモンスターにも魔石というエネルギーの結晶体が体の内部に存在している。冒険者はそれを資金源とし、身の危険を感じた場合は資金より命を優先し、魔石を砕くことも時にはある。つまり何がいいたいかというと、魔石を持っていないモンスターなどありえないということである。エネルギーが無いと動くことはおろか、存在を確立させることすら不可能なのである。

 

わかることは、この化け物はダンジョンのモンスターではないということ。かといって人間だ、と考えたとしてもそれはそれで疑問点が多い。ファミリアのメンバーでもないはずなのに、魔法を行使可能だということ。その上、ほとんどが無詠唱。さらには上半身を吹き飛ばされても復活する回復力。そんな馬鹿げた人間がいていいはずがない。異常すぎる。

 

アイズは焦る。このままではまた復活してしまう。なんとしてでもここで終止符を打たなければならない。そんな気持ちが込み上がる。

 

「なんでぁ、これで終わりかァ」

 

顔が青く染まる。化け物が再び猛威を振るおうとしているのが肌で伝わる。もう一度体勢を持ち直して、またチャンスが来るのを......

 

「何度も何度も同じことを繰り返しているお前らにチャンスなんてなかろ?」

 

反応が遅れたアイズは為す術なく頭を鷲掴みされる。地面に足がつかない高さまで持ち上げられ、痛みが脳を襲う。

 

「あッ......ガァ......ッ!!」

 

「まぁよくわく頑張ったよソード・オラトリア主人公。褒めたる。ご褒美に地面とディープキスさせてやろから感謝感激雨あられな」

 

魔理沙はアイズの頭を何度も地面に叩きつける。なんとか意識を飛ばされないように必死に耐えるが、脳へのダメージはどんどん蓄積されてゆく。顔が血だらけになりつつも、必死に足掻いて、耐えて、負けまいと藻掻く。

 

「アイズさんに触れるなぁあぁああぁあ!!!」

 

非力な主人公、ベル・クラネルは走る。相手があのアイズ・ヴァレンタインですら手も足も出ない敵だとしても、たとえ自分の命が危険に晒されようとも、それらを省みず突っ走る。今まで全く役に立てなかった悔しさと、好きな女の子があまりにも酷い仕打ちを受けているのを見過ごせない、男の自分が動かなければならないという意地が相乗効果をもたらし、ベルを突き動かしている。

 

「お前は最後だベル・クラネル。英雄になりたいんだろう? 英雄っつーのはなぁ、いっつも孤独なんだぜ?」

 

アイズへの攻撃を一旦止めると、向かってくるベルに対して手をかざす。魔理沙は手のひらで軽く気を練り、衝撃波を飛ばした。

 

(ッ!! ヤバい、ヤバイヤバイヤバイ!!!)

 

ベルは別に強くはない。アイズのような戦闘センスや反射神経は持ち合わせていない、リューのような素早い身のこなしもできない、ベルにとってはこの単純な攻撃でさえ、脅威なのだ。

 

走るのを止めようとするが、慣性の法則により急に止まることが出来ない。つまりは直撃、場合によっては死である。

 

「うわッ!!!」

 

「......危ないところでした。あなたが死んでしまってたら、私はシルに顔向けできません。」

 

「あ、ありがとうございます。リューさん」

 

「お前が来るは詠んでいたよリュー・リオン」

 

リューが警戒するより先に、攻撃モーションに入った結依魔理沙。もうアレのチャージが完了したからな、最大火力で消し飛ばされてもらおう。

 

「穿て、『光華(サンフラワー)』」

 

前回からずっとチャージし続けていたサンフラワー。その威力はポケモンの「ソーラービーム」なんて目じゃないほどの火力。そしてダンジョンの上からの狙撃、避けられるはずがない。

 

いや、リューならギリギリ避けられるだろう。私が無言で攻撃していれば、反応が遅れてそのまま倒れていたに違いない。しかし、来るとわかっていれば話は違う。今から放つサンフラワーは言ってしまえば単発攻撃のレーザービームである。避けるのは難しくない。

 

しかし、リューは避けることができない。後ろに友人の大切な人がいるからだ。自分の命より、自分を救ってくれた人のために命を尽くすのがリュー・リオン。あの時から気持ちはブレていない。

 

「さよなら、ベル・クラネル。シルのこと、任せます」

 

「リューさんッ!!」

 

 

黄金の光がリューを導く......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________________

 

 

 

 

ロキファミリア、ヘルメスファミリア、ヘスティアファミリア、その他商人たちの中で生き残ったのは、ベル・クラネル、神ヘスティア、神ヘルメス、謎の男の4人だけであった。

 

モブラーズは一瞬で壊滅、ロキファミリアで唯一残ったレフィーヤも魔力が尽きてしまい、ヘルメスファミリアの団員達も瞬殺され、アスフィもトドメの一撃をくらって完全にダウンしてしまった。ベルを守ろうと必死に抗ったサポーターのリリルカ・アーデや鍛冶師のヴェルフ・クロッゾも応戦したが、敗北。もちろんベルは仲間を守ろうと必死に魔女に攻撃を仕掛けたが、軽くあしらわれてしまい、意図的に最後まで残らされてしまった。

 

「なんで......、なんでこんなこと......」

 

ベル・クラネルは現実を受け入れられなかった。

 

「「残念だねぇ。仲間を救うことも出来ずにただ独り残されるなんてねぇ。」」

 

「どうしてこんなことに............」

 

ベル・クラネルはこの惨劇を理解できなかった。

 

「「お前の力が足りなかった......、なんてことは言わんよ。運が無かったなお前ら」」

 

「僕は誰も救えなかった......、誰も......」

 

ベル・クラネルは己の弱さを悔やんだ。

 

「「あぁ、そうだな。お前は誰も救えない。誰もお前のことを見ていない。お前は無力だ」」

 

「僕のことも.........殺すんですか......」

 

ベル・クラネルは己の結末を悟った。

 

「「......そらな。お前はここで終わりだ。と、言いたいところだがお前にチャンスをやろう。」」

 

ベルは魔女のセリフに耳を疑う。あんなに多くの人を殺めておきながら、この状況でチャンスを与えるということに。なぜ? 弱いから? それともただの遊び感覚なのか? ベル・クラネルだから?

 

「「お前に選択肢を二つやる。どちらか選べ」」

 

ベルは唾を飲み込んだ。

 

「「ひとぉおぉつ、ベル・クラネル、お前だけが助かって他の奴らは死ぬ。神もだ」」

 

「「ふたぁあぁあつ、ベル・クラネル、お前だけが死んで他の奴らは助かる。」」

 

「「時間は3分、嘘なしで正直に答えるがいい。」」

 

人間味が薄れたような声で魔女は問いかける。前世が一般人だとか、実は元の世界では人の為に戦ってるとか、今の魔理沙を見たものは信じられないだろう。それくらい雰囲気が違う、今の魔理沙は動揺や罪悪感は一切ないのだ。

 

しかし、ベルは迷いを見せなかった。

 

「僕の命ひとつで神様を救えるなら、そうする。けど、ひとつだけ、たったひとつだけ、チャンスをください」

 

数多くの冒険者、リリやヴェルフ、そして片思いを寄せていたアイズさん。多くのものを奪われ、今にでも殴りにいきたい、仇をとりたいと感じていたベルだが、神様までいなくなったらと想像し、ベルは自分が今まだ持っている大切な人を守ることを最優先に考えた。

 

ベルは変化していた。本来こんな場面に直面したら、諦めるか、命乞いをするか、何の策も無しに突っ込むのどれかを行っていただろう。しかしベルは冷静に状況を判断し、感情を押し殺し、今あるものを守ろうとしている。これが何を示していたのか、

それを知るものはこの時はいなかった。

 

「「チャンスゥ......?」」

 

「決闘......、僕と決闘してください...」

 

「血糖? 隋分と無謀な策を選んだナ。今までの私を見ていなっかっか?」

 

「見ていました。なのでルールを作らせてください」

 

ベルは一度深呼吸をして、気を落ち着かせた。

 

「ルールは簡単です。僕があなたの身体のどこかに一撃でも攻撃を入れたら僕の勝ちです。そしてあなたは何度、攻撃を入れても勝ちにはなりません。

けど、僕の心が折れて、決闘を放棄したらあなたの勝ちです。どうでしょうか......。」

 

おずおずと反応待ちしているベルを見た魔女は、あまりにも滑稽な姿に笑いを堪える。

 

「「wwwハハッ! wwwお前イカレてんのwwwフハハヒャッヒャwwwwwwヒー、お腹痛い」」

 

「「いいだろう! そのルールでいいよ」」

 

ベルは驚いた。人の話を一切聞かずに何かするんじゃないかと予想していたが、嬉しい意味で外れたようだ。しかし、まだ信じることが出来ない。確証がないからだ。

 

「あなたは、ルールを破ったりします.....か?」

 

黒魔女は唸りながら、今までを思い出す。

 

「「嘘をついたことはあるが、約束を破ったことはねぇなぁ」」

 

怪しい、けどやるしかない。それしか神様を救う方法がない。大丈夫、諦めなければ絶対勝てる、頑張るんだ......、みんなの為に......、

 

心の中で自分を励まし、敵を見据える。チャンスはものにできた、後は成功させるのみ。

 

「「そこの模部野郎は混ざらんのか? 別に何人来ても構わんぞ」」

 

「......、俺は遠くで見物させてもらう。邪魔はせん」

 

「「このDTboyが負けたらテメーらも死ぬからな? いいんかな?」」

 

「構わん」

 

「「あっ、そう」」

 

魔女はこれ以上時間をかけるのも面倒だと感じ、ベルの近くまで移動した。

 

「「じゃ、殺るぞ?」」

 

「......ッ!! 絶対に勝つ!!!」

 

魔女と少年の命を懸けた精神決闘(スピリチュアルデュエル)が始まった。

 

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

「ファイヤボルトォオ!!」

 

ベルは魔法で牽制しようと試みた。一撃でも入れたらそれで終わり、だが接近戦も遠距離も効かない相手にどう立ち回っていけばいいのか、ベルは困惑する。

 

魔法は攻撃というより目くらましとして使い、その隙に神の刃(ヘスティアナイフ)を当てるのが今の最善な方法と判断したベルは、魔理沙の様子を伺いながら攻めるタイミングを探していた。

 

なお、今の作戦は全て筒抜けである。

 

「「甘いなぁベル・クラネル。傷つきたくないとか、汚れたくないとか、前に進みたくないとか、そんな甘ったるい考えでいるやつなんかじゃは相手にではない」」

 

「「自分が最後まで残ったから殺されないとでも思うか? 違うな、俺は意図的に残してただけだ。わかるか? 軽い気持ちで決闘とかほざいてんじゃあないぜ? 決意を抱け」」

 

魔理沙は高速で空気に数百発拳を叩き込む。常人が空気にパンチすれば、空振りするのが現実。だが魔理沙がやれば全く別だ。マッハで押し出された空気は弾丸並みの威力に昇華し、ベルに襲いかかる。

 

ヘスティアナイフが盾になったおかげか一撃を防ぐことができたが、反動で後方に転んでしまった。その上、ベルの手の関節はあらぬ方向へねじ曲げられ、強烈な痛みが全身を走った。だがむしろベルは助かった。後方に転んでなければ、全身穴だらけになっていただろう。

 

「うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁ!!!!!」

 

もしもあの時〜、なんて余裕はなかった。全ては結果、これが唯一生き残るための方法だとしても、手首が使い物にならなくなったことに変わりはない。手首が使えなければ、敵にナイフを突き立てることも出来ない。攻撃手段が減ってしまった。

 

ベルは残った左腕で落ちたナイフを拾う。右利きのベルだが、ナイフの二刀流を可能としていたベルには特に問題は無い。利き手ほど使える訳では無いが、まだ攻撃手段は残っている。

 

「うわぁあぁああああああ!!!!」

 

痛みは思考を遮る。憎しみは目を奪う。動きは複雑から単純へ、読みやすいものへと変わる。

 

ただ何も考えずに突っ込むやつなど、赤子の手をひねるより楽な仕事である。

 

魔王は向かってくる兎を見切り、2、3発拳を叩き込む。相手が子ウサギだろうと魔王は容赦はしない。決闘に情けなど存在しない。

 

サンフラワーがぶち空けた穴から光が差し込む、だが結界のせいなのか、それとも酷い決闘のせいなのか、ダンジョン内が暖かくなることはない。

 

「「なぁ? 諦めろよ? 万一つ勝ち目などありゃしない? 無謀な戦いに身を焦がす必要があるんど? いい加減飽きてきたんよ。無駄だ」」

 

「......嫌だ、絶対負けない......ッ!」

 

一歩一歩、踏みしめるように近づいていく魔理沙。

 

「「めんどくさい勝利条件だ。人ほど決意に満ち溢れたものはいない。どっかの誰かさんみたいにずーっと『僕は悪くない』と言い続ければ、どんなに論破されようとも負けはしない。それといっしょ。だからめんどくさい」」

 

一歩、近づく。

 

「「お前はもう終わりだ、死ね」」

 

尻もちのついた兎に流星の拳が襲う。

 

「......ッ!! 負ける訳にはいかないんだああああああ!!」

 

赤い瞳の白兎は立ち上がる。ギリギリの距離で拳を避け、左手に持ち替えていたヘスティアナイフを突き出す。

 

魔理沙はニヤッと不気味な笑みを浮かべ、片方の腕でナイフを受け止めた。

 

このままナイフをへし折られ、波動をぶつけられてノックダウン......、なんて展開にはならなかった。ベルは掴まれたナイフを軸にして身体をひねらせ、反転し、魔女の背中にのしかかる。そして魔女の背中を蹴りつつナイフを引き、首を裂こうとするが手で防がれてしまった。

 

「「まだ殺るなぁお前。元気があってよろしいッ!!!」」

 

「絶対みんなを助けるッ!!! 絶対勝つ!!」

 

魔女とベルの接近戦が始まる。しかし魔女の今まで鍛え上げてきた動体視力は並々ではない。素の力でさえ、ほぼゼロ距離から弾丸を撃たれても避けられるのだから。

 

ナイフは剣や刀に比べてリーチが短く、攻撃範囲が非常に小さい欠点がある。しかし誰でも扱かいやすく、軽いので素早く、リーチが短いので力が入れやすい。ベルが魔女に渾身の一撃を当てるとするならば、密着するくらいの距離で戦わなければならない。右腕は使えない、ナイフも相手から見ることのできない死角から当てなければない、何より相手の攻撃をスレスレで避けなければならない。

 

ほぼクソゲーと言われても仕方がないほど理不尽な状況だが、ベルは死に物狂いで食らいついていた。守るべきものがいるから、神様がいるから、好きな人がいるから.........

 

この世界、ドラゴンボールじゃないかと疑うくらい激しい近接戦闘。ベルの攻撃は魔女に一切届いてはいない、だが魔女の攻撃もベルに当たらず、空振りの応酬であった。

 

「「吹っ飛べ」」

 

魔女は力強く地面を踏み、地形を変化させてベルを吹き飛ばした。ダンジョンの天井にぶつかり、重力によって地面に落とされるベル。しかしこの状況はマズイ、距離が離れたことによって魔女の魔法射程範囲に入ってしまったのだ。

 

「「ジ・エンドってね☆」」

 

ファイナルアタックライドォ!! ディディディディエンド!!!!

 

異空間からディエンドドライバーを取り出した魔女はすかさずベルに狙いを定めた。ドライバーって名前がついているが、見た目と性能で言うなら片手銃と言った方が正しい。ドライバーなので変身も可能だが、しない。

 

青緑色の光のカードがディエンドドライバーの銃口から渦巻くようにベルをロックオン、追尾性バッチリなため逃げ場はない。

 

魔女は引き金を引いた。すると銃口から放たれたエネルギーが渦の中を埋め尽くすように射出され、地面をえぐりつつ、ベルの身体を包み込んでいく。

 

ドゴォォォォォォン!!!

 

これが特撮ヒーローならば、怪人退治完了でハッピーエンドだったが、使用者が怪人じゃ意味が無い。ただのバットエンドだ。

 

ダンジョンの壁に叩きつけられたベルは、もう動くことすら難しかった。

 

「ゲホッ....エホッ、エホッ.........」

 

「「まだ息あんのか、しぶといな。流石主人公とでも言うべきかな?」」

 

「......」

 

魔女は兎の頭を鷲掴みする。

 

「「なぁ? なんで無謀で無意味な戦いに突っ込むのか? 大人しく諦めればいいものを、なぜ抗う? なぜ現実を受け入れない? お前に何が出来る?」」

 

壁に叩きつけながら魔女は問いた。

 

「.......、か....」

 

「「かぁ?」」

 

「神様が......見てるから......」

 

「神様の前で......、無様なことはしたく...ないッ......」

 

「「へぇ、カッコイイねベルくぅん。力もないくせにカッコつけるなんてねぇ。俺だったらお前みたいなことはしないなぁ」」

 

魔女がもう一度壁に叩きつけた。

 

「ガハッッ!!! .....、ハァ......ハァ...、それに.......、リューさんにも頼まれたんだ....、アイズさんも頑張ってたんだ......、みんなみんな必死に頑張って抗ったことを僕が無駄にするわけにはいかないんだ!!!!」

 

「「世の中結果だ。頑張る頑張らないは過程に過ぎない。過程がどうあろうと結果が最悪ならなんの意味もないんだよ。無駄なんだよ。終わりなんだよ。」」

 

「.....ハァ......ハァ...、だったら今だって、『過程』じゃないか.......」

 

「「はぁい? なんつったお前?」」

 

「「負け確定イベントに過程もクソもねぇんだよ。だってそういう『運命』なのだから」」

 

ベルは唾を飲み込んだ

 

「僕はまだ......諦めていない。まだ負けを認めていない......、まだ終わっていない!!」

 

「お前の言う『結果』はまだ! 訪れていない!」

 

「「あぁそうかい、じゃあ過程なんて作らずに結果に辿り着くとするかぁ!! 『キング・クリムゾン』ッッ!!! 時が吹き飛べ!!!」」

 

魔女はスタンド『キング・クリムゾン』を顕現させた。キング・クリムゾン、それはビデオレコーダーのスキップ機能のごとく、時間を吹っ飛ばして過程を消滅させるスタンドである。結果だけが生き残り、全ては完結する。

 

消えた時間の中で行動できるのはキング・クリムゾンを従える黒魔女だけで、他は誰も消えたことを認知することができない。

 

キング・クリムゾンの強靭な拳をベルに下し、ダンジョンの壁ごと貫通させた。そして時は完遂する。

 

「ベルくんんんんんん!!!!!!!」

 

「ダメだヘスティア!! 俺たちが行っても無意味だ!! 相手は『神殺し』だぞ!!?」

 

「はぁぁぁなぁぁぁせぇええええ!!! 離しておくれヘルメス!!! ベルくんんんんんんんん!!」

 

五月蝿い神々の声が響き渡る。体に風穴を空けられながら放物線を描くように吹き飛び、血を吐き、瓦礫の下敷きとなったベルの姿に耐えられなかったヘスティアは、ヘルメスの制止を振り切ろうと必死に藻掻く。

 

「「死んだってことは心が折れたってことでいいんかなぁ????? 」」

 

魔女の煽りにすら反応できなくなったベル。

 

「「返答なし。さてと、約束は確かな、全員遺影になるってことだったなぁ」」

 

残った3人に寒気が襲う。

 

「「いや、万が一のためにトドメはキッッッッッッッッチリつけておこうか」」

 

「やめろぉおおおおおおおお!!!!!!!」

 

「「やめろで止めるやつはお利口さんだけだ」」

 

魔女の指先に死のエネルギーが集まる。紫色の泡白い光が一点に集中し、濃縮され、純度が増す。

 

「「デスビィィィィィィィム!!!!!」」

 

指から一直線に射出された死光線は躊躇なくベルを貫いた。

 

「「粉砕・玉砕・大喝采!!! 命ってもんはぁ、燃やしてこそ命だよなぁ? なぁ?」」

 

静まり返るダンジョン。もう誰もこの女を止めるものなどいない。全てを葬り去るこの魔女は、後始末を完了させようと残りの3人に近づく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタッ

 

後ろで音がした。まだ生きているのか? あそこまで致命傷を負いながら? 無理だ、不可能だ、そんなことあるわけがない。ただの人間がここまで耐えることなんてありえない。

 

ガタガタッ ピカッ

 

青い光が生まれた。なぜ? 光? どうして? 光の発生源は瓦礫の下。中心には恐らく下敷きになったベル・クラネルがいる。これは回復魔法なのか? しかし謎の男は特に魔法の類の使用はしてない、神様二人なんか、ダンジョン内ではただの魔法すら使えない人間とほぼ同じ。ならば原因はひとつ、ベル・クラネルが生きているということ。

 

「「やはり破壊の芽は先に潰さなきゃな」」

 

ベル・クラネルがいると思われる場所に手をかざす。すると手のひらの中心に『破壊の目』が現れた。フランドールの能力が発動しているということはつまり、壊れていないということ。生きているということだ。

 

これをそのまま握り潰せばそれで終わり。ただそれだけのワンアクション。

 

「「キュッとしてドゴーン」」

 

手に覆い隠され、破壊の目は今にも握りつぶされようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、魔女の右腕が宙を舞った。

 

 

 

 

 

 

 

血が容赦なく吹き出る。血で赤く染まる自分の服をボーッと眺めると、ハッと気がついて後ろを見る。

 

するとそこには眩しい白い光に包まれ、七色の瞳を携えた“英雄" がいた。体格は一切変わらず、しかしオーラはレベル6にも劣らないほどの覇気を纏い、身体の周りにはプラズマが発生している。背中には青色になった『神聖文字(ヒエログリフ)』が浮かび上がり、まるで自らステータスを晒しているように見えた。

 

神聖文字には、自分の持つ能力や魔法、ステータスが記されている。これが晒されるということは、現実でいう個人情報の漏洩と同じである。知られてしまえばいくらでも対策できるからだ。

 

しかし、この時のベルは異常であった。ステータスを見られても問題ないと言わんばかりの表情で魔女と相対する。

 

「「おいおい嘘だろ」」

 

 

 

ベル・クラネル レベル ???

 

力 …… ??? 9999

 

耐久 …… ??? 9999

 

器用 …… ??? 9999

 

敏捷 …… ??? 9999

 

魔力 …… SS 1082

 

 

《魔法》

 

【ファイヤボルト】

 

・ 速攻魔法。

 

《スキル》

 

憧憬一途(リアリス・フレーゼ)

 

・ 早熟する。

 

・ 懸想(おもい)が続く限り効果持続。

 

・ 懸想(おもい)の丈により効果向上。

 

英雄願望(アルゴノゥト)

 

能動的行動(アクティブアクション)に対するチャージ実行権。

 

・ スキルの影響を及ぼす箇所が白い光の粒に包まれ、その箇所から発する能動的行動の効果が飛躍的に上昇する。

 

闘牛本能(オックス・スレイヤー)

 

・ 猛牛系の戦闘時における、全能力の超高補正。

 

異形覚醒(ヴァリアント・ウェイクアップ)

 

・ 特定の条件を満たすことにより発動。

 

・ 異形系の戦闘時における、全能力のЧЮФ補正。

 

・ 覚悟の丈により効果向上。

 

・ 主人公補正率 98%

 

・ 常時ステイタス更新。

 

 

 

 

 

魔理沙は正気に戻った。いや、もっと言えば弱体化したのだ。ついさっきまでの狂気に染まった時が魔理沙の最も強い状態であったが、最も悪いタイミングで解除されてしまった。主人公補正が相手の味方をしている証拠である。

 

ヤバい、さっきまでの出来事があやふやになっているが、この状況が凄くやばいことだけはわかる!! 一発当てられたら終わり、能力値がチートじみているし、こっちも本気出さなきゃアカン!!

 

「超速再生......、はぁ、破壊の目を潰す前に腕を切るとかお前なんなんだよ」

 

「質問に答えるつもりは無い! 僕はただ、君を倒すだけだ」

 

あの現象、薄々感じてはいてんだがこれはどう考えても覚醒状態。異形チルノの魔力を得て覚醒したチルノや、異形幽香に殺されかけたルーミアも覚醒して急激に強くなった。爆豪も緑谷に追い詰められて、覚醒した。

 

そしてこのベル・クラネルも、仲間を倒され、戦闘に関してはひとりとなったことで追い詰められ、神様の危険を察知したことが火種となって覚醒した。俗に言う『覚醒ベル』だ。原因はもう少し調べる必要があるが、多分原因は私であろう。きっと。

 

腕切られた時点でこの戦いは私の負けなんだが、本人はなんも気づいてないのでこのまま続行する。

 

「ここまで粘った貴様に427万の形態のひとつをお見せしてやるぜッ!!!」

 

ベルはさしずめ速さ重視の攻速タイプ、ならばこちらは防御重視の超範囲攻撃型が好ましい。どんなに速くても攻撃が通らなきゃ意味は無いからだ。

 

ミチミチィ......という生理的嫌悪感が激しく掻き立てられる音を出しながら身体を再構築し、まるでゴーレムと呼ばれてもおかしくないほどの体に変形した。関節部分が動きづらいが、これは隙間の数を最小限に抑えた結果のため仕方がない。動きづらいとはいえ、バベルの塔みたいな右腕をちょっと動かすだけで周囲は大惨事だ。

 

バベルの一撃(ただ振り回しただけ)

 

太くてデカい右腕をベルに向かって振り下ろす。当たれば誰でもゲームオーバー、質量的にこれを壊すのは無理。もちろん避けるよなぁ? 避けた瞬間、右腕を横に振り回してやる。完璧。

 

ベルは振り下ろされたバベルをギリギリ当たらないところで避ける。読んでいた魔理沙は容赦なく、回転斬りのごとく振り回す。

 

だが魔理沙は誤算であった。今のベルはステイタスの値が異常であること。そして、ベルの持つヘスティアナイフの攻撃力は()()()()()()()()()()()()ということに。

 

ベルは何の問題もなさそうにバベルの塔を輪切りにしていく。そして神速とも呼べるような速度で魔理沙との距離を縮め、高速で突きを繰り出し、魔理沙の中央に風穴を作った。

 

「嘘だろッッ!?!?」

 

白い光が弧を描くように流れ、舞って、魔理沙を切り刻む。スピード、パワーも時間が経つ度に増してゆく。常時ステータス更新とヘスティアナイフの相性は非常に厄介だ。

 

「変身解除、からの『メテオリックバースト』」

 

ゴーレムの体をボロボロにされたので、別の形態に変化した結依魔理沙。メテオリックバーストとはワンパンマンの敵が使った切り札、俗に言う身体能力の超大幅強化である。全身が真っ白になり、身体の周りから淡紫色のようなオーラを纏い、生物の限界以上の力が引き出される。

 

「こっから本気だ。強めにいくぞ」

 

狭いダンジョンの1階層で2つの白い光が目にも止まらぬ速さで交差し合う。壁も天井も余波でボロボロになり、砕け散る。

 

「無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!」

 

空中を神速で飛び回りながらラッシュ攻撃をするが、全てヘスティアナイフで防がれる。が、何度もベルの動き方を見たので、隙をついてベルの腕を掴むことに成功する。クイッと腕を引いた直後に、腹へメガトン級の蹴りをぶち込んだ。

 

ベルは天井と結界を貫通して地上へ吹き飛ばされた。それを追うような形で魔理沙も地上へ進出。地上に出たとはいえ、ここはダンジョンの真上に位置する摩天楼の地下一階。お日様はまだ見えない。

 

ベルは摩天楼の中の階層をどんどんぶち破りながら上昇していく。食堂、鍛冶屋、換金所、最上階のフレイヤプライベートルームもぶち抜いて、空へ吹き飛んでいった。

 

「まだいけるよなぁベル・クラネル!! 」

 

ベルが空けた穴を通って来た魔理沙は、道中で溜めておいた虚無崩壊のエネルギーを弾丸状に変えて撃ち出した。ベルは直感で悟ったのか、当たらないよう最低限の動きで避ける。

 

しかし、まだ魔理沙には虚無崩壊のエネルギーが残っていた。

 

「魔砲 『ファイナル虚無崩壊スパーク』」

 

スペカ宣言っぽいがスペカではない。虚無崩壊エネルギーがふんだんに詰まったマスタースパークである。触れれば素粒子すら残さず消滅させる圧倒的なレーザービーム。後先など一切考えてない。

 

当っっった? ビームの先が空中で止まってるから多分当たっているはずなのだが、普通に考えたら貫通するはず。素粒子ごと消し飛ばすのになぜ貫通しないんだ?

 

なんて思ってたらいつの間にか八卦炉が真っ二つに割れ、私の体に一本のナイフが刺さっていた。あの野郎、ビームの中心にヘスティアナイフを投げて割りやがった。神様が作ったナイフは虚無崩壊を耐えるのか......、チッ。

 

ナイフを回収しに来たのかベルは一直線にこちらへ来た。この突き刺さったナイフを引っこ抜きたいところだが、このナイフはヘスティアファミリア以外の人は扱えないから引っこ抜けん。ならば、

 

「魔砲 『ダブルファイナル虚無崩壊マスタースパーク』」

 

誰がもう撃てないと言った? 八卦炉は異空間からいくらでも出せるんじゃーい。ヘスティアナイフは私のお胸に刺さってっから、もう貴様は防御手段がない。しかも2つ、勝ったな。

 

「私の子と私の部屋に何しているのかしら、『神殺し』」

 

「あーらこのタイミングで来るのね、フレイヤ」

 

ベル君がこんなことになってる&プライベートルームが壊された=ぶっ潰す なんだろうなぁ。遂に神々も参戦か。あと『神殺し』って何よ、殺してねーよ殺すわけねーよ。

 

どさくさに紛れてベル君を抱きつつ、虚無崩壊を打ち消したフレイヤ。そして顔だけ赤いベル君。くたばれ(くたばれ)

 

摩天楼の頂点は神様VS魔女という新たな神話対戦が始まろうとしていた。オラリオの住人や冒険者もそれに気づき、不思議そうに空を見上げる。

 

「さて、後3000文字いくとこの話が強制的に終わっちまうからな、決着といこうか」

 

「あなたの都合に合わせる必要がどこにあるのかしら? 空中で一発芸をした後、千回土下座したら許してやっても良いわよ?」

 

「ベル君に胸を押しつけながら喋る変態女神に下げる頭など持ってないんでね。この一撃に全てをかけるとしようか。貧乳はステータスだ。希少価値だッ!!」

 

私は掌を真上に掲げ、人工太陽を創り出した。もちろんただの人工太陽じゃあない。表面温度1兆度、中心温度は5兆度というゼットンがホクホク顔になるほどの超高熱球体。今は結界で覆っているが、もし解除すれば、多分太陽系(オールトの雲も含む)全ての惑星が融解するだろう。わからんけど。

 

結界で守られているとはいえ、熱は超微量に漏れている。今のオラリオの気温は推定50度。夏の暑さなど屁でもない。というか風呂の温度より高い。

 

「降参すんなら今のうちだぜ?」

 

流石にもう諦めるだろ? 太陽だぞ?

 

「......、僕は、諦めない。今ある全ての人たちを守るために、」

 

「魔女さん......、僕はそれでも、諦めません」

 

「はぁ、そうか。お前はもう立派な主人公だよ。こんなに命が危険だっつーのにさ、眩しすぎて見えやしないぜ全く。」

 

 

「せいぜい自分の行いを後悔することだな、あの世でな」

 

解き放たれた人工太陽。結界を解くのは、ベルが太陽に負けて飲み込まれた時にしてやろう。ベル君の命と世界の命は今、同価値になったってことだ。

 

さてと、ヘスティアナイフのないベルくんはどうやって太陽を止めるんだか。

 

だが意外ッ! それは素手ッ!!

 

あいつ太陽を素手で抑えてやがるぞ。何も策が出なかったということか。アホだろあいつ。

 

しかし、ガムシャラにも耐えてやがる。なんなんだよアイツは? いくら覚醒したとはいえ太陽を素手で抑え込むとかチートにも程があるだろうが!! 一兆度の火球を放つゼットンさんに謝れ。

 

「グゥウゥウウゥウウゥウウ!!! もう...ダメッ......、僕だけじゃ抑えきれないッ!!」

 

だろうな。逆に抑え切られたらこっちが困る...んだがちょっと待て。僕だけじゃ......って何!? 二人いればできんのかお前!? いやいやいやいやなわけあるか!!

 

魔理沙はもう一つ忘れていた。ベルの主人公補正率は今98%だと言うことを。

 

 

「ベルくんんんん!! 頑張れぇぇぇぇ!!!」

 

「ベル君、僕は君に期待しているよ!!」

 

「.....、強き男になれ」

 

「ベルさんん!? なんであんなところで!? 絶対負けないでください!!!」

 

「ん、アレはドチビのとこの眷属に.....、フレイヤ!? 何やっとんねん!! 私も混ぜろや!!」

 

「ベルくん!」

 

「ベルさん!」

 

「ベル!!」

 

 

おいおいこの展開はまさかな。あるわけねーよなまさか。皆の心がひとつに結集すればどんな敵にも負けない理論か? 世の中にはなぁ、限度ってもんがa......

 

 

 

「「「いっけぇえええええええええ!!!」」」

 

 

 

「うぉぉぉぉおおおおおああああああ!!!!」

 

 

 

ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人工太陽が消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁあぁあああああああぁああああああああああああああああああぁぁぁ!?!?!?

 

いや、え? 嘘だろおい。私のガチ攻撃を消滅させた? 多分それ神さまでも難しいぞオイ。だって太陽より太陽してた人工太陽だぞ? なんで?

 

ベル君は全てを出し尽くしたのか、真下へ真っ逆さまに落ちた。が、見事、下にいたヘスティア様にお姫様抱っこキャッチされ、無事生還。恐るべし、主人公補正。

 

私はもうヤケクソになりながら地上へ降りた。そして待ち構えていたヘスティアに完全回復薬ポーションを投げつけた。

 

「やるよ。それでベル君を回復させたれ」

 

「全ッ然信用できないね。どうせ毒でも入ってるんだろう!!」

 

「入ってねーよ。そんなんで倒しても気持ちよくねーわ」

 

はぁ、とため息をついたヘスティアはベルに完全回復薬ポーションを与えた。

 

「ちなみに神様はわかってると思うが、ダンジョンで倒れてるヤツらは全員生きてるから。そいつら用のポーションもここに置いといてやる」

 

異空間からポーションをごっそり取り出し、置いた。疲れた。

 

「後言うことは?」

 

「んったくわかってるっつの。ほら、ロキファミリアの奴らも置いてくから」

 

ゲートオブバビロンからロキファミリアの精鋭6人を取り出した。

 

「もっと他にあるだろう!!」

 

「えー? 他にぃ?」

 

 

魔理沙は少し考えたあと、ハッと理解し、行動に移った。

 

 

 

 

 

「最強の魔法使いの私が暴れまくって、御宅の眷属さん達に怪我させて申し訳ございませんでした。」

 

魔理沙は粛々と述べたあと、ダンジョンと摩天楼を修復するために戻って行った。

 

「はぁ、やっちまった」

 

 

 

魔女の災難はまだまだ続く......(きっと)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 スタッフロール 〜

 

 

監督 ……マスターチュロス

 

脚本 ……マスターチュロス

 

キャラクター原案 …マスターチュロスでありたい

 

声優 ……マスターチュロス

 

伴奏 ……結依魔理沙

 

 

 

 

AND YOU !!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____________________

 

 

 

〜 僕のヒーローアカデミア世界(結依魔理沙が生まれた世界) 〜

 

 

 

 

「弔は失敗してしまいました。異形魔理沙の回収も失敗してしまい、申し訳ございません魔王様」

 

「別に構わないわ、期待なんて微塵もしてないもの。部下が成長したのなら、それでいいわ」

 

「誠に有り難き言葉」

 

「さぁ、早く仕事に取り掛かりなさい。七月までに全ての準備を完了させなければ、あなたの首は無いわ」

 

「ハハッ!! 魔王様の為に、全力でお仕え致します」

 

「せいぜい頑張ることね、人間(畜生)共」

 

 

見渡す限り全てが真っ赤な部屋を退出したAFO。計画実行のためにワープを使って自分の部屋に帰っていった。

 

 

「待ち遠しいわね、マリッサ」

 

 

 

 

 

 

悪は常に蠢いている

 

 

 

 

 

 






言いたいことも言えないこんな世の中じゃ

POISONッ!!


多分誤字とか読みづらいところもあるかもしれないので、はい、ごめんなさい。長いからね。

これで番外編は終わり。体育祭へGO





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