コミュニケーション能力を現世に分けてください。
なんかよくわからないけど白ねぇさんに吸血っ子と鬼さんがいる部屋に放り込まれました。
ついでにお酒を没収されました。
しかもなんかきまずい雰囲気の部屋に。
「現世、なんであんたまでこの部屋にいるのよ」
「しりません」
「なんでいつもより口数が少ないの、・・・ってあんたコミュ障だったわね」
頷く。
「それで、白さんはなんで僕らを引き合わせたの?」
鬼さんが聞いてくる。
「しりません」
「知らないわ」
「え?」
「知らないわ。何も言われてなかったもの」
「えーと」
あれーやっぱり思うけど私いらないんじゃないって場面最近多いような気がするんだよなぁ。
んなことよりどうしよう。
マジどうしよう。
今、全身全霊で演算処理魔術を行使してるから冷静を保ってるけど。
どうしよう。
「じゃあ、本当にただ会わせるだけ?」
「ではないと思うわよ。この本に多分何か書いてあるんじゃない?」
私抜きで会話が進んでいく。
やったぜ。
部屋で影になってよう。
「あ、そういえばこの本三冊あったわね。現世、あんたも読みなさい」
そういって吸血っ子は本を渡してくる。
無言で受け取って表紙を見る。
『白ちゃんの簡単スキル講座』
・・・。
これ、私に渡す必要あった?
一応私も神だからそれくらい把握してる。
復習しろってことかね。
『スキルとは、生物が持つ魂の力を簡単に引き出すために、魂の一部を改変したもの。それゆえ、スキルイコールで魂の一部となり、スキルが多ければ多いほど魂の容積を使用していることになる。本来魂には許容限界があり、保持できるスキルの数にも限度があるが、その限界を超えて無理矢理魂を成長させ、スキルを増やしていくのがこの世界のシステムである』
んでもって死んだ魂に付着したやつを取って星のエネルギーにするんだっけ?
そんなんだったよね。
『ただ、これら通常のスキルは魂の表層領域の改変に留めるのに対し、魂の深層領域を改変する特殊なスキルが存在する。それが七大罪系スキルと七美徳スキル。俗に支配者スキルと呼ばれるもの。支配者スキルは魂の深層領域を改変するため、所有者に与える影響が他のスキルとは一線を画する。第一にスキルの効果自体が強力であること。第二にそのスキルごとに人格にも影響を与えてくること。第三に、使用すればするほど魂を侵食していくこと。それゆえ、支配者スキルの使用は控えないと、じきにスキルに人格を乗っ取られてしまう。対策は四つ。
一つ、そもそも支配者スキルを取得しない。一つ、スキルの使用を控える。一つ、根性で耐える。一つ、スキルの外道耐性を伸ばしていき、外道無効を取得する』
よく考えたら私吸血っ子と同じ支配者スキル持ってたんだっけな。
まともに使ったのって火竜の火炎無効を無効化した時だけだけど。
『外道耐性は魂に直接干渉する不利な効果を打ち消す。外道無効であれば、システム内の威力の攻撃であればほぼ無効化できる。それ・・・』
「いいかしら?」
「何?」
そこまで読んだところで吸血っ子が唐突に話し始めた。
「あなた、外道魔法持ってる?」
「持ってる」
「そう。なら、一番弱い魔法を私にかけなさい」
「はあ?」
「あら? この本を読んでも理解できないかしら?」
わお、吸血っ子見事などや顔。
「つまり、支配者スキルの影響を抑えるには外道無効を取得しなければならないの。それを取得するために私に外道魔法をぶつけなさいって言ってるのよ」
「本、最後まで読んだ?」
「え?」
「ここ。ほら」
『外道無効を取得するのに最も手っ取り早い方法は、忍耐のスキルを獲得すること。忍耐も七美徳系スキルであるものの、例外的に魂への悪影響はない。どころか、ある程度の耐性を得られる上、称号により外道無効を取得することができる』
「ね?」
あ、この展開完全に途中までしか読まずにやっちゃったやつだ。
吸血っ子、おつかれ!
吸血っ子がどや顔のまま固まる。
そして顔を赤く染めていく。
「もちろん読んだわよ! けど、忍耐のスキルって支配者スキルなんでしょ? 支配者スキルは世界で一人だけしか取得できないんだから、あなたに譲ってやろうって私の優しさに気づかないのかしら? 忍耐は譲ってあげるから私の耐性上げに協力しなさいって、そう言ってるのよ!」
「そうか。ごめん、気が利かなくて。それならソフィアさんの厚意に甘えさせてもらうよ」
鬼さんは完全に吸血っ子のごまかしに気づいたうえで乗ってる。
ちょっとかわいそうな人を見る目で吸血っ子を見てるもん。
「ええ。私の海よりも深い優しさに感謝しながら忍耐を取得なさい」
わー絶対ごまかせてないことに気づいてないよ吸血っ子ぉ
「なにか失礼なこと考えてない?」
「まさか。長年苦しまされてきた憤怒から解放されるのかと思うと、ちょっと感慨深くてね」
少し鬼さんは考えた後に言う。
「譲ってくれるのは嬉しいんだけど、僕、スキルポイント0なんだ」
「あ」
「ぷふっ」
おもわず笑っちゃった。
「現世、あんた何笑ってるのよ!」
「なんでもないですよ」
「まぁまぁ、そんなことより。一応、忍耐を取る以外にも方法は書かれているけど、おすすめはしないらしいね」
鬼さんが私を助けてくれる。
鬼さん、あざっす。
と、そこで吸血っ子が本を開いて読み始めた。
そして見せてくる。
『探知というスキルを取得し、これを発動させることでも外道耐性の熟練度を大きく稼ぐことが出来る。ただし、その場合、外道無効まで外道耐性を上げなければ魔法が使えなくなるので注意。最悪死ぬかもしれないので正直おすすめしない』
「これはダメ、よね現世?あんた笑ったんだから少しは協力しなさい!」
しばらくの沈黙。
その間に私は答える言葉を考えまくる。
すーっと息を吸って、はーっといきをはく。
「私はそれで外道耐性をあげましゅた」
・・・噛んだ。
うにゃああああああ!
かんだあああああ!
「は?うそでしょ!?」
吸血っ子が何かを聞いてくるけど私は噛んだ恥により何も聞こえない。
ただただ顔を湯気が出るほど真っ赤にしながら固まる。
「・・・今自爆したとんでもない発言をした現世はおいておい――――。
―――――――――。
――――――。
―――。
はっ。
気づいた時には鬼さんが真っ青な顔で気絶して吸血っ子はどうするか戸惑っているという不思議な雰囲気になった部屋だった。
白ねぇさん、助けて。
正直今回の話が物語の進行に必要か否かと言われたら否と答えます。
あと、最近文章力落ちてきている気がするのは気のせいだと思いたい。