最強の魔法使い(自称)が暴れるそうです。RE: 作:マスターチュロス
「ある研究者は言った、『"個性"は人の奥底に眠る"深層心理"の現れである』と。増強系個性は内に秘める闘争心から発現し、属性系個性は本来の性格に起因し、異形系は自分自身の解放を願う。血液型占い並に信用ならんが、これを元に考えると彼女の個性は一体どこに当てはまる? 全てを持つから、全ての性質に当てはまるのだろうか。全てを持つから、他者の性質をより理解出来るのだろうか。全てを持つから、誰よりも優しく、誰よりも残酷で、誰よりも優れていると言えるだろうか」
「否」
「全ての個性を持つことは、全ての性質に当てはまるのではない。
「全てを持つことは、ある特定の分野に突出した力を一切持たないことである。全てを持つことは、自己完結しているがために他者との関わりを一切持たないことである。全てを持つことは、完全であり不完全である」
「それ即ち、無個性である」
「それはただの受け皿である」
「だから
「だが人は変化する。変化し続けながら生きている。しかし、変化しない人間が存在したとしたら?」
「それ即ち、『異形』である」
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家族である魔梨奈をステインとかいうハゲジジイが身体、精神諸共乗っ取り、殺意増し増しな結依魔理沙。眼光は赤く染まり、比類なき力を惜しみなく使って名もなき惑星諸共破壊する。
「死に失せろォォォォォッッ!!」
両手に蒼白い雷光を纏い、重ね合わせることで宇宙空間に巨大な雷撃を発生させる。轟音を轟かせながらステインに迫っていくが、ステインはその攻撃が当たる直前でジャンプし、手に持っていた日本刀にさっきの雷撃を纏わせた後、魔理沙に向かって反撃を放つ。
だがステインは跳ね返した雷が直撃したかどうかなど気にすることなく、次の行動に移した。案の定、ステインがさっきまでいた場所には剣山が出現し、さらにステインを追うように次々と地面から出現する。
目の前に突如として現れる車両進入禁止の看板や忘れ去られた路面電車、伝説の剣、高層ビルを避け続け、ステインは大量の魔法陣を形成し、炎、氷、土、風、闇、光、あらゆる属性のレーザーを魔理沙に向けて放出した。
「甘いッッ!!」
魔理沙は全身を「覚醒ネコムート」と呼ばれる古代兵器(人型のドラゴン)の姿に変えると、驚異的なスピードでステインに接近する。無数の属性レーザーが魔理沙を襲う。だが魔理沙はその発達した両腕でレーザーを無理やり屈折させた。
「チッ」
ステインは舌打ちをしつつも、魔理沙との衝突に備えて岩盤の壁を形成する。不慣れで出来の悪い壁だが、厚みを増やすことで衝撃を緩和。
だがその壁は魔理沙の一撃により一瞬で瓦解する。
「残念だったな。私の腕はどこまでも届くぞ」
「はァ、残念なのはテメェの方だ。周りを見ろ」
魔理沙が砕いたことにより飛び散った岩の破片。それらが空中でピタリと急停止すると、破片の一つ一つが禍々しいナイフのようなものへと変化する。
「…………魂撃付与か」
「さぁな。刺されば分かる事だ」
至近距離からの全方位攻撃。さらに肉体ではなく魂に直接攻撃を与える「魂撃」の効果が乗った無数のナイフに囲まれた魔理沙。だが魔理沙は引かなかった。引かずに魔理沙はステインに突っ込み、その首を鷲掴んで地面に叩き下ろす。
「ッッ!!?」
「残念、どんなに凶悪な技だろうと、
どこかで聞き覚えのあるセリフを吐きながら、魔理沙はステインを地面に引きずりながら小さな惑星を10周した後、惑星の重力圏外まで上昇する。そして真上からステインを惑星に向けて振り下ろし、ステインと地面が衝突するタイミングを見計らって魔理沙は
星諸共爆発させた。
「これで六個目…………、そろそろ諦めてくんないかなぁ」
魔理沙は慣れない身体で戦うステインをいい事に惑星に叩きつけては爆発、叩きつけては爆発を繰り返して来たが、一向にステインは諦める気がない。そんなにこの身体が気に入ったのだろうか。確かに便利だし毎日能力で遊んでいても飽きないが、かなり特殊な人生を送ることになる。前世の方がもう少しマシだったかもしれない。もうほとんど覚えてないが。
「さぁてステインは何処にいるのか……」
広大な宇宙空間の中を見渡す。星の爆発に巻き込まれたならば、かなり遠くまで吹き飛ぶはず。正直に言うと裸眼じゃ探しようがない。探知能力でステインの所在を探るが、その直後巨大な大剣の一撃が魔理沙の脳天に炸裂し、真っ二つに両断した。
「…………なーんだ、そんなとこにいたのか」
魔理沙は切られた自身の体を、素手で断面を押し付けることで修復する。約200キロ先に双剣を構えたステインを発見する。こちらの脳天に届かせるには明らかに長さが足りてないが、恐らくオーラを纏って足りない長さを補っていたのだろう。
「結局、二刀流に修まるのね。もったいない」
やれやれ……、とでも言いたそうに魔理沙は首を左右に振る。
「あァ、いいんだ。戦い方を間違えていたからな、今度は俺流のやり方でお前を狩らせてもらう」
ステインは双剣を
「あーそう。ま、そろそろ地球に戻らないと世界観が崩壊しかねないし、決着と行こうか」
魔理沙は姿を元に戻すと、全身から泡紫のオーラを放出し、潜在能力を極限まで高める。対するステインもオーラを放ち、魔理沙を見据えた。
「
「あァ、
「殺れるもんなら……」「殺せるものなら……」
「「
咆哮と同時に両者は宇宙空間を翔る。魂撃が付与されたステインの双剣と強烈なオーラを纏った魔理沙の両腕が、星と星の間にて激突する。両者共に大量のエネルギーを体内に保有するため、衝突の際に発生するエネルギーは星の輝きに匹敵するほど光量を誇っていた。
二人は瞬時に距離を取ると、再び衝突し殴り始める。自己流のCQCによる関節への直接攻撃を防がれたステインは三次元空間を利用した死角からの蹴りを行う。だが魔理沙は瞬間移動で即座に回避し、真上からマスタースパークを放つ。
「フンッッ!!」
ステインは左手に構えていた双剣でマスタースパークを受け止め、魔理沙に向けて跳ね返す。だが魔理沙は既に別の場所に瞬間移動し、ステインに向けて波動砲を放った。その直後、魔理沙の真横に突如マスタースパークが出現。ステインが跳ね返したマスパを空間転移で追撃を図ってきたのだ。だが魔理沙は慌てることなく、光線に向けて人差し指を突き立て、真上へと向ける。光線のベクトルが真上を向き、マスパは魔理沙に当たることなく虚空へと消えていった。
「ゲハァァァァァァァッッッ!!!」
認識不可の波状攻撃。何をされたのか全く理解出来ないステインだったが、結果から述べるとついさっきまで存在していた無数の小惑星や遥か向こうで輝いていた恒星すらも消滅し、完全なる無の世界が目の前に広がっていた。
ステインはやっと理解することが出来た。
「絶対勝てない」と…………
「何故だ、何故俺はアイツに勝てないッ! 身体能力も、個性も同じだと言うのにッ! 精神力だって奴に引けを取らない、いや、むしろ俺の方が強いはずだ! なのに何故!? 何故だ!!」
ステインの全身からエネルギーが漏れだし、光となって拡散していく。
魔理沙は、最後のトドメと言わんばかりに、一気にステインの真正面に近づいた。
「教えてやろう。何故お前は負けるのか。それはだな…………」
「相手が私だから。以上」
魔理沙はトンと
「じゃあな、ステイン。最後にもう一つお前の敗因を言うとしたら、私の家族と友人に手を出したのことだ。俗に言う友情パワーと家族愛が私の力を無限に引き出したのさ。文字通り、私の能力制限を外すほどのな。じゃ、サヨナラ」
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霊体のようなものに触れると、魔理沙は即座に握り締め、破壊した。これによって世界から██████という存在は消滅したのだ。██████って表記されるのは、それを指し示す言葉が存在しないから必然的にこうなっているだけで決して卑猥なものではない。██████が██████に██████して██████の██████がーって言うと卑猥なので、これ以上の██████の連呼は辞めておくとしよう。いやー、なんとか██████を倒せてよかった。
██████の乗っ取りから解放された魔梨奈は未だに昏睡状態にある。病院に連れてきたいがまだ日本の夜が明けていないだろう。しばらくベットで安静になってもらうしか無さそうだ。というかここどこ。まだ太陽系内だよね? オールトの雲の外までは行ってないよね? 大丈夫だよね? 地球に帰るどころか、二人揃って宇宙の藻屑なんて死んでもゴメンだぜ。というか、宇宙の藻屑ってなんだ。それを言うなら宇宙の塵だろうがァーーーッ!
宇宙空間で1人ツッコミという、何とも悲しい姿を晒してしまった魔理沙。別に誰も見ていないので恥ずかしくはない。
後は家に帰るだけ。長い長い戦いはやっと幕を閉じた。元はと言えば体育祭で良かれと思ってやったことが、まさかここまで大事に発展するとは思ってもみなかった。やはり、自重した方が事態は悪化しないのだろうか。考え時かもしれない。
ま、取り敢えず帰ったら魔梨奈とお疲れパーティでも開くとしよう。過去を振り返るより、未来を見つめていた方が楽しいに決まっている。早く林間合宿行きたいなぁ。
魔理沙は魔梨奈を抱えながら、故郷の星へと帰った。
ピキッ
皆様、今年はお疲れ様でした。
メリークリスマス(激遅)
ハッピーニューイヤー(激早)