よまわりさんって戦えるっけ。   作:銀ちゃんというもの

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文章力、語彙力、カリスマを誰かこの哀れな作者めに恵んでください・・・。


よまわりさん、重い話を聞く

そうだ、コトワリ様のところに百足様(ムカデの神様)の分社置かしてもらおう!

コトワリ様に許可貰いに行かねば!

 

最近日本に来ることが多いなと思いながらコトワリ様の神社にどーん。

現在もちろん夜でございます。

鈴を鳴らして呼んで、お賽銭入れて百足様についての旨をお伝えする。

そしたら後ろにナニカがふわっと現れた気配がした。

後ろを振り向いたらコトワリ様がいた。

 

コトワリ様の隣を見ると恐らく分社建築用と思われる木材がごとごとと置かれてそれに私が気づいたのを確認するとふわっとコトワリ様は姿を消した。

・・・。

コトワリ様にお礼を言いった後鳥居をきちんとくぐって外に出る。

鳥居に一礼を忘れない。

 

百足様の神社跡地に飛んで、気配は消えてないからまだ残ってるみたい。

分社の創り方なんて知らないから百足様の気配そのものにお願いをしてついてきてもらう。

 

再びやってきました、コトワリ様の神社。

そしたら『ここに立てるといいよー』とばかりにナニカが強い?場所があるからソコまで行ってもらってもらった木材で分社をとんてんかんとそれっぽく立てていく。

正直宮大工でも何でもないからわかりゃせん!

わたしゃ神道どころか宗教そのものに詳しくないの!

許してね?

 

よし、とりあえずこれでおっけーかな?

あとはコトワリ様にお礼を言って、商店街跡地に飛んで盛ってある塩を一個一個崩れてないか確認して・・・あとは・・・おっけーかなー?

とりあえず思いつかないからオッケーってことで。

次はこともちゃん攫いに行こうか。

予想通り夜遊びしてらっしゃるのでササッと攫います。

 

「げっよまわりさん」

 

そうですよーよまわりさんですよーうへへー。

すっ、と音もなく攫って前回同様こともちゃん家の扉こんこん。

がらがらーと開いた扉の向こうにこともちゃんの姉が居まして。

 

「えっと、また?」

 

頷いて家にお邪魔してこともちゃんをベットに寝かせてふわっと消える。

なんか話しかけられた気がするけど無視で。

 

 

部屋に戻ってきて、寝巻に着替えて。

例のお酒を飲んで。

おやしゅみなさいぃー。

 

 

おはようございます。

今いいこと思いつきました、鬼さんに刀の稽古をつけてもらおうと思います。

つーか昨日ご飯食べそびれたのでお腹ペコペコです。

 

お酒を飲みながら食堂に行くと。

 

「ごめんなさい」

 

吸血っ子にあやまる白ねぇさんとそれを見る鬼さんというとんでもない図を見てしまった。

衝撃的な光景すぎて酔いが醒めた。

なんか嫌な予感がするから瓢箪に隠蔽をかける。

そして物陰からこっそり三人の様子を眺める。

 

「ご主人様。本当に本物のご主人様?熱でもある? 変なものでも食べた? 頭がおかしくなった?」

 

白ねぇさんが吸血っ子にチョップする。

よかった、いつもの白ねぇさんだ・・・。

 

「いったー!? ちょっと酷くない!? 心配してあげてんのに酷くない!?」

「いや、今のは、酷いのはソフィアさんの方だと思うな」

「だってご主人様よ? 悪逆非道の権化のようなご主人様よ? 虐殺大好き人肉大好きどこの地獄の出身ですかって言いたくなるようなあのご主人様よ?」

 

大丈夫だよね、私、同じレベルに分類されてないよね?

白ねぇさんと同じレベルに捉えられてないよね?

それに関しては同じって思われたくないよ?

 

「いや、言い過ぎじゃないかい?」

「全部事実なんだもん」

「え?」

「現世もセットでね」

「えっ」

 

私から思わず声がでる。

それと同時にここにいたことがばれた。

しばし沈黙。

破ったのは白ねぇさん。

 

「これからも私は虐殺をします」

 

しってた。

 

「それをどう思うのかは二人の勝手です。が、邪魔をするならば容赦しません。邪魔をしないのであれば、好きに生きればいいでしょう」

 

私は白ねぇさんに協力する気満々だけどね!

 

「すぐに結論を出せとは言いませんが、身の振り方を考えておいてください」

 

そういった後白ねぇさんは缶コーヒーを飲み始める。

 

「え? ちょっとそれ!? 缶コーヒー!?」

 

ん?

白ねぇさんがふらふらし始めたぞ?

 

「え!? なに? どうしたの!?ちょっと!? ご主人様!? 大丈夫!?」

 

私も飛び出して駆け寄っていく。

そして気づく。

これ・・・

 

「酔ってる」

「え?」

「缶コーヒーで酔ってます」

 

そういった瞬間白ねぇさんが空間転移する。

 

 

「あれ? 消えちゃった」

「ですね」

「空間魔法かなにかかな?」

「なんだったの、あれ?」

「コーヒーを飲んでからおかしくなったみたいに見えたけど」

「コーヒー。なんか、どっかの雑学で、蜘蛛はコーヒー飲むと酔っ払うって聞いたことがあるけど、まさかそれじゃないでしょうね?」

「まさか。そんなことであんなフラフラにはならないでしょ」

「いきなり倒れるからビックリしたけど、自力で空間魔法使ったってことは大丈夫なのかしら?」

「さあ?」

 

これは一回グーグル先生に聞いてみないといけないことが増えた。

 

あっそういえば・・・

 

「鬼さん」

「どうしたの?」

 

並列思考魔術を起動&数体しかいない分体にもお願いして総動員で言葉を探す。

「刀」

「?」

「稽古つけてくれませんか?」

 

数秒おいて。

 

「いいよ」

「ありがとうございます」

 

よし、ここに来た目的達成したのでまずは朝食をとる。

 

 

そういえば唐突だけど白ねぇさんが魔王軍第十軍を管理することになった、らしい。

私は強制的に入れられた。

あとはフェルミナさんという人が副団長らしい。

私は一体どういう役割になるのやら。

 

っとそこで白ねぇさんに強制転移させられた。

なんかよくわからないけど会議室?

ん?

そんなことより周りにいる人が魔王さんと白ねぇさんと吸血っ子と鬼さんと前に白ねぇさんが拾ったとか言ってたフェルミナさんとわけがわかんない人たちがいっぱいいる。

訳がわからない人たち・・・?

いこーる知らない人?

私はナニ?

私はコミュ障。

・・・ここはどこ?

 

「やあ」

 

魔王さんが知らない人にナニカ言ってるけど聞こえないー。

 

「お久しぶりです。それとも、初めましてと言うべきでしょうか」

 

マジでここどこ!

 

『神言教』

 

白ねぇさんから念話が飛んできた。

そうかー神言教かー。

 

『エルフを倒すために共闘できないかの交渉』

 

そうかーなぜ白ねぇさんは私をこんなところにつれてきてくれちゃったんでしょうねー。

 

『かえっていいですか?』

『だめ』

 

ちっ!

 

「どっちでもいいんじゃない? とりあえず、ちゃっちゃと始めちゃおうよ」

 

どんどん会談進んでるっぽいし黙っとけばいいかな?

いいよね。

さー何してようー。

自分の意識をあの精神世界とやらに飛ばす魔術でも考えようかなぁ。

面白そうだし・・・。

 

 

ハハッ無理ゲー。

まず大前提になる精神世界が何かも分からんかった。

無理無理、こんな短時間でこんな下位の神ができることじゃないしできるとしたらよっぽど意識無意識に関する天才ぐらい。

諦めよう、ちょうど皆で帰るところみたいだし。

てか毎回思うけどほんと私いらなかったよね。

最近思うのだけど白ねぇさん同じコミュ障を道ずれにしたいだけなんじゃないのかな。

そうとしか思えないよ。

・・・後で一回なぐっとこ。

 

「現世」

 

と、そこで白ねぇさんから声がかかった。

 

「なんですか」

「帰るよ」

「はーい」

 

瞬きをする暇なく視界が切り替わる。

ここは魔王城かな?

 

「白さん、ちょっとだけ時間あるかな?」

 

なんか鬼さんが白ねぇさんに話しかけてるけど何だろ。

今回も私白ねぇさんに連れまわされたりしないよね?

白ねぇさんがフェルミナ副団長さんに仕事を押し付けてフェルミナ副団長を帰す。

そして鬼さんと白ねぇさんに魔王さんと吸血っ子が当然のようにくっついてどこかに行こうとする。

私はまた白ねぇさんに連れられないように逃げようとしたが白ねぇさんに捕まってまた白ねぇさんの上に乗っけられた。要するに肩車状態だ。

もうこれ白ねぇさんに肩車されてる状態だから動かなくていいし寝てようかな。

最近面倒臭いことがあると魔術について考えるのか寝るのかしてない気がするけど気のせい気のせい。

 

「現世、寝ちゃダメ」

 

なんでや、解せぬぅ。

 

 

そうしてやってきたのは魔王さんの部屋。

そして鬼さんが話を始めた。

 

「まずはこれ。神言教が把握してる転生者の情報。草間が僕に見せてくれた」

 

そういいながら鬼さんはメモを白ねぇさんに渡す。

!?

いやいや、そんな重要情報何教えちゃってるのその草間さんとか言う転生者!

まあいいや、こっちにとってはメリットだらけだし。

 

「これ、白さんが掴んでる情報と照らし合わせてどう?」

 

そう聞かれた白ねぇさんはメモに神言教の知らない死んだ転生者三人の事を書き込んで鬼さんに返す。

 

「白さんが知ってることはこれで全部?」

 

白ねぇさんが頷く。

 

「まあ白ねぇさんが知ってる転生者の日常のあれやこれやを書き込んだらきりないですもんね」

 

私がボソッと呟く。

 

「この、大島叶多が女性になってるっていう情報は、本当のこと?」

「美少女になってる」

「そっか。そっかぁ」

 

これあれだね、その大島さんとか言う転生者がもう片方の山田さんとか言う転生者を意識しだしてるとか伝えたら鬼さん頭抱えそうだね。

ちょっと面白そう。

吸血っ子が鬼さんの手からメモを奪って軽く見て鬼さんにメモを返す。

すっごい興味なさそう。

鬼さんのもとに帰ってきたメモはまたすぐ鬼さんの手から離れて今度は魔王さんのもとへ。

 

「白ちゃんから見て、魔族の脅威になりそうなのはいる?」

「山田俊輔、大島叶多、夏目健吾、長谷川結花、田川邦彦、櫛谷麻香、草間忍、先生」

 

白ねぇさんが実力を持った人名を上げていく。

 

「手出しは無用」

「それは彼ら次第だね」

 

白ねぇさんが薄目を開けて目に力を込める。

空気がピリピリしだす。

 

「わかったよ。私が直接転生者をどうこうすることはしない。けど、軍としては敵対してきたら対処しないわけにもいかない。それでOK?」

 

少したって折れたのは魔王さんの方だった。

そして白ねぇさんは目を閉じる。

 

「もしそうなったら私が対応する」

 

その後は鬼さんに八軍を任せるとかなんとかまるで何かを待っているかのような会話が続いた。

 

「白さん。確認したいことがある」

 

白ねぇさんが待っていたこと、鬼さんの本来話したかった話題を鬼さんが話し始めた。

 

「白さんが隠してることを、明かしてほしい」

 

だそうで、白ねぇさんは返答どうするんだろ。

しばらくの沈黙の末、白ねぇさんの亜空間にこの場の全員が飲み込まれた。

そして白ねぇさんが口を開く。

 

「世界はシステムによって生かされています。が、それも死ぬ寸前まで来ています」

 

それと同時にこの星の俯瞰風景を白ねぇさんが映し出す。

宇宙から見たこの星の風景。

この星の裏側、今私達がいる土地とは違い地にひびが走り海が枯れた大地が映し出された。

 

「システムが集めたエネルギーにより、星の再生を行う。それが本来のシステムのあり方。けれど、現状ではシステムを稼働させるエネルギーを回収するだけで、再生にまでは手が回らない」

 

要するにこの星はシステムっていう大魔術によって生かされてるんだけどエルフにそそのかされた先代魔王とその時の勇者が阿呆してこの星のエネルギーをごっそり減らして色々ぶち壊してDさんに攻撃を加えたからシステムで少しずつさせてた星の再生ができないくらいにシステムのエネルギー量が減っちゃってたから星が全然治らなくてついでにシステムによって地味に無理な転生を繰り返してたこの世界の人間の魂に負荷がかかりすぎて崩壊寸前で全滅の可能性あり、的な感じの状況。

細かく言えば魂の休養装置とかあるんだけど長くなるから割愛。

んまあそんな感じだから白ねぇさんと私はシステムをぶち壊してそのぶち壊したシステムのエネルギーを使ってこの星を再生させようとしてる感じかな。結構な超訳だけど。

 

今私が考えてたことよりもっと詳しいことを白ねぇさんがみんなに説明する。

 

「本当に、それ以外どうしようもないんですか?」

「ない」

「ねえ、スキルを多く持っているってことは、私たちも死ぬってこと?」

「システムの魂保護機能を拡張して、転生者だけは助かるように改良中」

「だったら、それを全世界の人間に適用すれば!」

「不可能。それをするには余剰エネルギーが大量に必要」

 

これ結構深刻な話だよねぇ。

たしかこれをする為には神を一人くらい犠牲にしないといけないくらいのエネルギーがいるんだっけ、だからできないとかなんとか白ねぇさんが言ってた覚えが。

 

「システムが崩壊したあと、この世界はどうなるの?」

「さあ?」

「こっちは真面目に聞いてるんだけど?」

「真面目に答えてる」

「白さん、システムがなくなった後の死者は、どうなるんですか?」

「通常の輪廻の輪に戻る」

 

そういえば輪廻転生ってどこの宗教の考えなんだろ。

まあ今はどうでもいいか。

 

「じゃあ、システム崩壊前に死んで、生まれなおす前にシステムが崩壊した場合は?」

「その場合も輪廻の輪に戻る」

 

うん、びっくりだよね。

生きてるより死んでる方が救われるんだぜ?

 

「そうか。死んでたほうがいいのか。わかった。白さん、僕は白さんに協力するよ」

 

そういって鬼さんが白ねぇさんに手を差し伸べる。

白ねぇさんが恐る恐る鬼さんの手を握って握手をする。

コミュ障にゃきついよね。

そこで突然白ねぇさんと鬼さんの手を吸血っ子が引きはがして引きはがした白ねぇさんの手を掴んでぶんぶん振る。

握手をしたかったのかな?

そして満足したのか白ねぇさんの手を離して鼻息荒く鬼さんをにらむ。

なんか微笑ましい。

因みに白ねぇさんは呆気にとられてるうちにいつの間にか今度は魔王さんに手を取られてた。

 

「白ちゃん」

 

消えそうな声で魔王さんが呟く。

 

「白ちゃん」

 

もう一度白ねぇさんの名を呼び、今度は白ねぇさんの手に水の雫が落ちる、何滴も、何滴も。

 

「ごめんね」

 

消えそうな声で魔王さんが謝る。

 

「ありがとう」

 

消えそうな声で魔王さんが感謝する。

 

少女のように魔王さんは泣いた。

部外者の私からは語れることは何もない。

ただただ眺めることしかできない。

魔王さんの願い・・・女神を救うこと、それを叶えるのは白ねぇさんの役目。

私に叶える資格はない、私みたいな奴ではなく白ねぇさんが叶えるべき物。

なんていうのかわからない表現が見つからない、だが私では叶えられない、叶えることはできるが叶えられない。

私などが叶えてはいけない、そんな気がする。

それ故に()()()には叶えない、・・・うん。

いや、白ねぇさんの役目が魔王さんの願いを叶えることというなら私の役目は白ねぇさんになんであろうと従うことだよね。

つまり私が私の心が私が魔王さんの願いを叶えることを許さないのなら白ねぇさんに動かされてるならいいよね?

うん、なんかどんどん謎理論になった上に雰囲気を私の心の中だけでぶち壊してるけどいいよね?

とりあえず今後も白ねぇさんに従うということで。

なんかもう私の脳内ごちゃまぜ謎理論ですヒャッハーみたいなことになってるけどまあ、とりあえず・・・

 

「白ねぇさん、私をうまく使ってくださいね」

「うん?」




脳内謎理論でヒャッハーしてるのは現世というより作者な気がするのは気のせい・・・。

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