最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE:   作:マスターチュロス

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だんだん投稿スピードが落ちます。ワンチャン1ヶ月くらい途切れる可能性もあります。ご了承ください。

あと前回、"覚悟してください"という思わせぶりな発言をしてしまいましたが、まだかかりそうなので気にしないでください。気にしないでください(ホモは二度刺す)。







それぞれの思い(54話)

 

 

 

 

前回、保須市の人々が多量出血で死にかけたところを魔理沙の能力で復活させた。ただし、原因を作ったのも魔理沙なので結局は自業自得というかマッチポンプというかなんというか。初日から何をやっているんだと、担任の先生にドヤされかねないが隠蔽すれば問題なし。私は事実の隠蔽に関しては園児の頃から手馴れているからな、隠蔽しちゃうぜ。

 

あの後、しばらく保須市のパトロールを続行していたが特に何も無かった。おかしいな、我が家から雄英高校までの通学路にはアホみたいにアサシンやら狂信者やらヴィランがいたというのに、この街には一切いないぞ。治安良すぎないか? いや我が家の周辺が異常なまでに治安が悪いのか。母さんと引越しの相談でもしようかな。

 

なんて思い耽るのもつかの間、時刻はもう夕刻となってしまった。

 

「僕はそこのコンビニで買ってくるけど、マリッサも買うかい?」

 

気遣ってくれたのか、マニュアルが私を誘った。

 

「いや、私は料理出来るので大丈夫です。なんなら作りましょうか?」

 

「ほ......、いや僕の分は大丈夫! 少し待ってて」

 

あのマリッサの料理......と興味本位が湧くが、今までのマリッサの行いを見て危険と判断し、丁重に断る。胃が爆発する料理とか食わされるかもしれないと、失礼ながらも警戒してしまうマニュアルだった。

 

「......連れないなァ」

 

期待外れとも言いたげな声で魔理沙は呟いた。

 

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

《緑谷出久side》

 

am.10:54

緑谷出久は先代ワンフォーオールの継承者の盟友『グラントリノ』からの指名により、職場体験として出向くことになる。オールマイト情報によると、グラントリノは昔雄英高校に1年だけ務めたことがあり、学生時代のオールマイトを実践訓練でゲロ吐かせるほど鍛え上げた、まさにスパルタ先生と呼べる人であったらしい。しかし現在はそれなりに時が過ぎたこともありかなりのご老人になってしまったが、まだまだヒーローとして活動出来るほどの活力は残っている。とにかく、かなり凄いスーパーお爺ちゃんなのだ。

 

そんなスーパーお爺ちゃんの元で緑谷出久は何をしているのかというと......

 

ドゴォ!!

 

「ヘブぅウぅッッ!!?」

 

「どうした9代、オールマイトはこんな壁ちょちょいと越えていったぞ」

 

「ちょっ......ちょっと待っ、ちょっと待ってください! さっきから僕! 何でこんなに殴られなきゃいけないんですか!!」

 

「何でって、お前は体は割と完成しているからな。ただひたすらに実戦練習よ」

 

「いきなりドア開けたらケチャップでびちょ濡れのお爺さんがいて、ちょっと心配したら急に体を触られて、「よし、その身体なら特に問題はないな」とか言われて急に「今から実践練習やるぞスタート」って言われても状況が頭に追いつかくて訳がわかりません!!」

 

「つべこべ言うな焦れったい、強くなりたいならさっさと実践練習だ!!」

 

「返事!!」

 

「イエッサーッッ!!!!」

 

 

流れのままに実践練習を始める緑谷出久。さっきのパンチ具合から、かなりの強者であると察した緑谷は最初からフルスロットルで迎え撃つことにした。常時ワンフォーオール フルカウル 10%と見聞色の覇気を組み合わせた最強のスタイルで老獪な戦士と向き合う。両者共に覚悟が決まったようだ。

 

「デトロイトスマッシュ!!」

 

「遅い......が、狙いは悪かぁねぇな...ッ!?」

 

胴体目掛けて放った緑谷のデコピンデトロイトスマッシュを個性『ジェット』で大きく右側に避け、壁に張り付いたグラントリノ。だがいつの間にか第二の攻撃が目の前に迫っており、咄嗟に天井へと回避する。なんて反応速度の速さと躊躇のなさ、いったい誰に教えてもらえばこんな化け物地味たことが可能なのやら。

 

「.......ッ外した!」

 

「小僧......なかなかやるな。もう教えることないかもなァ」

 

「.....いえ、仕留めたはずなのに避けられてしまいました。僕はまだまだです」

 

「上昇志向......最近の若者は随分たぁ元気なもんだ」

 

「まだいきますよッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

「いい動きだ小僧。しかし攻撃が単調だ、もっと工夫をこらせ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

「さっきより若干動きが鈍いぞ小僧。もっと頑張らんか!!」

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおお!」

 

「どうした、へばったか!! オールマイトならこんな壁ちょちょいと越えていくぞ!!!」

 

 

 

 

 

「おぉぉぉぉ......もう.........無理」

 

「おーい小僧、大丈夫かー」

 

 

 

 

このノリで計6時間、緑谷はグラントリノと永遠に殴り合いを続けていた。最初の2時間は非常に良かった。動きも見切れていたし、それなりに仕留められそうな瞬間もいくつかあった。が、時間が経過するごとに動きを読まれるようになり、3時間後にはほとんど攻撃が当たらず、5時間後にはもう全ての攻撃にカウンターを合わせられてしまい終始ボコボコであった。地獄だ。

 

この実践訓練で緑谷は己の短所を嫌というほど思い知った。長期戦に対する脆弱さ、単調な攻撃パターン、個性の使い方がまだ荒削りなとこ、その他もろもろ直すべき部分がたくさんあった。しかし緑谷はめげない、むしろ自分はまだ強くなれるんだと期待を抱いていた。体育祭では師匠やかっちゃん、轟くんが快進撃を見せていたが、自分はまだ何もなせていないことに悔しさを感じたあの夜。師匠の新たな特訓の提案を試してみたものの、成長を一切感じられなかった自分の不甲斐なさ。今ここで、過去の自分自身をも凌駕するほど鍛え上げれば、僕は最高のヒーローに一歩近づくことが出来る。今まで感じてきた悔しさも不甲斐なさも、全てこの日のためのものであったと証明出来る。よし、この三日間頑張って師匠やかっちゃんに成果を見せるんだ!!

 

寝ていた体を無理やりたたき起こし、緑谷は立ち上がる。

 

「........ぅおおおおおおおおおお!!!!」

 

「さぁ! ドンドン僕をしごいてくださいグラントリノ! 僕はまだまだやれます!!」

 

真っ直ぐな目を向ける緑谷。やる気は十分だ。

 

「いや、今日はもう終わりだ小僧。飯食って寝るぞ」

 

「えっ.....?」

 

「老人の就寝時間ははぇーんだ。そんなにやりたければ外で自主練でもしてな。俺は寝るぞ」

 

え?

 

 

 

 

 

 

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《爆豪勝己side》

 

 

ベストジーニストから指名が届いていた爆豪勝己は、さっそく事務所に向かっていき無事到着した。おそらくベストジーニストがよりに腕をかけて育て上げたサイドキック達と乱戦または勝ち上がりタイマンバトルを行い、最後にベストジーニスト本人と手合わせする......という最高のシナリオを脳内に打ち立てていたのだが、現実はそこまで世紀末ではなかった。

 

「正直、君の事は好きじゃない」

 

「は?」

 

ジーニストの好きじゃない発言に首を傾げる爆豪。好きでもない奴を指名する人間がどこにいるというのか。考えが全く読めず、爆豪はややキレ気味であった。

 

「私の事務所を選んだのもどうせ、五本の指に入る超人気ヒーローだからだろ?」

 

ジーニストの言い草にまたシワがひとつ、眉間に寄ってしまった爆豪。爆豪がこの事務所を選んだ理由は、単に多くの指名の中で最も実力のある事務所だったからだ。No.4ヒーロー『ベストジーニスト』、ファッションセンスも然る事ながら戦闘の才能もある完璧超人。結依魔理沙を倒すための糧としてはこの上なく丁度いい相手であった。

 

しかし何かがおかしい。相手の雰囲気がどうも胡散臭いというか、人を招き入れる態度ではない。何を考えているのか......

 

「指名入れたのあんただろが.......」

 

「そう! 最近は良い子な志望者ばかりでねぇ。久々にグッと来たよ」

 

 

「君のような凶暴な人間を"矯正"するのが私のヒーロー活動、ヴィランもヒーローも表裏一体...そのギラついた目に見せてやるよ。何がヒーローたらしめるのか......」

 

 

「ンだと......」

 

「ちなみに後もう一人、確か『結依魔理沙』だったか.....。彼女も指名しようと思っていたのだが、ヒーロー公安委員に止められてね。非常に残念だよ」

 

「.....クソが」

 

「無念はさておき、君にはまず彼らサイドキックと同じ"訓練"を行ってもらう。"良い子"なら誰でも出来る簡単な訓練だから、それが終わったら君の大好きな"戦闘訓練"をやろう。やってくれるかな?」

 

「はン、上等だ。直ぐにテメェをぶっ潰してあのボサボサ野郎より強くなってやる!!」

 

「......グッド」

 

 

 

その後爆豪は、この事務所を選んだことを後悔することになる。

 

 

 

 

 

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《轟焦凍side》

 

 

轟焦凍は父親であるエンデヴァーから指名が入っており、念入りな損得鑑定と心の折り合いの末、ついにエンデヴァー事務所に行く事が決定した。例の件より未だに父親のことを許す気がない轟だが、自分の成長のためと、父親のヒーローとしての仕事ぶりを見届けるためにと上手く理由を作り、静かに目の前の扉を開く。

 

「やっと来たか焦凍......待ちくたびれたぞ」

 

「親父......、何だこれは」

 

轟焦凍は、自分の目の前に広がっている光景を信じることが出来なかった。見覚えのあるクラスメイトの絵(手描き)が燃えカスとなって周辺に散らばり、父親はやはり見覚えのあるクラスメイトの絵(手描き)が張り付けられたサンドバッグを延々と殴り続け、壁には完全に見覚えのあるクラスメイトの名前(手書き)と、その左に打倒! という文字が貼っつけられている。

 

轟は疑った。コイツは本当に自分の父親なのだろうかと。

 

「......結依に何かされたのか」

 

「少し黙れ焦凍よ。今忙しい」シュッ!シュッ!

 

「......何かあったのか」

 

「黙れェェェ焦凍ォォ!! それ以上言うなァァァ!!!」シュッ!シュッ!バゴォ!!

 

触れられたくなかったのか、エンデヴァーは殴っていたサンドバッグを思い切り吹っ飛ばし、壁に激突させる。その振動が事務所全体に伝わり、サイドキック達が慌ててエンデヴァーの元に集おうとしたのは完全なる事故だが、轟焦凍は気にしない。

 

しかし、結依魔理沙関連で触れられたくない事があるならばなぜ隠そうとしないのか。なぜいかにも手描きで書かれた結依魔理沙の絵がそこら中に炭火焼きの状態で放ったらかしにするのか。なぜ家ではなく事務所の壁に『打倒! 結依魔理沙!!』(しかも墨汁で力強く書かれている)の文字を貼っつけるのか。それは人としてどうなのかいろいろと問いただしたい気持ちでいっぱいの轟であったが、それら全てを心の内に押し込み、本題に入ろうとする。轟はツッコミキャラではないのだ。

 

「親父......いいからさっさと炎の扱い方を教えてくれ。三日しかねぇんだ」

 

轟の言葉にピクっと、反応を示すエンデヴァー。今まで散々炎熱(左側)の個性の使用を毛切らっていたあの焦凍が、自分から積極的に学ぼうとしていることを。滅多にないチャンスにエンデヴァーはさっきまで患っていた誰かさんに対する因縁を振り払い、焦凍を鍛えることに思考をチェンジする。

 

「焦凍......いいのだな。昔のような生半可な覚悟では乗り越えられない特訓だと自覚した上での言葉だと受け取っていいのだな?」

 

「構わねぇ。俺もオールマイトのように強く...」

 

「......ついてこい。案内してやる」

 

轟を手招きしつつ、エンデヴァーは事務所のオフィスから退出した。その背後に轟は黙ってついていく。迷いは無い。この三日間で結依や爆豪、緑谷達と張り合えるほど強くなって、経験を積み、最高のヒーローに俺もなる。そのためならあの親父の力を借りることさえ厭わない。

 

 

轟焦凍の炎はまだ燃え始めたばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

「焦凍、特訓中の私語は禁止だ。特に『オールマイト』、『結依魔理沙』という単語を口にした瞬間に即刻特訓を中止すr」

 

「うるせぇ」

 

 

 

 

 

 

 







そんなに書くことなかったのでボリュームは少なめ。久しぶりに緑谷達の話を書けた気がする。


緑谷くんはかの魔法使いに大改造され、体はもう器としてだいたい完成しています。なのでオールマイトと同じ実践練習のオンパレード。後に緑谷は語る、「師匠より無茶苦茶じゃない分マシ」と。


不良大好きベストジーニスト。もしも爆豪と魔理沙が彼の事務所で鉢合わせたら、いつも通り喧嘩になって事務所が消滅していたでしょう。やったね。


殺意もりもりエンデヴァー。まだ試験の時の出来事を引き摺っているらしく、この状態で再び魔理沙と出逢えば「もう一度勝負しろ結依ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!」と凄みを効かせながら迫り来るでしょう。ぜひ塚内くんに通報してあげてください。



次から職場体験3日目まで緑谷sideが続きます。よろしくお願いします。



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