最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

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ニコ動にある「遊戯VS遊戯(実写版)」が面白すぎて周回してます。

番外編後は、この話の途中あたりで直結します。体育祭までの間の二週間の時ですね。うぇい。




第一種目『???』(27話)

 

 

 

「結依さんの......お知り合い?」

 

麗日さんのごく普通な質問。幼馴染みの緑谷と爆豪でさえ知らない魔理沙の人脈に二人はやや驚く。

 

「僕達は今日、初めて顔をあわせたよ☆」

 

「そうだな、顔をあわせたのはこれが初めてだ。マジで会いたくなかった。さっさと帰れ」

 

「NO☆ ヤダ☆」

 

「そうか☆ じゃあ一生のお願いここで使うから私のお願い聞いて☆ そこをどいてくんない☆ 相澤先生に怒られる☆」

 

「一生のお願いって....一度頼まれたらつけあがって二三回頼むのが人間......だよねッ☆」

 

「急にブラックになったぞコイツ....。」

 

私はいつも頼む側なので頼まれる側の気持ちはしりましぇん。ごめんね

 

「はぁ、これ以上駄べる暇はねぇ! ドナルドゥマジック!!」

 

魔理沙は指パッチンを1回鳴らすと、一瞬で姿が消えてしまった。

 

周囲を確認する雄英生徒。しかし魔理沙の姿はどこにも見当たらなかった。魔理沙はお得意の座標移動によってダイナミック帰宅を完了させていた。帰って寝よ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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雄英高校体育祭まで二週間、特に何もなかったわけでもなく、むしろ今まで以上に忙しかった。腕慣らしに異世界にいったんだが、なんやかんやラスボスになっちゃって、ノリで主人公と戦ったらまさか覚醒するとは......。その後、爆豪に協力してもらって(無理やり)覚醒について詳しく研究した。

 

簡潔にまとめよう。原因は......やはり私! 私の体から溢れ出る『異形因子』(私が命名したッ!)が人の体内にある『個性因子』に付着することで覚醒するための資格を得る。資格を得るだけなので、何らかのきっかけがなければ覚醒はしない。大賢者さん曰く「覚悟を強く持つ」のが覚醒へのトリガーとなるらしい......。難しいね。

 

ついでに研究という意味も含めて爆豪の強化訓練を行った。覚醒を任意で発動できないか? という疑問からスタートしたこの実験。爆豪も賛成してくれて、月火水は私との戦闘訓練をやっていた。進展は見られんけど、アイツはどうやら私がいない時も練習してたらしいので、爆豪しだいだな。

 

あと相澤先生達との大会の打ち合わせ。といっても私の役割は昨日聞いた話じゃあ、完全回復ポーションの調達と、大会の際に機材が壊れたら直すという役割だった。特に難しい問題ではない。あと、よくわからないが私専用のステージがあるらしい...。戦闘訓練と襲撃事件のデータを見ての判断らしく、まぁ当然の配慮だよな。

 

 

あともう二つ言うことがある。ひとつは轟くんの件だ。轟くんは個性婚の被害者でな、ナンバーワンヒーローのオールマイトに勝ちたいと思ったエンデヴァーがオールマイトを越えるためだけに、氷結個性持ちの家系の人と結婚し、轟くんを産んだ。オールマイトに勝つためっていう理由で轟くんをしばき、止めようとした妻には暴力を振るい、轟くんの心に大きな穴をあけたのよ。

 

知っちゃった以上、私は見過ごせない性格なんでね。とりあえず入院中の轟のお母さんに毎日お話にいったんだが.....、何も無いとこをずーっと見ていて全然相手にされへんかった。これは無理か....ってなって途中で諦めたけど、何かしら変わってくれたらいいなぁ。

 

 

二つめ、これは極秘ミッションだ。私はこの雄英体育祭中にヒーロー殺しのステインを仕留めることにした。職場体験の時で良くね? なんて思う人もいるだろう。けどねぇ、この人ね、体育祭の昼頃にね、飯田くんのお兄さんを再起不能にするんだよね。何よりコイツが暴れるとヴィラン連合が強化されるんだよ。トガちゃんに会いたかったけど、謎のマスターがヴィラン連合に関わっている以上戦力を増強させたくない。つーわけでステインを潰す。

 

お前、体育祭出るだろ? ステインと戦う暇なんかねーじゃんという方々はご安心を。私は自分とほぼ同一存在の分身を作れるので、そいつに向かわせる。そうすればステイン撃破と体育祭優勝の同時進行が可能となる。やったぜ。

 

 

さてとそれじゃあ、「Plus ultra!!」

 

 

 

 

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〜 1年A組控え室 〜

 

 

「皆! 準備は出来ているか!? もうじき入場だ!!」

 

体育祭当日がついに来てしまった。外は観客、マスコミ、ヒーローが溢れかえり、熱が中まで伝わってくる。ところ構わず暴れる私が言えたことではないが、生徒同士が殴り合うことをスポーツとはいえ世間が認めているっつーのが狂気的だよね。前世なら即BANや。多分。

 

「結依.....」

 

後ろから声をかけられた。声的に多分轟くん。

 

「なんだい轟焦凍くん?」

 

「戦闘訓練では負けたが.....次は絶対勝つ」

 

「......、私も負けるつもりは一切ねぇ。優勝は私が頂く」

 

ゴゴゴゴゴ.....なんて擬音語が浮かび上がるほど睨みあった両者は、くるっと背中を向き合わせて離れていく。イケメンの睨みは精神的に辛いぜ。

 

それにしてもコスチュームは禁止ねぇ。魔女服着たかったけどダメか。サポート科は自分で作ったサポートアイテムなら着用可能らしいが、ヒーロー科が作ったサポートアイテムも着用可能かなぁ? あ、確か原作の八百万は武器作ってたから.....いいか。

 

「これは....、因縁の対決......だね!!」

 

「おぉ、クラス最強候補の二人が張り合ってっぞ!?」

 

「結依のぶっちぎりじゃね?」

 

さぁ、入場の幕が開けるッ!!!

 

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「レディィスエェエエエンドジェントルメェェエエン!!!! いよいよ開催だァ雄英体育祭!! 青春真っ盛りなヒーローの金玉(金の卵)たちの意地と意地がぶつかり合うこの大会!! 1年ステージ実況は俺、ヴォイスヒーロー『プレゼントマイク』がお送りするぜッ!! リスナー共! Are you ready!?!?」

 

「「イエエエエエエエエエエエイ!!!!」」

 

「OK!! 元気なお便りをありがとう!!! おっと? あと一人紹介していない人物がいたぜ! 実況と解説はセットで頼まくちゃなぁ!!! 解説役はこちらぁ!!!」

 

「......マイク、なぜ俺を呼んd」

 

「解説の『イレイザーヘッド』だ! よろしく!」

 

「「イエエエエエエエエエエエイイエイ」」

 

 

熱が凄い。そして相澤先生、無理やりプレゼントマイクに解説役やらされるなんて可哀想に。というか金玉はちょっとNGじゃね? 放送事故やん。

 

「雄英体育祭!! ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!! どうせてめーらアレだろこいつらだろ!!? ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!」

 

 

「ヒーロー科!! 1年!! A組だろぉおおぉおお!!?」

 

ぐわわ、耳が痛い。その上、読心系能力をオンにしていたから脳もいてぇ!! やかましいことこの上ないから、スイッチ切っとくか。

 

「師匠、人がいっぱいでヤバいです。震えが止まりません!!」

 

「落ち着け緑谷くん。手に「人」の字を10回くらい書けば落ち着く。きっと」

 

「人人人人人人人......」

 

早いなおい。ま、確かに、こんだけ人もいれば誰でも緊張するだろうなぁ。私は精神抑制の魔法を今、継続的にかけてるから緊張はしない。魔法って便利ィ......。

 

続いてB、C、E組と順に呼ばれていき、サポート科、経営科が呼ばれていく。完全にモブ扱いだなこりゃ。まーたA組に凸るやつが増えるよ。

 

 

「選手宣誓!!」

 

今年は18禁ヒーロー『ミッドナイト』が主審。なんでこの人が主審になったんだろうか。ほんと私、女でよかった。男だったら興奮して死ぬ。ヒーローコスがエロいッッ!!!!

 

「18禁なのに高校にいてもいいものか....」

 

「いい!!」

 

「即答かよ......」

 

常闇の疑問を即答で答えた峰田。流石は性欲の権化、欲に忠実である。一周まわってぶん殴りたい。

 

「静かにしなさい!! 選手代表!!!」

 

「結依魔理沙!!!」

 

ミッドナイト先生に呼ばれた私は列を離れ、ゆっくりと台に近づく。ところどころ、「暴れんなよ」とか、「心配だわ」とか、「マドモアゼル☆」とか聞こえるけど安心しろ。今回は至極まともに過ごすつもりだ。タイトルとタグに反してしまうが、大目に見てもらおう。

 

 

ゆっくりと台を一歩づつ登り、マイクを手に取る。

 

 

「先生、我々選手一同は、日頃の成果を発揮し、正々、堂々、戦うことを誓います。平成○○年、5月☆日、選手代表、結依魔理沙」

 

 

 

パチパチパチパチパチパチパチパチパチ.....

 

 

 

 

 

 

「あぁ、それともう一つ......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ・た・し・が!! 優勝を頂くからな。お前ら全員まとめて正々堂々叩き潰してやるからかかってこい。 以上!! 解散!!」

 

 

「「ふざけんなぁあぁあぁあぁああぁあ!!」」

 

Boooooooooooooooooooooooooooooo!!!!!!!!!!!

 

「何が解散じゃボケェエエエエエエ!!!」

 

「途中まで普通だったのに裏切り者ー!!」

 

「調子のんじゃねぇぇぇえええ!!!!」

 

「俺と戦えぇえええええええええ!!!!」

 

 

今日のノルマ達成。ははは罵声雑言で溢れかえって愉快愉快テラ愉快。これでヘイト値は私に集中したな。競技が楽しみだぜ。

 

 

にこやかな笑顔で私は列に戻り、ミッドナイト先生の指示を待つ。戻る最中に全方向から強烈な目線が刺してきたが、その程度でビビるほど私の肝はゆるゆるではない。

 

「急だけど第一種目を発表するわよ!」

 

「ほんと急やね」

 

まるで何も無かったかのように進める1年ステージ主審。ツッコミ不在の恐怖。

 

「今年最初の種目は.........これよッ!!」

 

 

モニターらしきものには『障害物競走』と表示されていた。ま、知ってたけどね。ふふふこんなの余裕のよっちゃんですわ!! 瞬間移動ゲーだからね!

 

そして始まるルール説明。特に変更点らしきものはない。個性による妨害ありの危険な危険な障害物競走。でも確か、相澤先生が私専用のステージがあるとかなんとか言ってた気が......

 

「そして今回は特別仕様! 1年A組結依魔理沙には諸事情により特別なハンデが与えられるわ!」

 

ほほう、なるほど特別ステージが私にとってのハンデということか。じゃあ難しいってことでいいのかな?

 

「彼女にはまず雄英が特別に設置したステージをクリアし、その後他の生徒と同じコースを走ってもらうわ。そしてゴール付近に設置された最後の試練、『○○の試練』をクリアし、ゴールテープを切ればそこで終了よ!!」

 

雄英、考えたな。走ってもらうってことは瞬間移動もしくは時間干渉は禁止ってことだし、光速でゴールまで走ったとしても最後の試練をクリアしなきゃゴール不可能と。面白いな。

 

若干聞き覚えのある単語が聞こえたが無視しようか。

 

「これでルール説明は終了よ! みんな位置につきなさい!!」

 

ミッドナイト先生の指示通り、全員が移動を開始した。私もその特別ステージとやらに向かおうと探したんだが、アレか? あの長方形の黒い豆腐ボックスみてーなアレ。位置的にいえば障害物競走のスタート地点より後ろにあるな。なんだこれ。

 

今さら疑問を持っても仕方ない。後ろから現れたスタッフさんがボックス内に入るよう指示してきたので大人しく従う。なーんか見たことある気がする。どこだっけ。

 

重厚な扉を開き、中に入った。地面は砂だらけで、左には謎の台座とモニター。足元には謎の足枷。そして右奥には何処かの守り神みたいな巨顔の石像が設置されていた。

 

おい、私はいつバラエティ番組に進出した。いつ、前世の世界に戻ってきた。これ、どーみても「T○RE!」じゃねーか!!! なんで石像の間が雄英体育祭に設置してんだよ!!!

 

アンダァアァアァアァホイヤァアアアアア!!!

 

突如、モニターに人影が映った。

 

「ファーラファラファラファラアッハッハ!! ようこそ! 雄英体育祭特別ステージへ結依魔理沙くん! 予算不足と君のスペックに見合った壁を用意できなかったからこうなったのサ!」

 

モニターに映し出されたのは、ファラオのコスプレをした校長先生。何してんだテメェ!! このサイコパスハツカネズミ!!

 

「あまり時間はかけられないから、手短に話すのサ! まず、両足に足枷を着けます。足枷を着けた5秒後には石像前まで引っ張られてスタート! 石像に追いつかれる前に3つの壁を攻略すると脱出出来るのサ! ちなみに、君のスタートと同時に他の生徒達は走り出すから要注意なのサ! では期待して観ているよ、結依魔理沙くん!」

 

「足枷壊すの無しですか?」

 

「施設への直接攻撃は禁止なのサ! もちろん、足枷も石像も台座もぜーんぶなのサ!!」

 

「それ意外は......?」

 

「だいたいOKなのさ!」

 

「あと、難易度は鬼畜に設定しておいたのサ! アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」

 

モニター越しで紅茶をダバダバ零しながら愉悦に浸っている校長先生に殺意を抱きながらも、この体育祭が思ったより面白そうでワクワクが止まらない私。

 

「仕方ねぇ、ここまで来たらトコトンやってやる」

 

《結依魔理沙さん。足枷を装着してください》

 

アナウンスの指示に従い、足枷を装着する。足枷を見るとモルジアナ先輩を思い出してちょっと恐怖が.....ってぁぁぁああああああああああああああぁぁぁぁぁあぁぁぁあああ!!!!!!!

 

石像の近くまで引きづられ、口の中に砂が入った。うへぇ気持ち悪い。

 

ぶもぉぉぉぉぉおぉおぉぉぉぉぉ!!!!

 

石像の雄叫びに呼応し、3つの壁が通路をふさいだ。この壁を乗り越えなければ私は失格! 乗り越えたとしても障害物競走と最後の試練が残ってる!! 時間はなるべくかけたくない!!

 

 

《それでは第一種目『障害物競走』スタートまで、残り3秒前》

 

 

 

《2》

 

 

 

《1》

 

 

 

 

《スタート》

 

 

ブザーが鳴り響く。

 

 

 

 




やりたかったこと一つ目、TORE! 知ってたら多分最後の試練が何かもわかるだろうなぁ。懐かし


いろいろ紹介

異形因子:結依魔理沙から溢れ出る謎の因子。適正のある個性因子(能力の根源)に付着し、特定条件を達成させることで能力を極限まで引き出す。能力によっては、抽象化されることもある。

※例 ゴムの能力 → ありとあらゆるものを伸ばす能力

個性婚:一般的に子どもの個性は、母または父の個性のどちらかを受け継ぐか、両方の個性が合わさった個性を持つことになる。それを利用し、自身の個性をより強化して継がせる為だけに配偶者を選び、結婚を強いること。愛のない結婚に未来はない。

ステイン:『ヒーロー殺し』の異名を持つヴィラン。自分の正義を正当化することで殺人を許容するという傍から見れば狂人。異形魔理沙も人の事全く言えないけど。

TORE:フルネームは『宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE!』。2011年7月6日からスタートし、2013年2月25日に最終回を迎えた。家族で一緒に問題を解いてたのが懐かしい。


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