人生とは何のためにあるのだろう。俺は常に日頃から疑問に思っていた。言い方を変えよう。もし神がいたのであれば、なぜ神は人間という生命体を創造したのだろうか。生きていく中で楽しいことがいっぱいあるからと多くの人間が思うことだろう。だがそれと同時につらいこと、苦しいこともまた多く存在することを忘れてはならない。むしろ苦しいことや、つらいことのほうが生きていく中で多くあると思う。神は人間を作ってどうしてほしかったのだろうか。とある物語の話をしよう。本物を求めた男の話だ。物語の主人公である彼は、世間体で言われるところでのボッチ。友達がいないやつだった。物語を読んだはじめは、ひねくれた考えをする面白い奴だと思って笑いながら見ていたが、巻が進むにつれ空気はどんどんシリアスになる。あることを境に彼が所属する部活内のムードが険悪になる。相手の顔色を伺いながら過ごす毎日。それは主人公が最も嫌悪するものである仮初の物。そして彼はそんな状態にいる自分に嫌気がさし、情けない姿で男泣きをしながら、同じ部活に所属する少女たちに上辺だけではない関係・・本物が欲しいと願うのだ。これを見たとき俺は何かが心を埋めたような感覚に陥ったのを覚えている。ずっと顔色を伺っていたのだ。教師の、上司の。そして・・・友達の。何かが欠けることが、壊れることが怖くて。だけどそこで俺は本物が人生に大きく関係してくるのではないかと気づいた。だから上辺はやめることに決めた。人生に意味を見出すために。これからは心から相手と向き合ってみようとそう考えた矢先、俺は急性の病で生涯を閉じた。あまりにも急な偶然に、自分でも笑ってしまったほどだ。命の炎が燃え尽きる寸前、俺はこんなときでも物語の続きはどうなるのだろうと考えていた。結局彼に本物が手に入ったかは分からないのだ。その物語は未完で終わってしまったから。最後まで俺は人生が何のためにあるのかわからないままだったが、物語の続きを見ていれば、少しでも本物を知り、人生に意味を見出せていたのだろうか・・・。
【続きが見てみたいか?】
・・・いよいよやばいらしい。幻聴までもが聞こえてきた。ああ・・でも・・もし見ることが叶うならば・・・現実の体の、自分の目で、彼らの本物が見てみたかった・・。
【あい。わかった。なぜ創造したのか。しかと感じてくるといい。】
感じて・・・・?
そして俺の生涯は幕を閉じた。・・・・・はずだった。
え?死なないの?