最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

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【あらすじ】

結依魔理沙の分身が保須市でステインと交戦する中、オリジナルの結依魔理沙は第一種目"障害物競走"を一位通過。圧倒的パフォーマンスを大衆に見せ、勝利を果たした。

そして続く第二種目は"騎馬戦"に決定。天下分け目の戦いが待ち受ける中、再び魔理沙の能力ルーレットが開始される。第二種目で使える魔理沙の能力は、『無し』。

能力使用不可、武術使用不可の状況に加え、1000万ポイントのハチマキを乗せられた魔理沙。騎馬戦の行く末はいかに。





騎馬戦・オブ・ナイツ(31話)

 

 

 

 改めて、騎馬戦のルールを確認しよう。まず、2〜4人のチームを作り、騎馬を組む。組み方は自由、とにかく誰かの上に誰かが乗っていればいい。おんぶもおそらく許される。

 

 そして上に乗った大将は、チーム全員分のポイントが加算されたハチマキを身につける。ハチマキは首から上に付けること。ただし、ハチマキをガチガチにキツく縛ったり、取ったハチマキを複数絡ませて取りづらくするのも禁止である。

 

 ハチマキのポイントに関しては前回の障害物競走の結果を元に振り分けられている。最下位の42位は5ポイント、41位は10ポイントと、5ポイント刻みで上昇する。なお、一位通過の魔理沙は何の冗談か1000万ポイントを付与された。

 

 なお、ハチマキを取られてチームのポイント数がゼロになっても失格扱いにならず、試合が終了するまで居残ることができる。

 

 こうして組んだ騎馬同士でハチマキを奪い合うのだが、二つほどNG行為がある。

 

 一つ目は、ハチマキの有無に関わらず大将が騎馬から落ちた場合、即失格となる。どんなに切羽詰まろうが追い込まれようが、大将は最後まで地に足をつけてはならない。

 

 二つ目は、相手の騎馬を無理矢理崩しにかかる行為、これも即失格となる。デトロイトスマッシュで騎馬もろとも吹き飛ばす行為も、爆発で全てを消し飛ばす行為も禁止。バンダナを狙わず、大将を直接殺りにいく行為も当然禁止だ。

 

(そうじゃなきゃマジモンの戦争になる)

 

 魔理沙は想像する。バンダナに一ミリも目もくれず、生徒たちが互いの腹を殴り合う、血も涙もない闘争(雄英体育祭)を。

 

(事案過ぎるだろ……)

 

 とにもかくにも、騎馬戦のルールは以上となる。最後に魔理沙専用ルールについておさらいしよう。

 

 能力ルーレットの結果、この第二種目において魔理沙が使える能力は『無し』。これ以上無いレベルの縛りプレイである。

 

 そして障害物競走とは異なり、スタート時の縛りは特に無い。箱に閉じ込められることも、出遅れることもない。

 

 ないが、そもそも魔理沙にとって騎馬を組むこと自体が枷であり、機動力を大きく損なう。チームメイトとの足並みが揃わなければさらに機動力は低下し、何も出来ぬまま敗北しかねない。

 

(この種目も、『半冷半燃』が強いんだよなあ……)

 

 魔理沙は轟を見ながら、状況を俯瞰する。ルール上、大規模火力を出せず、機動力も十全に発揮できない状況下において、轟の凍結能力は厄介過ぎる。

 相手の騎馬を崩さずに凍結で動けなくするのだから、冗談抜きで彼はルールブレイカーだろう。次点でB組の骨抜が轟とほぼ同系統なので、彼もルールブレイカーである。私含め他生徒があまりに可哀想だ。

 

 なら、ルールブレイカーたる彼らをチームに入れた方が、敵対せず、かつチーム最強の矛として活躍してくれるため、一石二鳥と言える。

 

 だがしかし、結依魔理沙はいつぞやの屋内戦闘訓練で轟のヘイトを異常に買ってるため、誘う口実が全く無いのであった! 

 

(骨抜に関しては面識ないから話しかけづらいし……)

 

 どんどん頭の中から手段が消えていく魔理沙。あの二人が敵になるのであれば、それに対抗できる人をチームに引き入れる必要がある。

 

(……完封、は出来ないけど、ギリ対処できそうな人はいる)

 

 頭の中で何人か思い浮かべる魔理沙。ただ二人にばかり気を取られてはいけない。爆豪も相手する以上、私の機動力を最大限高める必要がある。

 

 その二つをこなすには、やはりあの二人の力が必要不可欠。そのうちの一人はたぶん今頃私を探して……

 

「師匠!! 組みましょう!!」

 

「来てくれたね緑谷くん。マジ期待してた」

 

 予想通り、我が弟子こと緑谷くんが颯爽と登場し、軍門へと下る。

 

「師匠、作戦は?」

 

「現状、轟くんとB組の骨抜くんって人が厄介だから対策用に一人欲しい。そしてその他の連中を相手するために、私の機動力を最大にしておきたい」

 

「なるほど、僕なら師匠の機動力を引き出せますね。師匠、素で空中を歩けますし」

 

「察し良過ぎる……」

 

 即座に引き抜き理由を見抜いた緑谷にドン引きする魔理沙。師匠の影に隠れているが、彼は生粋のヒーローオタクであると同時に、個性オタクである。

 

 彼も魔理沙と同様、常にクラスメイトやヒーローの個性の相性、使い道を常に模索しており、毎日かかさずノートにまとめている。

 

 特に師匠こと魔理沙の個性は考えれば考えるほど妄想が尽きないため、誇張抜きで他の人の100倍は書き込まれており、これからも増える予定である。

 

 何はともあれ、緑谷以上に魔理沙の力を把握し、支えられる人間はいないのだ。

 

「ちなみにお聞きしたいんですけど、師匠は能力無しでどう防衛するんですか? 空中戦仕掛ける感じですかね」

 

「一応地上でも最低限防衛できる。手を振って衝撃波出したりも出来るけど、それやると反動で緑谷くん以外の騎馬が潰れて自爆しちゃう」

 

「全員パワー系で固めれば耐えそうな気はしますけど」

 

「そうすると轟くんとか骨抜くんとの戦いがキツくなる。まぁ凍結くらいなら衝撃波で相殺出来そうだけど、骨抜くんがアカン」

 

「なら、僕が前騎馬に立ちます。師匠が攻撃する時だけ僕の肩に乗ってください。反動は僕が受け止めます」

 

「……いや待って」

 

 何かに気づいた魔理沙。真剣な表情で思考を巡らし、それがルール上問題無いか、どう戦えるかシミュレーションする。

 

 緑谷は静かに様子を見守っていると、魔理沙がハッと拳を手のひらに乗せる。

 その直後、魔理沙は即座に緑谷の方に振り向き、指をさした。

 

「緑谷くん!」

 

 ビシッと人差し指を緑谷の目先に向けながら、魔理沙はハッキリと声に出す。

 

「女の子三人抱えながらジャンプとかってできる?」

 

「……はい?」

 

 意味深なセリフに緑谷は首を傾げる。だが、彼女が不敵な笑みを浮かべているのを見て、緑谷は静かに告げる。

 

「マッスルフォームなら……」

 

「いけるね! ヨシ!」

 

 食い気味に反応する魔理沙。だいぶ無茶な要求ではあるが、今こそ訓練の成果を発揮する時である。

 

 その後、魔理沙は機動力向上と運命的な兼ね合い(原作の流れ)により、麗日お茶子がチームメイトに加入。そして運命(常闇加入)VS運命(発目明加入)の対決は、その圧倒的制圧力と攻防バランス力に優れた常闇踏陰に軍配が上がらず、発目明が勝者となった。

 

「皆さんよろしくお願いしますね!!」

 

「よろしくね! メイちゃん!!」

 

「完全に機動力特化だよコレ」

 

 チームを見て確信する魔理沙。緑谷くんには前騎馬になってもらう関係上、攻撃担当は実質魔理沙のみ。だがこれも良い。

 

 このチームは魔理沙が最も自由に、柔軟に戦えるフォーメーションだ。範囲攻撃は無いが、緑谷を中心とした機動力でそれぞれがサポートできる。

 

 そして騎馬を直接崩せない関係上、相手はどうあがいても魔理沙と組み手せざるを得ない。が、たとえ騎馬戦だろうと魔理沙と組み手して勝てる人間はいない。

 

 いないが、複数から狙われた際に隙を突かれる可能性があるので要注意である。

 

「気合い入れてくぞ──!!」

 

「「「お──ー!!!」」」

 

 3人の掛け声が重なり、チームの結束力が高まる。

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

《15分後》

 

 

「おいイレイザー、起きろ! もう12組の騎馬が準備万端で正座待機してるぞ!!」

 

「……んん。なかなか面白ぇ組が揃ったな」

 

 解説役の復活を確認後、マイクは騎馬戦のスタートを告げるために、腹に力を込めて精一杯喉を掻き鳴らした。

 

「さぁ始まるぞこの時が!!! 障害物競走で生き残った42名が血と汗と涙を己に滲ませ、徒党を組んで争うチームデスマァァァァッチ!! 燃やせ精神! 仲間を信じて突き進め! 勝ち取るは栄光か否か!! さらに向こうへ.プルスウルトラァ!!」

 

「あなた達準備はいいかしら!?!? それでは二回戦、開始ッッ!!!」

 

 

 

【 チーム爆豪 】

 

 

「アイツらは俺が狩る」

 

「でもよ爆豪、わざわざ最難関の壁から1000万ポイント奪うより、他の人から地道に奪っていったほうが決勝戦まで残れるぞ?」

 

「そうだよ爆豪! 無理しないほうが得策だよ!」

 

「だってよ爆豪。ま、俺はどっちでもいーけどな」

 

「うるせぇ!!!! 完膚なきまでの一位を取らなきゃ意味ねェンだ!!! 俺はボサボサもデクも半分野郎も全部ぶっ潰して、一位を手に入れる! 絶対だ!!」

 

「爆豪……」

 

 第一試合目の負けが響いているのか、よりいっそう執念を燃やす爆豪。その様子に切島たちは呆れるも、誰よりも『勝利』にこだわる彼の執念に頼もしさを感じた。

 

 

 

【 チーム轟 】

 

 

「俺がお前らを選んだ理由は……、このメンバーが比較的最もバランスのとれたチームだと判断したからだ」

 

「上鳴は発電で、敵の牽制。八百万は上鳴の補助と防御。飯田はチームの機動力……」

 

「なら、轟くんは氷と熱で攻撃・牽制ということか」

 

 飯田が轟の先を読み、理解を示す。

 

「……いや」

 

 轟は一瞬言葉を飲み、飯田の言葉を静かに否定する。

 

 そして、轟は己の意思を示した。

 

「戦闘において(ひだり)は絶対に使わねぇ。たとえ相手が……結依でもな」

 

(いや使ってくれよ……!)

 

 轟がジッと左手を見つめる傍ら、上鳴は心の底からそう願った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 [なんて31話が終わりそうだけどよぉ!! まだまだ続くぜリスナーボーイ&ガール!!! 血で血を洗うサバイバルはもう始まってんだぜ!!!! ]

 

 

 うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!! 

 

 

 プレゼントマイクのコールで沸き上がった熱が出場者たちを置き去りにする中、魔理沙は冷静に状況を見ていた。

 

 1000万ポイント、これさえ持っていればブッチギリで1位通過できるが、持っているのは『私』だ。少なくともA組の人間なら、私が能力を使えなくても相当ヤバい相手だと薄々理解しているはず。

 

 私を狙ってくるのはおそらくB組の一部と爆豪、そして轟。ヤツらにさえ注意しておけば、どうにかなる。

 

 可能な限り直接戦闘は避け、騎馬の体力を温存しつつ1000万を死守する。そして制限時間3分を切った瞬間、緑谷くんのマッスルフォームを解放しガン逃げして勝利。卑怯とは言うまいな。

 

「あれは……?」

 

 何組かがこちらに迫ってくる中、最も接近していたのはB組の特攻隊長『鉄哲徹鐵(てつてつてつてつ)』。何週間か前にもA組に凸してきた彼が最初の相手だ。

 

「おうおうおう!! 暴君だがなんだか知らねぇけどよォ、個性使えねェなら何も怖くねェ!!! 1000万よこせェェッッ!!!!」

 

 血気盛ん気合い100倍全力投球で向かってくる鉄哲たちに対し、緑谷、お茶子、発目が身構える。

 

「師匠、来ますよ!!」

 

「結依さん!」

 

「分かってるって!!」

 

 魔理沙は両手を前に突き出し、人差し指を親指で抑えながら力を込める。

 その手の形、まさしくデコピンの構え。常人であれば至近距離で当てられると多少痛い程度のものだが、魔理沙のデコピンは違う。

 

 力の加減次第で人すら殺せる、デコスナイパーなのだ。

 

「ダブルデコピン風圧目潰し!!」

 

 指先から解放されたエネルギーが風となり、弾丸並の速さで鉄哲の両目に襲いかかる。

 

「ぎゃあああああああああああああああああああああああ目がア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"アア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!!」

 

「鉄哲どうした!? 大丈夫か!?!?」

 

「もちろん鉄哲だけじゃないぜ? そぉい!!」

 

 続いて魔理沙はデコピンによる風圧弾丸を騎馬3名の目に連続ヒットさせる。

 

「鉄t.ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙目がァあぁあぁあぁあぁああああぁあぁぁああ!!!!」

 

「よし、皆走れ!!! ハチマキ取るぞ!!!」

 

 魔理沙チームは悶絶中の鉄哲チームの横を抜けると同時にハチマキを奪い、即行で首に巻き付ける。

 

「よし、逃げよう。発明ェ! バックパックを展開しろ!!」

 

「了解です! ボス!!」

 

 発目はすぐさまにバックパックを展開し、内部エンジン機構が露出する。あとは緑谷くんが地を蹴るだけで上空へ逃げられる。

 

「ケケケッ、逃がさねぇ」

 

 まだ諦めきれないB組の鉄哲チームの一人、骨抜柔造が個性を発動した。

 

「うおっ!? 沈むッ!!」

 

 骨抜の個性『柔化』。警戒していた通り、ヤツの個性によって地面が泥沼のように柔くなり、騎馬の足に絡みつく。だがバックパックはいつでも起動可能にしているので、脱出は容易だ。

 

「全員! 顔を避けろ!!」

 

 展開されたバックパックが起動し、四人の身体が宙に浮く。お茶子の個性『無重力(ゼログラビティ)』によって、お茶子を除くメンバー及び装備アイテムの重量がゼロになり、さらに緑谷の強靭的なジャンプ力で一気に上空へと駆け上がった。

 

「クッソ、サポート科か!! あぁ、目が痛てぇ! しかもハチマキ取られた!!」

 

「追いたいがもう逃げられちまった。……やっぱりあの暴君を狙うのは愚策だったか……」

 

 はぁ、とため息を吐きつつ、空を見上げる。

 

「……仕方ねぇ、一旦引くぞ!!」

 

 ハチマキを取られた上、逃げられてしまった鉄哲チーム。無理に深追いをすると無駄に時間を消費してしまうのは目に見えていたので、一旦態勢を立て直すことを優先する。

 

 こうして結依チームは鉄哲チームを上手くあしらい、ハチマキを奪って逃げ切ることができたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ、流石ね魔理沙。少し心配してたけど、元気そうで良かったわぁ」

 

 

「決勝戦でまた会いましょう? 私があなたを迎えに行くわ♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







【各チームメンバーと総合ポイント数】

●結依チーム(結依、緑谷、お茶子、発目)の所持ハチマキ
・1000万325ポイント
・675ポイント(鉄哲チームハチマキ)
→合計1000万1000ポイント(暫定1位)

●爆豪チーム(爆豪、切島、瀬呂、芦戸)の所持ハチマキ
・635ポイント(暫定2位)

●轟チーム(轟、飯田、八百万、上鳴)
・595ポイント(暫定3位)

●鉄哲チーム(鉄哲、泡瀬、骨抜、塩崎)
→ゼロポイント(暫定11位=最下位)

●拳藤チーム(拳藤、柳レイ子、取蔭、小森)
・205ポイント(暫定9位)

●???チーム(???、???、???、???)
・440ポイント(暫定4位)

●峰田チーム(峰田、障子、蛙吹)
・400ポイント(暫定5位)

●物間チーム(物間、???、???、???)
・235ポイント(暫定8位)

●葉隠チーム(葉隠、耳郎、砂藤、口田)
・355ポイント(暫定6位)

●心操チーム(心操、???、???、???)
・285ポイント(暫定7位)

●小大チーム(小大、???、???)
→155ポイント(暫定10位)


【第一試合『障害物競走』全ランキング】

1位魔理沙2位緑谷3位爆豪200pt4位轟5位飯田6位骨抜7位塩崎8位常闇9位瀬呂10位切島11位鉄哲12位黒色13位泡瀬150pt14位蛙水15位尾白16位障子17位砂糖18位八百万19位峰田20位お茶子21位口田22位耳郎23位芦戸100pt24位回原25位円場26位上鳴27位凡戸28位柳レイ子29位心操30位拳藤31位穴田32位小大33位鱗飛50pt34位庄田35位小森36位物間37位角取30pt38位取蔭39位吹出40位鎌切41位葉隠10pt42位発目



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