最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE: 作:マスターチュロス
今回、戦闘シーンはありません。つまりストーリーがあんまり進んでません!! ごめんなさい!!
今回はシリアスがあるのでシリアルアレルギーの方は枕に顔面突っ込んでデザイアドライブしてください。
『しゅぅうぅううりょぉおおぉおおお!!!! なんと一撃!! 一撃で場外アウト!! 破壊神の名は伊達じゃないぜBreak Down!!』
『......一撃で決めた割には、随分と複雑な表情をしているな』
『そうか? ンンまぁともかく! ヒーロー科結依魔理沙、一回戦突破!!! 』
\\\わああああああああああああああああああああああああああぁぁぁ!!!!!!!!!///
歓声に包まれる会場。熱狂や絶叫が飛び交う嵐の中、たった一人だけ曇り顔の表情を浮かべていたヤツがいた。
結依魔理沙である。
魔理沙は無言で塩崎茨の下まで歩いていき、気を失っているその体を優しくお姫様抱っこで持ち上げ、そのまま会場を去ろうとした。
「待ちなさい結依魔理沙。彼女のことは心配しなくても大丈夫よ。看護ロボットが医務室まで運んでくれるから、あなたは先に戻ってなさい」
魔理沙の表情を汲み取ったのか、ミッドナイト先生が魔理沙に声をかけた。怪我していないかどうか心配しているのだろうと、そう汲み取ったミッドナイトは言葉を選び、優しく伝えた。
「ミッドナイト先生、すみません。どうしても心配なんです。ちゃんと時間は守るんで、塩崎さんを医務室に連れてっていいですか?」
いつも自由っぷりな結依魔理沙はそこにおらず、何か思い詰めている表情のまま、ミッドナイト先生から許可をとろうとする魔理沙。その様子に驚いたミッドナイトは、生徒の意思を尊重してあげようという気持ちが勝り、返事をする。
「何か思うことがあるのでしょうけど、深くは聞かないわ。早く行きなさい」
「ありがとうございます」
魔理沙はそう言うと、ゆっくりと会場から去っていった。
「きっと青春ね!!」
濃厚な青春であった。
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(さて、これからどうすべきか。)
塩崎さんを医務室のベットに置いていき、リカバリーガールにお辞儀をして医務室から出た後、私はずっと廊下の真ん中でグルグルと歩き回っていた。一人で考え事するとこうなっちまうから、不審者呼ばわりは止めてな。
(異形か......)
突如として体育祭に現れた異形軍団。私を連れてくだかどーだか言っていたが、最終的にはこの世界を滅ぼすのがヤツらの目的だ。あの様子だとこの世界にはまだ潜んでいる異形がいる可能性が高いが、位置が特定できない以上、今はどうしようもない。とりあえず、今は考えないようにしよう。
(......ダメだ頭から離れん)
頭の片隅に放置したいのに、目を閉じたら、瞼の裏側にアイツらの姿が映し出される。平然と人を殺せる人類の敵対者......、まぁ、私もアイツらと同じくらい残虐性があるから人の事言えねぇか。あー、私がもっとオールマイトみたいにヒーローらしい見た目と信念を持っていればなぁ、もっと現状は変わってたかもしれないなぁ。はぁ。
負のオーラ全開でため息をつく魔理沙。みんなを影ながら守るのは別に悪くは無いんだが......、なんというか、誰にも話すことのできない事情が多すぎてツラい。人工知能の件も、異形軍団の件も、緑谷くんたちにそのことを言ったら、情報の拡散を防ぐために皆殺しに来るかもしれない。だから迂闊に喋ることは出来ないし、誰かがそいつらと遭遇したら真っ先に私が潰さなければならない。話せたら楽になれるんだろうなぁ。
「そんな悲しい顔じゃ乙女の顔が台無しじゃないか」
「誰が乙女じゃ.........って、え?」
一瞬、人の顔が見えた気がする。でも見えたのは顔だけだ。あれ? 人間って一頭身だったけ? それとも私が前の出来事のせいで混乱してるのかな? もっかい確認してみるか。
私は真実を見極めるべく、振り返って確認してみた。
だがそこにいたのは、全裸の金髪男子高校生であった。
「くたばれ露出狂がああああああああぁ!!!」
「露出狂じゃないよハハハ!! 僕はミリオ、雄英高校ヒーロー科三年のミリオだよ!! ビックリしたかい?」
謎のヒーロー科三年(露出狂)の言葉など、魔理沙の耳に届くことなく、容赦ない衝撃波がミリオに襲いかかる。
だが衝撃波はミリオの体を透過していき、ミリオの背後に存在していたあらゆるものが跡形もなく後方へ吹き飛び、壁は急激に劣化する。
「わー、当たったら痛そう」
「......あぁ、なんだ。雄英高校ビッグ3のミリオ先輩か......。初対面だけど」
「俺のことを知ってくれているなんて嬉しい限りだよね! そういう君は雄英高校四天王のニューホース、結依魔理沙ちゃんだよね、もちろん知っているさ!」
「......とりあえず、服着てください。」
魔理沙の目の前に現れた彼の名は、通形ミリオ。雄英高校ヒーロー科三年、雄英高校ビッグ3(現在は四天王)の一人で、かなりの実力者。個性は『透過』、一度発動すれば彼の体はあらゆるものを透過させ、何者にも阻まれなくなる。
そんな彼が何故私のところに来たのか、なんの用で私を壁の中で待ち伏せていたのか、聞き出さねばならない。この、私という女の子の目の前で、恥じらいもなくパンツとズボンを履くこの男に。
「で、何の用ですか。ここ一年ステージですよ?」
この体育祭は学年ごとに会場を分けている。会場同士が凄く離れているわけではないが、会場から会場への移動は個人的にクソめんどくさい。それにこの学校、別に部活とかもないから先輩後輩の交流は至って少ないのだ。だからそういった応援目的で別の会場に遊びに行く必要なんてないしな。先輩や後輩の個性を見たいなら、家で録画してるのを見とけば別に何も問題ない。普通に考えたら、この全裸変態がここにいる理由などないのだ。
「知りたい? それはね......君のことについて知りたくなって会いに来たんだ。君は学年の壁を越えて有名人だし、もっと親密にお話したかっただけさ! それに会場同士離れているとはいえ、そこまで苦労しないしね!」
「あぁ、そうですか......はい、お疲れ様です」
私に会いたくてやってきたと笑顔で言い張る通形ミリオ。お前もか通形ミリオ。お前もなのか......(呆れ)。聞いてくる内容としたら......、USJで起きた事件について聞きたい......とかか? もしくは、四天王......つってたよな、四天王同士仲良くしようぜ的な? それとも私の個性について吐けとか?
いろいろ思考してみたが、もう面倒臭いから本人に言ってもらおう。その方が楽だ。
「まぁ二回戦まで時間があるので、付き合いますよ」
「ありがとう魔理ちゃ『魔理ちゃん言うな』...魔理沙ちゃん、あまり時間は取らせないから....是非聞いてほしい」
ミリオはいつもの明るい声とは異なった、冷静で落ち着いた声で話始めようとする。少々異様な雰囲気になったが、これくらいならさほど気にする必要は無い。私はミリオの言葉に耳を傾けようとする。
「サー・ナイトアイって知っているかい? 昔、オールマイトのサイドキックを務めていて、今は俺の
お、お? サーナイトアイ? 随分な変化球をぶん投げたもんだな。私とサーナイトアイとの接点なんて何処にもねぇぞ。何を話そうとしているんだ?
「サーの個性は『予知』、条件を満たすと対象の人物の行動を先読みできる! その個性でナンバーワンヒーロー、オールマイトをずっと支えていたんだけどね......。時々サーがボヤくのさ....『魔女と災厄が世界を破滅させる......、オールマイトも、他のヒーローも市民も全員、為す術なく殺される』ってね。言っていることが全然理解できないけど、君のことをイレイザーヘッドから聞いていたから、何か知っているか聞いてみようと思ったんだよね。魔理沙ちゃん!」
無理矢理な笑顔で悲しさを塗りつぶしている通形ミリオ。予知能力......、そうか、恐らくサーナイトアイはオールマイトの、原作より酷い未来を視てしまったってことか。しかも、常に冷静さを保っているサーナイトアイさんが日常でボソボソと呟くレベルの危険度......、魔女と災厄......、それって......
嫌な想像をしてしまった。そんなこと絶対起きるわけがない。仮に起きたとしても、この私が死ぬ気で止めにいってやる。絶対。
「おーい魔理ちゃん、話聞いているよね!?」
「あっ、うん、はい。まぁ詳しくは知らないけど、言えることなら一つだけあるな」
「サーさんが言ってるその災厄ってヤツは、案外早めに訪れそうってことだ......」
異形軍団がこの世界に潜んでいる以上、平和など永遠に舞い降りることは無い。何としてでも、私がアイツらの侵攻を防がなければならない。私の使命だ。
「......とりあえず、俺の質問はここまで! 話聞いてもらったお礼に、何か俺に聞きたいこととかある!? なんでも答えるよ!」
ん? 今、なんでも答えるっつった?
「何でもいいんですか?」
「何でもいいよ!!」
そうか。それなら、私がついさっきまで延々と悩んでいたアレについて、先輩と意見を交えようじゃないか。中身は少し脚色するが、この溜まりに溜まったストレスを、ミリオ先輩に呪詛のごとく吐きつけてやろうじゃないか。悪く思わないでくれ、ミリオ!!
「......ミリオ先輩、最近、悩みがあるんです」
「ドンと来いだよね!!」
「実は......」
私はミリオ先輩に、今までの経歴と今抱えている悩みを、少々脚色して話した。異常で危険なヤツらからみんなを守る責任の重圧、そしてそれのことについて誰にも喋ることが出来ず、ストレスが発散できないこの現状。果たして自分はどうすればいいのか、このまま責任を背負い続けていくのか、それとも打ち明けるか........。
〜 BGM 小学校のチャイム(始まり) 〜
※本人は脚色したつもりでいますが、ミリオには完全にバレています。
〜 BGM 小学校のチャイム(終わり) 〜
「いろいろと疲れているんだね!」
「そーなんですよ! 異形やら人工知能に付きまとわれるし、しかも全員オールマイト以上の化け物ばかりで、他のヒーローとかに通報したくても通報できないんすよ!! もう私が何とかしなきゃ街がやべーことになりそうだからこうやって皆にバレないようにカタをつけてるんですけど! もうウンザリなんですよ!! 誰か私を優しく介抱してくれぇえええええええ!!!!」
遠くから見るあの二人は、どう見ても居酒屋で愚痴を漏らすサラリーマンと、居酒屋の店長のようにしか見えない。これが雄英高校四天王の会話だなんて、誰が想像できるだろうか。
魔理沙は溜まりまくったストレスを濁流のごとくミリオに浴びせ続ける。いつもはこういう場面でうっかり話すようなヘマはしないのだが、余程負担がかかっていたのか、言ってはならない情報をペラペラと話し続ける。
「そんなに敵は強いのかい?」
「当たり前じゃないですか!! あんなヤツらが集団で襲ってきたらひとたまりもありませんよ! 雑魚だったら何体来ようと問題ないんですが、チート能力持ちが来たり、覚醒とかされたらキツイんですよ!! 何なんだよアイツら!! 大人しく私に負けやがれクソがァァァ!!!!」
「......ひとつ、言わせてもらうけど、なんで君はその敵と戦う必要があるんだい?」
「......は?」
「最初は自己防衛だったかも知れないけど、今の君はヒーローらしくないんだよね。俺は感がいいわけじゃないし、君の事情について理解出来ていないからこう言ってるだけかもしれないけど、少々機敏になっているんじゃない?」
「......」
「ハハハ!! 少し言い過ぎちゃったね! 要は気負い過ぎだってことさ!! 俺達はまだ高校生、自己犠牲の精神はヒーローにとって大事かもしれないけど、みんなを助けるだけじゃなく、自分も助けなくちゃね! 君だけ辛い思いをしてたら、みんな悲しむぜ?」
ミリオの思いやりのある言葉に、私は少しだけ救われた気がした。なんだろう、とても暖かい。今までの冷たくてどこか寂しい気持ちが、嘘のように消えている。すごく......暖かい。
「そう......ですかね」
「そうに決まってるさ! なんてったって仲間なんだからね!!」
仲間.........ただ守るだけの存在じゃなくて、共に支えあっていく存在......。そうか、私は勘違いしていたのか。......そうか。
「ミリオ先輩......」
「なんだい?」
「私の悩みを聞いて下さり、ありがとうございます」
「ハハハ! 気にしなくていいさ! お節介はヒーローの基本ってね!」
あぁ、なるほど。こういう人をヒーローというのか。私にもこんな人のようになれるのだろうか......。......まぁ、しばらくは戦い続きになるだろうけど、平和になったら私も思いやりのある人間になれるよう努力しますか。
その後、ミリオは自分の出番がそろそろ来るということで、魔理沙と別れの挨拶をした後ダッシュで三年ステージへと走り去っていった。
この人に会えてよかった。
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心のスッキリした私は観客席に戻る途中で、お茶子と合流。どうやら爆豪に負けて一回戦敗退らしく、悲しげな表情をしていた。しばらく背中をさすってあげた後、親に連絡するからということで控室から退出。真っ直ぐ観客席へと進むのであった。
私が観客席に戻ってきた頃には一回戦はほとんど
終わっていた。A組から話を聞いたところ、第2試合の常闇VS八百万は常闇の先手必勝で常闇の勝利。第3試合の緑谷VS心操は最初、口論になった後普通に緑谷が勝ったっぽい。第4試合の轟VS瀬呂は轟の氷ブッパで轟の勝利。第5試合の鉄哲VS切島は、相打ちになったため腕相撲で勝負することになったらしく、結果は切島の勝利。第6試合の爆豪VSお茶子は、まぁ、なんか酷かったらしいな。知ってるけど。第7試合の上鳴VS芦戸は、放電ブッパで上鳴の勝利。
で、最後の試合、飯田VS発目の勝負は、発目の作品紹介でしばらく時間を使い、最後は発目の自主退場で決着。なんか生放送なのにCMを見るという謎のシチュエーションを見てしまった。
結果、二回戦はこうなった。
二回戦
第1試合 結依魔理沙 VS 常闇踏陰
第2試合 緑谷出久 VS 轟焦凍
第3試合 切島鋭児郎 VS 爆豪勝己
第4試合 上鳴電気 VS 飯田天哉
A組が残ったな!! うん、知ってた!! ただ上鳴が塩崎さんと当たらなかったおかげで幸先がよさそうだ。飯田くんにも勝ちそうな気がする。後は緑谷くんと轟くんだな。原作の緑谷くんはまだワンフォーオールを使いこなせていなかったが、この世界だと既にフルカウルを習得している。それに許容範囲も8〜10%と、火力もそこそこ上がった。足だけなら、20%も出せなくはない。だからどんな勝負になるか楽しみだなー。
「なぁなぁ結依、最初のアレってどうやったの?」
上鳴が急に質問してきた。最初のアレって、塩崎さんを一撃で吹き飛ばしたヤツか?
「そりゃあ、普通に瞬間移動してグーパンよグーパン」
「魔理沙ちゃん、それを普通と思っちゃダメよ」
まぁ、実際はとんでもないアクシデントが発生してたけどな。
「やっぱつえーなぁ結依、常闇も気をつけろよ」
「......承知」
常闇は私の顔を見やると、フイッとそっぽを向いて会場の様子を見ていた。なんだ? 私、嫌われたか? 前に「お前の個性、スタンドだろ」っつって弄りまくったのをまだ根にもってるとか?
あっ、いいこと思いついた。
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『障害物競走、騎馬戦、両方とも一位を獲得した雄英史上最強の実力者、結依魔理沙!! このラスボスに対して、どんな攻め方をするのか!! オーディエンス、しかと見やがれ!!!』
『結依魔理沙VS常闇踏陰!! スタート!!』
\\わあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!//
ついに始まった第二回戦第1試合。相手は中距離パワー型スタンド『
「いでよ、ザ・ワールド!!」
この小説でたびたびお世話になるスタンド第一位、ザ・ワールド。本来の使い手であるDIOと私は、金髪の部分とか金髪の部分とか金髪など、共通点が多いってのもあってよく使う。あと一番最初に発現したのもザ・ワールドだしな。縁がある。
ちなみに相澤先生の言伝により、スタンドを使う時は一般の人にも見えるよう配慮しろと仰せつかっているので、ザ・ワールドは現在可視化状態。黄金時計がついに世へ進出。
『なんだアレは!!? 結依の背後から金色の男性らしき人型の何かが出てきたぞ!!!』
『あれはスタンドと呼ばれる、精神エネルギーを具現化したものだ。常闇の個性に合わせて真っ向から殴り合うつもりらしいな......』
ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・
フフフ、さあスタンドバトルをしようじゃないか。
「それが、ザ・ワールドか」
「あれ、常闇くん知ってんの?」
「前にお前が言った時から気になって、ネットで調べたり、ブックオフで大人買いをした。だいたい内容は知っている......」
常闇はそう魔理沙に言った後、急に不思議なポーズを取り出した。知らない人から見ればただの変人かもしれない、ファッション誌とか見てる人ならワンチャン知っているかもしれない。そう、そのポーズは......
「そっ、それはジョジョ立ち!! 常闇、貴様見ているなッ!!!」
「答える必要は無い。やれ、ダークシャドウ!!」
「オラオラァ!!」
なんということか、常闇は学習していた!! 嬉しいけど情報のアドバンテージを奪われてしまった、でも嬉しみのほうが大きい!!
「迎えうて、ザ・ワールド!!」
私も対抗すべく、ザ・ワールドに指示を出す。これは壮絶なスタンドバトルになりそうだな。まぁちょくちょく別の能力でもちょっかい出すけど、熱い展開だから基本はザ・ワールドのみで戦うとするか! いくぞ第二回戦!!!
黒と黄金が入り交じる。
最近、悩む!! 前は即行でストーリー構成を思いついていたのに、今じゃ結構悩む!! ミリオのところも悩んだ!! うぇい!!
いろいろ紹介
ブックオフ:ブックオフなのに本ねーじゃんwwwフィクションは本だけにしとけよwwwwwww
これがやりたかっただけ。