最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

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39話だからサンキュー話。はい。



常闇VS魔理沙(サンキュー話)

 

 

 

 

ついに始まった常闇踏陰VS結依魔理沙。常闇の個性がスタンドっぽいというくだらない理由でザ・ワールドを顕現した魔理沙だが、なんと常闇はジョジョ立ちをして対抗。どうやらこの体育祭は一筋縄では乗り越えられないらしい。だが、結依魔理沙に不可能の三文字はない!! 行くぞ、プルスウルトラァ!!

 

「テメェの時間は私のモノ、無名のスタンド使いに勝ち目など無い......。ザ・ワールド、時が止まれ」

 

彼女の言葉が時の理に干渉する時、世界は再び闇に閉ざされる。この止まった時の世界で動けるのは彼女ただ一人、彼女のための彼女だけの世界。

 

「安心しろ、安心しろよ常闇踏陰。私は人殺しをするつもりは無いからな......半殺しくらいで許してやろう」

 

既に彼女は常闇の目の前にそびえ立ち、余裕ぶった表情で右手に力を込めている。時を止めるのは5秒までだ。やるからにはトコトンやるからな、設定も忠実に再現してくれようぞ。

 

「無駄ァ!!」

 

魔理沙の一撃が常闇の身体を弧を描くように吹き飛ばし、動けない常闇の背後からザ・ワールドの追撃が炸裂する。常闇の前方には魔理沙、後方にはザ・ワールド。完全に挟み撃ちの陣へと昇華し、二人は一気に距離を詰める。

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーーーッ!!!!」

 

魔理沙とザ・ワールドによるダブル無駄無駄ラッシュ。1秒間に何百発という速度で拳を次々に叩き込み、関節や急所を潰していく。光の速度より速く動く彼らの動きは誰にも認識されず、音が聞こえることもなく、ラッシュ音が空気を刺激する。

 

時止め解除まで残り2秒、2秒もあれば問題ない。私は常闇の顎にアッパーブローをぶち込み、真上へ吹き飛ばす。

 

「さぁ、これを回避することはできるかな?」

 

私の両手の中には既に大量の銀のナイフがセットされ、美しく煌めいている。常闇踏陰、貴様はチェスや将棋で言うチェックメイトにハマったのだ。逃れることはできん!!

 

次々と空中に放たれる銀のナイフ、常闇にギリギリ当たらない距離で物体は停止し、隙間なく常闇の周りをナイフで囲む。

 

「ダメ押しにもう一本.....」

 

これでもかと言うほど配置したナイフだが、念には念を入れ、常闇の額にすぐ刺さる位置にナイフを一本配置した。 嘘、流石にそこまでしたら死にそうなので、常闇から少々遠い位置に配置して時間差攻撃を狙う。さぁ、私のサウザンドナイフをとくと味わうがいい。

 

 

「そして時は動き出す」 カチッ

 

 

魔理沙の言葉が再び時の理に干渉、世界はまた歩み始める。

 

その瞬間、サウザンドナイフが牙を剥き、全てを引き裂く閃光がたった一人の少年に襲い掛かる。

 

 

「....ッ!?!? ダークシャドォォオオオ!!」

 

「フセギキレネェ!! ホントニトキヲトメタンダ! アノマンガノヨウニ!!」

 

 

世界(ザ・ワールド)に置いていかれた少年に未来などなく、銀のナイフは彼の体を引き裂き、突き刺さり、荒れ狂う。ダークシャドウが何とか致命傷にならないよう心臓や脳を中心にガードを固めるが、全てを防ぎきることは叶わず、足や腕には何本もナイフが刺さっていた。

 

ラッシュ攻撃のダメージも残っていたため、自由に体を動かすことも叶わず、ダークシャドウに守られる形で地面に落下、衝突した。

 

「ベホイミ」

 

流石にやりすぎたと感じた魔理沙は、常闇に回復魔法をかける。あまりにも速く回復させたので、観客も審判も誰も気づくことはなく、そのまま試合は続行される。

 

「......そろそろ降参するか?」

 

「....あぁ、そうだな。ゲホッ、架空の存在の力を我がモノのように扱えるお前に勝てるなんて、ハナから思ってなどいない......」

 

「だが......、諦めるつもりはない...。最後まで影は光と一心同体、影は常にヒーローと共にある、俺は影であり光、漆黒ヒーロー、ツクヨミだ」

 

「そう。痛いセリフを噛まずに言えたご褒美に、魔理沙さんがとっておきのプレゼントを君にあげよう。最終ラウンドだッ!!!」

 

表情の読みづらい魔理沙の顔だが、この時だけははっきりと出ていた。同じA組になって以来、最高の笑顔を。

 

常闇に悪寒が走り、最大限の警戒を試みたが、魔理沙の姿はいつの間にか消え去っていた。ザ・ワールドではない、指はいつも通り可動する。何秒たっても奇襲してこない上、会場もどうやら状況を把握出来ていない様子のため、魔理沙は完全にこの会場から消えたということだ。

 

しかし、常闇には心当たりがあった。いや、心当たりしかない。さっきの魔理沙の行動は完全にDIOの攻撃を再現だ。時止めとサウザンドナイフ、第三部ラストで主人公『空条承太郎』に使用したDIOの攻撃だということを常闇は知っている。そして魔理沙の最後のセリフも同様にDIOが放ったセリフ。最後に今現在の状況を把握すると......あの漆黒の魔女は今......ッ!!

 

「ダークシャドウ! 上だ!!」

 

「ウソダロ」

 

危険を察知した常闇踏陰はすぐさま自分のスタンドに命令を下す。おそらくヤツはもう決着をつけるつもりで遥か空の彼方まで飛び、アレを何かしらの方法で持ってくるに違いない!! そして最後はアレでトドメを刺すのがヤツの狙い!! 反応できなければ死ぬ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロードローラーだッッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽を喰らい、空から猛スピードで落下する一人の少女。彼女が手に携えるモノは整地のスペシャリスト、ロードローラー。圧倒的重量と高度何千メートルからの落下によって生産された破壊力は、たった一人の少年に、轟音と共に降り注ぐ。

 

 

ゴゥウゥウウン!!!

 

 

ロードローラーが常闇と接触し、衝撃波が飛散する。しかし接触なんていうソフトな表現とは全く違い、蓄積された破壊力が常闇の身体の隅々まで駆け巡ってダメージが尋常ではない。正直、耐えているのが奇跡である。もはや人ではない。

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーーーッ!!!!」

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!!!」

 

 

ロードローラーを境にして繰り広げられるラッシュバトルが始まる。より速く、より強く、拳を叩き込むべく、己の命とプライドを賭け、全力でぶつかり合う二人の熱気が、会場全体をよりいっそう盛り上げ、包み込んでいる。

 

しかし、物理的に常闇は不利の立場にある。落下する超重量級の物体を拳で跳ね返すことなど、普通の人間が為せる技ではない。

 

そしてスタンドのパワーの差も一目瞭然、ザ・ワールドは射程距離が短い代わりに圧倒的な攻撃力を誇るが、ダークシャドウは射程距離が長い分攻撃力は劣ってしまっている。ロードローラーが太陽光を防ぎ、影を形成しているおかげで普段より力は出るが、まだザ・ワールドに勝てるほどのパワーはない。常闇はそのことを理解しているが、打開策は一向に浮かばない。このままでは潰されてしまう。

 

 

「どうした常闇踏陰ェ! お前の力はこんなものか!! もっと楽しく激しく殴りあおうぜぇええええええええええWRYYYYYYY!!!」

 

 

さらにラッシュ速度を上げてきた魔理沙に対し、劣性を敷かれる常闇踏陰。ロードローラーの高度は少しずつ減っていき、地面との距離は限りなく近くなっている。

 

 

「ぶっ潰れろ!! 限界突破(リミットオーバー)魔砲『ファイナルマスタースパーク』!!!!」

 

 

魔理沙はトドメの一撃として、右手に出現した八卦炉をロードローラーに叩き込み、八卦炉が耐えられないほどの魔力を注ぎ込んだ。膨大な魔力量が蓄積され、今にも破裂しかねない八卦炉を無理やり押さえつけ、そして起動させた。

 

 

 

カッ!! ゴォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

 

 

 

次の瞬間、スタジアム中央は莫大な光エネルギーと衝撃波によって全てが白に包まれた。光が強すぎるため、誰もステージの様子を確認することができないが、この光が収まった頃がこの二回戦第一試合の決着と言えるだろう。というか、もうこれ以上暴れるなというのが観客席に座る者達の願いである。

 

 

光が少しずつ収まり、次々と観客が目を開いていった。彼らはすぐステージの様子を確認し、二人の現在地を特定すべく目を凝らす。一番早く目に入ったのは黒き魔女、結依魔理沙。悠然と朗らかに堂々とステージに佇み、相手の様子を探っている。一方、もう一人の黒き少年、常闇踏陰は......

 

 

「...........流石に時止めて『ダークシャドウ・ザ・ワールド』とかにはならなかったか。覚醒もしなかったし......、まぁ、そんなにポンポン覚醒されたら困るの私だしね」

 

 

常闇踏陰は、ステージ中央に出来たクレーターの底で気絶していた。彼のダークシャドウは光が弱点、トドメにビームなど泣きっ面に蜂である。

 

審判の判断によりこの試合は結依魔理沙の勝利となり、幕を収めた。しかしあまりにもやり過ぎなため審判にメガホンで説教されるという、奇妙なエンドを迎えた結依魔理沙であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「やりすぎさねアンタ。もっと自分の個性が与える影響力を考えなんさい!!」

 

「すみません。最高に「ハイ!」ってやつだアアアアア......みたいな気分になっt」

 

「言い訳は後にしておくれ!!」

 

「はい......」

 

 

学ばない元男、結依魔理沙。今までに似たようなことがいくつかあったにも関わらず、同じ過ちを繰り返してしまった。すみませんでした。

 

でも最後のトドメのアレは割とダメージ与えてないからね!!? あれタダの見かけ倒しだから常闇本体に対するダメージはそこまで無いから!! 致命傷になるほどのダメージを与えるなって先生に言われたこと私覚えてるから!!

 

 

ただ、ダークシャドウの弱点が光だってことに気づいたのは、マスパ撃って3秒後だったけどね。

 

 

「言い訳は後だってさっき言ったでしょ!!」

 

「まだ言ってません!!」

 

 

言葉に出していないのに何故かバレた。あのクソババァ、読心術を噛んでるなんて聞いてねぇぞ。治癒と全然関係ねーじゃねぇか。あと今気づいたんだけど、リカバリガールがチューで傷を癒すのは、治癒だからチューなの? 『ちゆ』だから『ちゅー』、うわ寒。

 

そんなどうでもいいことは置いておき、今は常闇

くんだ。そこまで重傷を負ったわけではないが、過度に光エネルギーを浴びたせいで、意識が不明になっている。ヤバい、私、結構クズなのかもしれない。力解放しまくって守るべき仲間を傷つけるとか、私に何やってんだよ。何のためにヒーロー目指してんだよ。というか、生徒同士で殴り合わせる体育祭って普通に考えたら裁判沙汰だよな。いやだからこんな時何考えてんだよ私、今起こっている現実から目を背けるな。

 

 

......最近、能力使いすぎてカルマ値がまた上昇しているのかもしれない。カルマ値が上昇すると調子に乗りやすくなったり、冷静な判断が欠けたり、暴力的な衝動に駆られやすくなって手加減できなくなったりするからな。......どうしたら人に好かれるような人になれるんだろう。ジャンプ系主人公とか、ミリオ先輩みたいな......、はぁ、私には無理なんだろうか......

 

「ん......」

 

そうこうしているうちに常闇の目が覚めた。

 

「起きたか常闇くん!!」

 

よかった、マジでよかった。これで目が覚めないなんてことになったら......考えたくない。

 

「あぁ......頭がガンガンする......」

 

「ドライアイスで頭冷やす?」

 

「やめろ......、低温火傷が......」

 

「流石に冗談を聞けるほどの体力は無いか」

 

とりあえず、無事なようだ。目立った外傷も特になく、骨折やヒビも無し。個性に関してはダークシャドウを出してもらわない限りわからないが、恐らく大丈夫だろう。

 

「常闇、すまなかった。マジでゴメン」

 

「気にするな......。結依がここまでDIOを再現できるなんてな......、本当にDIOと戦っているような気分を味わえた.........」

 

「そ......そうか...」

 

常闇はどこか満足気な表情で天井を見つめていた。とても安らかで静かで、まるで生きていることを感じさせない雰囲気を漂わせ......

 

「......死ぬなよ?」

 

「目を瞑っただけで死ぬ人間がいるわけないだろう?」

 

「いやでも死亡フラグが漂ってたから....、まぁいいや」

 

とりあえず無事なようだし、この場を立ち去るとしますか......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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保健室から立ち去り、観客席に向かおうとしていた魔理沙だが、廊下にて意外な人物と遭遇した。

 

(ゲッ、エンデヴァー.....!!)

 

ナンバー2ヒーロー、轟焦凍の父親、エンデヴァー。彼の個性は『ヘルフレイム』、炎系統では地上最強と呼ばれる彼の事件解決数は史上最多であり、最強のヒーローの一角。

 

なお家族を犠牲にした元凶!! 内心どう思っているか知らんが、私の目に映る貴様は勝利に囚われた野望家! 結依魔理沙の嫌いな事ベスト3でナンバーワンに輝くのは「家族が傷つくこと」で、二番目は「大切な仲間が傷つくこと」で、三番目は「杏仁豆腐」だ!! お前家族や仲間に迷惑かけてるくせに何言ってんだとか言ったやつは......、うん、反省してます。ごめんなさい。

 

だがしかし!! 駄菓子菓子!! この男は息子である轟焦凍から母親を奪い、精神を歪め、本来享受されるべき幸せを摘み取った!! お前ワンピースの世界で人殺したろとか、一番人の幸せを奪っているのはお前だろうがとか言ったやつは......、うん、ちょっと黙ろうか。これ以上言ったら泣くぞ。

 

 

エンデヴァーもこちらに気づき、ゆっくりと私の方向へ歩いてきた。やはり私の個性とか、オールマイトとの繋がりとかを聞こうとしているのだろう。ちょうどいい、ここで説教という名のブーメランをぶつけて、エンデヴァーと一緒にどうやったら平和の象徴みたいな人に好かれるキャラになれるか考えようではないか。うん、よし、やろう。やるぞ。

 

「やぁ、エンデva」

 

 

 

スッ......スタスタスタ

 

 

 

 

すっ、素通りだとおおおおおお!!? 何で!? 私という、ある意味何人の人と個性婚したかわかんないぐらい大量の個性がハイブリッドした最強無敵の私を素通り!!? おま、おまま、目が腐ってんじゃねーの!? ちょっとくらい構ってくれたっていいじゃん!! 構ええええええええええ!!!!

 

 

魔理沙の心の声は届くことなく、彼は普通に去っていった。もしかして、私の親が個性婚しまくっていると勘違いしてドン引きしているのか? 全然違うよーお父さん、ウチの家族は不倫できるほどの時間なんて無いんだよー。いやマジでー。おーい。

 

 

 

 

その後エンデヴァーは緑谷と出会い、原作通りの展開を迎えるのであった。

 

 

 







次は轟戦だ! 長ぇ! でも体育祭はいろいろ大事だから仕方ねぇ! しゃーねぇ!


いろいろ紹介

なし!! 閉廷! 解散!!



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