最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

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お久しぶりです。



ちょっと急ぎ足に書いたのでアレ? と思う部分が多いです。あと量が非常に多いです。1万文字です。飽きてしまったらすみません。適当にスクロールして下さい。




ただし、覚悟をしておいて下さい。



???「覚悟とは!! 暗闇の荒野に!! 進むべき道を切り開くことだッ!」








番外編3 3時限目 魔理沙の時間③

 

 

 

 

結依魔理沙、絶賛落下中。

 

 

「クッッッソガァアアアアアアッ!!!!」

 

 

訳の分からない展開に訳の分からないエンディングを迎え、訳の分からない悲劇が訪れた私だったが、何故か頭は冷静であった。いや、恐らく大賢者との契約のお陰なのだろう。どんな窮地に立たせられても冷静な判断を欠かず、最適解の打開策を練る大賢者さんの力の一部が私に流れ込んでくる。大丈夫、ウィル・オ・ウィスプの書とヘブンズ・ゲートの書は衝撃で落としてしまったが、フーラの書だけは辛うじて守りきることが出来た。さらにヘブンズ・ゲートを使った場所から離れているおかげで魔法も使える。まだ私は戦えるのだ。頑張れ私!!

 

「フーラッ!!」

 

再び両手首と両足首に風を纏い、最小限のエネルギーで最大限の機動力と推進力を手に入れる。落下状態から体勢を立て直そうと全身に力を入れるが、落下速度が速く、全身に過負荷が襲う。

 

「ッ......、危ねぇ」

 

姿勢を正常に戻した時には地面スレスレまで近づいていた。危うく落下死するところだった。

 

「が! 死にかけたおかげで私の脳ミソがアドレナリンでひッッじょぉーに燃え滾ってきた!! 覚悟しな図書局員と霧雨魔理沙及びその他二名! 魔理さんを怒らせたらどうなるか、その脳髄に叩き込んでやる」

 

謎の決意が溢れ出し、頭上を睨みつける結依魔理沙。ここまで粘ってきてやっと禁書を見つけたというのに、依頼人本人が首突っ込んだ挙句に私を叩き落とすなど言語道断。許されざる行為だぜ。

 

魔法武装(マジックウェポン):カゼツルギ」

 

魔理沙は右手に風の剣を作り出し、空中へと掛けていく。この魔法武装は両手首に纏わせたフーラの応用であり、魔素回路を上手く剣の形に整えたのだ。昔に比べて随分と器用になったもんだぜ。今でもブッパは好きだけどな。

 

右手の風剣を構え、グングンと上昇していく。真っ直ぐに上だけを見据え、空高く飛び立とうとする。

 

「....ゼェ、.....ゼェ、.....帰ってきたァ!」

 

「あ、おかえり結依」

 

「魔理沙ァ....死ぬかと思ったぞテメェ.....ッ」

 

「まぁまぁそう怒んなって。生きてたんだから良かったじゃんか」

 

「キィン」

 

何とか落下前の位置に戻って来ることが出来たが、妙に霧雨魔理沙が余裕そうな表情でイライラが復活する。というかもう少し心配しろ、こちとら命張ってんじゃい!!

 

しかしバルファルクの鳴き声が可愛いので許すッ!

 

「あ、バーンに立ち向かってって返り討ちにあった魔理沙似のお姉ちゃん!」

 

ひょこっとバルファルクの鱗の隙間から現れたのは、我らが一年A組の天使に近い悪魔、フランドール・スカーレット。何しに来たのかは全然わからん。

 

「......はい、何ですか。」

 

「お姉ちゃん、じゅぎょうサボってフランに内緒の遊びしてるなんてズルい!! フランも混ぜろ!」

 

「いやね? これ遊びじゃないからね? 私はただそこのキノコ魔法使いとの約束を果たすために.......」

 

「はーい、ゴタクはいりませんっ! 早くフランを遊びに混ぜるか混ぜるかどっちかにしないと...、キュッとしてぇ〜、キュッとして〜〜、キュッとしてー」

 

「わかった、分かったから右手を握りしめるのは止めてくれ。死ぬ」

 

「お姉ちゃん、物わかりがいいね! じゃあ遊びに行ってくる〜」

 

そう言うとフランは飛び立っていった。何で遊びに行くのに私の許可がいるのか意味不明だったが、とりあえずフランの遊び相手にはご冥福を祈っておこう。アディオス。

 

そして微妙にフランのキャラがブレているのは気の所為だろうか。

 

〔国語の授業の賜物です。〕

 

そして脳内に直接送られた大賢者の言葉ァ!

 

「それは良かった。語彙力がアップして人を恐喝出来るくらいには成長したとかどんな皮肉だ」

 

〔国語の授業の賜物です。〕

 

曲げない大賢者を無視して、私は霧雨魔理沙に歩み寄る。わざわざ依頼しておいて自ら突っ込んだ理由を聞かねば、私の心が静まらん。

 

「で、何で来たの」

 

「そりゃあ帰りの会になっても戻ってこないお前を心配して来てやったんだぜ。感謝するんだぜ」

 

「え? もうそんな時間?」

 

「そんな時間。」

 

結依魔理沙、ここにてやっと今の時間を知る。ここの図書室及び禁書庫内は常に明かりが灯されている閉鎖空間なため、時間の流れが全く読めないのだ。入学早々サボりをキメたことになるな。

 

「あー、後、バルファルクが突っ込んだおかげでお目当ての禁書に張られていた結界がぶっ壊れたわけなんだがー、ちゃんと回収出来た?」

 

「もちろん。ここにあるぜ」

 

そう言って霧雨は胸ポケットから禁書「甦之書」を取り出した。どうやら上手く手に入れていたようだ。良かった、さっきの衝撃で禁書がバラバラになりましたとかにならなくて非常に良かった。

 

「てことは目的達成か。よし、帰る」

 

「もう少し漁っても許されるんじゃないかなぁ。ここは禁書の宝庫だからな」

 

「却下。もう二度と私は禁書泥棒はしないからな」

 

「へいへい、了解なんだぜ。」

 

渋々了承した霧雨魔理沙はバルファルクに話をつけ、ここから脱出するよう指示を出す。

 

「しっかり捕まれよ結依」

 

「わーってるよ。ただ、バルファルクの鱗って結構切れ味gァアーーッ!!」

 

喋る間もなく急発進する超特急バルファルク号。流石は音速を超える古龍、風圧と身体にかかる負荷が大きすぎてうっかり手を離しかねん。だが離してしまえばそれこそ人生の終了を意味するので、死ぬ気でバルファルクの鱗を握りしめた。

 

「ぁぁああそういえば! 大賢者とフランを置いてっテッっ!!? ......、シタカンダシ」

 

「あー、アイツらなら大丈夫だ。なんてたってウチのクラス最強候補の二人なんだからな。まぁ、それ言ったらほとんどのヤツらが最強候補に入るわけなんだが......」

 

「タッ、タチカニ」

 

「とはいえ、一瞬だけだがジブリールの姿が見えた気がするんだよなぁ。このまま上手く脱出出来るとは思えないぜ」

 

「......、大賢者。」

 

話しているうちに不安が芽生えてきた結依魔理沙。さっきまで、「大賢者なら何とかなるでしょ」と楽観的に状況を捉えていたが、何だか嫌な予感がする。とりあえず様子だけでも見ておきたい。

 

「バルファルク、大賢者のところまで連れてってくれないか?」

 

「キィン」

 

「おい結依、何考えてんだぜ。今あそこは恐らくとんでもない争いが起こッーーッ!!」

 

話が通じたのかバルファルクは大賢者のいる方向へと転換し、超スピードで激戦区へと突っ込もうとする。本も本棚も空気も何もかもを引き裂き、加速音が鳴り響く。

 

強烈な衝撃が全身を伝い、爆音が鼓膜を突き破ろうとした時には、我々は激戦区の中心に降り立っていた。まだ反動の震えが止まってはいないが、周辺の状況を確認すべく辺りを見回してみる。左を振り向くと、両手に何やらおぞましいほどの破壊力を持ったエネルギーが圧縮され、集中している状態で構えを取っているジブリールの姿があった。

 

「あらら? 大きなトカゲの上に乗せられただけのヒューマンがイキリたって何をしに来たのでしょうか。まさか、非力な貴女方が委員長を助けられると勘違いをしてしまったのでしょうか?」

 

「ハァ....ハァ..、もちろんその通りだぜお姉さん。なんてったって友達なんだからな」

 

「キィヤアアアアアアアアアアア!!!」

 

「......この様子じゃあ弾幕ごっこで済みそうにないな。覚悟を決めたんだぜ」

 

相対する一人と三人。大賢者との戦闘により衣服がボロボロだが、気迫は一切衰えず、神のイカヅチのような金色の雷が両手の中で発光している。私見だが、あれは恐らくジブリールの魔法「天撃」を両手に纏っている。天撃は広範囲に強烈な魔法攻撃を食らわせる魔法であって被害が大きい。よって、その破壊のエネルギーを両手に圧縮することで被害を最小限かつ攻撃力を最大限に引き出しているのだろう。なんて器用な......。

 

〔警告。マスターが個体名:ジブリールに勝利する確率、3%〕

 

反対側から声が聞こえ、振り向くとボロボロの大賢者がそこにいた。だが大きな傷跡やらは見当たらないため、恐らくジブリールと同じく小さなダメージが多く蓄積されているのだろう。そんなボロボロな大賢者は、私達のためにボロボロのまま警告をしてくれた。

 

「ありがとう大賢者。勝率3%、FGOの闇課金ガチャから最高レアリティが出てくる確率より倍はマシだぜ」

 

吐き捨てるように言うことで己を奮い立たせようとする結依魔理沙。実際のところ勝率とガチャの排出率を同等に扱うのはお門違いではあるが、こうでも言わないと足が震えて前に踏み出せん。要は気持ちの持ちようってことだ。

 

 

それに希望はまだある。

 

 

霧魔理(きりまり)、バルファルク、私と今すぐ契約してくれ」

 

結依の言葉を聞いた霧魔理(霧雨魔理沙)は、何かを察したような表情をする。

 

「なるほど友達契約ね。ちょうど()()が一つあるし、今ここで約束を果たすのもアリなんだぜ。」

 

「キィンイン」

 

結依の考えを汲み取り、二人と一匹の手が重なり合う。お互いにそこまで深い関係が無いにもかかわらず、彼女らは手を取り合い、強大な敵を倒すべく力を合わせる。種や世界線を超えた熱きタッグがここに今、爆誕する。

 

 

「「「友情合体!!!」」」

 

 

「ブレイブ!」

 

「ファイヤー!」

 

「キィィンッ!」

 

「グレートバーンガーンッ!!」

 

 

背後で爆発エフェクトが発生しそうなほど綺麗にセリフを決め、ついに爆誕した現段階最強形態。通称、「友情合体」。セリフ含め某ロボットアニメの丸パクリとかそういうのではなく、これは友情契約したもの同士が為すことの出来る合体技。全ステータスが飛躍的に上昇し、さらに合体した契約者の能力を全て扱うことの出来る究極の奥義である。

 

尚、姿に関しては結依や霧雨の身体をベースに、ところどころ銀色の鱗や翼が生え、亜人種のような見た目へと変化している。

 

「ついノリで言ってしまったが、契約一つでこんなことも出来るなんてな......」

 

「私も初めてやってみたが、ここまで綺麗に決まるとは思ってもみなかったぜ。二人ならよく見かけるが、三人でも成功するもんなんだな」

 

「キィン」

 

一つとなった身体で三つの意識が話し合う。第三者目線で見れば不審者として通報されかねないが、今はそんなことを気にしている暇は無い。

 

「三人合体!! ただのムシケラだと思っていましたが、まさかこんな現象を引き起こしてくれるなんて思ってもみませんでした! ならば、私もそれなりの誠意を見せなければなりませんね」

 

ジブリールはついさっきまで消していた天撃の力を再び呼び起こし、両手に纏わせた。稲光がジブリールの両手を中心に発生し、死の匂いが目の前を覆い尽くす。

 

だが彼女らは屈しない。彼女らは正真正銘、一人ではなく三人で戦っているのだから。

 

「「人間様を舐めるなよ」」

 

その言葉と同時に、彼女らはバルファルクの翼を展開し、圧倒的な瞬発力でジブリールとの距離を詰める。轟音と風圧が周囲の物体を彼方に吹き飛ばし、迫り来る。

 

「皆ジブリールの両手にだけは絶対触れるな!」

 

「避けられるものなら避けてみてください」

 

迫り来るジブリールの両手。秘められた破壊のエネルギーは掠ってさえなお凶暴で、凶悪で、全てをかき消しされてしまう。

 

「エンジン起動! 瞬間加速!」

 

触れるギリギリのラインで真横に避け、死角へと潜り込む魔理沙たち。合体したことによる全体的なフィジカルアップとバルファルクの生体エンジンが可能にした立ち回り、我々ながら上手い身のこなしだと賞賛できる。だがそれを予測していたのか、ジブリールは左手を既に背後にまわし、強力な爆発系魔法を放った。

 

「キイィインッ!!」

 

「その程度のお遊びで私に触れられるとでも?」

 

両足が地面を擦り、摩擦が熱を発生させる。痛い、なんとか体勢は維持出来たが足の皮がベロベロにめくれて激痛が全身を走る。勝てそうな未来が一切合切見えてこなくて、さっきからネガティブな思考が私を邪魔してくるが、無理矢理頭から追い出して気合を入れる。勝たなきゃ死ぬ、だから勝つのだ。

 

魔理沙たちは周りに散らばった魔導書に目を向ける。ジブリールに隙はないし、強くなったとはいえ私達にはやれる限度というものがある。ならば手数と戦略で乗り切るしかない。これが今私が出来る精一杯の考えで、いつもの私の考えだ。

 

「......三つ、そこと、そこと、そこの魔導書を、ジブリールになるべくバレないよう回収するんだ。それ使って何するかは......察してくれ」

 

「了解。やりたいことは何となく理解したが、結依はそれでいいのか?」

 

「...あぁ、別にいい。」

 

「......わかったんだぜ。」

 

「キィィン。」

 

言葉が足りなくても、理解してくれる仲間がここにいる。その素晴らしさを身に染みながら結依は、ある作戦を実行する。勝率3%の微かな希望にかけて。

 

「大賢者、わかってんだろうな?」

 

〔......御意。〕

 

「...よし、全員突ッ込めェ!!」

 

全員(一人)による総攻撃がジブリールを倒すべく動き出す。意思が三つあるとはいえ、私達の目的が一致している今、一瞬のブレなど起こることは無い。近づいてくる私達にジブリールは何度も魔法弾を撃ってくるが、身体を上手く逸らして回避する。

 

「ならばこんなのはどうでしょう?」

 

ジブリールが右手を天に掲げると、私達の足元に青白い光が照らされる。危険を察知した私らはすぐさま横に回避すると、照らされた場所に雷撃が発生した。これで終わりかと少し安心した私達だったが、あの雷撃を合図に地面が点々と照らされていく。

 

ちょこまかと動く我々をジブリールは無差別雷撃で動きを崩そうと考えたのだ。

 

 

無数の雷撃が視界を覆い尽くす。

 

 

「危なッ! これじゃ作戦が実行できねぇ!」

 

「おい結依、なんとかならないのか?」

 

「あっぶ!! 何とかしたいが今は何も思いつかん!!」

 

〔私に任せてください。〕

 

「大賢者!?」

 

雷に翻弄され、思うように動けなくなった私達を救うべく大賢者がジブリールに向かって走り出した。足元に降り注ぐ青白い光が地面に到達するタイミングを見越し、最短最速の経路を通ってジブリールの元まで近づいていく。

 

〔契約:虚空之神/虚無崩壊・形状変化〕

 

全てを無へと還す破壊のエネルギーが大賢者の両手に集中し、双剣のような形へ変化する。大賢者はその禍々しい暗黒の双剣を手馴れた手つきで操り、変則的な軌道でジブリールの身体に刃を突き立てようとする。

 

「そんなにあの方が大事だとでも言うのでしょうか? 貴方様のような優れた方が、あのような人間になぜ肩を貸すのでしょうか」

 

〔解。彼女は私のマスターであり、友達であり、仲間です。これ以上の理由は有りません〕

 

「随分と人間臭くなりましたわね大賢者。昔の方がもう少し叡智でありましたわッ!!」

 

天撃と虚無崩壊の斬撃が衝突を繰り返す。たとえ圧縮したとはいえ、両者ともに全てを破壊するエネルギーを身に纏っている。そんな危険な代物がぶつかり合えばどうなるか、その後の展開は直ぐに予想が出来た。衝突を繰り返す度に青白い閃光と漆黒の雷が弾け合い、衝撃波があらゆる物体を消滅させる。

 

そのおかげか無数の雷が消滅し、あの二人に集中する形となった。だが二次被害がヤバい。二人の間から破滅の衝撃波が発生して近寄れない上に、飛んできた衝撃波が周りの物体を片っ端から消滅させている。このままでは私の作戦に必要な三つの魔書まで消されかねん。早々に回収せねばならん。

 

「大賢者が引き付けている内にさっさと魔書を回収するぞ!!」

 

「させませんわ」

 

大賢者と戦ってなお余裕があるのか、ジブリールは空いた右腕の掌から高速のミニ天撃弾を放つ。

 

「そう来ると思ってたぜ、合体解除!」

 

天撃弾が当たる直前に分離し、上手く避けることに成功した私達。そしてジブリールが驚いた瞬間を逃さずに私と魔理沙は魔書を回収すべく、ローリングをしながら目当ての本を手に入れる。バルファルクはどうするかと言うと......、

 

「キィイィイインッ!!!」ドゴォンッ!!

 

その身体の大きさと速さを使い、私と魔理沙の動向に気を向かせないのがバルファルクの役目。バルファルクはその大きな掌でガッチリとジブリールの身体を掴み、重量とスピードが乗った状態で大きく本棚に叩きつける。

 

だがそれでも、この化け物を倒すには力が足りなかった。

 

「...トカゲの分際で私の身体に気安く触れるな」

 

ジブリールから強烈な覇気と魔力爆発が発生し、バルファルクの身体は大きく吹き飛ばされる。

 

「バルファルク!! おい魔理沙、魔書は回収出来たのか!?」

 

「落ち着け結依、魔書はちゃんと回収しているんだぜ。あと残りの一つは......、そこだ!!」

 

魔理沙の指差す方向、それは最後に回収すべき魔書の在り処......なのだが、そこはちょうどバルファルクとジブリールの間の真ん中であった。

 

「アレ、アレをどう取れと.....」

 

「私に任せるんだぜ」

 

霧雨魔理沙はそう言うと、ホウキを使ってジブリールの目の前でサッと降りた。何考えてるのかサッパリ分からなかった結依だが、霧魔理の言葉を聞いて考えを察する。

 

「私の友達をよくも吹っ飛ばしてくれたな、図書局副局長」

 

「これはこれはいつも大切な本を堂々とSteelするpoor witch、霧雨魔理沙様。今日はどのようなbooksをお探しで?」

 

「相変わらず癪に障る紹介ありがとよ。今日の当番がお前だと分かってたら、こんな大規模な窃盗なんてしなかったけどな」

 

霧魔理はジブリールと会話をしつつも、手を後ろに回して結依にこっそりとサインを送っていた。

 

(時間稼ぐから今のうちに....か、了解)

 

了解と心の中で言いつつも、具体的にどうやればあそこにある魔書を回収出来るか見当もつかない結依魔理沙。不意打ちの通用しない相手の目の前で本を回収したら、怪しまれて即刻天に召されてしまう。果たしてどうすればいいのやら。

 

動けない私に気づいた霧魔理はジブリールにバレないよう、足で目当ての魔書を結依が取りやすい位置まで蹴飛ばした。ナイスファインプレー、これならこっそりと回収出来る。

 

直ぐに私は行動を起こし、魔書の回収に向かう。バルファルクの体を上手く盾にしながら目当ての魔書に手を伸ばす。鱗がチクチクして何とも言えない気持ちだが、あとほんの数センチ手を伸ばせば届きそうだ。

 

「甘いですわ人間。私が見逃すとでも?」

 

「イ"ッッツ"あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

 

「結依!!」

 

手が届くギリギリのところでジブリールは指先から熱光線を放射し、結依の手の甲を貫通させる。久方ぶりの尋常ではない痛みが脳をガンガン揺らしていく。痛覚無効を常時発動していたあの頃がまるで夢だったかのような、遠い思い出に感じてしまうのは気の所為だろうか。それほど私は痛覚無効が恋しい。

 

痛みを堪えながら、私は立ち上がる。手を焼かれたが、もう片方の腕で取り損ねた魔書を回収する。この時なぜジブリールは追撃を仕掛けて来なかったのかは謎だが、この時の私はそんなのことを考えている余裕は無かった。

 

「ぃぃいいいいい!!! い! でもッ、これで魔書は全て揃った!! 覚悟しろジブリール、テメェのターンは終わりだ!! 半永久的に私のターン!!」

 

「ほぅ.....、対私用に何を準備していたのでしょうか。ムシケラの最後の悪足掻きをぜひ見してください」

 

「魔理沙! 魔書カモン!!」

 

「投げるからちゃんと受け取れよ」

 

パシッと霧魔理から魔書を受け取った結依は、本の背後でニヤリと笑う。そろそろ決着つけないと本気でワンピースの時みたいに訳分からんBADENDが始まってしまうから、最後は最大級の技を撃って綺麗に締めるとしよう。

 

「超暴走魔法陣、超暴走魔法陣、超暴走魔法陣、超暴走魔法陣、超暴走魔法陣、超暴走魔法陣、超暴走魔法陣、超暴走魔法陣、超暴走魔法陣、超暴走魔法陣、超暴走魔法陣、超暴走魔法陣、超暴走魔法陣、超暴走魔法陣、超暴走魔法陣......」

 

説明しよう。超暴走魔法陣とは、魔法の暴走確率をとんでもなく底上げすることの出来るドラクエの奥義的な魔法。効果は重複するが、超暴走魔法陣の使用後に二回魔法を放つと効果が消える。

 

ちなみに超暴走魔法陣は魔法の暴走確率を底上げするだけで火力自体がバリ上がるわけではない。だが、結依の主人公補正と最終局面の緊張感が混ざり合い、結依の周囲からドス黒いオーラが溢れ出す。

 

「......これは流石に見逃せませんね。死になさい」

 

「超暴走魔法陣.....、バルファルク!! 全員回収して空中へ飛べッ!!」

 

「キィイイイィイイイイインッッ!!」

 

倒れていたバルファルクが結依の声に呼応し、咆哮を上げながら立ち上がる。嫌な気配を感じたジブリールは次々と結依達目掛けて紫色の魔法弾を連打打ちするが、バルファルクが真っ先に三人を回収し、空へ飛んだ。

 

「ぐおおおおおおおおおお耐えろぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

「んんんんんんんんん!!!!」

 

〔....。ぉおおおおおおおおおおお〕

 

ほぼ直角九十度の方向で飛翔するバルファルクの背中に全力でしがみつく三人。ただでさえキツイのに後ろからジブリールの殺人レーザーがビュンビュン飛んでくるせいでさらに辛い。レーザーを避けるたびに体が揺れ、落ちそうになって下を覗くと死が見える。地獄のような時間だが、二三回まばたきすればすぐ終わるほどの一瞬の時間だ。これさえ終われば......

 

「私達の勝利だ」

 

禁書庫で最も高い位置まで辿り着いた私達は、真上からジブリールを見下ろし、大きく宣言した。

 

「この場合は亜空間に逃走してやり過ごすのが賢明ですが、それだと面白くないので真正面から迎撃しますね☆」

 

かなり距離が離れていても視認出来るほどの巨大なオーラがジブリールを覆い尽くし、ドンドンエネルギーを蓄積させていく。

 

今までジブリールは図書館を崩壊させないよう力を制限し、敵対するものを次々と迎撃してきた。だが、守るべき図書館がもう既に壊滅状態となったせいか、今まで抑えてきた魔力を全て解放し、元凶である三人と一匹を潰すべく力を注ぐ。

 

ジブリールが腕を動かした。美しく妖艶な人差し指を前方にかざし、展開した魔法陣にそっと優しく触れる。

 

 

極大魔法が発動した。

 

 

「「彗星崩壊ダブルマスタースパーク」ッ!!」

 

 

急降下するバルファルクの上で結依、大賢者、霧雨魔理沙が八卦炉に手を重ねた瞬間、禁書庫の全てを覆い尽くすほどの超極太マスタースパークが放出された。皆の想いが一つになり、想いがさらにマスタースパークを増幅させる。無限の力を得たマスタースパークは徐々にジブリールの極大魔法を押しのけていく。

 

「こんな......、舐めプしていたとはいえ人種(イマニティ)ごときにこの私が負けるなど......」

 

「突っ込めええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」

 

バルファルクの勢いに乗っかり、全てを破壊しかねないエネルギーの発生源に向かって強引に進んでいく。距離が近づく度にエネルギー量が増大し、身も心も削られていくが、無駄にタフな根性で耐え抜き、そして......

 

「ジブリィィイイイルッッ!!!」

 

マスタースパークの魔法陣と極大魔法の魔法陣が触れ合い、大爆発を引き起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ここまで来て爆発オチかよッッ!! ...ん?」

 

驚いて飛び上がり、周囲を確認する私。何が起こったのかよく分からず、落ち着くのに何分か時間を要したが周りの景色を見て全てを察した私は、ため息と共に言葉を吐いた。

 

「......なんだ、夢オチか......。」

 

さっきまでの出来事が全て夢だったと思うと、妙に悲しい気持ちになって仕方がなかった。が、夢は夢なのでスッパリと諦めることにした。結構、最終回みたいな展開で楽しかったのになぁ、友達契約もしたのになぁ、うわぁ。

 

「魔理沙ー、朝ごはん出来たわよー」

 

「分かったよ今行く」

 

いつもの母親の声が部屋まで届き、急ぎ足で着替えた後私は階段をかけ降りていった。実は夢オチに見せかけた無限ループオチなんじゃないかと警戒もしたが、時空の歪みは今のところ感じられないので考えないようにした。

 

 

〔...夢じゃありませんよ〕

 

 

 

 

 

 

 

 

この日から、結依魔理沙は同じ様な夢を毎日見ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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《結依魔理沙の深層心理内》

 

 

 

音も無く、光すら無い暗黒の空間。深層心理。ここは人が認識することの出来ない己の感情や欲望、業、力の眠る場所。だが彼女の深層心理は他の人間と二つ、異なる点が存在していた。

 

 

深層心理の空間のさらに奥深くに、一つの扉が存在していた。この空間内で最も異質な存在で、重厚で、周りに七本の楔が何かを抑え込むよう巻きついている。扉の正面には五つの施錠がされており、扉の付近には二つ施錠が転がっていた。

 

 

そして、扉の近くにて座り込む少女が一人。顔が帽子に隠れて素顔を確認することが出来ないが、少女らしき人が確かに存在していた。

 

 

少女は何かに気づくと、こちらを見て笑った。ケタケタ、ケタケタと笑った。何が面白かったのか、それはその少女に聞かなければ分からない。が、笑い声がやけに不気味で、恐怖に近い感情を感じさせる彼女を、あなたは、()()()は、身の危険を悟った。

 

 

 

 

 

 

 

 

This story is organized from beginning. Madness is always on your side.All in the fate of the provisional beginning.The keyword is awakening.

 

 

 

 

 

 









深淵を覗く時、深淵もまたお前を覗いているのだ。



もう、まとめ方無茶苦茶ですね。何でカゼツルギ装備したのにいつの間にか消滅してたりとか、霧雨魔理沙が魔書を欲した理由が書かれてないとか、爆発オチとか、夢オチとか、グレートバーンガーンとか。


これが異世界かるてっとか......(棒)




次回、職場体験編(免許持ち)へPlus ultra!!



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