よまわりさんって戦えるっけ。   作:銀ちゃんというもの

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よまわりさん、酔う

吸血っ子が目を覚ました。

 

『では、お嬢ちゃんに質問。あなたは転生者ですか? マルかバツで答えなさい』

 

魔王さんが吸血っ子に念話を飛ばす・・・。

 

 

 

わーいいはなしだなー

え、魔王さん泣いてる。

これで感動できるんだ。

えー私と白さんの感性がおかしいのかなぁ?

え?

何があったかって?

ただ魔王さんが悪趣味したりいい話だったりしただけだよぉ。

よくわからない流れになってるけど・・・。

 

「話は聞かせてもらった!君たち、私のもとに来い!私が責任もって保護してやる!」

 

わー。

何だこの展開。

 

「悪い話じゃないと思うよ。なんせ私ってば魔王だし。言っとくけど、この世界で私に勝てるやつなんかほぼいないからね。そんな最強の私の保護を得られるっていうのはお得だと思うよ。君らを襲ってたあの連中は私が目を光らせてる限り手を出してこれないだろうし。おまけに、君らもうまともに人族社会では生きていけないだろうし。ならいっそ、私と一緒に魔族領に行かないかい?」

「私はお嬢様の決定に従います」

『わかった。けど、少し考えさせてください』

「いいよいいよー。大いに悩んでくれたまえ」

『あと、いろいろ話も聞かせてくれますか?』

「こっちが答えられることならなんでも」

『じゃあ、あの、あれ、何を食べてるんですか?』

「ん? 白ちゃんの手料理。メニューはエルフ肉野菜炒め」

 

吸血っ子の顔が物凄い引き攣った。

 

『ねえ、あなた、若葉姫色(ワカバヒイロ)よね?』

 

吸血っ子が白さんに聞く。

白さんは無視して黙々とエルフ炒めを食べる。

 

「白ちゃーん?聞かれてるよ?」

 

魔王さんが白さんの肩をゆする。

無視する。

大きくゆすり始める。

ブンブンと揺すり、イラついたのか白さんのこぶしが魔王さんの顔面にめり込んだ。

 

「世界を狙える右ストレートだ。ガクッ」

 

魔王さんが阿保なことをやってる。

そういえばお酒飲んだら吸血っ子とかとも私も話せるかも。

 

『白さん、さっきパクった中にお酒ありませんでした?』

 

白さんにのみ念話を送る。

 

「あったけど」

 

白さんがひとりでに話し始めたように見えたのか私たち以外が頭にクエスチョンマークを浮かべる。

無視して私が話を続ける。

 

『ください』

「なんで」

『飲んだら私も会話に参加できるかもだからです』

「わかった」

 

白さんがお酒を空間収納から出す。

私が飲む。

美味しい。

要するに。

 

『ふへーこれでコミュ障があれして会話できますー』

 

私は全員に念話を飛ばす。

吸血っ子とメラさんが一瞬驚く。

 

「いやちょっと、現世ちゃん今酔われちゃったら会話が進まないんだけど」

『酔ってなかったら会話できないから同じじゃないですかー』

「イヤ、まあ冗談はこれくらいにして。真面目に喋ってくれないと話進まないんだけど?」

「メンドイ」

「えー」

『ふへー』

「ハア。じゃあ、白ちゃんと現世ちゃんの白ちゃん視点、語るも涙、聞くも涙の冒険譚。この私が聞かせてあげようじゃーないか」

『私も私もー』

 

私と魔王さんは立ち上がり魔王さんは拳と触手を天に突き出してポーズを決める。

 

「1度死んで生まれ変わるは蜘蛛の魔物」

『落ちたる場所は世界最大最悪の迷宮、エルロー大迷宮』

「共食い兄弟から逃げ」

『蛙に殺されかけ』

「蛇と死闘を繰り広げ」

『果てに穴に落つ』

「そこに待ち受けるは深き地底に眠る恐るべき地龍!」

『同じ穴から降ってきた化け物の私!』

「命からがら現世ちゃんと逃げおお」

「『グヘッ!』」

「長い」

 

拳を振り乱しながら熱く語る魔王さんと私を引っつかんで投げ捨てる白さん。

 

「要約すると、あなた達は転生者で、蜘蛛の魔物と化け物に生まれ変わり、エルロー大迷宮から脱出してきたと?」

 

メラさんが的確に答えを出す。

 

「イエス!ザッツライト!」

『あの、アリエルさんは英語が話せるんですか?』

「ん?話せるよ。ああ、それには深いわけがあるんだけど、今は気にしなくていいよ」

「エルロー大迷宮の蜘蛛の魔物、正体不明の化け物。まさか、神獣様と従者様?」

「ああ、それ白ちゃん達だね」

「言っておくけど、戦争は私達のせいじゃないから」

『そうですよー』

『けど、あんたがいなければ!』

「私がいてもいなくても、遅かれ早かれ戦争になってたよ。神言教は女神教を潰したがってたんだから。むしろ私は戦争のダシに使われただけ」

「補足しとくと神言教としては女神教の力を大幅に削ぐことが目的だったから、最悪国ごと叩き潰すことも視野に入れてただろうね。街1つで済んだんだからむしろ被害としては安い方だね」

『でも、でも!』

「運が悪かったと思うしかないよ。世の中理不尽なことばっかさ」

「ところで、神獣様は人の姿を取られていますが、それは幻術かなにかですか?」

「イヤ、白ちゃんは特殊な進化して人型になったの。本質は蜘蛛の魔物だけど、見た目を変えてるわけじゃないよ。ちなみに、前世の姿と似てるのは仕様なのかな?そこらへん私もよくわかんない」

『そうですよー白さんと私達は神化し、ぐへっ』

 

白さんに投げ飛ばされたー。

いててー。

なんでやー。

 

「白織」

『え?』

「今の名前。だから若葉姫色とは呼ばないで」

 

白さんが吸血っ子に言う。

それから吸血っ子は白さんのことを白織と呼ぶようになった。

 

 

 

少し時間がたった。

寝てしまった吸血っ子をメラさんがテントに寝かせる。

 

「メラゾフィス君、君も休みな。吸血鬼になり立てでかなり消耗してるしね。今後どうするかはお嬢ちゃんと話し合って決めればいいさ」

「そうですね。お言葉に甘えさせていただきます」

 

メラさんがテントに消えていく。

 

「さてと。あの子らがどういう選択をするにせよ、私らのやることは変わんない。魔族領目指して行くだけ。白ちゃん的にはのんびり行きたい?それとも急いで行きたい?」

「のんびりだとどのくらい時間かかるの?」

「3年くらいかな。急いで半年くらい。ああ、こっちの基準でね」

「のんびり行こう」

「白ちゃんはそう言うと思った」

 

3年コースなのかー

 

「ところで、鑑定した?」

「したよー」

 

うおー、今の白さんの一言で魔王さんに通じるんだー。

すげぇ、私でも一瞬何のことか悩んだのに・・・。

白さんに魔王さんが鑑定結果を書いた紙を渡す。

 

「弱!」

 

そういった後何かを考えて白さんは簡易ホームを作って就寝し始めた。

私も寝た。




展開が飛びすぎてて我ながらわかりにくい文となっている・・・。

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