よまわりさんって戦えるっけ。   作:銀ちゃんというもの

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よまわりさん、Dと会う

おはようございます。

起きまして。

朝食食べまして。

移動開始であります。

 

魔物も魔王さんの威圧のおかげで寄ってこないし、森の中を歩くだけの簡単なお仕事です。

 

歩いてる途中白さんが魔王さんと私に「毒が入った料理出せば悪食とか毒耐性ゲットできる」みたいなことを相談してきたから実行することになったり、吸血っ子とメラさんに魔闘法を教えたりしたよぉ。

 

 

はい、街に着きました。

私は街の外の森で一人です。

寂しいです。

泣いていいですか?

 

というわけで鋏の修理を数日かけてすることにしたよぉ。

あ、鋏じゃなくて刀にするけどね。

とりあえずまずこの鋏の残骸を高火力の火で溶かして、溶かして、全然溶けねぇ。

神力を魔術に加えてさらに出力を上げたら溶けたので、どうしよう。

打ち刀にしようと思ってるけどまず全く作り方がわからねぇ。

ちくしょう。

とりあえず一塊にしとくかなぁ。

 

よし、魔術開発しよう。

まずはおそらく私が一番得意な隠蔽系かな?

・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・。

・・・・・・。

 

 

 

とりあえず!

思考加速、高速演算、エネルギー変換魔術を再現して。

時間加速、減速、存在隠蔽まではできるようになったよ。

課題は自分に時間加速をかけた後の自分の速度の時間減速が問題だね。

 

と、考えてた時に白さんが目の前に転移してきた。

 

「地球への転移航路完成した」

『マジすか』

「うん」

『えっと』

「うん、地球行こ、自分に隠蔽かけて」

 

言われたとおりに隠蔽かけた瞬間転移させられた。

 

 

聞こえてくるは車の排気音。

見えるはそこには都会とも言えないけれど、田舎とも言えない、そんな微妙なラインのそこそこな規模の駅前の街並み。

日本に帰ってきた。

多分ここは白さんの住んでた街かな?

白さんが「待ってて」と言ってコンビニに入っていく。

 

しばらくたって出てきた。

んで報告してきたことは「こっちじゃ半年しかたってない」とのこと。

 

次にDさんのところに向かってる。

 

あ、牛丼屋。

食いてえ。

お金ないよぉ。

 

「D、お小遣いくれないかな?」

『あれですね、くれたら暫定ご主人様と認定するレベルですね』

「うん」

 

 

駅前から住宅街に移動してとある一軒家の前に立つ。

白さんが待っててと言って鍵を鉢植えの木の根の隙間から鍵を取って。ってそんな場所に入れといてよく土に埋まらないなぁ!

その鍵をもって玄関の戸を開ける。

家の中は静まり返っている。

白さんが迷わず二階へ上がるから私も慌ててついていく。

白さんが二階に上がってすぐ横の扉を開ける。

部屋からは少しだけパソコンの音が聞こえてくる。

私は部屋を覗く。

 

「いらっしゃい、現世。いらっしゃい白織、それとも、お帰りなさいと言ったほうがいいでしょうか?」

 

コントローラーを握る()()()()()()姿()()()()()()が画面を見ながら言う。

 

「私はここに来るのは生まれて初めて。だから、いらっしゃいが正解じゃないかな」

 

白さんが話す。

すらすら話せた理由は私も知っている。

 

「初めまして、でいいのかな? 若葉姫色さん。それとも、Dって呼んだほうがいい?」

 

少女が振り返る。

髪が黒いこと以外白さんと瓜二つの少女が。

 

「初めまして。私の身代わりさんとよまわりさん」

 

白さんのオリジナル。

Dさんが無表情に言った。


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