最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE: 作:マスターチュロス
わーい職場体験だー。
イベント明けの学校は辛いけど楽しければOKです(47話)
番外編のせいで本筋の話を忘れた人のために軽くこの本魔理沙様が説明してやろう。えー、堂々と体育祭で三冠を手にした私はその日の夕方にヒーロー公安委員会に強制連行され拉致監禁。これ以上好き勝手したいのならばヒーローになってヒーローとして活動しろと、私を恐れた委員会の人達がそう告げた。私はそれを了承し、特別なヒーロー試験を受けて見事合格。特別ヒーロー免許とその他諸々を手に入れた。
そして分裂して元に戻せなくなった分身、ステ魔理の事について家族会議をし、母さんと約束した後、夜中の三時までステ魔理の16年間の経歴を捏造し、ついに今日、私とステ魔理は学校に登校するのだ。
「いってらっしゃい魔理沙、ステ魔理。今日は瞬間移動使わないの?」
本魔理「あぁ、せっかくヒーローになったから登校ついでにパトロールでもしようかなと」
ステ魔理「私も私として登校するのは初めてだから歩くことにした。私、『
そう、今日からステ魔理は私の双子の妹、魔梨奈としてこれから生活していく。そして姿も双子だということでほぼ同じにした。唯一の違いは、魔理沙の方がロングヘアで魔梨奈の方がショートヘアという些細な違い。私とほぼ同じ能力を持っているのに姿が全く似てないと疑われかねないからな。こうしたのだ。
目の前のドアを大きく開けると、美しい大空が広がっていた。休み明けは学校行きたくないという欲求に駆られがちだが、いざ外の空気を吸うと気持ちが良くなってやる気が湧いてくる。今日も頑張ろうってな。
「「いってきまーす」」
大好きな家族に手を振って、私達は歩み始めた。
グサッ
魔理沙「なんか刺さった。」
魔梨奈「ちょっ!? はぁ?! 足元!!」
へっ? と困惑しながら足元を見てみると、そこにはカモフラージュで見えにくくした大量のマキビシが家の前に仕掛けられていた。
どう見ても私たちに対する攻撃だ。あの体育祭のおかげで知名度がアップしたが、その弊害でこういうヤツらに目をつけられやすくなったのかもしれん。少し、面倒だ。
魔理沙「......レベルが低いな。今までに比べたら大したことは無いが執着されると厄介だな」
魔梨奈「私らは問題無いが母さんに迷惑がかかるのは解せん。魔理沙、軽く捻ってきて。ヒーローでしょ?」
グイグイと魔梨奈に背中を押された魔理沙は、仕方なく索敵能力を展開させる。マキビシを仕掛けてからそこまで時間は経ってないだろうから、すぐに見つかるだろう。
魔理沙「へいへい、三秒待ってろ」シュン
魔理沙「捕まえてきた」
案の定、すぐ近くにいた。
「離せ神に仇なす穢れ共ッ!! 我らが異形排斥主義集団の一員であるこの私にィ、穢らわしい手で触るな、顔を見せるな! 腕を動かすな! 口を動かすな! 息をするなァァアアア!! テメェらのような価値の無い怪物共は死ぬことでしか人の役に立てないくせに偉そうにすんじゃねェぞカスがァ!!!」
怒鳴り散らす男に魔理沙は呆れたような、これから一分後に捌かれる豚を見るような目でその男を嫌悪した。一応、サイコキネシスで空中に固定してあるので不審な動きは出来ないはずだが、警戒は怠らない。
魔梨奈「いかにも悪役感あるくせにマキビシばら撒くだけってショボいなお前」
「喋るなと言っだろうがこの野獣共くぁwせdrftgyふじこlp」
魔理沙「お、そうだな(適当)。じゃあさようなら」
これ以上の罵倒は聞くに耐えないので、無言の表情で私は犯人護送専用ホールという空間魔法で作った特殊ホールの中にポイとぶん投げ、事なきを得た。
魔理奈「それ何?」
魔理沙「あぁ、これは警察との取り決めで犯人捕まえたら特定の場所に投げ入れて欲しいって言われたから作った専用ホール。ちなみに犯人だと断定出来る証拠を先に送らないと開かない仕組みになってる」
魔梨奈「え、じゃあもう既にアイツが犯人である証拠を送ったんだ。我ながらスゲー」
魔理沙「散歩とかゴミ拾いとかする度にこういう変人に突っかかれることは多かったからな、慣れたもんだな」
アハハーと適当に笑いながらついさっきの出来事を忘れようとする二人。今日はショボかったが、どうしてこういう朝に限って災難な目に遭うのか。もう呪いなんじゃないかなと疑いたくなるが、気にせず前を向いて歩く二人。まだ学校すら始まってないのだから気が滅入る。大丈夫かな今日。
考えても仕方が無いので、私達は再び歩き出した。
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その後魔理沙たちは二三回、雇われ暗殺者やどっかの国の諜報員などに尾行、または命を狙われるといった行為を受けたが、魔理沙の容赦ない反撃に彼らは撃沈。警察署本部に強制送還された。
しかし、久しぶりに通学路を歩いたとはいえ、ここまで犯罪者とエンカウントするとは思ってもみなかった。というか他国からのスパイまで私を詮索してくるってどういうことだ? 百歩譲って日本のヴィランに命を狙われるのは納得するとしても、海外のスパイやら暗殺者に命を狙われることは納得できん。どんだけ私を危険視してるんだこの世界は。日本は許しても世界は許しません....ってか? 泣いていいですか。
「なぁステ魔......梨奈、この世界野蛮過ぎじゃね?」
「気にしたら負けだ魔理沙。都市が機能しなくなって、歩く人間全てモヒカンヒャッハー肩パットの世紀末な世界に比べたらまだマシな方だ」
「なんで北斗の拳と僕のヒーローアカデミアを比べるんだよ......、世界観まるっきり違うじゃねーか」
「ちょっとは心に余裕が出来るかなと思って言ってみた魔梨奈さんの配慮です〜。遠慮なく受け取ってください。......まぁ、そんなこと喋ってたら学校着いたけどね。」
いつの間にか雄英高校の門前までたどり着いた私達。瞬間移動を使ってないのにまるで一瞬で雄英高校にたどり着いた気分だ。てことは毎日歩いて登校すれば暗殺者やスパイを逮捕出来る上に一瞬で雄英高校に着いた気分になれるのか。一石二鳥じゃあないか!
なんてふと考えてみたが、すぐさまこの案を脳内で却下した。高揚とした気分などつかの間であり、ふと襲われた時のことを思い出せば、あのあまりの理不尽さに腹が立って心がダダ下がりクライシスになる。一石二鳥どころじゃない、三石零鳥プラス大怪我だ。何言ってんだか自分でもわからん!!
意味の無い思考に悩まされる魔理沙だったが、背後から生物の高速接近反応を感じ取ったことですぐさま臨戦態勢をとった。また暗殺者が私の命を狙いに来たのだろうか。人間にしては中々の速度だが、その程度では今からやる私のラリアットを避けることはできまい。まぁ、足の速さと攻撃を避ける速さは別物だがそこは気にしてはいけない。安心して死ねぇい!!
「魔理沙く〜〜〜〜〜んッ!!」
「なんだ飯田くんじゃあないか」
どうやら暗殺者ではなく、走ってきたのはクラス委員長の飯田天哉であった。
「......ハァ、ハァ、ハァ...」
「...随分と個性全開で走ってたみたいだけど、どうしたの? 暗殺者にでも襲われたか?」
「.....ハァ、君にッ...ハァ......っ言いたい事があって......、ッハァ、走って......来たんだ」
「......おう、わかったから落ち着け。な?」
「っハァ、すまない。この状態じゃあ言いたい事も言えなくなってしまう。少し待っていてくれないか?」
飯田天哉はスー、ハーと全身カクカクさせながら深呼吸し心を落ち着かせた。そして私の方にクルッと向き合い、少し咳払いをした後、大声で叫んだ。
「僕の大切な兄さんを救ってくれてありがとう!!!」
「「は、ちょっ!? バカお前静かにしろ!! バレるだろーが!!!」」
「すまない!!」
いきなり何を言い出すかと思えば、大声で言ってはならない機密事項を声高々に叫んだ飯田くん。自分の気持ちに正直すぎる余りとんでもないことを叫びやがった。警察との取り決めでステインのことは内密にと言われてんのに!!
一応、「僕の大切な兄さん...」まで聞こえた瞬間にルナチャイルドの周りの音を消す程度の能力で消したから大事には至らなかったが、危ないところだった。
「......まぁ、その、お兄さん元気だったか?」
焦りを沈静化するために取り敢えずお兄さんの様態を聞いた。
「あぁ、兄さんは無事だ。今は病院で安静しているが三日で退院だそうだ。魔理沙くん、本当にありがとう」
「気にすんな、クラスメイトだからな。」
直角九十度で礼を申し上げた飯田くんに私はニコッと笑い返す。やはりヒーローは良い、人にありがとうやお礼を言われた時の清々しい気分は私に自分の在り方を教えてくれる。
ちょっと気分に浸っていると、突如として飯田くんが曲げていた腰を元に戻して背筋を伸ばし、右腕を九十度に曲げてロボットダンスのように腕をカクカクと動かしながら声を出した。
「だがしかし、だがしかしなのだよ魔理沙くん!! 相手がどんなに凶悪な犯罪者であれ、許可も無しに個性を無断で使用して人を傷つけるのは法律違反だぞ魔理沙くん! そこをちゃんと理解しているのかね!」
「えっあっ、......ハイ」
「いつ警察に捕まってもおかしくないんだぞ! そこをもっと深く考えたまえ!」
「ハイ......。」
「仮に君が捕まったとしても、飯田家総出で君を助けると僕の父さんと母さんと兄さんが言っているから、心配はしなくてもおそらく大丈夫なはずだ。が! 君はしっっかりと反省して次また同じ間違いをしないよう気をつけるのだぞ。では魔理沙くん、また教室で会おう」
スイッチが切り替わったかのように注意を受け、さらに置いてかれた魔理沙たち。あっという間過ぎてただ飯田の背中を眺めることしか出来ない。
「それと魔梨奈くん! 君からもちゃんと魔理沙くんに言っておいてくれ! あまり無茶をしないようにと!」
それだけ言うと飯田くんは全速力で校舎内に入ったかと思うと、廊下を走らないというルールに乗っ取って、ロボットのようにカクカクと1年A組の教室まで歩いていった。
急に疲れが襲い、溜息を漏らす二人。
「だってよステ魔理。もう二度と法律破るなよ(棒)」
「お前が言うな私。とにかく、私の存在がちゃんと確立していることが証明されたからさっさと教室入るぞ」
「へーい」
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〔五時間目の授業5分前〕
登校してからは特に何事もなかった。魔梨奈に関しても特に言及はされなかったが、爆豪と轟くんにジロジロと見られたのだけはちょっと引っかかった。が、まぁ気の所為でしょう。能力の中で最も強いとされる干渉系の効果を受けてるんだから、バレるはずがない。
そんなこんなで魔梨奈と一緒に昼食を取り、教室のドアを開けて足を踏み入れると、久しぶりのクラスメイト達がガヤガヤと話し合っているのを目撃した。
「超声かけられたよ来る途中!!」
「私もジロジロ見られてなんか恥ずかしかった!」
「俺も!」
「俺なんか小学生にいきなりドンマイコールされたぜ」
「ドンマイ」
「何話してんの皆様方〜」
いつもは自分から話しかけることなど滅多にない魔理沙だが、最近ロクな目にあってないため、誰かと話して心を癒したいという気持ちが強くなり、取り敢えずいつもの調子で話しかけてみた。
「あっ! 魔理沙に魔梨奈!! そういえば魔理沙は行く途中どうだった!? 声かけられた!?」
「どーなの!?」
目をキラキラさせながら食い付いてくる芦戸と葉隠の様子に、魔理沙と魔梨奈は若干たじろいだ。
「あぁ、まぁ、声かけられたわ(犯罪者に)」
「やっぱり!!」
「そりゃあ雄英体育祭で三冠取った王者だもんなぁ! 注目されないわけが無い」
「流石は魔理沙ちゃんだわ。やり過ぎだけど」
「いつにも増して戦い方がすっげぇハデだったもんなぁ! めっちゃヒーローから指名来てるだろうな!」
「あはは、あざす」
過程はどうあれ三冠取ったことを褒められて、嬉しい気持ちになる魔理沙。なんか久しぶりの会話にちょっとだけ気分が舞い上がる。結依魔理沙は陰キャだった?
「魔梨奈は大丈夫? 今回も体調不良で参加出来なかったけど、体の具合はどう?」
「あぁ、今日は大丈夫だ」
「お前がいないと魔理沙を止められる奴が誰一人いなくなるからなー、しっかり頼むぜ!」
「無事で良かったわ。ケロケロ」
「またよろしくね魔梨奈ちゃん!」
「うん!」
「おはよう」
楽しげに会話を繰り広げていると、相澤先生が挨拶と共に教室のドアを開けた。と同時にクラスメイト全員がピタッと会話を止め、姿勢を正して椅子に座った。僅か1ヶ月と半分で身につけた1年A組の技だったが、相澤は特にツッコミも入れずに教台の前に立った。
「えー今日の"ヒーロー情報学"、ちょっと特別だぞ」
特別、という言葉を聞いて多くの人が心の中で大きく反応した。相澤先生が特別という授業、それで思いつくことと言えば小テストとかだろうか。私はなんにも覚えてない。死んだわ。
「『コードネーム』、ヒーロー名の考案だ。」
「胸ふくらむヤツきたああああああああ!!」
1年A組に響き渡る歓声、今までの出来事の中で一二を争うほどの喜びっぷりに相澤は内心保護者にも似たような、微笑ましい気持ちに陥る。が、合理主義者である彼は直ぐに切り替え、生徒達に興奮を抑えるよう注意を促した。
静かになったところで話を再開する。
「というのも先日話した「プロからのドラフト指名」に関係してくる。指名が本格化するのは経験を積み、即戦力として判断される2、3年から...、つまり今回来た"指名"は将来性に対する"興味"に近い」
「卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセルなんてことはよくある」
「大人は勝手だ!」
厳しい現実に峰田は憤慨した。
「頂いた指名がそんまま自身へのハードルになるんですね!」
「そ。でその指名の結果がこうだ」
相澤がポンと黒板を叩くと、A組の指名件数が棒グラフ化された表が黒板に投影された。何処から投影されてるのか全く見当もつかないが、なんか黒板に投影されてた。
「だーーー白黒ついた!」
「私の名前なーーーーい!」
「一位と二位逆転してんじゃん」
「轟と違って性格が地雷だからビビって取り下げたんじゃね?」
「ビビってんじゃねーよプロが!!」
「流石ですわ轟さん」
「ほとんど親の話題ありきだろ...」
「20! 20!」ユッサユッサ
「うむ」
「やったな緑谷! 400越えじゃねーか!」
「......もっと鍛えなきゃ」
それぞれが結果に対する反応を見せ、再びガヤガヤと話し始めた1年A組。結果を振り返って自分の反省点を探すものや、素直に喜ぶものなどいたが、このグラフを見て誰もが疑問に思うことがあった。
一人、忘れてはならない人物の名が載ってないのだ。
「......変ね、魔理沙ちゃんの名前が無いわ」
「あっっ! ホントだ......確かに魔理沙の名前がねぇ!」
「どういうことだ....?」
クラスメイト全員が抱いた疑問、それは結依魔理沙への指名が一件も表示されていないことだった。
「雄英高校体育祭史上初の三冠を制覇した最強の師匠がどのヒーロー事務所からも指名が来なかった理由として考えられることは三つ。一つ目は師匠の圧倒的な力に他のヒーローが恐れて指名を入れなかったからしかしその場合だとかっちゃんの指名件数の多さを説明することが出来ない上にどんなに暴虐的な個性だったとしても一件も師匠に舞い込んで来ないのは明らかに異常と言っても過言ではない。二つ目は師匠の何かしらの事情によって指名が一つも入らないからこれが僕の中で最も可能性が高く師匠だからこそ納得出来る答えだと思う。これは憶測に過ぎないが師匠の人外じみた個性を危険視した政府が師匠に対して何かしらの制約または協力関係を結び他のヒーロー事務所にヒーロー公安委員会を通して師匠への指名をさせないよう連絡していたとしたら今現在の状況について納得g」
「おいどうした緑谷!? 緑谷! おい緑谷!! 緑谷が壊れた!」
初めてクラスメイトに見せる緑谷出久の本性。その豹変ぶりに驚いた峰田は正気に戻すべく緑谷の身体を上下左右に降ったりなど、いろいろ試みた。が、緑谷のブツブツが止まる気配は無い。
「......よって師匠は誰からも無下に扱ってはならない最強の存在であり、オールマイトは僕の嫁。
「緑谷が死んだーーーーーッ!?」
「このひとでなし!」
「あーあーあーお前ら静かにしろ。魔理沙、起立してこの問題について回答を。ただし手短にな」
「あーやっぱこうなるかぁー、仕方ない私が教えてあげよう」
私はゴホン...と咳をしながら席を立った。そして相澤先生に言われた通りに手短に理由を伝える。
スゥゥゥーーッ
「実は私、正式にヒーローになりました。」
「へぇ〜〜〜、......へっ?」
「「「ええええええええええええええええええええええええええ!!?!?」」」
驚愕の事実に誰もが唖然とした表情でガチガチに固まり、身震い一つ起こさない石像と化した。
「それってつまり、魔理沙ちゃんは正式にヒーローとなったから職場体験をする必要が無くなったということなのかしら?」
「その通りだぜ梅雨ちゃん。もう学校通う理由の半分が消滅したな」
「じゃじゃじゃあもう既にどこかのヒーロー事務所に所属してるってことか!!?」
「事務所に所属はしてないが一応政府...、正確にはヒーロー公安委員会直属のヒーローという扱いになった。多分そろそろ発表されると思う」
「なんで!?」
「秘密!!」
未だにポカーンと呆気に取られたままの1年A組だったが、時が経つにつれて魔理沙の言葉の真意を理解した。魔理沙の言ったことを簡潔に述べるなら、魔理沙は飛び級に飛び級を重ねてヒーローとして立つべき場所まで一気に登りつめたということだ。意味がわからない。
「まぁ、そういうことだ。話がそれたがお前らには指名の有無関係なく、いわゆる「職場体験」ってのに行ってもらう」
相澤が話のレールを元に戻したが、何名かはまだ別の世界に置いてかれているようだ。が、合理主義者の彼は容赦なく彼らを放置して話を進めた。
「おまえらは一足先に経験してしまったが、プロの活動を実際に体験してより実りのある訓練をしようってこった」
「それでヒーロー名か...」
「たっ、楽しみだなぁ」
砂藤力道とお茶子が納得したかのように頷き、職場体験の雰囲気を夢想する。が、さっきの出来事が印象的すぎて心に重りがついたようだ。
「まぁ仮ではあるが適当なもんは.....」
「付けたら地獄を見ちゃうよ!!」
クラスに颯爽と入ってきたのは、一学年主任のミッドナイト先生。どうやらさっきまでの会話の内容を聞いた上にタイミングを計って登場したようだ。
「この時の名が! 世に認知されそのままプロ名になってる人多いからね!!」
「「ミッドナイト!!」」
「まァそういうことだ。その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう。俺はそういうのできん」
ミッドナイトに生徒のネーミングセンスの査定を全任せにした相澤は、ゴソゴソと寝袋を取り出して寝る準備を開始した。
「...将来自分がどうなるのか、名をつけることでイメージが固まり、そこに近づいていく。それが「名は体を表す」ってことだ」
「"オールマイト"とかな」
そう最後に告げると、相澤先生はたったの2秒で熟睡に入った。この人やる気があるのか無いのかハッキリと区別出来ないぞ。
とはいえ、魔理沙は既にヒーロー登録の際にヒーロー名は決定していたので何も問題は無かった。
(あ......やべ)
問題は無かったが......
(魔梨奈のヒーロー名どうしよう......ッ!)
やめて! 魔理沙の世界に干渉する特殊能力で、今まで築き上げてきたフラグを焼き払われたら、何度も夢想した最終回が消滅して作者の精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないでネーミングセンス! あんたが今ここで倒れたら、母さんや魔梨奈との約束はどうなっちゃうの? 小説はまだ生き残ってる。ここを耐えれば、堀越に勝てるんだから!
次回、「ネーミングセンス」死す。
魔理沙「えー、皆様に魔梨奈について補足説明をさせて頂きます」
魔梨奈「いつにも増してかしこまってるな。らしくないぜ私」
魔理沙「バカヤローお客様は神様だって小学校で習わなかったかあぁん? 作者は最終回を書きたいという欲でも動いてるけどな、それ以上に皆様がお気に入り登録してくれたり暖かい感想を送ってくれるのが作者の活動の源泉になんだよJK」
魔梨奈「お前もJKじゃねぇか....」
魔理沙「えー、それでは補足説明です。魔梨奈を雄英高校に存在させようとした時に、最も頭を抱えたのは今まで経験したイベント(戦闘訓練やUSJ事件、雄英高校体育祭など)の史実をどうするかでした。無理矢理に、イベントに参加していたと設定すると設定された史実と本来の史実との間に歪みが発生し、そこに世界の自浄作用が働くと、設定した史実はキレイさっぱり落ちてしまいます」
魔梨奈「分かりやすく言うと、セロハンテープの上に油性ペンで黒く塗りつぶしても、ちょっと擦るだけで直ぐにインクが落ちるの見たことあるでしょ? アレといっしょ」
魔理沙「それを回避するために、私らは「魔梨奈はイベント時に調子を崩す虚弱体質」という設定をしました。こうすることで丸く収まりました」
魔梨奈「ちなみに自分で自分の干渉効果を受けることはありません。ただ周りがそう思うようになるだけです」
魔理沙「だから魔梨奈がこの設定を忘れると、ワンチャンクラスメイトに不審に思われるから気をつけてな」
魔梨奈「はいはい」
魔理沙「他に何か質問がございましたら是非感想欄にてメッセージを送ってください。心よりお待ちしております」
魔梨奈「質問の内容は問いませんので、ご自由に何なりと申し上げ下さい。紳士(笑)な回答が返ってきます」
魔理沙「露骨な感想稼ぎはこれにておしまい。ではまた次回にて」
終
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NHK