よまわりさんって戦えるっけ。   作:銀ちゃんというもの

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主人公のチート度が無からどんどん増えてきます。


よまわりさん、スキルを乱獲する

 ………………。

 

 うう、ふわぁ着いたみたい……ひどい目にあった。

 

 そう、ひどい目にあったのだ

 具体的に言うと魔法陣で飛び上がった末に唐突に落下したり浮き上がったり平行移動したりして酔いながらここにきたのだ。

 

 あの神様も冷静になってみればそんな説明もなしに飛ばしやがった。

 何が質問はある? だ、おおありだよ! あの神様、神様なんだからどうせ私がコミュ障なの知ってるんだろうしそのうえでなぜ質問したし! そこら辺考えてくれてもいいじゃんか。

 ……まあ、考えていても埒が明かないしこの体不思議な感じだし不安だからとりあえず一言話してみようかな。

 

「———」

 

 っえ声が出ない! どういうこっちゃ声が出ないキャラってことなのかな? 

 体見てみよっと。

 はっ、黒い……でもこれだけじゃよくわからないなでも決定したのは人外だということだなぁ。

 近くに水ないかな……ってここ洞窟じゃんなんで今まで気づかなかったんだろ? 

 妙に視界が明るかったからかなあ、なんでだろ? まあそれも水を覗き込めば一発でわかるよね。

 なんか腕が増えてる感覚も気のせいだよね……。

 うん、とりあえず歩いてみよう。

 

 そうして歩くとずりずり、ずず、ごりっと奇妙な音が聞こえてくる。

 

 は? いっ今起こったことを説明するぜ! 私は普通に歩こうとした、それだけだそれだけなのによくわからない音が、わっ私も何言ってるかわかんないけどそのようなんだ。

 声が出ない、黒い、動いた時の音、腕が何本かあるようなというか触手のような感覚一つしか思いつかないぞオカシイな私の知ってるキャラだけども! 確かに知ってるけども! いやまだチャンスはあるあそこに水が滴ってるところがあるんだ覗きにいかねばぁ! 

 

 ………………あっ危ない驚きすぎて今私一瞬気絶したぞ。

 いやそんなことはどうでもいい一番大事なのは今水に映った私の顔だ。

 白く丸く横線が入った仮面だった。

 なんだろう、一回あの神殴りたくなってきた。

 

 マジかよ、よりによって転生して憑依したのがよまわりさん、とか聞いてないぞ。

 あの時勇気を振り絞ってきいときゃ良かった「転生先の体はなんですか?」って。

 はぁ……。

 

 うん? いやまてよ、よまわりさんってことは夜遊びしてる子供を攫うのが仕事? だったよな……。

 つまり、合法的に、幼女を攫えるというわけ……。

 って踏みとどまれ私、それ犯罪だから、危ない危ない危うく罪を犯しかけた。あぶなかった。

 でもまあそういうことだよな、そういうことだ。

 

 どういうことだよ、と聞こえた気がした。

 

 まあとにかく元気になったし異世界物と言ったらチートだよな! 

 私、わくわくすっぞ! 

 っとその前によまわりさんの袋を確認してみよう。

 なにが入ってるのか前々から不思議で仕方がなかったからね。

 

 ~よまわりさん確認中~

 

 ………………もう中見たくない。

 結論から言うと闇だった。

 まるでブラックホールのようで触手? を突っ込む気にもなれなかったよ。

 

 気を取り直して次、鑑定さんだ! チートと言ったらこれだよね! ゲットできないかな? 

 

《スキルポイントが不足しています》

 

 おっ今ので二つわかったことがある、この世界にスキルがあるのとスキルポイントとやらがあるということだ。確かに鑑定がゲットできないのは悔しいけどそれなりに収穫はあった。

 って何私頭よさげなこと言っちゃってるんだ。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『暗視LV1』が『暗視LV2』になりました》

 

 なっナイスタイミング! これでこの世界について分かったことは、スキルがある、スキルポイントがある、熟練度がある、自分は少なくとも暗視というスキルを持っていた。ということだね、おそらくだけどこの熟練度というのは、スキルを手に入れるためにもあると思うんだ。

 例えば演算処理みたいなのとか……ありそう。

 

《スキルポイントが不足しています》

《熟練度が一定に達しました。スキル『予測LV1』を獲得しました》

 

 おっスキルゲットだぜ! というか進展多くない? まだここにきて1時間もたってないよ……! 

 でも熟練度が上がったら色々ゲットできることが分かったから演算処理とかあるのも分かったし演算だから計算しまくればいいのかな? 

 久しぶりに九九やーろおっと。

 いんいちがいち、いんにがに、いんさんがさん、いんよんがよん……。

 

 ~よまわりさん九九中~

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『演算処理LV1』を獲得しました》

 

 おっきたきたやっと来た、だいぶ疲れた、九九通り越して62563かける1583とかいう次元にたどりついてしまった。

 しかも途中わからなくなってこれかも! とかやってたら『予測LV6』とかまであがっちゃったよどんだけ上がりやすいのかなこのスキル。

 今ので時間くった気がするけどまあこっちに来たばかりだしいいや。

 しっかし『暗視LV2』なはずなのに暗く見えるぞ、結構な闇だよなぁ

 でもよまわりさんの袋のほうが暗いけど……

 

「────っ!」

 

 目の前に大きな影が……。

 蛙だ、目の前によまわりさんサイズの巨大な蛙がいる。いやな予感がする。

 まだ、戦う手段も見つけてないのに……。

 逃げるか! いや、一回戦闘してみるのもいいかも。やろう、あとお腹すいてきたし

 まずは何をしてくるかわからない最初の1、2発は避けることにしよう、ってうわ! あいつなんか口から飛ばしてきた! うわ、ベトベトだヒリヒリする……酸かなぁ? 

 おっとと、2発目はさすがに避けさせてもらうよ。

 意外と酸のくるタイミングがわかりやすくて戦いやすいかな。

 相手の攻撃は今のところこのベトベト液ぐらいだ今のうちに何か……そうだ触手でそこらへんに転がってる小石投げてみよう! 

 とりゃあ!! 

 

 ………………。

 

 ……いま驚いております。

 何にかというと投げた石が豪速球となって飛んで行って蛙の口を貫通したことにです。

 はい。

 いま驚いておりますって日本語としておかしい気がするけれど、とにかく何が起こったのかわからない。

 

《条件を満たしました。称号『闇ノ王』を獲得しました》

《称号『闇ノ王』の効果により、スキル『闇ノ王LV1』『闇ノ仮面LV1』を獲得しました》

 

 は? ……え? 今、蛙倒しただけだけど……つーかなにさ闇ノ王って……中二病感がすごい。

 

『闇ノ王:夜を廻るものが持つ称号』

 

 ……突如目に映ったのは闇ノ王の解説文。

 え? いままでこんなの聞いても答えてくれなかったよね? どうしてだろ闇ノ仮面の効果かな? ほら、視覚的な意味で。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『予測LV6』が『予測LV7』になりました》

 

 ほんとこの予測ってスキル上がりやすいな、ってそれよりせっかくスキルとかわかるようになったっぽいしステータスとか見れないかな

 

『よまわりさん 名前 なし』

 

 ステータス情報すくな! つーか名前 なし ってあるだろ! もしかして、この世界に来てからのことなのかな? まあいいや気をとりなおして次いこ! 

 あれ、私名前あるよね、うんあった……はず。

 ……うん。

 とりあえずこれ見てる間に敵が現れたらあれだから前に敵がいないかぐるっとない目を凝らしてみないとね! 

 いない……かな。

 洞窟っぽいし狭い通路だからよくわかんないや。

 もっかいじーっと目を凝らして……。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『視覚強化LV1』を獲得しました》

 

 まじかこのタイミングで? 

 視覚強化か……耳とか鼻とかどうかな? 

 何かスキルゲットできないかな。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『聴覚強化LV1』を獲得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『嗅覚強化LV1』を獲得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『触覚強化LV1』を獲得しました》

 

 おおすごいことになったよ。

 よまわりさんの耳とか鼻とかどこにあるのかは知らないけど色々とスキルは手に入った。

 

 こんな時あれが上がりそうな気がする。

 

《熟練度が一定に達しました。『予測LV7』が『予測LV8』になりました》

 

 うわぁ、冗談のつもりだったのにほんとにレベル上がっちゃったよ。

 そういや探知とかそういうスキルないかなぁ。

 

《現在所持スキルポイントは200です。

 スキル『探知LV1』をスキルポイント100使用して取得可能です。

 取得しますか?》

 

 え? ……あるのか。

 これはYESにするしかないよね! 

 

《『探知LV1』を取得しました。残りスキルポイント100です》

 

 よし使ってみよう! 探知! 

 うっいろんな情報が入ってくるちょっと頭ずきずきするな。

 

《熟練度が一定に達しました。『探知LV1』が『探知LV2』になりました》

 

 あっレベル上がった。頭痛いしくらくらする今日はこのくらいにしとこうかなぁ。

 

《熟練度が一定に達しました。『探知LV2』が『探知LV3』になりました》

《熟練度が一定に達しました。『並列思考lv1』を獲得しました》

 

 ……いくら何でもスキルとかゲットできすぎじゃない? もしかしたら持ってるスキルに何らかの効果があるのかもなぁ。

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 予測:予測をするさい、思考能力にプラス補正が掛かる

 演算処理:頭の回転が速くなる

 視覚強化:視覚を強化する

 聴覚強化:聴覚を強化する

 嗅覚強化:嗅覚を強化する

 触覚強化:触覚を強化する

 探知:感知系全てを複合したスキル。概要:魔力感知、術式感知、物質感知、気配感知、危険感知、動体感知、熱感知、反応感知、空間感知

 並列思考:複数の事柄を同時に思考可能になる

 闇ノ王:夜を廻るものが得られる

 [LV1]闇(影、夜、洞窟など暗い場所)にいると熟練度が上がりやすくなる

 闇にいるとステータス補正LV×10がかかる

 闇ノ仮面:夜を廻るものが得られる。スキル『鑑定』のような効果がある

 

 ──────────────

 

 なに、これ……すごすぎでしょぉ……。

 すごいよ。

 まだここに来たばかりなのにこんなに手に入った! 

 次は……何しようかなぁ。


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