最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

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【あらすじ】

異形の襲来に備え、準備を始める魔梨奈。一方、結依魔理沙は体育祭明けの学校に通っていた。



「ネーミングセンス」死す。(45話)

 

 

【雄英高校──1年A組──】

 

 

「おはよう」

 

 授業も5限目に差し掛かり、相澤先生が挨拶とともに入室。と同時に、クラス全員がピタッと会話を止め、姿勢を正す。

 

「えー今日の"ヒーロー情報学"、ちょっと特別だぞ」

 

 特別、その言葉の意味を誰もが憶測する中、相澤先生が口を開く。

 

「コ(・)ー(・)ド(・)ネ(・)ー(・)ム(・)、ヒーロー名の考案だ」

 

「「胸ふくらむヤツきたああああああああ!!」」

 

 クラスに響き渡る歓声。体育祭並みの喜びように相澤先生は圧倒されるも、静かにするよう注意を促す。

 

 静かになったのを見て、話を続ける。

 

「というのも先日話した"プロからのドラフト指名"に関係してくる」

 

「指名が本格化するのは経験を積み、即戦力として判断されるのは2、3年から。つまり今回来た"指名"は、将来性に対する"興味"に近い」

 

「卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセルなんてことはよくある」

 

「大人は勝手だ!」

 

 厳しい現実に峰田は憤慨した。

 

「いただいた指名がそのまま自身へのハードルになるんですね!」

 

「そ。でその結果がこうだ」

 

 相澤がポンと黒板を叩くと、A組の指名件数が棒グラフで投影された。

 

 

A組指名件数

 

 

一位:轟焦凍 …… 3986件

 

二位:爆豪勝己 …… 3215件

 

三位:緑谷出久 …… 478件

 

四位:常闇踏陰 …… 360件

 

五位:飯田天哉 …… 301件

 

六位:上鳴電気 …… 207件

 

七位:八百万百 …… 108件

 

八位:切島鋭児郎 …… 68件

 

九位:麗日お茶子 …… 20件

 

 

「だーー白黒ついた!」

 

「私の名前なーーーい!」

 

「一位と二位逆転してんじゃん」

 

「轟と違って性格が地雷だからビビって取り下げたんじゃね?」

 

「ビビってんじゃねーよプロが!!」

 

「流石ですわ轟さん」

 

「ほとんど親の話題ありきだろ.」

 

「20! 20!」ユッサユッサ

 

「うむ」

 

「やったな緑谷! 400越えじゃねーか!」

 

「……もっと鍛えなきゃ」

 

 それぞれが結果に対する反応を見せ、再びガヤガヤと話し始めた1年A組。結果を振り返って反省する者や、素直に喜ぶ者もいたが、このグラフを見て誰もが疑問に思った。

 

 一人、忘れてはならない人の名が、載っていない。

 

「……変ね、魔理ちゃんの名前が無いわ」

 

「あっっ! ホントだ……確かに魔理沙の名前がねぇ!」

 

「どういうことだ……?」

 

 クラス全員が抱いた疑問、それは結依魔理沙への指名が一件も表示されていないことだった。

 

「今から全(・)プ(・)ロ(・)ヒ(・)ー(・)ロ(・)ー(・)に直談判してきます」

 

「おい緑谷!? 早まるなって!!」

 

 峰田が静止させようとするも、緑谷の足はズンズンと廊下の方へ歩みを進める。しかしいつの間にか緑谷の目の前に透明な壁のような物が設置され、緑谷の進軍は妨害される。

 

「結依」

 

「相澤先生、待って」

 

 魔理沙はンーと顔を顰めながら、どう言い訳するか考える。

 

 実はこの件に関しては既に雄英側とヒーロー公安委員会側双方の合意により、『結依魔理沙のドラフト指名』は全面的に禁止となった。

 

 結依魔理沙は既に公安直属のヒーローであり、他のヒーロー事務所に所属することはできない。さらに結依魔理沙の素性は全世界におけるトップシークレットであり、いわばカスの核兵器みたいなもの。

 

 我が国日本はこの核兵器"結依魔理沙"を軍事運用することは出来ず、あくまで"公安直属のヒーロー(国家の犬)"として位置づけ、国外への移動を禁じている。そんな頭のおかしい存在を他のヒーロー事務所に預けられるハズもなく、このような手筈になった。

 

 なので指名が来ないのは分かりきっていたが、それはそれとして何故相澤先生は一切の隠蔽工作をせずにそのままドンと載せてしまったのか。だいぶタチの悪い嫌がらせだが、魔理沙もタチの悪い嫌がらせを体育祭の時にしたので、あまり人のことは言えない。

 

「指名来てたけど、全部断りました」

 

「「はァ!!?」」

 

 突然のカミングアウトにクラス中が唖然とする。それもそのはず事情を知らない人からすれば、魔理沙が自分自身の意思でヒーロー志望を止めると宣言したのとほぼ同義であり、体育祭でのあの暴れっぷりがいったい何だったのかよく分からなくなるほどの奇行である。

 

「え、何で……?」

 

「……日本より、海外で活動したい、かなぁ……」

 

「だとしても、日本で1回も活動せずに海外で働くのって無理じゃね?」

 

「実は既に海外から指名が来てて……」

 

「え、そうなの!??」

 

 苦し紛れの言い訳でどうにか言葉を繋ぎ、上手く誤魔化す魔理沙。

 

「このグラフは日本限定だし!! 事前に断っておいたヤツはグラフから除外されてるんですよね!!? 相澤先生ェ!??」

 

「そうだ」

 

 澄まし顔で頷く相澤先生を見て、魔理沙は心の底から「コイツ……!」と思った。

 

「というワケで、話がそれたがお前らには指名の有無関係なく、いわゆる"職場体験"ってのに行ってもらう」

 

 何名かまだ唖然とする中、相澤先生が話を戻した。

 

「おまえらにはプロの活動を実際に体験して、より実りのある訓練をしようってこった」

 

「それでヒーロー名か……」

 

「たっ、楽しみだなぁ」

 

 砂藤力道とお茶子が頷き、職場体験の雰囲気を妄想する。プロに直接見てもらえる、その重みを二人はジワジワと感じ取る。

 

「まぁ仮ではあるが適当なもんは…」

 

「付けたら地獄を見ちゃうよ!!」

 

 突如、ミッドナイト先生が声を上げてクラス内に入ってきた。

 

「この時の名が! 世に認知されそのままプロ名になってる人多いからね!!」

 

「「ミッドナイト!!」」

 

「まァそういうことだ。その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう。俺はそういうのできん」

 

 ミッドナイトに生徒のネーミングセンスの査定を全任せにした相澤は、ゴソゴソと寝袋を取り出し始めた。

 

「……将来自分がどうなるのか、名をつけることでイメージが固まり、そこに近づいていく。それが名(・)は(・)体(・)を(・)表(・)す(・)ってことだ」

 

「"オールマイト"とかな」

 

 そう最後に告げると、相澤先生はたったの2秒で熟睡に入った。この人、合理主義を通り越してただの不良ではないかと、この時魔理沙は思った。

 

(ヒーロー名ねぇ)

 

 魔理沙は自分のヒーローネームについて思い返す。幸か不幸か、魔理沙のヒーローネームは公安に所属することになった際に既に決められ、登録済みだ。

 

 当時5歳の時に決めてから魔理沙は、一度もヒーローネームを変更していない。とはいえこのヒーローネームは手続き上やむを得ず付けたモノであり、結局誰一人としてヒーローネームの方で呼ぶ者もいなかったから放置していただけなのだが。

 

 だが結依魔理沙が自身のヒーローネームを考えた時、明確にコレしかないと考えていたヤツをそのまま登録した。なので後悔はしていない。

 

「じゃあまずは、結依魔理沙から!!!」

 

 ビシリと指をさされる魔理沙。周囲から((うわぁ……))という心の声が聞こえてきた気がしたが、構わず壇上に立つ。

 

 魔理沙はプラカードに書いた自身のヒーローネームを見た後、周囲を見渡した。

 

 全員が不安そうな目でこちらを見てくる。そんな目で見られても困るが、もうここに立った以上喋る他ない。

 

「発表します……」

 

 ゴクリ……と、固唾を呑むクラスメイト達。この最初の発表の雰囲気次第で、次の発表者のハードルが左右される。そのファーストペンギンが結依魔理沙とは不安要素しかないが、皆見守ることしか出来ない。

 

「『マジックヒーロー マリッサ☆』です」

 

「「…………」」

 

 シーン……

 

 静まり返る教室。そのあまりの反応の薄さに魔理沙のライフポイントがマイナス1ポイントほどされる。

 

 この名前、マリッサは異形魔理沙も使っていた名前だ。だからそのまま拝借してヒーローネームに起用したのだが、思ったよりウケが良くなかったようだ。

 

「うーん、"マリッサ☆"ねぇ〜」

 

 何とも言えない雰囲気の中、ミッドナイト先生がプラカードを覗き込む。

 

「この☆、なんかイマイチ物足りないのよねぇ……」

 

「どうせ付けるなら、『☆ミ(コレ)』とかどうかしら? いっそのこと☆消すのも引き締まって良いかも?」

 

「じゃ、『☆ミ マリッサ ☆ミ』で」

 

「良いわね!!」

 

 ミッドナイト先生の指導により、魔理沙のヒーローネームは晴れて『マリッサ☆』から『☆ミ マリッサ ☆ミ』に改訂することとなった。帰ったらヒーローネーム改訂の手続きをしなければ。

 

 少し雰囲気が和らぎ、安心して席に戻る魔理沙。しかしその裏腹で、クラスメイト達にはあるプ(・)レ(・)ッ(・)シ(・)ャ(・)ー(・)がのしかかっていた。

 

(((思ったより普通だった!!!)))

 

 あの暴走機関車こと結依魔理沙が思っていたよりちょっと可愛いヒーローネームを出してきたことで、逆にハードルが上がるという始末。予想だにしない展開に、クラスメイトらは翻弄されていた。

 

 コレと同等かそれ以上の名前を考えなければならない。15分という限られた時間の中、クラスメイトらは真剣に自身のヒーローネームを考え、なりたい自分の姿を思い馳せる。

 

 

 〜 15分後 〜

 

 

「じゃあそろそろ出来た人から発表してね!」

 

「「「!!!」」」

 

(((発表形式かよ!!?)))

 

(最初の魔理沙が発表形式だったから、何となく予測はしていたけど……度胸が……)

 

「じゃあ最初はアタシから!」

 

 最初に躍り出たのはクラスの陽キャこと芦戸三奈。上がりまくったハードルに対し誰もが一番手を避けようとする中、彼女の天真爛漫な性格が先陣を切ることになった。

 

 芦戸が教壇の前に立つと、自分のヒーローネームが書かれたプラカードを恥じらいもなく出し、堂々と己の名を叫んだ。

 

「ヒーロー名『エイリアンクイーン』!!」

 

「2!! 血が強酸性のアレを目指してるの!? 止めときな!!」

 

「ちぇー」

 

 不発。どことなく自信のあった芦戸だったが、ミッドナイト先生に却下されて不服に思いつつも、大人しく席に座って別のヒーローネームを考え始める。

 

(((初っ端からヤベーの来た!!! けどハードル下げてくれてありがとう!!!)))

 

 初手から地雷が爆発したおかげでハードルがやや低くなったことに感謝するクラスメイト一同。尊い犠牲であった。なお本人は全くその事実を認識していない。

 

「じゃあ次私いいかしら」ケロッ

 

「「梅雨ちゃん!!」」

 

 次に参戦したのは温和で優しいカエルの子、蛙吹梅雨。優等生たる彼女の期待値は高い。

 

「小学生の時から決めてたの。『フロッピー』!」

 

「カワイイ!! 親しみやすくて良いわ!!」

 

「皆から愛されるお手本のようなネーミングね!」

 

「「フロッピィィィイイイイイイイ!!!」」

 

 \フロッピー! フロッピー! フロッピー! /

 

 流石は優等生、ネーミングセンスの良さにミッドナイト先生は絶賛し、クラスメイト達もフロッピーを持ち上げる。

 

 なお、明らかに自分の時との反応の差にギャップを感じた魔理沙は、フロッピーを持ち上げる男子生徒全員に中指を立てた。

 

「んじゃ次俺!!」

 

 フロッピーに続き参戦したのは、クラスの陽キャこと切島鋭児郎。フロッピーが作り出したこのビッグウェーブに乗っかり、切島はドン!とプラカードを立てた。

 

「『烈怒頼雄斗(レッドライオット)』!!」

 

「赤の狂騒!! これはアレね!? 漢気ヒーロー"紅頼雄斗(クリムゾンライオット)"のリスペクトね!」

 

「そっス! だいぶ古いけど、俺の目指すヒーロー像は"紅(クリムゾン)"そのものなんス」

 

「フフ……憧れの名を背負うってからには相応の重圧がついてまわるわよ」

 

「覚悟の上っス!!」

 

 グッと腕に力を込め、己の覚悟を示す切島。憧れのヒーローの名を冠して己の道を突き進もうとする切島の漢気に、男子のほとんどが感服の意を表した。

 

 フロッピーと烈怒頼雄斗(レッドライオット)が作ったこの流れに乗っかり、次々と登壇していくクラスメイト達。この中で列にならんでいないのは既に発表し終えた人達と、緑谷出久のみ。

 

「よう、緑谷きゅん」

 

「あ、師匠……」

 

 魔理沙が緑谷に話しかけに行くも、緑谷はスッとプラカードを隠し、俯いてしまった。

 

「ヒーローネーム、もしかして決められなかった?」

 

「うっ……! ……ハイ、どうしても迷っちゃって……」

 

 図星を突かれる緑谷。一応15分以内には決めたものの、みんなの発表を聞いているうちに本当にコレでいいのか迷ってしまったようだ。

 

(僕も憧れのオールマイトの名前を……いや、でも……!!)

 

 頭の中で思考がグルグルと回転する中、魔理沙がポンと肩を叩く。

 

「どうせなら一緒に考えようぜ」

 

「師匠……!!」

 

 渡りに船、正しく助け船とも言える誘いに、緑谷は是非と乗っかった。

 

 緑谷の期待を一身に受け、考えを巡らす魔理沙。そしてパッと思いついたものを口に出す。

 

「オールマイト二号」

 

「直球すぎません?!?!」

 

 あまりに節操のないネームに流石の緑谷もツッコミを入れる。

 

「じゃあグリーンゴリラビット」

 

「……コスチュームを馬鹿にされた気がする」

 

「面倒臭いな、ならこれならどうだ? 」

 

 魔理沙は魔力で創造したプラカードに思いついた名前を書き込む。

 

「『マッスルブレイン(脳筋)』」

 

「遊ばないでください!!」

 

 緑谷に怒られ、「スマンスマン」と謝った魔理沙。とはいえ、魔理沙は原作知識で既に緑谷が選択するヒーローネームを知っている。

 

 かといってソレを直接言うのはお門違い。他人に言われて決めるのと、自分で選んで決めたものじゃ、覚悟の質が違う。このヒーローネームが自分の原点(オリジン)になりえるなら尚更だ。

 

 魔理沙は少し咳払いした後、緑谷に優しく諭す。

 

「……まぁ相澤先生も言ってたが、名付けるなら『自分が心の底からこうなりたい』って思ったもんにしな」

 

「たとえソレが自分の身に不相応なモノだったとしても、いずれ身に染みてくものよ」

 

「心の底から……なりたい……」

 

 魔理沙に諭され、再び長考する緑谷。緑谷の原点(オリジン)はオールマイトであり、オールマイトのような最高にカッコイイヒーローになるのが夢だ。

 

 たくさんの人を救いたい、みんなの笑顔を守りたい、それができる自分になりたい。それが心の底からの願いなら、どんな名を付けるべきか。

 

 ピースは、揃った。

 

 緑谷は即座にシャーペンで思いついた名前を片っ端からノートに書き始める。

 

 その様子を見て、魔理沙はフッと微笑んだ後に自分の席に戻った。

 

 その後も続々とクラスメイトらがヒーローネームを発表していき、時間が過ぎていった。

 

「そろそろ時間も迫ってきているから、この時間内に終わらなかった人達は放課後までにヒーローネームを提出すること! 今終わってないのは再考中の爆豪くんと、そして緑谷くんね!」

 

 ミッドナイトがそう言った直後、緑谷が音を立てて立ち上がった。

 

「僕、行きます」

 

 男緑谷、熟考の末に奮起し、壇上に立った。その勇ましい足取りを見た魔理沙は、後方で腕を組んでいた。

 

「僕のヒーローネームは、コレです」

 

 クラスメイトらがガヤガヤする中、魔理沙は腕を組んで様子を見守る。

 

「『ヒーロー ニューエース』です」

 

 発表した後、クラスメイト達から「おぉー!」という声が上がった。

 

 誰もがグッドサインを送る中、ただ一人、結依魔理沙だけが内心動揺していた。

 

(……デクじゃなかった!!!)

 

 原作から逸れた展開に驚きを隠せない魔理沙。まさかヒーロー名が『デク』じゃないどころか、個性に由来したモノでもなく、憧れのヒーロー名に則ったわけでもない、完全にオリジナルのネームが飛んでくるとは思わなかった。

 

 魔理沙が気合いで顔を引き締めている中、ミッドナイト先生が口を開いた。

 

「新たなエース! このヒーローネームにした理由を聞いてもいいかしら!」

 

 緑谷は答える。

 

「はい。僕は師匠のアドバイスで、『自分がなりたいと思ったモノ』の名を付けろと教わったので、オールマイトにも負けないような『新しい最高のヒーロー』になると、そう覚悟を決めて付けました」

 

「今は不相応かもしれないけど、それでも、なりたいから……!」

 

 拳を握る緑谷。それを見たミッドナイト先生がクゥー〜ーッ!! と身体を震わせ、心の底からテンションが湧き上がった。

 

「いいわいいわ非常にいいわッ! 切島くんと同様、その名を背負うってからには相応の重圧がかかるでしょうけど、その覚悟なら大丈夫そうね! 応援するわ!!」

 

「ありがとうございます、精一杯頑張ります!」

 

 緑谷の礼と同時にクラスメイトから拍手を送られ、クラスが円満な雰囲気へと変わる。

 

「……チッ」

 

「はいそこの爆発さん太郎嫉妬しないー」

 

「誰が嫉妬するかクソが!」

 

「あらごめんあそばせ? 『爆殺王』笑」

 

「………殺す」

 

 煽りをやめない魔理沙と、変わらず魔理沙に殺意をブツける爆豪。なお爆豪はその後『爆殺卿』『爆殺神』『大爆殺王』を提出するも見事に却下され、チャイムが鳴り終了。爆豪のみヒーローネームが決まらなかった。

 

 こうして今日のヒーロー情報学は幕を閉じた。

 

 

 

■

 

 

 

 下校時刻、魔理沙は瞬間移動で帰宅し、靴を脱いで上がった。

 

「うぃ〜〜帰ってきたよ〜〜」

 

「あら、おかえり」

 

 台所の方から母の声がした。

 

「魔梨奈いる?」

 

「ん〜、部屋に戻ったっきり見てないよ?」

 

「おけ」

 

 魔理沙はそう言うと自室に戻り、扉を開ける。

 

「おーい、準備進んだ〜?」

 

「……あら、居ない」

 

 部屋の中に魔梨奈の姿は見当たらず、もぬけの殻だった。

 

「分霊箱作れたんかな……?」

 

 魔理沙は魔梨奈と共有した異形対策の内容を思い返す。まずは自分たちが殺された場合の対策として分霊箱を作り、これを世界中にバラ撒く。しかし魔梨奈と魔理沙が同一存在ではなくなってる以上、魔梨奈がつくったとしても助かるのは魔梨奈だけである。

 

「まぁ魔梨奈が成功したなら私も後でやってみるか……」

 

 そう言って魔理沙はベットの上で横になる。分霊箱は私は作らなくていいと魔梨奈に脳内で言われたが、別に本体だろうと多少作った程度じゃさして影響を受けないので、積極的にやっていいと思うが。

 

 ともかく、魔梨奈が帰ってくるまで暇なので魔理沙はSNSで時間を潰すことにした。

 

 しかしそれを待つより先に、携帯が突如鳴り始める。

 

「警察?」

 

 珍しい相手から電話がかかってきて、魔理沙は普通に電話に出た。

 

「もしもし?」

 

『もしもし、公安所属のヒーローの結依魔理沙さんですか?』

 

「はいそうです」

 

『至急、保須市に来ていただけますか? 場所は……』

 

 警察から具体的な場所を伝えられ、概ね理解する魔理沙。しかし、何用か。基本的に警察はヒーロー事務所と連携して動くため、一般的なヴィラン事件であればわざわざ公安に頼ることはしない。ましてや公安の中でも爆弾的存在である結依魔理沙を動かそうなど、普通であればしない。

 

 あくまでステイン捕獲作戦が特殊だっただけで、普段はそこまで絡まないのだが……

 

(嫌な予感がする……)

 

 この状況の違和感故か、先行きが不安になる魔理沙。とりあえず警察の指定した場所へ移動しなければ。

 

 魔理沙はいったん電話を切り、母親に事情を説明。了承を得た後に、魔理沙は保須市へ瞬間移動するのであった。

 

 

 

 

 to be continued...

 

 

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