蜘蛛さんと絶賛迷宮下層を移動中の私だよ! 一本道で、もしかしたら最下層につながってるんじゃないかとか考えてる私だよ! 頭の中を誰かが聞いてるわけでもないのに何やってんだ私?
あ、スタミナの赤ゲージが減ってきたよ。
『カップラーメン……』
蜘蛛さんがカップラーメン食べたいとか言ってる。
てかなんか自分で自覚してる系情緒不安定な私もお腹がすいてるせいかなんか変だぞ? もしかして睡眠耐性8のくせにねてないからかなぁ。ここら辺安全そうだよなぁ。
『蜘蛛さん……寝ていいですか?』
『……ダメ』
うそん。
ん?
なんだ……あれ魔物かな?
『エルローランダネル LV8 ステータスの鑑定に失敗しました』
『エルローランダネル LV7 ステータスの鑑定に失敗しました』
『エルローランダネル LV7 ステータスの鑑定に失敗しました』
わー、仲良しこよしの三人組だー。おいしそう、じゅるり。
おっ蜘蛛さんが走ってってあいつらの後ろに回ってった。あれは投網?
うお、すご。投網が三体を包んでる。そこで仕上げに蜘蛛さんの毒牙でガブっと。
万能だなぁ蜘蛛さん。私なんて禁忌のレベルが上がる危険を冒して理様に頼るか石投げるかしかないんだよ。糸と毒強いよなぁ。闇系魔法ないかなぁ……。
おぉ! 蜘蛛さん新しい称号ゲットしたんだーすげー。しかもまた毒かよー。ずりー。いいなー。
……えぇ!? 今度は毒牙がレベルアップ? 蜘蛛さん、一回殴っていいですか?
『ダメ』
えー
とか思ってたら蜘蛛さんが突然水たまり作ったよナニコレ?
『弱毒の水たまり』
お、おう……。まぁ、これをノーコストで生み出せるなら便利なんじゃない?
え? MP減ってる? 弱毒、ダメな子やん。
◇
分かれ道だよ蜘蛛さんや! どっち行くのさ蜘蛛さんや! 蜘蛛さんや! 私は蜘蛛さんについてくって言ったんだからついてくよ蜘蛛さん! やだなぁ、思考放棄したいだけとかナニソレ蜘蛛さんや! よく見ろって何のことだい蜘蛛さんや! だだっ広い道が広がっているだけだから現実見ろって何のことだい蜘蛛さんや!
ははっ。
……どうするよ、蜘蛛さんほんとに。
お! 頭いい! 壁沿いに進んでくのだねっ!! そんなこと思いつかなかったよ。
……。
ひっ! 蜘蛛さんなんかこわいこと考えてますよね! 蜘蛛さんのもとのマイホームを焼いた人間を『今度会ったら糸でグルグル巻きにした挙句、ダンジョンの中引きずり回して、最後は毒牙でポックリイカせてやる』みたいなこと考えてますよねっ!
『エスパー?』
ちゃうわ!
~よまわりさんら、移動中~
『バグラグラッチ LV14 ステータスの鑑定に失敗しました』
うおぉ。なんかのっそり現れたよこの巨大な魔物。ナマケモノ? ……ないない、あんなギザギザの牙が無数に飛び出した、鰐みたいな巨大な口したやつがナマケモノなわけないね!
めっちゃアンバランス。
『そうね。ここダンジョン。大自然違う。ここ危険。オーケー? イエス把握』
久々に聞く蜘蛛さんの長文がまさかそんなんだとは思わなかったよ。
『もしくは逆に中層に昇ってきたとか。
あ、それ採用で。
そう、ここはきっと中層なんだよ。
なーんだ、やっと下層って危険領域から脱出できたんだー』
蜘蛛さんの連続の長文だよ。
蜘蛛さん、戻ってきてぇ。その思考に至らないで。げんじつみてよ。
『バグラグラッチ LV8 ステータスの鑑定に失敗しました』
『バグラグラッチ LV4 ステータスの鑑定に失敗しました』
『バグラグラッチ LV11 ステータスの鑑定に失敗しました』
『こんなのがいるのが中層なわけなくね?』
そうですよ蜘蛛さん。戻ってきましたか。よかったです。
え? 蜘蛛さんが冷静になったとおもったら二重鑑定始めた? 何々?
あいつら、あんな強そうなうえにさらに群れるって?
かちめねーやんですかー。
……なんか言葉おかしくなったよ。
~よまわりさんら、またもや移動中~
現在、壁際をコソコソ移動中……。お腹すいてきた。あの時3匹の魔物を食べたとき配分私1個、蜘蛛さん2個だったなー。そういや私は1個でお腹いっぱいだったけど蜘蛛さん2個も食べてたよなー。ふとんないのかな?
《熟練度が一定に達しました。スキル『闇ノ仮面LV2』が『闇ノ仮面LV3』になりました》
久々の仮面君だ。最初はよかったけどこの厨二病ネームどうにかなんないかなぁ? ちょっと聞いてて恥ずかしい。
蜘蛛さんもレベル上がったの? すげー。たいみんぐすげー。さっそく自分を見てみようかな!
『よまわりさん LV1 名前 なし
HP:27/150(緑)
MP:2000/2000(青)
SP:100/100(黄)
:97/100(赤)
平均攻撃能力:20(+30)
平均防御能力:20(+30)
平均魔法能力:190(+30)
平均抵抗能力:19(+30)
平均速度能力:30(+30)
スキル
「暗視LV2」「予見LV5」「演算処理LV1」「闇ノ王LV3」「闇ノ仮面LV3」「視覚強化LV3」「聴覚強化LV2」「嗅覚強化LV1」「触覚強化LV1」「探知LV5」「並列思考LV3」「外道大耐性LV3」「毒耐性LV2」「神性領域拡張LV4」「腐食耐性LV4」「禁忌LV3」「隠レル者」「念話」「縁ノ結」「恐怖耐性LV4」「HP自動回復LV2」「隠密LV2」「睡眠耐性LV8」「n%I=W」 』
問いただしたいのは、平均魔法能力だけなぜに高いんやってことだね。私魔法覚えてもないのに……。
え? 能力高くないかって? 闇ノ王さんがやってくれたんだよ。
それ以外は問題大有りだけど蜘蛛さんのステータス見た後じゃまだチートじゃないって言えるレベルだったよ、よかったのかなぁ? どうなのかなぁ? って感じだけど。
『スモールタラテクト LV3 名前 なし
ステータス
HP:38/38(緑)
MP:38/38(青)
SP:38/38(黄)
:38/38(赤)
平均攻撃能力:21
平均防御能力:21
平均魔法能力:19
平均抵抗能力:19
平均速度能力:369
スキル
「HP自動回復LV2」「毒牙LV8」「毒合成LV1」「蜘蛛糸LV8」「操糸LV5」「投擲LV1」「集中LV1」「命中LV1」「鑑定LV7」「探知LV3」「隠密LV5」「外道魔法LV2」「影魔法LV1」「毒魔法LV1」「過食LV3」「暗視LV10」「視覚領域拡張LV1」「毒耐性LV7」「麻痺耐性LV3」「石化耐性LV2」「酸耐性LV3」「腐蝕耐性LV3」「恐怖耐性LV5」「苦痛無効」「痛覚軽減LV5」「強力LV2」「堅固LV2」「韋駄天LV2」「禁忌LV2」「n%I=W」』
蜘蛛さんがどんどん強くなってきてるよね。というか今更だけど蜘蛛さんが持ってる鑑定と私の仮面の違いって自分が持ってるってわかってるスキルは見れなくても二重鑑定できるってとこだよね。そこから何かにつながるわけでもないけどさぁ。
蜘蛛さんがなんであの時魔物を二体食べれてたかが分かったみたい。
『過食:食事を限界を超えて摂取可能になる。また、その分のスタミナを余剰分としてストックすることができる。ただし、その分太る。レベルの上昇によってストックできる量が増える』
だそうで、私がこのスキル獲得したらよまわりさんの体は謎だらけだから際限なく膨張しそうだなーなんて思っちゃうよ。
んー、なんで蜘蛛さん太ってないんだろ?
さらに蜘蛛さんが自分のスキルの中にチートスキルを見つけたご様子。
『韋駄天:スキルレベル×100分平均速度能力にプラス補正が掛かる。また、レベルアップ時にスキルレベル×10分の成長補正が掛かる』
闇ノ王以上じゃないですかー。自信なくすよー。ここまで来たら驚かないよー。
『……n%I=W?』
蜘蛛さんがあの謎スキルを見つけたみたい。ごめんね蜘蛛さん、私も鑑定不能なんですー。
ふぁ!? なんだって! 何気なく思ってた腐食耐性の腐食が
『腐蝕属性:死の崩壊を司る属性』
だって!? タニシ虫そこまでだったの!? 非常食としても食べたくなくなってきたわ!
~よまわりさん、蜘蛛さんとスキルについていろいろ話し中~
ふへー勉強になったー私外道耐性が異様に高いから変な感覚がするだけで探知が使えるだけで耐性がないと頭がかち割れるように痛いんだーへー。
『猫に小判、豚に真珠、蜘蛛に探知』
それ多分、外道耐性持ってないみんなそうだと思いますよ!
◇
……岩陰に潜んでじっとする。
『エルローダズナッチ LV23 ステータスの鑑定に失敗しました』
私達のいる岩からちょっと離れたところを、そいつはゆっくりと進んでいく。
あれは、なにかな?
でっかい魚に手足が生えたようなぁ、なんか違うなぁ。
そうだ、謎生物! これで解決だね。
そんなことよりとんでもない事実がまたもや発覚した! なんと蜘蛛さん曰く!
私達が普段狩ってるような雑魚ですら、私達より断然数値が高いらしい! びっくり(゚д゚)!
~よまわりさん、この話何度かわからない移動中~
コソコソ。
『エルローコホコロ LV7 ステータスの鑑定に失敗しました』
『エルローコホコロ LV7 ステータスの鑑定に失敗しました』
あのでっかいダンゴムシ狩るぞー
石を、おらららららっらららおら──ー。
お前はもう死んでいる。キリッ!
《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんがLV1からLV2になりました》
《各種基礎能力値が上昇しました》
《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『HP自動回復LV2』が『HP自動回復LV3』になりました》
《スキルポイントを入手しました》
お? おぉ? おー! ひゃほー! 超久々のレベルアップだー! しゃぁ────。やったぜー☆
何々? 蜘蛛さんまた新しく称号ゲットしたの? むしゃむしゃ、糸使い? いーなー。むしゃむしゃ。ん? 蜘蛛さん何やってるのダンゴムシを切り付けて?
ってすげー! それレベ上げしたら
ば、馬鹿な!
見えない斬撃だと!?
なんだ!?
何に切られているんだ!?
く、こ、これは、糸だと!?
みたいな展開できそうじゃないですかー。ずりー。
あっ、蜘蛛さんがレベ上げのために作業始めた。じゃあ私はその間ほんとに久々の睡眠しようかなぁ。
すやぁ。
~よまわりさん、睡眠中~
おはようございます。目の前に糸で切られたダンゴムシらしき何かがあって起きて早々SAN値削れたよ! 驚きだね!
じゃねえよナニコレ! ガタガタ。SAN値削れる、人、したいしょ。
あ──────ーきこえない────ー私にトラウマなんてない────ー! 何もおぼえてないぃ────死体しょあ゛────なんのこと────。
はぁはぁ疲れた。ん? 探知に反応が……。
『アノグラッチ LV8 ステータスの鑑定に失敗しました』
『アノグラッチ LV8 ステータスの鑑定に失敗しました』
初めて見る魔物だー。がっつり見つかってるから奇襲できないなーどーしよ。
石をおらー(以下略
勝てた。片方のやつを蜘蛛さんに任せてもう片方のやつを相手してたら向こうがめっちゃ早くていつぞやの蛇戦みたいになったよ!
マジ怖かった。蜘蛛さんも戦闘おわったっぽい。
《経験値が一定に達しました。個体、よまわりさんLV2からLV3になりました》
《各種基礎能力値が上昇しました》
《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『神性領域拡張LV4』が『神性領域拡張LV5』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『毒耐性LV2』が『毒耐性LV3』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『HP自動回復LV3』が『HP自動回復LV4』になりました》
《スキルポイントを入手しました》
やったぜ、ステータス確認しーよおっと。
『よまわりさん LV3 名前 なし
HP:/190(緑)
MP:/3100(青)
SP:/210(黄)
:/210(赤)
平均攻撃能力:22(+30)
平均防御能力:22(+30)
平均魔法能力:320(+30)
平均抵抗能力:21(+30)
平均速度能力:32(+30)
スキル
「暗視LV2」「予見LV5」「演算処理LV2」「闇ノ王LV3」「闇ノ仮面LV3」「視覚強化LV3」「聴覚強化LV2」「嗅覚強化LV1」「触覚強化LV1」「探知LV5」「並列思考LV3」「外道大耐性LV3」「毒耐性LV3」「神性領域拡張LV5」「腐食耐性LV4」「禁忌LV3」「隠レル者」「念話」「縁ノ結」「恐怖耐性LV4」「HP自動回復LV4」「隠密LV2」「睡眠耐性LV8」「n%I=W」』
魔法系の上がりようがおかしいよぉ。もはや、魔法が使えない私への当てつけかってぐらいにぃ。
そーだ、今倒した猿たーべよっと。
ん! こいつ毒持ってない! でもなんか臭みがあってそこまでうまくない。
もうそろそろお腹いっぱいだけどまだ残ってるなー
《熟練度が一定に達しました。スキル『過食LV1』を獲得しました》
やったぜ。
おぉーこれが食べてるのにお腹いっぱいにならない感じか! すげー!
猿を食べ終わったしここには用がないから別の場所へレッツゴー!
おわったっぽいっていうところを間違っておわったっぴって打ってた。
昔見てたキッズステーションのハッピークラッピーとかいう感じの番組にそんな語尾のやつがいるの思い出した。