最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

49 / 86

覚悟とは!! 暗闇の荒野に!! 進むべき道を切り開くことだッ!





障害物? それは私だ(29話)

 

 

会場は壮絶な雰囲気に包まれた。いや、途中までは盛り上がってはいたのだが、ある場面を見てしまってからは空気が変わった。

 

ヘドロ事件の被害者、爆豪勝己の凄さは知っている。生で見た人ならその根性と個性が尋常ではないのは明白だった。でもそれはヴィランの攻撃に耐えきったということだけ。いやそれだけでも凄いんだが、それだけである。

 

目の前のあの黒顔の生徒は何なのか。確かにUSJ襲撃事件で活躍した生徒としてテレビに映っていたのは知っている。でも、それを間近に見ていた一般人は誰一人としていない。なので見解としては、この一年ステージで争うのは爆豪と魔理沙、そしてエンデヴァーの息子の轟焦凍の三つ巴になり、最終的には爆豪と轟が決勝で争うとネットで騒がれていた。

 

しかし、この状況はなんだ。魔理沙に特別なハンデが課せられ、しかも内容がいくら何でも無茶苦茶過ぎた。そのおかげで雄英に対して『不公平だ!』と声を荒らげるものが多数出てきたし、実際誰もがそう思うだろう。けど彼女は、まるで気にもとめてない様子で特別ステージに入り、開始から一分も経たずにステージを攻略。その上、攻略したステージを謎のコマに改造し、スタジアムをめちゃくちゃに破壊した後、最後はそのコマを爆散させるという、多大な影響を与えた。

 

あまりにも規格外すぎる。この世にあってはならない力.....まさにそう呼べるほどの暴虐なる個性。こんな危険極まりない人物を、なぜ雄英は受け入れたのか、正気か? と疑いたくなるほど次元の違いを見せつけられた。

 

他のスカウトしに来たヒーローも口が開きっぱなしで体がいっさい動いていない。正直、今障害物競走で先頭を走っているエンデヴァーの息子とヘドロ事件のやつの個性なんて見ても何も感じない。氷も爆破も、今のヒーロー社会の中では上位にくい込むほどの強力な個性なのはわかるが、あの黒顔の少女は、そんな個性なんか屁でもないほどに強過ぎる。

 

多分、雄英がこの子を受け入れたのは、監視の意味もあってのことなんだろう。仮にも雄英志望ということは、ヒーローを目指しているということなのだから。

 

一人の男は体育祭の行く末を見守りつつ、ポテトをひとつ、手に取って食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

スタート地点が荒野に成り果ててしまったが、まぁいいでしょう。ちょっと地面がでこぼこだけど、別に私の身体能力にかかれば特に関係ない。

 

さてと、『万能感知』と『波動』を使って、今先頭がどの辺か見てみようか。この能力を使えば相手がたとえ空間の狭間に隠れていても、隣の世界に移動したとしても即バレするのだ。この私から逃げられるとでも思うなよ?

 

 

いた、今は落下注意のフォールゾーンか。全然余裕で追いつくわ。全くもって問題なし、唸れ私のふくらはぎ、プルスウルトラマン!!

 

私はスタンド『ホワイト・アルバム』を身にまとい、地面を凍らせながらスケートリンクの要領で加速していく。この能力は人に使うのはあまりにも危険すぎるので、移動手段にのみ使う。だって、この状態で人に触れれば氷の像が出来ちまうんだもん。血液すら凍るから、多分ルフィみたいにお湯をじっくりかけても、むしろそのお湯も凍るから助からないだろう。つまり、人には使いません。

 

 

シャーっと滑っていったらもうロボットの姿が見えた。これが体育祭第二の試練、超巨大ロボット! せっかくだから派手に壊しておくか。

 

「えいっ」ポチッ

 

右手に持っていた赤いボタンをプッシュする。もう使ったのは二回目だから一言で済ますか。

 

「乙女の膝に泣いて詫びろ。─── サテライトキャノン ───」

 

高出力の極太レーザーが私の真後ろで放たれる。こういう敵を振り向きざまに倒すのってカッコイイよね。こういうの私、大好きよ。なんかインディージョーンズぽくて。インディージョーンズ見たことないけど。

 

ロボットを灰にした後に見えるのはフォールゾーン。しかし、私の『ホワイト・アルバム』にとってこのゾーンは何の障害もない。空気中に含まれる水蒸気を一気に冷却して足場を作れば、空中移動も出来なくない。いやー、涼しい!!

 

ロープも崖も関係なく乗り越えていく魔理沙。現在の速度は時速60キロ。自動車並みの速さである。やべぇ、なんだこの味気ない内容は! もっとなんか凄い戦闘シーンとかねぇの!! やべぇよ地味なシーンだけで終わっちまうのは個人的に嫌だよ!?

 

ちょっと焦ってきた。なんかいい見せ場が...っとおっと? ちょうど向こうに爆豪、轟くん、緑谷くんがいるなぁ。へへへ、遊びがいがありそうだぜ。緑谷と爆豪はどれほど鍛えたのか気になるしなぁ、白熱した闘いが出来そうだなぁ!!

 

この時、魔理沙は閃いた。『ホワイト・アルバム』を身につけたまま分身して横一列に並び、同じ速度で走ったら面白いのではないかと。

   

時速60キロで迫り来るホワイト・アルバム軍団。彼らが通り過ぎればあらゆるものが極低温で凍りつく。なんだかガタキリバコンボみたいで楽しいに違いない。やろう、やってみよう。

 

「分ッ身!! さらに分身!! 分身分身分身!」

 

2の5乗で合計32人に増えた『ホワイト・アルバム』軍団もとい結依魔理沙軍団。もう障害物競走の最後のゾーン、『地雷ゾーン』にたどり着いたんだが、地面を凍らせながら滑っているため爆発しない。極度の低温はあらゆる物質の動きを止めるからな。爆発オチなんてさせねーぜ。

 

時速60キロで走れば余裕で追いついた。さぁ遊ぼうか爆豪、轟、緑谷くぅん。障害物競走はまだまだ終わらねぇぜ?

 

 

「おぉおっと!! 猛スピードで追い上げた魔理沙の先にはナナナなんと!! 先頭で暴れてた爆豪、轟、緑谷達だぁぁああああああああああ!!!」

 

「結依、後でちゃんと氷を溶かせよ」

 

 

「来やがったな真っ黒野郎!!」

 

「師匠!? 流石ですね......」

 

「来たか、結依」

 

 

「待たせたな! そしてsee you next time!!」

 

分身たちと一緒に空へ飛び立ち、その後分身達を回収する。これが人類を超越した結依魔理沙さんの能力のひとつッ!! 食らってくたばれクソジャップ共!!

 

「ブラックホール!! そしてトランザム起動!」

 

ブラックホールで走っている生徒全てを空中に巻き上げ、その間に装備しておいたオーライザーの「ライザーシステム」を作動させる。そして異空間から呼び出した人間が持てるサイズのビームサーベル、「ライザーソード」を手に取り、天に掲げた。

 

掲げられたライザーソードは、数千キロメートルにも及ぶ長さに変化し、今にも地球を真っ二つにしかねないほどのパワーが集中する。正直今の状態は完全に無防備となっているんだが、ブラックホールで相手を引き付けているので問題はない。後問題があるとしたら、観客に被害が及ぶことか。固有結界でも張っとこ。

 

「おいボサボサ真っ黒!! やりすぎだテメェ!」

 

「死んじゃうししょぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」

 

「......体が浮いてる。」

 

「安心しろや緑谷くんに爆豪。死なない程度に殺してやる」

 

 

「うわ!! とんでもねぇな結依魔理沙! イレイザー! 今何が起きているんだァ!?!?」

 

「超高出力のエネルギー粒子を剣の形に集束。トランザムシステムを使って障害物競走を崩壊させる気らしいな。結依、今すぐ止めろ。もっと他の方法があるだろうが!!」

 

 

えぇー、これ凄い気持ちがいいのにー。こう、今までずーっと溜めてきたものを一気に解放する感覚がたまらなくキモティーのに。別にナニを解放するかとは言ってないけどさ。これ凄い気持ちいいんだぜ?

 

ついでに処刑用BGMも流してやろうかと思ったのに、まぁいいや。これ以上見せつけたら観客の見る目が変わっちまう。仕方ない。

 

「じゃあセカンドインパクt」

 

「それもダメだ」

 

「アルマゲドn」

 

「却下」

 

「スペシウム光se」

 

「次まともなやつが来なかったら退学だ」

 

「......素手」

 

「.........まぁよし。」

 

素手の攻撃の許可が出たのでそれにする。チッ、トランザムシステムは流石にやりすぎか。でもスペシウム光線くらいなら許してもよかったんじゃないかな?

 

渋々私はライザーソードを究極能力『アザトース』で回収、隔離した。固有結界も意味がなくなったのでそれも解除。そしてブラックホールを消し去り、巻き上がっていたモブラーズを回収した。

 

「黒い人ありがt」

 

「と見せかけてドーン!!!」

 

救う? 何を期待しているんだこのモブラーズは? ここは妨害アリの障害物競走。敵に助けを乞うなど軍人の恥どころか犬のフン以下である。わかめ。

 

トランザムシステム起動前に私は『ホワイト・アルバム』を解除している。それがつまり何を示しているか......勘のいい奴なら即わかるだろう。氷が消え失せ、地雷の恐怖が再び戻ったということだ。

 

私に叩きつけられ、真っ逆さまに落ちた生徒。その行く末など未来視を使わなくたって予測できる。

 

 

ズドォォォォオオオオオオオオオン!!!

 

「いやぁああああああああぁぁぁ!!!!」

 

 

爆発オチだ。逃れられない運命に乾杯。

 

 

「やめてぇえええええええ!!!」

 

「落ちるぅううぅぅぅぅぅ!!!!」

 

「ちょっとやりすぎひん!?!? キャァア!!」

 

「結依やめっ......ああああああぁぁぁ!!!」

 

「マドモアァァァアアアア!!!!!」

 

 

次々と復活した地雷へたたき落とす結依魔理沙。空中移動出来ない奴は大抵私の餌食だ。ま、八割は出来ないけどね。

 

 

「おいイレイザー、俺もうこの体育祭見てらんねぇぜ。お前んとこの生徒こぇえよ、あのクレイジーガール」

 

「安心しろマイク。アイツがさっきアルマゲドンをやらなかっただけでもマシだ。」

 

「うへぇ、皮肉」

 

 

罵倒の声が司会室から聞こえるがいいでしょう。私の心は寛大ですからね。なんの問題もありません。

 

「俺がナンバーワンだ!!」

 

「あっ、ズルいかっちゃん!!」

 

「......俺が勝つ」

 

 

おおーっと爆豪達が私を無視してゴールに行こうとしてやがる。この私という女を置いてけぼりにするなんていい度胸だな、逃がすかッ!!!

 

「粘鋼糸、スパイダーマン、人形を操る程度の能力、イトイトの実、スタンド『ストーンフリー』、フェムトファイバーの組紐...」

 

糸系能力を次々と述べていく結依魔理沙。

 

「教えてやろう、アニメや漫画でなぜ糸使いが最強なのかということを。」

 

私の五本指から出る七色の糸。ちょっとやそっとじゃビクともしないし、断ち切ることは不可能な糸。糸系能力者がなぜ強いか.....それは火を見るより明らかである。拘束、罠、切断、貫通、操作、移動、防御といったあらゆる場面で対応可能な能力が弱いわけがない。だから強い。

 

私はジャンプひとつで爆豪たちより先回りをし、七色の糸を巧みに操る。流石に全員拘束したら雄英に怒られそうなのでトラップを張ることにしよう。

 

「エレキトラップ!!」

 

ま、エレキでもなんでもないけど。そういう技名だから仕方がない。ただその技名さえ言えば、罠らしい罠ができるからそうしてるだけだ。流石、イナズマイレブン。

 

突破困難なトラップの完成だ。これで数十分は時間を稼げるだろう。その間に『最後の試練』とやらをクリアしてちゃっちゃと逃げるとしますか。

 

「まっっっくろボサボサァアアアアア!!!!」

 

うわ、爆発さん太郎がお怒りだ。にーげよっ

 

 

私は『最後の試練』のある場所まで一直線に走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

《緑谷side》 〜 5分前 〜

 

 

「師匠が拉致られた......流石雄英ッ!!」

 

「早くいくぞデク。置いてくぞ」

 

「わ、わかったよかっちゃん」

 

心情描写が無いせいでなんでこの二人が仲良いのかよく分かってない皆様、ごめんなさい。訓練の時はあんな険悪のような感じだったけど、それはかっちゃんがオールマイトの継承者が僕だったのが気に入らなかっただけで、いつもこんなんじゃないよ!

 

カメラ目線で心の声をぶつけてしまった緑谷出久。特に、誰かに向けて言ったわけでは無い。ただの独りブツブツだ。

 

しかし、開幕で師匠がスタート地点にいなかったのはラッキーかもしれない。仮に師匠がみんなと同じようにスタート地点からスタートしたら、開幕速攻異世界送りなんてことをしでかしてもおかしくない。いや、きっと師匠ならもっとえげつないことをするだろう。例えば、このスタジアムごと爆発させるとか......

 

いやいやいや、流石に師匠とはいえそんなことしないか。師匠だもん。......、不安だ。

 

物事を悪い方向に考えてしまうのは僕の悪い癖だ。オールマイトにも指摘されたというのになかなか直せないなぁ。とにかく今は障害物競走に集中しなきゃ。

 

《それでは障害物競走、スタートです》

 

アナウンスがかかると同時に一斉に走り出す僕達。しかし道幅が狭いため、満員電車に巻き込まれるかの如く、生徒の波が押し寄せあう。これが第一の関門、まずはこの身動きが取りづらい状況をどう打破するか......そこが鍵になる。

 

「邪魔だ」

 

師匠の次に実力のある1年A組のエース、轟焦凍が氷の個性で周りにいる生徒らを固定しつつ、第一の関門を突破する。それに呼応して他の生徒達も次々と突破していった。

 

轟くんの氷が届く前に僕はジャンプして脱出した。氷に捕われると時間ロスに繋がってしまう。師匠も、「範囲系拘束攻撃は一度かかるとペースを乱されて落ち着きが無くなるから気をつけろ。ま、私みたいなずば抜けた能力者ならいくらでも体s」って言ってた。師匠の助言にまたも助けられてしまった、流石師匠だ。

 

今の僕はワンフォーオールを10%までなら体を壊さずに使える。出来れば体育祭中は体を壊さずに優勝を狙っていきたいけど、師匠やかっちゃん、轟くんみたいな強い人と渡り合うには、自傷覚悟の100%デトロイト・スマッシュを使わなければ勝てないかも......。

 

そう考えている間に僕はあの人ごみから脱出し、ある程度の距離を離すことができた。しかし先頭には轟くんが地形を凍らせながらドンドン進んでいる。何とかして轟くんに追いつかなければならないが、いきなり個性を使って全力で走り抜ければ後半で体力を失ってしまう。個性アリとはいえ、これは『障害物競走』であり、ゴールまでの距離もそこそこ長い。体力温存の調整は必須だ。

 

「ウラァ!!!!」

背後から爆発物を投げられたことに投げられたことに気づいた緑谷はサッと身をかわした。体力はなるべく温存したいと考えていたのに、それをさせてくれるほど甘い現実ではないか......。

 

「デクゥ!! ここでてめぇをぶっ潰す!!!」

 

「いきなりかっちゃん!!」

 

襲来したのはかっちゃん。余程余裕があるのか、それとも僕を倒したいという執念なのか、どっちみちここで僕とかっちゃんは戦うことになってしまった。

 

「死ねぇええぇぇえええええ!!!!」

 

かっちゃんの下から手を振り上げるモーションが見えたとたん、真正面で大爆発が起こった。以前に比べて火力も規模も段違い。まさか、かっちゃんも師匠の特訓を......!?

 

爆発をモロに受けたわけではないが、ずっと走っていたため止まることができず、緑谷は爆心地に突っ込んでしまう。そのため身が少々焼けてしまい、その上視界も遮られて何も見えなくなった。

 

その隙に爆豪は緑谷に接近。緑谷の頭を掴み、壁に叩きつけようと爆豪は右手の大振りを繰り出す。が、師匠との訓練によって見聞色の覇気を身につけた緑谷には、たとえ視界を遮られたとしても攻撃を避けるのは容易であった。

 

「何ッ!?」

 

「いきなりレース失格になってたまるか!!! ワンフォーオール・フルカウル10%デトロイト・スマッシュ!!」

 

反撃に出る緑谷。爆豪の攻撃は緑谷に届かず、そして次の行動にすぐ移ることの出来ない今の爆豪はカウンターを打つには絶好のチャンス。ここでしっかり決めて、後はトンズラすればある程度距離を離せる。そうしよう。

 

だが、何故か緑谷の拳は空を切っただけで、爆豪に触れることはなかった。

 

「いつもいつもあの黒髪ボサボサ野郎の拳を見ているとよぉ、他の奴らの攻撃がまるでスローモーションのように遅く見える。お前があの時の訓練でやたら回避に成功していたのはこういうことだったんだって、体が先に理解した。もうテメェは俺に一発も当てることはできねぇ!!!」

 

爆豪勝己は結依魔理沙の実験によって火力と規模が大きくなっただけでなく、見聞色の覇気も身につけていた。一年間死ぬ気で特訓して身につけた緑谷と違い、爆豪はたったの二週間で習得したということだ。これが凡人と天才の差である。

 

「粉砕しやがれ!!」

 

空中で姿勢を整えた後左腕のみ爆発を起こし、ガオガエンのDDラリアットのごとく体を回転させ、勢いをつけて右腕で薙ぎ払う。

 

「うわッ!?」

 

驚嘆の声をあげつつも、ギリギリマトリックス避けで攻撃を回避した緑谷。見聞色の覇気持ち同士の戦いはいかに相手を追い詰めるかが重要である。相手がどんな行動をとっても避けられない状況にどう持ち込んでいくのかが勝利への鍵となる。

 

 

その後もお互いは接戦を繰り返したが、当たることは一切なかった。どうしたらこの状況を変えられるか思考する二人だが、新たに出現した第二の関門によって二人の戦いは一旦幕を引くことになる。

 

 

「第二の関門はこれ!! お前ら金玉が実技入試で散々世話になったゼロポイントヴィラン、『ロボ・インフェルノ』だああああああああぁぁぁ!!!」

 

「逃げようが壊そうがそれは個人しだい。合理的に考えて何が最善か自分で判断しろ」

 

 

目の前に現れた『ロボ・インフェルノ』。緑谷は一度、実技入試でこのロボットを討伐しているのだが、今回は見える範囲で六体はいる。タダでさえガンダム並みのデカさだというのに六体も現れたらタダじゃ済まない。雄英の予算はいったいどこから生まれているのだろうか。

 

「実技入試の......ロボ!!」

 

「なんだデク? ビビってんのか、あ?」

 

てっきり驚いている今を狙って爆破しにくると思ったけどそこまでかっちゃんは鬼畜ではなかった。

 

「ビビってはないけど.....、どうやって突破すればいいのか......」

 

思い悩む緑谷を横目で見た爆豪はニヤリとした表情を浮かべ、ロボに向かっていった。

 

「ちょっとかっちゃん!?」

 

「見せてやるよデク、たった二週間でついた俺とテメェの差をな。ビビってるだけのヘタレクソナードは黙って正座でもしてやがれ」

 

自信満々の爆豪。師匠から他にも教わったのかな? だとすると、今からかっちゃんが見せてくれるのは切り札? バレても問題ない切り札なのか? それはいったい......

 

すると爆豪の腕が真っ黒に染まるのを確認した。あれは、かっちゃんが暴走した時のヤツだ。まさか、あの凶悪な力をコントロール出来たのか!? 師匠は『覚醒状態』って言ってたけど、それを任意で発動することが出来るようになったのか!?

 

核熱新生爆発(ニュークリアフュージョン)

 

六体のロボは一瞬にして姿が見えなくなった。いや、かっちゃんの爆破によって六体全てが木っ端微塵に粉砕されたのだ。まさに星が爆発したかのようなその威力に僕は気圧され、地面にへたり込む。

 

「これが、俺だ」

 

瓦礫と化したロボをどけ、静かに告げた爆豪。どうやら、浮かれていたのは僕のほうだったようだ。この大会は師匠だけじゃない、他のみんなも死ぬ気で努力している。なおさら絶対に負けられない。

 

ヘタレな腰を無理やり持ち上げ、再び走り出す緑谷。かっちゃんに距離を置かれたけど、でも、また追いついてやる!!

 

 

緑谷は足をフル回転させ、第二の関門を抜けていった。

 

 

 

 

その後、第四の関門の地雷ゾーンにて師匠と遭遇し、えげつない力でねじ伏せられ、「師匠、あかん」と心の中で呟く緑谷であった。

 

 

 

 

「イレイザー、お前のクラスなんなの」

 

「俺に聞くな。結依に聞け」

 

 

 

 

 

 

 





体育祭編はいつもの倍くらい話が増えそうです。詰め込みが足りぬ!!

次の話で分身側の話がきます。まってろ! インゲニウム!

いろいろ紹介

万能感知:周囲を把握する能力。

波動:生命(自然も含む)が持つ生命エネルギーを感じ取る力。なのでルカリオは多分、スタンドが見える。

ウルトラマン:1964年(ウルトラQは怖くて見れない(´;ω;`))から現在まで続いている特撮番組。ウルトラセブンの最後は感動する。

サテライトキャノン:今回で二回目。衛星からドーン!!

インディージョーンズ:冒険映画。インディはインディアナを略した通称らしい。

ガタキリバコンボ:仮面ライダーオーズが持つ形態のひとつ。予算破壊コンボ。数の暴力。

ライザーシステム:俗に言う制御システム。ライザーソードを安定させるために使った。

アザトース:なろう史上最も最強な能力ランキングに確実に上位にランクインする能力。宇宙を作り出すほどの破壊のエネルギーとそれを制御できる超演算能力とか意味不。

粘鋼糸:粘性持ちかつ鋼の硬さを誇る糸。万能。

人形を操る程度の能力:アリス・マーガトロイドの能力。人形を糸で手足のように操ることができる。

イトイトの実:ワンピースの七武海であるドンキホーテ・ドフラミンゴが食べた悪魔の実。糸系能力者はやはり強い。


ストーンフリー:ジョジョの奇妙な冒険第六部主人公のスタンド。

フェムトファイバーの組紐:フェムト、わかりやすく言うと須臾(しゅゆ)。須臾とは生き物が認識できない僅かな時のことよ。時間とは認識できない時が無数に積み重なってできています。時間の最小単位である須臾が認識できないから時間は連続に見えるけど、本当は短い時が組み合わさってできているの。組紐も1本の紐のようだけど、本当は細い紐が組み合わさっているもの。認識できない細さの繊維で組まれた組紐は限りなく連続した物質に見えるでしょう。そのとき、紐から余計な物がなくなり最強の強度を誇る。さらには余計な穢れもつかなくなるのです。この紐をさらに組み合わせて太い縄にすることで決して腐らない縄ができる。その縄ははるか昔から不浄な者の出入りを禁じるために使われてきたのよ。正確に言うと月の民には逆らう者の動きを封じるのに使ってきたのよ。うんたらかんたらうんたらかんたら......

エレキトラップ:電流の罠をしかけるキャッチ技。今回は電流を流した糸の罠を張りました。



能力が多い!!




▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。