最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

53 / 87


ブロスタを最近始めました。奥が深い。ムズい。


適当に書店に寄ったら、ポプテピピックの新刊を発見。ビックリして笑いが漏れてしまったゾ。



チーム紹介&初期ポイント数掲示(なるべく簡潔に)


結依チーム:騎手の結依魔理沙、前衛騎馬の緑谷出久と後衛騎馬の麗日お茶子と発目明の四人。初期ポイント数は1000万と345ポイント。

鉄哲チーム:騎手の鉄哲徹鐵、前衛騎馬の骨抜柔造と後衛騎馬の塩崎茨と泡瀬洋雪の四人。初期ポイント数は705ポイント。けど魔理沙たちに取られた。

拳藤チーム:騎手の拳藤一佳、でも後の三人が誰なのかポイントいくらなのかわかりましぇん。拳藤一佳ちゃん可愛い。

爆豪チーム:騎手の爆豪勝己、前衛騎馬の切島鋭児郎と後衛騎馬の瀬呂範太と芦戸三奈の四人。初期ポイント数は665ポイント。

轟チーム:騎手の轟焦凍、前衛騎馬の飯田天哉と後衛騎馬の八百万百と上鳴電気の四人。初期ポイント数は615ポイント。

峰田チーム:騎手の峰田実、騎馬の障子目蔵と蛙吹梅雨の三人。初期ポイント数は420ポイント。

葉隠チーム:騎手の葉隠透、前衛騎馬の耳郎響香と後衛騎馬の砂藤力道と口田甲司の四人。初期ポイント数は390ポイント。

物間チーム:騎手の物間寧人、前衛騎馬の円場硬成と後衛騎馬のよくわからんモブラーズで四人。多分、顔が黒いB組の人と原作の障害物競走22位の人。よって初期ポイント数は多分305ポイント。

心操チーム:騎手の心操人使、前衛騎馬の常闇踏陰、後衛騎馬の庄田二連撃と尾白猿尾の四人。初期ポイント数は450ポイント。せっかく高ポイント数順に並べてたのにやっちまったよ。


他にもいるけどモブラーズで固まってるので無し。









大乱闘ヒロアカブラザーズSP(32話)

 

 

 

鉄哲チームを出し抜くことに成功した結依チーム。1000万ポイントを取られても上位に食い込める程度のポイントを鉄哲たちから奪い取ったので、ひとまず安心。着地も上手くできたから文句なしだね。

 

「総員、周囲を警戒して逃げることを優先するぞ。私と緑谷はデコピン空気砲で敵の接近を妨害、お茶子ちゃんと発目は私たちの動きに支障が出ないようサポートを頼む。」

 

「「「了解!!」」」

 

連携のとれたチームワーク。四人の心が優勝というゴールに向かうために一致団結するこの瞬間、私は今までに体験したことない気持ちが溢れてくる。今までずっと独りであらゆる敵と戦ってきたが、その時に感じる孤独感が一切無い。なんだろう、上手く表現出来ないが......、“温かさ"みたいなのを感じる。

 

心が落ち着いたところで周囲確認といこうか。今、私たちを狙おうとしている奴らは......、ええと.......アレ? 誰もいねぇぞ!? みんな別のヤツらと交戦してこっちに寄ってくる気配が全然ない! えぇえぇぇぇぇぇ......なんでぇ? それじゃ意味ないじゃんか。 ホント何が大乱闘だよ!! サブタイトルを『超お暇ヌベスコブラザーズエスピー』に改名しろ!!

 

結依の心が荒ぶっていたところ、発目は何かに気づいたのか、魔理沙に報告する。

 

「一位の人! 前方から頭が爆発した人達が来ます!!」

 

「あぁ、爆豪か。少し来るのが早かったが、暇だし付き合ってやるか。」

 

首をコキコキッと鳴らし、向かってくる敵を見据えて警戒する結依魔理沙。爆豪ね、アイツ容赦ないからな。いきなり顔面爆破なんてことしてきても違和感が無い。警戒は重要だ。

 

「総員!! 各自戦闘態勢に移行!! 緑谷くん、私と二人で爆豪を対処するぞ!!!」

 

「了解です師匠!!」

 

静まりかえるバトルフィールド。これから始まる激戦に興奮しているのか、手首が痙攣を起こし、心臓の心拍数が上昇する。万が一に備えて発目のサポートアイテム(改造済み)を装着し、完全武装で撃退を試みる。大丈夫勝てる、問題はない。

 

 

 

少しも待たずに爆豪たちはこちらへ全力疾走でやってきた。特に原作との変化は見受けられないが、厄介なのは私が教えてしまった『覚醒モード』。アレをどれくらいまで昇華させたのかをこの目で見極めなければならない。場合によっちゃコイツがこの騎馬戦の中で最難関の壁として君臨する可能性もある。やっぱ教えなきゃよかった。アレ、危ねーもん。

 

「ボサボサァァアアアア!!!!」

 

「なんだよボンバーマン」

 

 

これは俺を鍛えてくれたお礼だ!! 受け取って死ねぇぇええええええええええ!!!!

 

 

「「「「死ね!?」」」」

 

結依チーム全員の声がハモると同時に、爆豪は右腕のみ覚醒させる。真っ黒に変色した右腕を前に突きだし、掌の中心にエネルギーを集中させると、黒い太陽のようなエネルギー球が結依チームの視界を覆った。

 

「ふざけんじゃねぇ!!! それ完全に崩し行為だろーが!!! 殺す気かテメェ!!」

 

「テメェこの程度で死なねぇ癖に弱音吐いてんじゃねぇよボサボサァ!!!」

 

「ちげーよボンバーマン!! 私が良くても他のみんなが危ねーから止めろっつってんだろ!!!」

 

「そんなの俺が知るか!!!」

 

あっ、ダメだこれ。仮に爆豪が私の言葉を受け止めたとしても戻せないくらいにエネルギーが膨れ上がってる。その上今回はアイツ止める気無いからな。もうダメだ、この大会死傷者が出るぞ。私とか緑谷くんとかお茶子ちゃんとか発明バカとか。

 

「結依さん逃げよ!! あんなのまともに食らったらヤバいよ!!」

 

「私はどうなってもいいですがベイビーだけは逃がしてくださいッ!!!!」

 

「ししょおおおおおおあおおお!!!!!」

 

「うっせ! やかましいから落ち着け全員!! いいか、今から私が言うことをよーく聞け。爆豪があの球体を撃ってきたら、私が発目のサポートアイテム(シールド)をぶん投げて防御すr」

 

「却下です!! ベイビー投げるくらいなら私を投げてください!!!」

 

「アホかテメェ!! お前投げたら後衛騎馬がお茶子だけになってバランス崩して失格になるだろーが!! それにアイテムは使わなきゃ宝の持ち腐れだし、ひとつくらい犠牲にしたって別にいいじゃねーか!!」

 

「嫌だ嫌だ嫌だァァアァアァア!!! ベイビーを見捨てないでぇえええええええええ」

 

「はい、もうアイテム犠牲決定! けどアイテムはあの爆撃のベクトルをズラして直撃を避けるためだから完全には防げないことを頭に入れとけ。んで、アイテム投げたら私と緑谷で迎撃!! お茶子ちゃんとバカには申し訳ねぇが踏ん張って耐えろ、以上!!」

 

「ベイビィイイイイイイイイイ!!!!」

 

伝えたいことは全て伝えた。後は成功するかどうかだ。無理だったら......、そうだね、ステインの様子でも見に行くとしよう。

 

「準備はいいかボサボサァ!!!」

 

「あ、ちゃんと待っててくれてたのね。お約束はきちんと守る派なのね」

 

割と紳士だった爆豪勝己。お前やっぱり悪者のほうが似合ってるぜ。ヒーローの変身とか必殺技を待ってくれるとことか、言動とか......。

 

「死ね、『核兵器砲(ニュークリアカノン)』」

 

強大なエネルギー球体から一本の巨大レーザーに早変わり。これが挨拶がわりとか洒落どころの話ではない。街なんて軽く吹き飛ぶぞこんなの。空間系能力さえ使えればいとも容易く解決できたというのに、増強系しか使っちゃいけないとか、いい加減にsayよホンマ!! プルスウルトラって何?(ゲシュタルト崩壊)

 

即行でサポートアイテムをぶん投げた私は発明バカの嘆きを無視しつつ、緑谷くんとタイミングを合わせてスマッシュ攻撃を繰り出そうとする。

 

「いくぞ緑谷くん!! せーn「デトロイト・スマッシュ!!」タイミングズレたよくっそ!! ワンフォーオール50%デトロイト・スマッシュ!!!!」

 

ぶん投げられたサポートアイテムは私の改造によって空中で巨大化し、そこそこ立派な盾となった。そしてそこに緑谷くんのデトロイト・スマッシュと私のデトロイト・スマッシュが盾にぶつかり、ニュークリアカノンを押し返そうとする。だが反動がヤバすぎる上、今の私たちは機動力を重視してお茶子ちゃん以外無重力状態。つまり作用反作用の法則やら何やらのおかげで絶賛後方へ吹っ飛び中。というか空中まで吹き飛ばされた。何だこれ、体育祭怖い。

 

このままでは場外アウトで失格間違いなし。バックパックはあの爆撃のせいで機能しない。お茶子ちゃんも個性関係なく酔いそうなのでさっさと打開策考えろ私!!!

 

「うっ.......ウゲェエェエエエエエ!!」

 

「あかん!! やっぱ吐いた!!」

 

「師匠!! これどこまで吹っ飛ぶんですか!!!」

 

「安心しろ緑谷くん。こういう落下中の時とか吹っ飛んでる時に喋るとな、喋った時間の割にそこまで吹っ飛ばないというアニメ・漫画の法則が....」

 

「だからなんですか!? 早く戻んなきゃ僕たち場外失格ですよ!?!? それどころか命の危険じゃないですか!!!」

 

錯乱した緑谷は矢継ぎ早に言葉を並べていく。まぁごもっともだな。正論オブ正論。

 

「よく考えるんだ緑谷くん。俺達は爆豪の爆風でここまで吹き飛んだ......そうだね?」

 

「そそそそうですけど!!」

 

「爆風が起こったってことは今、騎馬戦ステージは煙に包まれているはずだ。ということはだよ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということだ」

 

「えっと......つまり......?」

 

「今、瞬間移動を使って戻ってきてもバレないってことだよ緑谷くん」

 

「あー」

 

あーって何だよあーって。いいじゃん画期的なアイデアじゃないか。それに私はこの章の序盤あたりで言ったぞ、「ルールはなるべく守る」と。つまりはバレなければ破ってもいいということだ。理解したかボーイ!

 

「というわけでリターン!!!」

 

指パッチンひとつで四人の身体が一瞬で消えた。再び爆豪チームに挑むため、初っ端からエグい火力で攻撃してきたあの爆発さん太郎に復讐するため、彼女らは舞い戻るのだ!!

 

 

「もう.........お家帰りたい」

 

 

誰かの心が折れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________________

 

 

 

 

「うっわ煙で見えねーぜsmoking!! いったい魔理沙達はどーなったんだ!?!? というかイレイザー、お前のクラス何? どうやったらあんなんになんのよ!!」

 

「俺に聞くな、結依本人に聞け。もう始末書はこりごりなんだよ」

 

「始末書はシヴィー!! 苦労してんなイレイザー!!」

 

やいのやいのと盛り上がる実況者と解説者。しかし、観客側はというとまたも衝撃が走った。雄英の化け物はあの結依魔理沙とかいう人だけだと安心しきっていたのに、ヘドロ事件で有名なあの爆豪勝己が突如として隠していていた力を見せつけ、あの魔理沙に傷をつけるどころか消し飛ばすなんて誰が想像出来たか。否、不可能である。

 

この学校はおかしい。確かに雄英高校は日本ナンバーワンのトップヒーローの輩出高。あの国民的ナンバーワンヒーロー「オールマイト」や、ナンバーツーヒーローの「エンデヴァー」を筆頭に多くのスーパーヒーローを輩出した名門中の名門、それは誰もが周知の事実。

 

しかし、あの二人は桁違いだ。片や生徒から暴君と呼ばれ、底の見えない謎の個性で障害物競走を圧倒した女子、片や中三から実績を残し、太陽のごとき個性で辺り一面を焦土に変えた男子。あの二人が協力したらオールマイトでも負けるんじゃないかと思わせるほどの強さに、全員が呆気を取られていた。

 

しかも噂ではあの結依魔理沙は、雄英の実技入試で触れずに敵を倒したとか、光よりも速く動くとか、怒ると流星群を降らすとか、下手したら地球を滅ぼすとか、普通に考えたらデマと決めつけていい情報が入ってくるのだが、直に見て納得してしまった。さらに現在、結依魔理沙の情報を拡散しようとすると1分以内に運営に消去・BANされるそうなので、怪しさ満点。「日本が核を持たない理由」というタグで吉田沙保里と肩を並べている結依魔理沙の写真なども投稿されていた。

 

 

最初から最後まで何が起こるか分からないこの体育祭に、観客は恐怖を感じつつも、ついつい観てしまうのであった。

 

 

 

それはまるで......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________________

 

 

 

「熱い!! 爆豪熱い!!」

 

「流石にこれはやりすぎじゃあ......」

 

「これ、失格で済まないぞ......」

 

焦土の上で話し合う爆豪チーム。あまりの熱気に芦戸は足踏みをして地面との接触時間を減らそうとする。

 

「テメェらはアイツのタフさを知らねぇ。この程度の爆発じゃ死なねーし傷もつかねぇ」

 

「でも結依は確か、増強系個性以外の使用は禁止されてるって......」

 

「うるせぇ!! 生きてるに決まってんだろうが!!!」

 

「えぇ......?」

 

結依チームが何とか防ぎきった? のと、セメントス先生が観客への被害をゼロにしたおかげで騎馬戦は未だ続行中。ただし、次また同じようなことをしたら即退場と審判に宣告されたので、爆豪はギリギリと奥歯を噛み締めた。

 

とにかくこの煙が晴れない限り、自分たちは行動に移せないので一旦待機する。

 

「爆豪、その技いつ覚えたんだ?」

 

少なくともUSJ事件の時はその技を身につけていなかったことを切島は知っている。何故なら彼と爆豪はワープゲートの個性を持ったヴィランがA組全員をバラバラに飛ばした時、同じ場所にワープさせられた戦友だからだ。一緒にヴィランを撃退していた時は普通にいつもの爆破の個性を使ったいたのだが....、いったい何処でその技を身につけたのか。

 

「二週間前に結依の野郎から実験に協力する代わりに特訓に付き合ってもらうっつー条件で協力させた。そんでこーなった」

 

「爆豪、お前まさかサイボーグ......」

 

「んなわけねぇだろがクソが!!!」

 

「だよねー☆」

 

軽く事情説明したらサイボーグ呼ばわりされる爆豪。実験というワードが聞こえると大抵の男子は次に改造というワードへ連想し、改造というワードから最終的にサイボーグというワードに繋がる。男はロマンが大好き。

 

と、そうこうしているうちに煙が晴れ、視界が一気に拡がる。果たして結依チームは生き残っているのか、それともホントに消し飛んだか、爆豪は目を凝らす。

 

 

「ふぅ......危ねぇな。マジで死ぬかと思ったぞ。あとほんのちょっとベクトルがズレてなかったら、死んでたな。死なないけど」

 

服がボロボロになりつつも、余裕の表情で現れた魔理沙の姿に、爆豪はここ一番の悪意ある笑みを浮かべる。掌で数回爆発を起こし、個性の動作確認を感覚で行い、じっと相手の動きを観察する。

 

「感想でも言ってみたらどうだボサボサ野郎」

 

どこか得意げに話す爆豪に呆れを感じつつ、やる気のない声で返事を返す。

 

「そうだな、マジでテメェを実験台にしたことを酷く後悔してるぞ。二度と使うな」

 

やめとけばよかった。私並に戦闘狂なアイツをパワーアップさせるのは判断ミスだったな。緑谷くんを強くしすぎちゃったから、爆豪も強くしとくべきだよなーとか安直に考えていた昔の自分をぶん殴りたい。今度は爆豪が異常に強くなったじゃねーか。帰りたい。

 

「今日こそ完膚なきまでにぶっ潰してやるよボサボサ。昔からテメェを叩き潰したいとずっと思ってたんだ、最後まで付き合えや」

 

「はん、上等だよコラ。生きとし生けるもの全ての頂点に君臨するこのスーパー魔理沙様の引き立て役になるがいい」

 

二人の騎手が同時に騎馬を乗り捨て、空中戦に持ち込んだ。私は空気を高速で蹴り、空気抵抗を利用して空中を駆ける技法『月歩』で爆豪との距離を詰め、爆豪は個性『爆破』を応用し、爆発の反作用で空を翔る。置いてかれた両チームの騎馬は、何も出来ないためただ空を見上げて戦いの行方を見守る。

 

空中での精密動作性ならば私が圧倒的有利である。無重力状態はあまり力を入れずとも細かな動きが出来るからな。地上戦以上のアクロバティックを見せられるだろう。

 

ただ、無重力状態のせいで自分は吹っ飛びやすくなっている。爆豪の覚醒モード攻撃を一撃でも貰えば確実に場外へポーンだ。そして自分の攻撃も非常に弱くなっている。質量のないパンチとか普通だったらノーダメなんだが、ご都合主義である程度はダメージが入るのは有難い。がしかし、弱すぎる。何発ぶち込めばノックダウンするかなぁ......。

 

「うおらぁあ!!!」

 

「死ねぇぇぇえええええ!!!!」

 

爆撃を顔面スレスレで避け、一発頬に拳をぶち込む。だがあまりに弱すぎて特に困った様子は見られない。

 

「貧弱なパンチごときで倒せるとか舐めてんのかあぁん!!!」

 

「チッ、やっぱ一発じゃ無理か....」

 

反撃してくる爆豪の右腕。魔理沙は一旦バックして距離を置く。うわ、あーゆー攻撃全部避けなきゃいけないとか辛いなぁ。

 

 

爆豪は空中の精密動作性では魔理沙に劣るが、それをカバー出来るほどの広い攻撃範囲に大火力。そして本人の戦闘センスが噛み合って、爆豪勝己という存在を圧倒的強者へと仕立てあげている。強スギィ!!

 

さらに、爆豪チームと結依チームにはひとつ大きな違いがある。

 

それは空中戦に挑んだ騎手を回収してくれる騎馬の存在がいるかいないかという点。爆豪チームには瀬呂範太がいるため、爆豪が空中で無茶しても回収は可能である。

 

しかし、結依チームにはその存在がいない。原作では常闇踏陰がそれにあたるのだが、常闇はこの世界では別のチームの騎馬として参戦している。よって魔理沙は、自力で騎馬のいる場所まで動かなければならない。

 

それは相手に隙を与えることに等しい。

 

一見、そこまで重要そうな問題じゃなさそうに見える。だが本人達にとっては勝敗の原因となりうるくらいの重要な情報。この点をどうにかしないと、この空中戦で結依チームが勝つ確率はグッと下がるだろう。

 

(どっちが有利かっていえば爆豪のほうなんだよなぁ......。久しぶりの不利な状況、頑張るしかねぇか)

 

「オラオラどうしたァ!!! 逃げてんじゃねぇぞボサボサァ!!!!」

 

爆豪もそのことに気づいたのか、ドンドン攻撃が激しくなっていく。不味い、防戦一方だし騎馬との距離が離れすぎてる。月歩で駆け上がれば問題ないけど、爆豪が嫌というほど引っ付いてくるから逃げきれん!!

 

だが騎馬との距離が離れているというのはアイツも一緒だ。ここでスマブラでいうメテオ攻撃を一撃でもぶつければ、瀬呂が回収出来ない速度で落下して失格!! そうすれば私たち結依チームを阻む強敵は轟チームだけになり、なんやかんやで一位を獲得できるはずだ!!!

 

成せばなる、成さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の、為さぬなり

 

「くたばれやァァああああああああぁぁぁ!!」

 

見えた、爆豪の癖が。原作でよく緑谷を倒すためによく使う右手の大振りが。ここで決めなければ私に明日の二文字はない!! まだ騎馬戦全然終わらないのになんか最終決戦っぽくなっているのは事故だ!! うおおおおおおあおおおおお!!!!!

 

「チェストォオオオオオオオオオオ!!!!」

 

私は爆豪の右手の大振りにタイミングを合わせて、蹴りを放った。ただし、この蹴りは爆豪をカウンターで吹っ飛ばすために繰り出したわけではない。これは私のメテオ攻撃に繋げるための土台だ!!

 

爆豪の右手を踏み台にして私は空中で回転しながら空を舞った。ちょっと遅かったら今ごろ右足を爆破されていたが、安定の身体能力で上手く回避。爆豪の右手首が凄い曲がり方していたが、まぁ、ドンマイ。保健室で慰めてやんよ!!

 

格闘ゲームは大抵、攻撃した後は隙ができる。その隙を上手く利用しヒットアンドアウェイをどれくらい完成させたかで勝利が決まる.......と私は思っている。そう、つまりこの勝負は私の勝ちだぁあぁあぁあああ!!!! 割と少ない戦闘で悪かったな爆豪!! 今、楽にしてやるッ!!

 

「天ッ空!!!!」

 

某神剣ラグネル使いのアイクの必殺技を叫びながらかかと落としを繰り出す私。死んだな。

 

 

「遅せぇ」

 

「は?」

 

 

パシッ......と私のかかと落としを受け止めた爆豪。え? あれ、おっかしーな。え?

 

「少々危なかったけどよ、ま、惜しかったな」

 

「えぇ〜?」

 

魔理沙のカウンター天空は物の見事に受け止められ、勝敗の天秤の傾きが一気に逆転。先程まで勝ち確だった魔理沙だが、勝利の女神に見放されたのか、それとも今までの行いが悪かったせいなのか、ここで一気に落ちてしまった。いろんな意味で。

 

「落ちろやぁあぁああぁあああああ!!!!」

 

「クソがァあぁああああああああぁぁぁ!!!」

 

爆豪は魔理沙の右足を掴み、真下へ振り落とす。対応不可能な速度で落下していく魔理沙には成すすべがなく、ただ失格になるのを待つだけとなる。嘘だ......、この私が幼なじみごときに負けるなんて。負けたことなんて1回くらいしか無いのに、こんなヘンテコリン爆発さん太郎に二回目をあげるなんて嫌だ。心底嫌だ。私はアイツに負けるわけにはいかん!!!!

 

魔理沙の激しい思いが伝わったのか、魔理沙に救いが訪れる。

 

「ししょおおおおおおおおあおおお!!!」

 

結依チームの騎馬が魔理沙を助けようと空へ大ジャンプしたのだ。

 

「キャッチ!! すみません師匠!!」

 

「うわぉ、お姫様抱っこぉ」

 

流石は無重力状態。三人が騎馬を組んだ状態で空を飛ぶなど不可能なはずだが、一人を除いて体重がゼロになったのと、緑谷の驚異的な身体能力のおかげで、結依チームの窮地を救うことに成功した。

 

「これ出来んなら最初からバックパックなんていらなかったんじゃ......」

 

そのセリフに突っ込む人は誰一人としていない。突っ込んではいけないのだ。

 

 

何とか体勢を立て直すことに成功した結依チーム。正直肝がヒヤヒヤしたが、なんとかなったぞ。一方、爆豪チームのほうも瀬呂が爆豪を回収したそうで再び二チームが向かい合う形へと戻る。

 

第二回戦が始まる......、なんて警戒していたが、なんとビックリ爆豪チームが別のチームを狙い始めた。おおよそB組のアイツにハチマキを取られたのかな? ふっ、間接的だが爆豪チームに勝ったぞ。間接的だけど!!

 

爆豪チームの情けない姿を見て嘲笑っていた私。しかしこの騎馬戦で争いあっているのは爆豪チームだけではない。他にも大勢のチームが決勝戦に勝ち上がろうと必死にもがいているのだ。

 

そして、ポイントがゼロになって焦りに焦った人々の魔の手が結依チームに襲いかかる。

 

ヒュンッ!!

 

 

突如として死角からの攻撃が魔理沙の後頭部に当たらんとする。けどもう慣れた、こういういきなり来る攻撃は。この第二の人生でどれほどの死地をくぐり抜けたのか覚えてはいないが(自分から首を突っ込んでいくスタイルのせいでもある)、これくらいの速度なら素の反射神経でなんとかなる。余裕で掴める。

 

パシッと左手で謎の攻撃を掴もうとするが、なんだか変な感触が手に伝わる。なんだこれ、ヌメヌメするぞ。ヌメヌメでザラザラだ。今すぐにでもこの手を離したいが、せめて敵の顔だけでも見ておくか。

 

「私の後頭部に恨みのあるやつは......、って蛙吹さん!?」

 

ひゅひゅひゃんひょひょんへ(梅雨ちゃんと呼んで)

 

「オイラもいるぞぉぉおおおお!!!!」

 

襲いかかってきたのは峰田チーム。騎手の峰田にハチマキが巻かれてないということは、アイツら誰かに奪われたな。そんで失うものは無いから一千万を頂こうという魂胆だな。見え見えだっつーの。

 

とりあえず、梅雨ちゃんが可哀想なので手を離す。が、ただ手を離すほどお人好しではないので、風圧デコピンは食らって頂こう。

 

 

というか私も梅雨ちゃん呼びが許されたのね。今週で一番の感動だよ。 +.゚.( °∀°)゚+.゚

 

 

「風圧デコピン!!」

 

 

だが、それとコレは話が別。感動したから手加減するなんてことは絶対しないのが私だ。大人しくたちされぇ!!

 

「障子!! 目をつぶって防御モード!!」

 

もはやトランスフォーマーと化したのか、障子は峰田の指示通りに防御モードへ移行。障子チームの騎馬の組み方は特殊で、騎馬の障子が、他の二人を背中の上に乗せ、さらに個性『複製腕』で複製しまくった腕をドーム状に組み合わせて二人を包んでいるという、反則級の組み方。防御モードは二人を包んでいるアレの隙間がなくなった状態のことを指す。これ完全に戦車のトランスフォーマー。ルール上問題ないのが余計腹立つ。

 

私の繰り出す風圧は確かにえげつないが、戦車の隙間をこじ開けるほどの威力はない。見事に防がれてしまい、正直悔しい気持ち。

 

「デコピンデコピンデコピンデコピン!!」

 

「ふはは聞かねーぜ魔理沙ァ!! 障子の防御モードは完全無欠の最強モード!! 何人たりとも崩すことの出来ない最強の壁なのだァァァ!!!」

 

「うるさいわよ峰田ちゃん。耳に響くわ」

 

チッ、峰田め。安全な場所だからって調子乗りやがって。しかしどうしたものか、何発ぶち込んでもビクともしない。さてさてどうしたもんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九千文字越えたからここで区切るッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






長いぞ体育祭編。まぁ、単行本でも量的に三巻くらい続いていたから長くなるのは当然だよね。


今回はゴリゴリ身体能力で戦っているので紹介はありません。



次回は分身のほうのその後の様子をやります。




▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。