最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

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これ終わったら騎馬戦の続きをやり、さらにその次は決勝戦をやり......、体育祭編長ぇ!! いつもの倍の話数あるよ!!





お気に入り登録と評価値は反比例。何か御不満な点がございましたら、コメントでお教えくださると恐縮です。なるべく頑張ります。


あと、今回はみなさんにちょっとしたドッキリがあるので是非、期待しないで目を瞑って早く宿題終わらせて寝てください。


なう(2019/03/26 02:10:48)、後書きに大抵いつも書いている『いろいろ紹介』に説明を付け足しました。







結依魔理沙の奥の手(34話)

 

 

 

覚醒したステインの猛反撃に劣勢を強いられる結依魔理沙。並外れた精神エネルギーが彼を極限まで能力を引き出し、魔理沙の弾幕を次々と回避していく。この状況を打破すべく、魔理沙は自分の脳みそをフル回転させて策を練るのだが......

 

「相手の心を折る方法がわからない」

 

先の戦いでステインはどうあがいても死なないことがわかった。というか、前回の後書きにそう書いてあったのだからそうなんだろう。最終手段のザラキーマ、ステインの歴史を喰らう、虚無崩壊、その他即死系または干渉系の能力が効かないとわかった以上、考え直さなければならない。今わかる唯一の勝利条件はステインの心を折ること。つまりはステインに目標達成を諦めさせることだ。それを踏まえて作戦を練るつもりなんだが、いまいちピンとこない。どうやって心を折るの? マインドクラッシュ(精神破壊)は精神干渉系だから干渉系の部類に入るし、ステインに「諦めてください」って素直に言っても言うこと聞くはずがないし......

 

いや、無理に心を折る必要はないのかもしれない。ステインの正義さえ無くなればそれでいいのだから、心を折る以外にも方法はあるはずだ。そう、目標が達成された後とか......。それはつまり、『ステインが認める真のヒーローがステインを追い詰める』っつー事。これが一番両者ともにハッピーエンドな終わり方に違いない。いや、むしろこれしか道はない。

 

なら私はどうするべきか。簡単なことだ、ステインの言う『真のヒーロー』になればいいのだ。ステインの言う真のヒーローとは、金や名誉に目を眩ませず、ボランティア精神と自己犠牲の精神で人類のために全力を尽くす最高で最強なヒーロー。心も体も両方完璧なスーパー超人になればステインも認めるに違いない。

 

「......無理じゃね?」

 

なんだその人間の鏡は。どこを探してもそんなやつ何処にもいない。やたら精霊と加護に好かれる完璧超人な騎士さんなら大丈夫かもしれんが、生憎その人はこの世界にいないし、ステインが大好きなオールマイトは体育祭で観戦中だ。よって現状ステインを止められそうなのはこの世界にいない。

 

 

やはり、力でステインを屈服させるしかない。無理矢理にでも負けを認めさせねば。

 

 

 

「もう終わりか魔理沙ァ......。この辺りの魔法兵器は全て刀の錆にしてやったぞ......」

 

 

何もかも斬り尽くしたステインは魔理沙のいる方向に振り返り、物足りないとでも言いそうな表情で言葉を発する。

 

ステインの背後には私が血反吐を吐き散らしながら、必死に設置した道具たちが全て、綺麗に真っ二つにされていた。ブラピの狙杖も、お気に入りの八卦炉も、全て。この野郎。

 

 

「はいはいわかったよ。最終ラウンドといこうかステイン......」

 

「はァ......ここで決めるとしよう。これから先に起こる世の未来を......、運命の分岐点を、今ここで......。」

 

 

なんでこんな激しい戦いを繰り広げなければならないのかと、心底思う。せっかくチートオブチートを手に入れたというのに、なんで意味わからん人工知能にストーカーされ、友達が弟子になって、別の腐れ縁のあるヤツが人間離れして......。高校生になってから私の第二の人生は随分と濃厚になった。そんじょそこらじゃ経験できない、野蛮で血の滲む経験を得て、神様は私にどうしろというのか。懺悔しろとでも言うのか。一応言っておくか、ごめんなさい。

 

特に意味の無い懺悔を終えて、ステインと目を合わせる。アッチは殺る気に満ちているのか、生き生きとした目を向けている。クソッタレ、利き手を失ったけど、その分の成果は出させてもらうぞ。

 

 

「生姜無い、1年A組結依魔理沙の奥の手、『即席改造』をお見せするとしよう」

 

「はァ......、何を言っているんだお前」

 

「まぁ見てろステイン」

 

 

異形魔理沙にはちょこちょこ能力が改造されている。例えば、「大嘘付き(オールフィクション)」を改造すると「大現実付き(オールリアリティー)」になる的なアレだ。本来、能力の改造はゆっくり時間をかけてやるものなんだが、これを即席で行うことで一時的に自身を超強化できるって感じだな。

 

しかしリスクは高い。まず、明日は高熱確定だし、場合によっちゃ春なのにインフルエンザにかかる。オリジナルの体に戻ってもその効果は持続するし、多分、ヤバい。凄く辛い目にあう。

 

それに加えて、自身が一時的に強化されるのは少しの間だけだ。もって30分が限界といったところか、まぁそれくらい短いのだ。

 

 

「ステイン、私......いや俺は、小四の頃からずーっと思ってたんだ。そういう描写は一切この小説にはなかったけどさ......、こんなに能力を持ってんならよ、こんなことも出来るんじゃねーかなぁって......」

 

「......?」

 

「例えば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。なぁ、今私がやろうとしていることを理解できるかステイン?」

 

「お前......、まさかそれで俺の能ry」

 

「ぶぁっぶー、残念違いマース。正解はァ.....」

 

魔理沙はセリフを途中で止めて、能力を小声でボソボソと唱えていった。幻惑系魔法、創造系能力、五感強化魔法または能力、変身魔法、銃火器補正魔法または能力を上手く組み合わせて、改造していく。感覚的にはプラモデルを作ってる気分だ、完成した姿を脳裏に浮かべ、ひたすらに黙々と作り上げる。

 

そしてついに出来た新たな能力。とあるキャラの姿と能力をほぼ再現した究極の私がたった今、即席で完成したのだ。

 

 

「なんだその姿は......」

 

 

ステインが目にしたのは、人間の数倍のデカさを誇る人型の兎。目は常に真っ赤に染まり、左腕には重厚で凶器的な機関銃が搭載された、いかにも異常と呼べるその姿にステインは戦慄する。ついさっきの魔法使いのような姿から一変して、いくつもの戦争をくぐり抜けた兵士のごときオーラがビシビシと伝わる。どういう理屈なのかサッパリわからず、困惑するステインの前に、かの者は口を開いた。

 

 

 

 

 

「HAHAHA、MY NAME IS“IGYOU REISEN"!!!」

 

「IT’S TIME OF SUTEIN HUNTING!!」

 

 

 

 

― BGM『狂人の瞳』(狂気の瞳) ―

 

 

そう、私が変身したのは異形鈴仙。異形魔理沙と同じく東方異形郷のキャラだ。ホントに前々から別の異形キャラにもなれないかなと思ってたんだよ。まさか、ここで使うとは思ってなかったけど。

 

異形鈴仙の能力は『完全催眠』。相手の五感を支配する能力である。もう、私の能力を集結させて『完全催眠』をほぼ完全再現できたから嬉しみがやばい。やればできる子魔理沙ちゃんです。

 

え? これも干渉系じゃね? と思った人よ、そこんとこは上手く改造したから安心しなんし。

 

ちなみに声は個性『マーメイド』で完全再現。姿は変身系魔法と私の記憶を元にほぼ再現した。そう、このヒロアカの世界に新たな異形が誕生したのだ!!

 

 

「姿、形が変わったところでェ、何になる。己の真なる部分は、常に不変だァ......。」

 

「HAHAHA、SHUT UP(黙れカス)!!」

 

I SHOULD BE KILLD WITHOUT ME.(私に為す術なく殺されるがいい)

 

 

私は左手の機関銃を容赦なくぶっぱなす。どんな壁も貫通する弾丸が無数に放出され、触れれば一瞬で肉塊に変わり果てるほどのパワーを辺り一面に撒き散らし、また背景を塗り替えていく。

 

この弾丸ひとつひとつには実は能力を付与しており、スタンド『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』の能力、『真実にたどり着けなくする能力』が付与されている。この能力は『相手の攻撃的な意志をゼロに戻す』力が含まれており、これでステインの決意の力をゴリゴリ削れればいいかなぁと思ってるんだが......

 

ステインは向かってくる弾丸を何事なく全て刀で防ぎ斬り、余裕の表情を見せる。ちくしょう、当たらなければどうということはないとか言った奴の顔をぶん殴りにいきたい(八つ当たり)。ホントその通りだよ、当たんなきゃ意味ねぇ。

 

とにかく撃ち尽くしてしまったので、リロードして弾丸を補充する。弾丸は個性『創造』で作成しているので無限に出せるぞ。ん、原作の異形鈴仙はどこから弾丸を用意してるか? ......知らネ。

 

しかし、リロード中は必ず隙が出てしまい、それを逃すほどステインは甘くない。すぐさま距離を詰め、結依魔理沙、もとい異形鈴仙の体に刀を突き刺す。

 

「自ら隙を作るとは......笑止」

 

DO YOU BELIEVE SO(それはどうかな)?」

 

異形鈴仙(魔理沙)はそう捨て台詞を吐き、そのまま地べたに倒れ込んだ。何か仕掛けてくると警戒したステインだが、特に何も起こることはなかった。

 

あまりの怪しさにステインはもう一度、異形鈴仙の体に刀を突き刺す。身代わりでも何でもない、肉を突き刺した時の感触が手に伝わり、確実にこの化け物を殺しているのだと体全体で感じ取る。死んだ.....? こんなにあっさりと......?

 

刺した時の反応を伺うが、それも無かった。呼吸音も聞こえない、気配もない。奴は完全に死んだと、そう判断してもいいという情報がいくつも脳に流れ込み、ステインは不思議に思いつつも、この場から去ろうと足を動かす。

 

DIE(死ね)!!」

 

ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!

 

急に現れた気配。反応する間もなくステインは異形鈴仙の機関銃の餌食となった。何故殺したはずの敵が生きているのか.....と疑問に溢れかえったステインは死体のある場所に目線を逸らすが......、

 

そこに異形鈴仙の死体は存在していなかった。

 

(どういうことだ......? 俺が反応できない速度で移動したのか......? いや、それならば刺されるなんて現象が起こるはずがない。だったらどうやって....)

 

 

 

 

 

これが、異形鈴仙の『完全催眠』。相手に私が死んだと錯覚させて、本来の自分の姿は相手に認識されない能力。なんかブリーチにそういうこと出来るやつがいたような気がするが、気の所為だ。

 

わざと攻撃をくらうことで相手を油断させ、攻撃を仕掛ける。単純だが決まればそうとう効くだろーなぁ、身体的にも精神的にも。フフフ、ザマーミロ。

 

DON'T BREAK YET (まだ壊れるなよ)!!」

 

武器をレーザー銃に換装し、ステインに狙いを定め、何発も何発も撃ち込む。このレーザー銃は連続射撃と溜め撃ちの二種類に使い分けることが出来る。連続射撃は威力が弱いが、当たると少しの間相手の動きを止めることができ、一気に連続ヒットを当てれる。逆に溜め射撃(極太レーザー)は命中率は低いが、当たれば一☆撃☆必☆殺!! 圧倒的パゥワーであらゆるものを粉砕、玉砕、大喝采!! 強い。

 

まずは連続射撃でステインに向けて撃ちまくるが、流石神回避を連発した男、面白いくらいに当たらない。なんなんだよマジで、ここの世界の連中はチート三昧か。チートは私一人で十分なんじゃい!!

 

「小癪なァ......」

 

「それは私のセリf...、YEAH...,THAT MY LINE(それ私のセリフ)

 

もう脳みそがガンガン痛いが、物量で押し切るしかない。逃げ場のないくらいの弾幕で埋めつくし、一気に畳み掛ける。せっかく決意の力を削ぐことに成功したんだ、チャンスは今しかない。

 

「弾幕制限解除、幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)!! ゲゴホッッ!!!」

 

すまん、別の能力発動に関しては英語じゃダメなんだよね。まぁそれは置いといて、このスペカは鈴仙・優曇華院・イナバのラストワードスペル。赤と青の光弾が自由を封じ、視覚することの出来ない弾丸が敵を狩る。しかも今回は弾幕制限を解除しているので、いつもの数十倍の量の弾幕がステインに押し寄せる。

 

続けて私は王の財宝(ゲートオブバビロン)と八雲紫の境界を操る程度の能力で、宝具と複製したマスターソードをステインに向けて撃って撃って撃ちまくる。もう、目が霞む、脳が焼けそうで、凄く痛いけど、まだやれる。私がこういう逸脱した力を持ったヴィラン達を抑えなければ、私の大切な人たちが、家族が、1年A組が、傷つくハメになる。

 

 

そんなことは絶対させない。この結依魔理沙の名に誓って全力で倒す。そう、みんなを守るために......

 

 

 

“やっと主人公らしくなりましたね...."

 

 

 

どこかで聞き覚えのある声が聞こえた。優しくて、綺麗で、懐かしみのある声。新たな私を作ってくれた、あの人の声。

 

 

*魔理沙 は 決意 で 満たされた

 

 

「負けるかァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 

 

ここからの戦いは壮絶であった。空間全体を埋め尽くすほどの弾幕が飛び交う中、二人は何度も何度も激突し、ハイキックが交差し、刀で魂を散らし、銃弾で精神を削り、弾幕が両者の体に突き刺さる。一分が経過するごとに互いの武器は朽ちていき、体は傷つき、表情は狂気に染まる。信念が二人を突き動かし、魂と魂がぶつかり合い、力の余波が空中へ霧散する。

 

 

結依魔理沙の奥義が切れる30分の間、両者は死闘の戦いを繰り広げ、そして、決着した。

 

 

「......ゲホッグホッゴホッ......。ウゲェエェエ、ハァ......ハァ......ハァ......、もう、奥義の効果は尽きた......。そろそろ諦めてくれや...ステイン......」

 

「ハァ......ハァ......ハァ、断る......。ハァ、俺はまだ、ここで死ぬわけにはいかん......」

 

「あっ......そう......。ハァ、じゃあ......いいわ。ハァ......ハァ...どっちみちお前はもうボロボロだし......、最後の一撃といこか......」

 

「最後の.......一撃だと? そんな.....ハァ、体力も残って......いない癖に.....ハァ...、ハッタリは止めろ......」

 

「ハァ......、ここまで、テメェを削るのに随分と無茶をした......、ハァ、私がここまで瀕死になるとは思っていなかったが......、概ね計画通りだ」

 

 

元の姿に戻り、行きも絶え絶えになった結依魔理沙だが、ここまでの流れは計画通りだと、余裕のない表情で言い残す。

 

 

「ハァ.....計画通りだ......? ハァ...、一体何を根拠に......ッ!? まさかッッ!?!?」

 

「やっと能天気なテメェでも気がついたようだな.....ハァ、よく見ろ、地獄でもこんなに面白いショーは見られんぞ」

 

 

魔理沙はフラフラになりながら、どこかの伝説のサイヤ人の親父ぃを思い出させるようなセリフを吐きつつ、空に指をさした。

 

 

空には、今だサイコキネシスで打ち上げられた地盤が舞っていた。

 

 

「お前......一緒に死ぬ気か......。なぜそこまで......」

 

「どうやら勘違いしているようだが、残念だったなステイン。今ここにいる私は結依魔理沙の分身......本物は体育祭で頑張ってっから、別にここで死んでも何の問題はねぇんだよバァァカ」

 

 

とはいえ、記憶も能力も存在値も何もかも一緒だから、正直死ぬことに抵抗はある。が、ここまでなんとか追い詰めた以上、最後の一手まで手を抜くつもりはない。

 

「私という冥土の土産を担いで、地獄の業火に焼かれながら反省してるんだな」

 

魔理沙は空に顔を向けながら、ステインに向けて言葉を放つ。

 

「......ハハハハハハハ!! これこそが自己犠牲!! これこそが真のヒーロー!! 俺というたった一人のヴィランのために、命を賭す最高のヒーロー!! 素晴らしい、素晴らしいぞ!! ......だがな」

 

ステインは突如として口を開いたかと思うと、今度はスっと大人しくなったかのように、小声を出した。

 

「オールマイトは言った.....、『真のヒーローは最後まで笑顔でいたヤツ』だと......」

 

ステインは魔理沙の表情を悟り、言葉を選ぶ。

 

「はッ、はハッハッは、その言い方だと私が今笑顔じゃないとでも言いたげだなァステインん。確かにそう見えちゃうかもしれんが実際はこの真っ黒な顔が隠してるだけで実際は別にそのあーじゃなくて実際は実際は実際は実際は実際は」

 

 

「泣いてなンか......いねェ.......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ......、いい所までいったが、お前はどうやら真のヒーローではなかったようだな....。ハァ、言っておくが、俺は真のヒーローにしか、俺を殺す権利を与えねぇ。さっさと......この場から消えろ意気地無しが」

 

「......勝手に決めンじゃねぇよ。ここまでやって逃がすわけにもいかねーンだ、殺るときゃ殺るんだよ」

 

 

ステインに煽られ、トドメを刺す意思を決意した魔理沙。ついに引き金を引く時が来た。

 

 

「サイコキネシス、解除」

 

 

魔理沙は能力を解除した。浮遊していた瓦礫達が一斉に落下を始め、地に這う全ての生物を埋め尽くすかのように、彼らは風と共に迫り来る。

 

 

最後のファンファーレなのか、とてつもなく巨大な音が私を祝福する。

 

 

ステインはどうやら驚きに満ち溢れているようだな。ハッハッハ、ザマーミロ。真のヒーローでもなんでもない私と共倒れして、そのままくたばれ。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

空から瓦礫やら石やら土の塊がドンドン降り注ぎ、破壊され、でこぼこになった地形を埋めていき、更地へと変化していく。ま、私が死んだら固有結界が溶けるから、結局証拠も何もなくなって、ボロボロのステインだけが路地裏に残るんだけどな。

 

 

ハァ......、後は任せたぞオリジナル。ステインの魂撃を受け続けた私の命はそう永くないし、死ねば記憶は引き継がれないが......、お前が現場に行けば、私とステインの残留思念を読み取って、そこからこの記憶を復元できるはずだ。ハァ......任せたぞ私。大切な人を守るために......

 

 

 

 

さようなら、私のヒーローアカデミア。

 

 

 

 

 

 

 

さようなら、緑谷くん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 

 

 

「............痛たたたた」

 

酷い寝覚めだ。身体中が痛くてかなわん。動こうにも身体が固すぎて動きづらい。なんでこうなったんだか......

 

「ここは......、固有結界内? ......ッ!?」

 

記憶が急に鮮明になった魔理沙は、その反動による頭痛で頭を抑え込む。そうだ、ステイン!! アイツと一緒に私は死んだはずじゃ......

 

左に違和感を感じた私はすぐさま振り向くと、そこには壁が存在していた。壁......、いや、自分のサイコキネシスで崩落させた瓦礫や土砂の塊だ。なぜ、私は脱出できたんだ。もうそんな体力はなかったというのに。

 

しかし、目線を下げるとすぐその答えが理解できた。

 

ステインが土砂の塊に押しつぶされ、何故か右手だけが外に出ていたその身体を見て、わかってしまった。

 

 

(こいつ、私のことをとっさに助けたのか!? まだ体力を残していたのも驚きだが、なんで!!?)

 

 

 

(なんでその体力を私に使った!! ふざけんな、そんなことされる義理など微塵も無いはずだ!! 私とお前は、ただ信念をぶつけあっただけだ。自分のやりたいことを、最後まで突き通すために衝突しただけ。だから仲良しでも何でもない、情をかける理由なんてないはずなのに!!!)

 

 

「固有結界解除!! ふざけんなステイン!! この私に勝ち逃げが許されると思うか!? いい加減にしろ、じゃねぇと一発ぶん殴るぞ!!!」

 

固有結界が解除されると景色が元の街並みに戻り、さっきの戦いがまるで夢であるかのように、荒野は淡く、消えていった。

 

しかし、今の魔理沙にはそのことは関係なく、潰れたステインを無理矢理地面に立たせて、魔理沙らしくなく怒鳴り散らす。もう死んでしまったステインに言葉が届くわけないとわかっていながらも、このやり場のない怒りを抑えることができずに、ただただ怒声だけが路地裏に響き渡り、本人へと回帰する。

 

 

「.........ザオリク(弱)」

 

 

弱めのザオリクを唱え、ステインを満身創痍の状態で復活させた。これでしばらくステインは昏睡状態、暴れることはないだろう。

 

勝ったけど負けた。そんな複雑な気持ちを抱え込みながら、人にバレないようこっそりと路地裏を出た魔理沙。ステインはとりあえず異次元空間に置いておき、処分をどうするかは後々考える。正直、警察に預けるのが懸命だが、ステインはもう爆豪と同じように人の域を踏み外している。うっかり刑務所で完全復活してまた暴れられるのも面倒だ。それに今日はもう疲れたし、出来ることならしばらくオリジナルの元に戻りたくない。ゆっくり、自分の部屋で、グッスリと寝たい。

 

 

 

ステインが一度死んだおかげか、私の失っていた右手や体全体の傷が回復した。けど、心は全然癒えないので、早めに寝る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

保須市から家に向かってゆっくりと歩く魔理沙。しかし、彼女は最後にやるべき事をひとつ忘れていることに気づかず、そのまま床につくのであった。

 

 

 







もっと戦闘シーンを増やしたかったぜよ。


これでステイン戦終了です。


いろいろ紹介

歴史を喰らう:東方キャラの上白沢慧音の能力。慧音先生は通常時は歴史を喰らう能力だが、満月の夜なるとワーハクタク化し、歴史を創る能力へと変化する......ってけーねが言ってた。

マインドクラッシュ:対象の精神を破壊する。まんまだよね。

異形鈴仙:大昔からあらゆる世界で幻想をぶち壊してきた軍人。異形組の中では古株で異形魔理沙とは同期。キチガイアレンジの『狂人の瞳』がカッコイイ。Escape from me

後、機関銃は基本右腕に装着していますが、あの時の魔理沙は右腕を失っていたため、今回は左腕に装着されています。

個性『マーメイド』:結依魔理沙が幼少期に手に入れた個性。いろんな声帯で話すことができ、相手を眠らせる歌や、発狂して自殺したくなる歌とか、いろいろ歌えるようになった。まぁでも基本的にボイスチェンジャーとしてしか使わないと魔理沙は考えている。

真実に到達させない能力:終わりのないのが終わり。ジョジョキャラ屈指のチートスタンド『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』の能力。実際にはスタンドではなく、スタンドより上位のレクイエムであるのだが、面倒臭いのでカット。このレクイエムの前では、攻撃的な意思や能力の発動を無効化=その行動によって発生する『真実』(結果)を起こさせなくするという能力。なので、レクイエムの前で未来予知も時飛ばしも個性使用も何もかもが出来ない......ってことでいいのかな。ここまでチートだとは思わなかった。今回の弾丸にレクイエムの能力を付与するシーンでは、その一部分である『攻撃的な意思をゼロにする』という部分だけを付与したと、解釈してください。すまん、強すぎたこれは。

幻朧月睨:厨二病患者発狂間違いなしのルビをふったウドゲイーンさんに座薬を。


ウド・ゲインってエド・ゲインみたいだよね。









分身よ、安らかなれ。

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