水上の番外編   作:しちご

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最紺話 宇宙人エジプトに現わる

(これまでのおはなし)

 

一粒の命が壮大な愛を抱いて産声を上げる

 

新たなる旅立ちが始まる瞬間

忘れ去られた真実の扉が解き放たれようとしている

 

それは、魂に刻まれた一筋の道標だった……

 

尊師ハットク・マラを祀る大寺院

 

宝堂の扉が開かれるご開門の年

訪れた盗賊に因りマハーマラ・スートラは奪われた

 

騒動の中、大僧正は一人の若者に脈絡も無く真実を伝授する

 

八卦、そして三宝

 

この世界には信じられぬ驚嘆するべきものとして八卦と言うモノが在り

それらを集め木、火、土、金、水、宇宙万物を整えるその五つを整え ――

 

「破ァーッ!」

 

突如の叫び声と共に屋外から光線が迸り大僧正を消し飛ばした。

 

―― ウルトラ危なかったな、危うく世紀末RPGが始まるところだったぜ

 

そう声を掛けて来たのは地球人類の先輩、テラ生まれで霊感の強いTさんだった。

微妙に令和に言葉遣いを合わせているナウなヤングである。

 

―― スパイラルマタイに至るためとは言えアタマリバースされてもな

 

そして何を言っているのかわからない。

 

Tさんはやがて夕焼けに輝く明けの明星を目指して飛んでいってしまった。

結局よくわからないままに終わったが、それでも助かったことだけはわかる。

 

【挿絵表示】

 

テラ生まれってスゴイ、改めてそう思った。

 

 

 

『万愚節番外 ピラミッドはオーパーツと言うけどよく見たら普通に古代人クオリティ』

 

 

 

何はともあれ離島ハウス。

 

濡れ烏の如き黒髪に白装束の鬼。

 

サンゴ礁により遠浅になっているタヒチの海岸で、波に揺られていた泊地水鬼は

今日も食材確保の遠征から帰ってきた戦艦レ級にちゃぶ台返されていた。

 

「ウォップ、沈ム沈ムッテバッ」

「イイカラ少シハ働ケヤ」

 

そんな光景を経て、一念発起した泊地水鬼の戦いが今はじまる。

 

「何カ防衛薄イシ、オーストラリアトカ狙イ目ヨネッ」

「目ノ付ケ所ダケハ良インダヨナア」

 

そう、かのじょこそしんのしんかいせんかんだ。

 

「オーイ、マタ連装砲忘レテンゾ」

「オットウッカリサン」

 

そうして泊地水鬼は受け取った「連装砲」を「セルフ」した。

 

徐に砲口を自分の胸に向けて引き金を引く。

白蝋の肌に砲弾が穴を開け、その身を衝撃が引き裂いた。

 

ああ、なんと愚かなのだ、自分の命を自分で断ってしまうとは。

泊地水鬼亡き後の離島ハウスはどうなってしまうというのか。

 

【挿絵表示】

 

ざんねん‼ 泊地水鬼の ぼうけんは これで おわってしまった‼

 

「意味ワカンネーッ!」

 

レ級の叫びが離島ハウスに響いた。

 

そして深海の怨念溜まりから良い感じに爆速復活を遂げリトライ。

 

海流に乗りオーストラリア上陸を目指し近海に至った泊地水鬼。

気が付けば周囲の海流に半透明のフヨフヨとした物体が複数見える。

 

「何ダ、クラゲナノ」

 

クラーゲンでもなければ恐るるに足らずと、油断と慢心が表に現れた時。

意識の外、視界にも入っていなかった3cm程度の大きさの小さなクラゲが身体に当たる。

 

はじめは何も変化が無かった。

 

だがやがて背中、胸に段々と痛みが発生し、止まる事無く激痛へとステップアップする。

 

イルカンジクラゲ、コブラの100倍の毒性を持つと言われる毒クラゲであった。

 

悶えていると近場を動いた物体故にと反応でもしたのか、見えていたクラゲも近寄ってくる。

 

ぷすりと触腕から何かが刺さった感触と、激痛があった。

次いで刺傷箇所が急速に壊死をはじめ、視力低下、呼吸困難。

 

キロネックス、和名は濠太剌利海蜂水母、海の雀蜂とも呼ばれる猛毒クラゲであった。

 

―― そしてやがて心停止に至る。

 

ざんねん‼ 泊地水鬼の ぼうけんは これで おわってしまった‼

 

そして深海の怨念溜まりリターンズ。

 

「クラゲ怖イッ」

 

無駄に殺意に溢れたクラゲを避けて、海底から陸地へと近づく泊地水鬼が

突如として砂から現れた触手に巻き付かれる。

 

擬態していた身体が青い線状の模様の広がる黄色い警戒色に染まっていた。

 

そう、豹紋蛸だ。

 

その体表から、そして嚙み口からテトロドトキシンが泊地水鬼の体内に入る。

じわじわと麻痺していく身体、やがて視界がぼやけはじめ。

 

「シビビビビ……」

 

ざんねん‼ 泊地水鬼の ぼうけんは これで おわってしまった‼

 

そして深海中略、クラゲとタコを避けて海岸に至る泊地水鬼。

 

近年のオーストラリアの海岸近くに起こっている問題と言えば何だろうか。

 

長年、感情的に捕鯨反対と言い出して活動していたおかげで

ただひたすらに増えまくり、増えすぎた鯨とそれを餌とする。

 

そう、鮫、鮫、鮫!

 

海の食物連鎖に於いて確実に深海棲艦より上位に在ると思われる無敵生物、

鮫が大量に群れを成して海岸近くに浮かび上がった獲物を捕食するのだ。

 

「オウッフ」

 

綺麗にガブッと横から咥えられた。

 

そんな泊地水鬼の末路など、もう語るまでも無い。

 

ざんねん‼ 泊地水鬼の ぼうけんは これで おわってしまった‼

 

そして深海からの怨念がおんねん。

 

などと幾度もの死神との対面を越えて、何とか砂浜に上陸を果たす。

 

何故か上陸までに恐ろしいほどの回数の黄泉平坂往復を果たしてしまったが、

いまここより、そうここより泊地水鬼の恐怖がはじまるのだ!

 

はやる心のままに砂浜から勢いよく飛び出してく。

 

ホップ ステップ ジャンプ・・・ かーるいす!!

 

そして着地点にあった植物の、中空の二酸化ケイ素の尖端を持つ刺毛がゾリッといく。

 

「ノギャアアアアアアァァァッ」

 

ギンピ・ギンピ、熱帯雨林との境界あたりに生える植物であり、

生成される有機化合物は、とにかくひたすらの激痛を与え続けると言う特徴を持つ。

 

地面をのたうち回る内に身に着いた蟻が、次々とその肌を刺していく。

 

牙針蟻、10回ほど噛まれると死に至る毒蟻である。

 

そして痙攣して死を待つばかりの身体に、近寄ってくる縄状の生物。

 

ナイリクタイバンだ! タイガースネークだ! イースタンブラウンスネークだ!

 

全て致死の猛毒を持つ毒蛇である。

 

いかに真の深海棲艦と言えど、これほどの窮地を逃れる術は無い。

 

ざんねん‼ 泊地水鬼の ぼうけんは これで おわってしまった‼

 

【挿絵表示】

 

以降、毒蜘蛛に噛まれる、カンガルーに蹴られる、カンガルー除けに当て逃げされるなど

様々な冒険の終わりを経験しながら、マカデミアンナッツを強奪して帰還した泊地水鬼。

 

緑色の炭酸飲料を受け、よく冷えたグラスに結露が雫を作る。

 

そんな陸上、ぐったりと机に突っ伏しながら対面に座るレ級へと告げた。

 

「オーストラリア、殺意高スギナイ」

「ソレナ」

 

今日も離島ハウスは平和であった。

 

 

 

(えんでぃんぐ)

 

 

 

籠目籠目、籠の中の鳥は何時何時出会う。

夜明けの晩に鶴と亀が滑った。

 

後ろの正面、誰。

 

魂と言う鳥は輪廻と言う籠の中に住んでいます。

籠にはとても小さな扉が付いていますが、内側からは開きません。

 

何時になったら扉が開いて外へ飛び出せるのでしょうか。

 

それは人類最後の日が来る前に、後ろの正面、

まことなる神によって扉は開けられるのです。

 

籠目籠目、籠の中の鳥は何時何時出会う。

夜明けの晩に鶴と亀が滑った。

 

後ろの正面、誰。

 

後ろの正面、それは我なり。

 

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我こそは死神ジョーズ

「しゃーくとぱーす」

 

(三宝を授かった)

 

籠の扉、玄関は今開かれ

六万年の長く苦しい輪廻転生の旅は終わり

 

再び(アサイ)ラムウ様の元へ還る時がやってきました。

 

夕焼け小焼けで日が暮れて

おててつないでみなかえろう

 

 

 

*おかえりなさい

 

 

 




Q.エジプトはどうなりましたか

A.なんかこんな感じだった模様です

【挿絵表示】
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