最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE: 作:マスターチュロス
舞うは嵐、奏でるは災禍の調べ
私が戦闘系大好きになったのはうごメモの棒バトのせい。カッコイイし曲選ヤバいし泣ける。
そして今回はガチ戦闘だからオールシリアスです。ギャグなんてありません。シリアルアレルギーの方はご注意ください。
〜 保須市路地裏 〜
雄英体育祭が激戦を迎えている頃、保須市の路地裏では分身魔理沙とステインとの戦闘が勃発。しかし魔理沙の圧倒的火力の前では為す術がなく、ステインは倒された......はずだが。
「ハァ......ハァ......、お前、いったいいくつの個性を持っているんだ......? そんなに個性を抱えて.....、よくここまでまともに生きてこられたな.....」
私の目の前に立っていたものは、人ならざるなにかであった。
「そりゃどうも。まともに生きたと胸張って言える自信はないが......、それよりお前こそなんなんだよ。手足縛って集中砲火したのになんでピンピンしてんだよ」
私は今、猛烈に衝撃を受けている。普通の(個性持ちだけども)人間が私のあらゆる魔法や技をまともに受けて動けるという事実に直面して、体が固まって逆にこっちが動けなくなっている。こいつは緑谷くんや爆豪と違って今日会ったばかりだから、原作崩壊は起きていないはずだ。ま、今現在進行形で崩壊してはいるが、まだそこまで時間は経過していない。おかしい......。何かがおかしい。
「その質問に答えることはできねェ。俺自身でさえよく理解していない力だからな......、だが、だがひとつだけ理解出来る。今の俺をつき動かしているのは、己の正義を貫こうとする精神、『決意』が体を動かしているのだとな。理屈をいくら並べたって無駄だ」
ステインは自分のグチャグチャに変形した愛刀をそっと地面に置き、ゆっくりと言葉を返した。
決意、決意だけでここまで頑張れるものか? 体中に氷の破片が突き刺さってて、ところどころ火傷を負って、左腕一本失って、重力で.....攻撃したのに何故か無かったことになってるし。
さっきの出来事をなしとして考えるならば、今のステインは私にとって絶好のチャンスだろう。どっからどうみてもステインは瀕死、立っているのがやっとの状態だ。
だが、さっきから私の超感覚センサーが嫌な予感という名の電波をビンビンに受信している。番外編でベル君が異常に強くなった時みたいな、あんな感じの気配が身にヒシヒシと伝わる。絶対に不味い、早めに潰さなければこちらがやられる。
「さて、第二ラウンドといこうか、雄英生徒」
ステインが戦闘態勢へ再び移行する。なぜだ、なんで立ち向かうのか。その決意で奇跡的に生き残れた、私の圧倒的強さを知った、普通に考えたら次の行動は逃げて体勢を立て直すのが賢明なはずだ。一度助かった命を自ら捨てに行くのか? それとも私が殺さないと見切ったのか? 全くわからない。
「......」
とりあえず、私は何の変哲もない武器を取り出し、構えた。ステインは身体がボロボロどころか、メインウェポンである愛刀も失っている。私がステインならとっくのとうに絶望の淵に立っている。戦う気すら出ないはずなんだ。
「これは、俺とお前のどちらの『正義』が、最後まで貫けるかという勝負だ。加減はしない.......」
「あぁ......、わかった」
ステインの凄まじい覇気に気圧されそうになるが、私も覇気をぶつけることで上手く相殺する。
ダメだ、これは流石に本気を出さなきゃ勝てん。手加減とかなるべく死なせないようにするとか、そんなことする余裕はない。殺す気で戦わなければ、私は物理的にも、精神的にも負けてしまう。絶対に勝つ。
「ハァ......、いい勇気だ。じゃあ......こっちから行くぞ....」
ステインはクラウチングスタートの姿勢から一気に走りだす。目で追えない、いや、壁から壁へ走って視界から外れようとしているのか。
「思考加速一万倍、未来攻撃予測を並列起動」
だが、それが私に通用することはない。常人の一万倍の速さで脳みそを回転させれる私に、見切れない攻撃などない。そして未来攻撃予測、この能力は漢字の通り未来で起こる攻撃の軌跡を読み取ることが出来る能力。あみだくじのように交差する運命の中で最も通る可能性のある運命を先に知ることができるのだ。
さっきまでは目で追えなかったステインだが、この二つの能力を同時に使用しただけで、まるでプログラムのシュミレーションでも見ているかのように、現在から未来までの全ての動きがハッキリとわかる。
真正面から私に近づくと見せかけて、背後に瞬間移動し、手刀で首を刎ねようとする。それがステインの一連の動きならば、私は背後に回ってきた瞬間を狙って潰すとしよう。
今の私に隙など存在しない。なぜならガチの本気だから。
予測通り背後に回ってきたステイン。やはり、本気の私に勝てるやつなんてこの世にいるわけがない。いったい何を恐れているんだ私は。ちょっと予想外な出来事で狼狽えるのは、私が異形魔理沙だからか? なら安心しろ私、私は最強の魔法使いだ。
ステインが攻撃する前に私は回し蹴りを行う。案の定ステインの顔面に直撃し、路地裏の壁に叩きつけられ、勢い余って壁を貫通した。だが私のバトルフェイズはまだ終了していない。完全にステインを仕留める。
「超位魔法発動、『
念の為に先に固有結界の範囲を拡大し、超位魔法を発動させる。別に未来が見えるんならもっといい方法あるだろ......だと思う人がいるかもしれないが、未来攻撃予測は相手を視認してなければ未来が見えないという弱点がある。だから自分に受ける被害が最小限にかつ確実に潰す方法をここで取る。
ただし、超位魔法は発動までに時間がかかる。なので異次元からアインズ様お気に入りの、なんか砂時計みたいな課金アイテムで発動までの時間を全カット。これでも死なないのなら、また考えるしかない。
「淡々と進めてしまったが......、ま、許せステイン。お前は強過ぎた」
課金アイテムで超位魔法を即効発動。謎の砂時計を砕き、時間を短縮する。
パキッという音が耳に届くと同時に、超位魔法がそれに呼応するように、ステインの真上に何重にも重なった魔法陣が形成される。そこら一帯のビル群ごと吹き飛ぶハメになるが、固有結界でどうとでもなるので良し。
「美しく残酷にこの大地から往ね」
ズガドォオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!
「......ふぅ、さて、確認しに行くか。」
圧倒的な威力を示し、予想以上の大破壊を起こした超位魔法。そしてなんか見てると酔いそうな特殊タグのおかげで、ステインは再起不能になった......はずだ。
瓦礫と化したビル群の上を歩き、慎重に爆心地へ近づいていく。仮に、もし仮にでも生きていたとして、どこかに身を潜めて私の隙を狙っていた場合のために、いつでも対処できるよう警戒しなければならない。
「......いねぇーなー」
塵も残さず消し飛んだか。いや、それだったら初手のアレで既に終わりだ。それとも私の能力を無効化するなんかの効果が切れたか、いやそれはそれで大問題だ。対私用の何かが完成されてたなんて、ステインより厄介すぎる。
なんか、考えるのも面倒くさくなってきた。ここら一帯の地盤をひっくり返せば、隠れてるステインもひょっこり出てくんじゃないかな。いや、出てこないわけがない(反語)。
「サイコキネシス!!」
脳への負担がヤバい超能力を発動。ワンパンマンのタツマキをイメージしながら、効果範囲を決めて一気に掘り返す。
激しい音を立てながら、一定範囲に存在していたあらゆる物体がコンクリートもろとも根こそぎ空中へ打ち上げられた。さてさて、どこにいるんだか。パッと見で見つからないってことは、アイツは打ち上がった瓦礫の後ろに身を潜めてる......つまりピンピンに生きてるってことだよな。ハァ......、厄介すぎるなぁ。
やはりここは「万能感知」で探したほうが早いと判断した私は、さっそく能力を解放する。
......がその行動を読み取ったのか、魔理沙の目線の斜め上方向から二本の投げナイフが飛んでくる。
「危ね」
不意打ちに反応できた私は咄嗟にナイフを素手で弾き、事なきを得る。やはり、やはり生きていたかステイン。超位魔法に耐えるお前はもう人間じゃねぇ、私と同類の域だ。絶対この私がお前を......、
お前を......、私が............えっと.....。
次に言うべき言葉が出てこない。頭で湧いてくるワードは『潰す』、『倒す』、『場合によっちゃ殺す』で埋めつくしている。それでいい、それでいいハズなんだが、心のどこかで違和感を感じている自分がいる。
ダメだ、今は戦闘中だから余計なことは考えてはならん。ましてや自分の命に関わるほどの強さを持った相手だ。気を取られているうちにバッサリなんて、そんなこと私が認めん。
“大いなる力には大いなる責任が伴う"
“これは、俺とお前のどちらの『正義』を貫けるかの勝負だ"
“母さん、私はヒーローになるよ"
突如として脳裏に浮かんだ三つの言葉。一つ目はとある父親が、息子に対して放った有名な言葉。二つ目はステインが放った言葉。三つ目は、私が母に放った言葉。
ヒーローとは......
「は?」
私は左肩に違和感を覚えたため、目線を少しズラす。
一本のナイフが綺麗に突き刺さっていた。
「チッ、ついさっき余計なことは考えないって言ったばっかなのに.....」
痛覚無効のおかげで叫ばずに済んだ魔理沙は、ゆっくりとナイフを引き抜き、超速再生で肩の傷を癒そうとする。
「.......傷が治らない?」
超速再生は確かに発動している。だが、一向に治る気配がない。それに血が吹き出ないもおかしい。これはどういうことか。
「雄英生徒ォ......」
「ッ!?」
いつの間にか背後に回られていた。万能感知を使ってはいないとはいえ気配すら感じないとは...
私が振り向こうと体を回すと、ステインの拳が私の腹に直撃し、遠くへ吹き飛ばされる。今日食べた朝ごはんを全て吐き出され、気持ち悪い感覚に襲われつつもステインを見やる。
ステインの姿は変化していた。全身から金色のオーラが溢れ出し、一本の黄金の刀を持ち、武神のような覇気を放ちながらその場所に存在している。これが、ステインの覚醒状態なのだろうか。しかし、覚醒状態で強化されるのは個性のはずだ。爆豪と実験した時、爆豪の『爆破』の個性の威力は増大していたが、本人の身体能力が上がったわけではなかった。だから覚醒状態は制御が難しいのだ。覚醒状態の火力に、自分の体がついていくことができないから。
だが、ステインは違う。アイツは俺に一度も個性を使用していない。個性が強化されたような様子もない。しかし、身体能力が異常に強化され、しまいには超速再生を封じる能力を手に入れやがった。これはどういうことだ?
〔解。個体名『爆豪勝己』の覚醒部位は『個性』ですが、個体名『ステイン』の場合、覚醒部位は『精神』である可能性が高いです〕
いきなり現れた大賢者さん。流石だが、精神が覚醒? つまり......
〔己の正義に固執し、強い感情が長時間の間彼の精神を変質させ、さらに個体名『結依魔理沙』から常時発生する『異形因子』とステインの精神が適合し、人の枠を超越した能力を得た......と考えたほうが宜しいかと〕
えぇ、それヤバくない? コード000が本気で襲撃したとき並にヤバいぞこれは。面倒事増やしやがって......
見渡す景色は瓦礫一色。ついさっきまでは立派なビル群が立っていたはずだが、超位魔法によって半径何百メートル以内は全て瓦礫。まさに戦場と言わんばかりの光景に魔理沙は息を飲んだ。
「雄英生徒、お前のおかげで俺はここまでこれた。礼を言う」
「いやぁ、ヴィランに言われてもちっとも嬉しくないなぁ」
「もう俺は昔とは違う。この力を使って腐った社会を塗り替える。自己犠牲を厭わない、利益や名声を求めない、ただ人類のために命を限りを尽くす、最高のヒーローを誕生させるために......」
「話そらすな」
自分の理想が叶った世界を空想しているのか、その場で空を見上げているステイン。しばらく見上げていたが、現実に戻ってきたのか視線を私に向ける。
「どうせこの戦いでどちらかが敗北するんだ...。最後にお前の名を聞かせろ。死ぬまで覚えといてやる」
「..........結依魔理沙だ。お前のその貧弱な脳みそに刻み込め、私の名を。」
「ハァ......魔理沙。なるほど、お前があの襲撃事件の......。そこらへんの贋作ヒーローとは力も精神も違うってわけか......。殺すに惜しいな」
「情けはいらん」
「ハハハ、やはりお前はただの高校生じゃあねぇな。乗り越えた修羅場の数々が桁違いって、顔に書かれているからなァ。さて、」
「そろそろ始めるとしようか。雄英生徒」
ステインが武器を構える。どうやらそろそろおっ始めるつもりだな。こっちも武器取り出すか。
取り出した武器は七つの大罪、傲慢の罪『エスカノール』が使う武器『神斧リッタ』。片手斧で重量が非常に重い。だが近接攻撃力ならピカイチの性能を誇り、エネルギーを溜めて一気に放出することも可能。ま、一番はカックいいデザインだ。
天気は瓦礫。空中に浮いている瓦礫と瓦礫の隙間から太陽の光が差し込み、点々と地上を照らす。周囲は殺伐とした雰囲気に飲まれ、平和で美しい春とは思えないほどのシリアスに魔理沙は嫌気がさした。
無言で見つめ合う二人。最初に動きだしたのはステインのほうであった。手に持っているのは黄金の刀。これもあのナイフと同じように何かしらの仕掛けがあるに違いない。極力触れないほうがよさそうだ。
〔解析完了。強化個体『ロード・オブ・ステイン』は自身の武器に能力『
なるほど魂撃......だから血が出ないわけか。直接魂にダメージを与えるということは、死んだ時に発動する自動復活系能力が発動しない可能性があるな。あれは魂が存在するからこそ成し得る能力であって、核である魂が存在しなければ意味が無い。しかも今のステインは己の正義に酷く固執している。ステインの攻撃が私に直撃すれば、ワンチャン一撃で死ぬかもしれん。
死ぬ......、今まで縁がなかったものが急に寄ってくると鳥肌が立つ。正直、このまま死んだ方が楽なのかもしれない。けど、私は結依魔理沙だ。ついさっきまで余裕こいてたヤツが急に怖気付くなんて許されるわけない。そんなのチンピラと一緒だ。
〔オートバトルモードに移行しますか?〕
親切だなァ大賢者。だがこれは私一人でやる。こういうヤツは正々堂々殴りあってこそアレなんだ。つまりアレです。
いろいろ考えてしまったが、もうすぐそこまでステインの刀が迫っている。魂撃を対処するにはやはりコイツがいいな。
「ザ・ワールド・オーバーヘブンッ!!!!」
白色のザ・ワールドが私の前に現れ、ステインの刀を拳で受け止め、その勢いのままステインを押し返した。
ザ・ワールド・オーバーヘブン、それは天国に到達したDIOの影響を受けてチート化したスタンド『ザ・ワールド』。チート能力一つ目だ。このスタンドの能力は『真実を上書きする』という能力なんだが、これじゃわかりづらいだろう。わかりやすく言うと、『己が望んだ結果を相手に無理矢理押し付ける』能力だな。本来、発動するはずだった能力を無かったことにしたり、相手の記憶や感情を思うがままに変更するなどといったことができる。『大嘘付き』並に便利な能力だなぁ。
これで魂撃を無効化しようとしたんだが、ステインの思いの丈が非常に大きすぎて弱体化止まりになってしまった。なんて野郎だ。
まぁでも弱体化したからいいか。これなら直撃さえしなければなんとか耐えられる。
「その人型のナニカもお前の個性か?」
「へぇ、スタンド見えるのか。ま、確かに私の個性だな」
軽く言葉を交わしたら、再びぶつかり合う二人。先に腕を潰したいところだが、上手く流されてしまって事が進まない。ステインの激しい斬撃をザ・ワールド・OHの拳で相殺し、互いに立ち位置が入れ替わりつつも互角の勝負を繰り広げる。
緊迫する戦闘。ステインの攻撃を直撃したら死ぬという鬼畜な勝負の中では少しのミスも許されやしない。たった少しの隙からデスコンボに繋がることなど格ゲーなら日常茶飯事である。
しかし戦闘しているのはザ・ワールドであって私ではない。いや、ザ・ワールドを使役しているから私が戦っていることに変わりはないが、要は本体がフリーってことだ。ザ・ワールドを盾にして気配を消し、ステインの背後からラッシュを狙うってこともできる。風穴空くくらい本気で殴らなければな。
安直だが、ステインが私のザ・ワールド・OHを対処するので精一杯。ステインがどう動こうと私にかかる影響はさほど出ないはずだ。
瞬間移動でステインの背後を奪う。よし、ステインは隙だらけだ。今なら......
「甘いな雄英生徒....、わざと誘い出したんだよ」
剣速が光の速さ並に速くなったステインが一瞬でザ・ワールドを圧倒し、刀が右肩に突き刺さる。スタンドには、スタンドが受けたダメージは本体に転移するという性質があるため、本体の右肩にもダメージが入る。こいつ、わざと剣速を遅くして判断ミスを......
ステインの攻撃はまだ終わらない。唐突のダメージに驚き、一瞬怯んでしまった魔理沙をステインは追撃する。魔理沙は神斧リッタでこれを対処しようとするが、二撃ほど掠ってしまった。
「
湖を軽く蒸発させられるほどの熱量が地形を再び作り替える。瓦礫はボコボコと泡を吹き出しながら溶け、空気は灼炎に焼かれ、黒煙が空を覆い尽くす。
だが両者ともに生存。魔理沙は熱変動耐性によって、ステインは極限突破した精神エネルギーによって。再び距離が出来た二人は、また引き合うようにぶつかり合う。
「魔砲『ファイナルマスタースパーク』」
魔理沙は異空間から八卦炉を取り出し、十八番のマスパを繰り出す。極太の破壊光線が地面を抉りとりながらステインに襲いかかり、ステインを追い詰めようとするが、超人的な反射神経で避けられる。
「光は常に直進だ。だから避けやすい」
「知ってるよ。けどマスパの根源は八卦炉だぜ? 八卦炉は手を加えれば動かせるんだよ」
左へ避けたステインに合わせて八卦炉を薙ぎ払う。ただの破壊光線が、超巨大なレーザーソードへ変貌し、ステインを追撃していく。
避けるとしたら当然空中だ。土の中なんて潜る時間はなく、かといって地上に居続ければマスタースパークの餌食だからな。
だが空中は遠距離攻撃できる人にとっては格好の的。空中動作は何かしらの能力で補助しないと小回りが利きづらい。もしかしたらステインの超常的なエネルギーで何とかされるかもしれないが、とりあえず左手で超亜空切断を撃てるよう準備をしとく。
「まだ死ねるかァァアアアアアアア!!!!」
ステインは空中に移動せず、マスタースパークに斬撃を放ち、一瞬だけ出来た隙間を利用して回避に成功した。なんだこの器用な避け方は。素の脳みそで判断できるほど簡単な技じゃねぇぞこれは。
「魔理沙ァアアアアアアアアアアア!!!!!」
「ステインンンンンンンンン!!!!!!」
ステインの黄金の刀と黄金の神器『神斧リッタ』が激突する。防御は難しくないが、武器的に片手斧と刀は相性悪かったかもしれん。片手斧は刀より火力が出るんだが、リーチが刀に比べて短いから普通の叩き割りや薙ぎ払いが相手に直撃しない。投げようかなコレ。
「サテライトキャノン!!」
とにかく、私にとって最も有利な状況はステインと距離が離れているときだ。その状況を作り出すために、真上からビームとか撃ってステインを引き剥がさねば!!
だが私のサテライトキャノンは、ステインにはギリギリ当たらない。いや、ギリギリの距離で避けている。逃げたり避けたりする時に消費するエネルギーを最小限に抑え込むことで、私と対等に戦っているのか。ここまで来ると敵として敬意を払いたくなるぞ。
「テレポート!!」
卑怯かもしれないが止むを得ない。ひたすらテレポートで逃げながら、遠距離からズバズバビームを撃つ『テレポートチキン作戦』に移行だ。あばよステイン、ここまでやってのけたのは高校生になってからお前が初だよ。
テレポートが成功した魔理沙は早速、『
血飛沫を散らさず空へ舞った私の右腕。お互いに片腕を失った状態となる。そろそろ自分の命も危うくなってきたし、ステインがさっきから神回避に神攻撃の連続で心が折れそうだ。
さっき、ステインが神攻撃を成功させたのはテレポートの予測が原因だ。相手の動きを熟知していればできる能力かもしれないが、まだそこまで時間は経ってないはずなのに予測撃ちを成功させるなんてできるだろうか。強過ぎる。
「グッ.....、
私の残された左腕から三重かつ強化された二つの雷龍、すなわち合計六つの強化雷龍が出現した。大きさもなかなかのもので、一体で10〜15メートルくらいありそうだ。それが六体、しかも自動追尾能力も完備。そろそろこっちの攻撃を成功させなければ結構辛い。頑張れ雷龍!! お前には私がついているぞ!
ステインは向かってくる六体の雷龍を次々と斬り伏せていく。独学で身につけた殺人術と攻撃的な意志を感じ取る超感覚、新たに身につけた個性を駆使し、雷龍の首を刎ね、真っ二つにしていった。雷竜さん、死去。
残った龍を援護すべく弾幕を張る魔理沙だが、全く効果を見せてくれない。ここまでやってダメなんて初めてだ。相手の身体はもうズタボロだというのに、なんでこうも上手くいかないのか。
私は舌をかみ締めて心を冷静にする。キュッとしてドカーンで武器破壊したいところだが、多分、残り一本の腕が犠牲になる。それだけは絶対にダメ。左腕を死守しつつ、ステインを追い詰める策を考えなければ、私に勝利はない!!
「フィン・ファンネル、マスタースパーク、殺意の百合、眷属召喚、ブラピの狙杖、りゅうせいぐん、
能力を長時間かつ多重に使いすぎて血反吐を吐き出したが、これでしばらく考える時間が作れそうだ。が......、正直あまり体力がもたない。頭がクラクラして作戦を立てられるか怪しいが、頑張って.........頑張るしかない。
次々と背景が移りゆく保須市路地裏(固有結界内)。勝利を手にするのは魔理沙かステインか。
To Be Continued......
チート対チートって、いいよね。
いろいろ紹介
課金アイテム:ソシャゲで世話になってるアレ。今回は魔法発動までの時間差を失くすアイテムでした。ちなみに作者は無課金勢。
美しく残酷にこの大地から往ね:東方Projectのキャラ「八雲紫」の有名なセリフ。どこかの天人様が博麗神社にちょっかいかけたからゆかりんが怒った。
タツマキ:ワンパンマンのキャラ。S級ヒーロー第二位という作中でも強キャラの位置にいる超能力者。ツンデレ......というよりデレがないので永遠のツンツンです。合法ロリ。
ロード・オブ・ステイン:爆豪とは違い、精神が覚醒したステイン。能力は凝血、魂撃、武器創造、超感覚、そして決意。凝血は31話で説明している気がします。魂撃は作中で大賢者さんが教えてくれます。武器創造は漢字の通り武器をその場で創れるが、ステインはまだ素人なので刀しか創れません。超感覚はあらゆる攻撃的な意志を読み取る能力。そして決意は『諦めない限り絶対に死ぬことはなく、あらゆる即死系能力と干渉系能力は完全に無効化される』という能力。つまり勝つにはステインに何度も致命傷を与えて、精神力を削り、諦めさせることです。うわぁ。
オートバトルモード:大賢者さんに全てを任せて己はゆっくりするモード。大賢者頼り。
ザ・ワールド・OH:ジョジョのゲームの『アイズオブヘブン』限定のスタンド。こいつがジョジョ原作にいたら間違いなく最強スタンドの座に居座っている。『真実の上書き』は、うん、簡単に言うと設定弄る作者さんみたいな力だよ。やべぇよ。逆にそんな能力を持っといてなんでストーリーで負けるんだよ。
無慈悲な太陽:七つの大罪、傲慢の罪エスカノールが使う魔法的なアレ。膨大な熱を持った球状の魔力弾を相手にぶつけるのだが、熱がやばい。近づくだけで鎧が溶けるくらいあかん。
炸裂する傲慢:無慈悲な太陽を爆発させる。つまり凝縮された熱が一気に四方八方に霧散していくということだ。湖が跡形もなく蒸発させるほど威力がヤヴァイ。
連鎖する龍雷:オバロの第七位階魔法。カッコイイ。
フィン・ファンネル:νガンダムだけに搭載されてると思ったらそういうわけでもなかったアレ。U字型の自動遠距離レーザー砲。
殺意の百合:東方Projectのキャラ「純子」のスペルカードのひとつ。初見で避けるのは不可能と言わしめる鬼畜弾幕。
眷属召喚:下僕を呼び出せる。時間稼ぎ要員。
ブラピの狙杖:新・光神話パルテナの鏡に登場する神器。遠くから撃てば撃つほど威力が上がる「狙杖」に属しており、ブラピの狙杖はため攻撃と近接攻撃の火力の差が激しい。今回は魔法で自動操作している。
りゅうせいぐん:マンダの流星群は強い。 メガマンダすてみタックルも可。
もう少し導入の部分を自然な形にしたかったけど、私の語彙力が力尽きた。申し訳ない。
春休みはワンパンマン二期と異世界かるてっと来るから備えねば。