これからよろしくお願いいたします。
ドカーーーーンッ!!
爽やかな青空に、爆音が鳴り響いた。その爆発の音源はトリステイン魔法学院。ハルケギニア大陸にある長い歴史を誇る魔法学園であり、魔法を始めとする様々なことを貴族の子供たちに教える学舎である。
今、起きているのは、トリステイン魔法学院の2年生の春の使い魔召喚の儀式である。生徒達はこの儀式を行う事で自分の属性に合う使い魔を召喚し、自分の魔法属性と専門課程を決めるのだ。既にもぐらや蛙のような普通の動物やサラマンダーやウィンドドラゴンの幼生といった珍しい生物を召喚したものもいる。
しかし、その中で未だに、召喚に成功していないものがいる。
「さすがゼロのルイズだな!召喚もまともにできないなんてよ!」
「どうでも良いけど、早くしてくれよ!」
「さっきから爆発ばっかりじゃないか!もう諦めた方が良いんじゃないか!?」
ゼロのルイズと呼ばれた桃色がかったブロンドの髪に透き通るような白い肌をしている顔の整った少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールに周りの生徒たちは罵詈雑言を放っていた。今まで、幾度となく、呪文を唱えていたが、全て爆発するだけで終わり、肝心の召喚に成功していないのであった。その事実と周りの罵倒にルイズは悔しそうに顔を歪めていた。
「ミス・ヴァリエール」
すると、自分の名前を呼ぶ声が聞こえて、振り替えるとそこには、黒いローブを着ていて、顔には眼鏡をかけ、頭は見事に禿げてしまっている中年の男性、ジャン・コルベールがいた。彼はこの使い魔召喚の儀式の監督を行っている。
「だいぶ時間が押してしまっているし、続きは明日にしましょう」
「お、お願いします! あと一回だけ召喚させてください!!」
叫びながら、ルイズはコルベールに向かって頭を下げた。今まで失敗ばかりで、このまま明日に回すのは、ルイズのプライドが許さなかったし、周りの『諦めろ』という言葉に負けた気がして、悔しかったからだ。そんなルイズの気持ちを察したのか、コルベールは優しい声でルイズに声をかけた。
「……分かった。じゃあ、あと一回だけですよ。これでだめだったら、明日にします」
「は、はい! ありがとうございます!」
コルベールの言葉にルイズが再び頭を下げると、深呼吸をして、落ち着かせて、目を閉じた。
「宇宙のどこかにいる私の僕よ!神聖で美しく、そして強力な使い魔よ!私は心より訴え、求めるわ!」
ルイズはもうどんな使い魔が来ても、文句を言うつもりは無かった。最悪、自分の嫌いな蛙でも良かった。召喚に応えてくれればどんなやつでもいいという気持ちで、今出せる自分のありったけの力をこめて叫んだ。
「我が導きに応えよ!」
目を開き、勢い良く杖を振り下ろすと……
ドカーーーーーーーーンッ!!!
今日一番の爆発が起きた。
「おいっ!また、爆発したぞ!」
「いいかげんにしろよ、ゼロのルイズ!」
それを見て、周りの生徒たちは、再び罵詈雑言放ったが、爆発音のためにルイズもコルベールも聞こえていなかった。ルイズは目の前の爆煙が晴れるのを待ちながら、ジッと目を凝らした。すると、何かの影が見えた。
「……やった。成功した!」
ルイズは歓声を上げながら、その影に駆け寄った。しかし、影の正体を目にした瞬間、ルイズは思わず、目を見開いた。
「…………えっ?」
それは確かに生き物であったが、犬や猫、ましてや蛙でも無かった。黒いコート、黒いズボン、黒いネクタイ、真っ赤なワイシャツを身につけた黒髪黒目の青年。どこから、どう見ても人間であった。どんな使い魔が来ても構わないと思っていたが、まさか人間が来るとは思わず、ルイズは呆然とした。
「おお、ようやく成功しましたね。では早く次の儀へ進んで下さい」
「えっ!?」
そんなルイズにコルベールがそう言って、ルイズは戸惑った。
「ミスタ・コルベール、でも、これ、人間ですよ?」
ルイズの言葉にコルベールは召喚後から動かない、おそらく眠っているであろう青年を観察した。
「ふむ。見たところ変わった格好をしているが、貴族ではないでしょう」
「し、しかし!人間、ましてや平民を使い魔にするなんて聞いたことがありません!お願いします!ミスタ・コルベール!もう1度、召喚させてください!!」
平民が使い魔だということを聞いて、ルイズは叫んだ。
「残念だが、それは出来ない」
しかし、ルイズの願いも虚しく、コルベールは静かに首を振った。
「これは神聖な儀式なんだ。一度サモン・サーヴァントで召喚した以上、例外は認められない」
「そ、そんな…」
それを聞いて、ルイズはがっくりとうなだれた。そして、そのまま覚悟を決めて、青年の頭上で杖を降った。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
呪文を唱えるとルイズは杖を青年の額に置き、自分の唇を青年の唇に近づけた。そして、次の瞬間、ルイズの額と青年の唇が重なった。ルイズが顔を赤くしている一方で、残念ながら寝ているために青年の顔に変化は無かった。
「終わりました」
ルイズの報告を聞いて、コルベールが嬉しそうに言った。
「サモン・サーヴァントは何回も失敗したが、コントラクト・サーヴァントはきちんとできたね」
コルベールがそう言うと、また後ろから他の生徒たちがからかいの言葉を言い出した。
「相手がただの平民だったから契約できたんだろ」
「そいつが高位の幻獣だったらゼロのルイズに契約なんかできっこないって」
それに対しルイズはその生徒達を睨みつけ、一言言ってやろうと口を開けかけた時だった。
「がっ!?」
召喚後からずっと寝ていた青年が、声を上げ始めた。それは、痛みを訴えかけるような悲鳴だった。よく見れば、彼の左手の甲に何かしらの文字が浮かび始めていた。
「ぐっ!?……うっ……」
すると、左手の痛みと熱さのおかげか、青年が目を覚ました。
「うっ……ここは……どこだ……?」
これが元の世界で“人類至上
R0「いや~。“闇夜の使い魔”始まりましたね~。あっ!読者、皆さん初めまして。作者のR0と言います」
輝夜「始まりましたじゃないだろ。投稿ペース遅くなっているくせに、何新しい小説投稿しているんだ。あと、4作品目で何、初めての挨拶しているんだ」
ルイズ「別にいいじゃないの、輝夜。そんなことでピリピリしなくても」
R0「そうそう」
輝夜「お前は黙れ。それとヴァリエール。お前も自分の出番が増えたから気にしていないだけだろ」
ルイズ「そ、そんなことないわよ……?」
輝夜「はぁ……。で?何でいきなり始めたんだ?R0」
R0「う~ん。特に深い意味は無いね。ただ単に書きたかっただけ。いろんな話のネタだけなら山ほどあるしね」
輝夜「だからって、なぜ俺を出した?俺は貴族嫌いっていう設定があるんだぞ。どう考えても一波乱あるだろ」
ルイズ「そうよ!こいつに振り回される私の身にもなりなさいよ!」
R0「いや~、でもね?リボーンのキャラって、ほとんどが誰かの下で動くって人間じゃないよね?仮にそういう人間だったとしても、その人物に限って、既に誰かに忠誠を誓っていたりするじゃん?」
ルイズ「そ、それは……」
輝夜「……まぁ、確かに爆発繋がりだと、獄寺隼人だが、あいつは沢田綱吉に忠誠を誓っているな。問題なく進めるとしたら、お人好しの沢田綱吉や古里炎真辺りか……」
R0「まぁ、そう言うことで、いっそのこと、貴族嫌いの奴を異世界に送り込もうってなったわけ」
輝夜「あっそ。それと今回、何で俺はずっと寝ていたんだ?」
ルイズ「そうよ!私だけが恥ずかしい思いしたじゃない!」
R0「ん?あぁ、訊くけど。輝夜、お前があの時、起きていて、ルイズが近づいて来たらどうする?」
輝夜「避けるか、顔を押さえつけるな」
ルイズ「ちょっと!!それ、どういうことよ!!」
R0「そうでしょ?だから、スムーズに使い魔の契約が行えるようにそうした訳」
輝夜「なるほどな」
ルイズ「なるほどじゃないわよ!!無視しないでよ!!」
輝夜「それでこの茶番は今後もやるのか?」
R0「いや。今回は勢いとノリで書いただけだから、今後はやるつもり無いな。ネタがあれば、やるかもしれないけど」
輝夜「あっそ」
ルイズ「あんたたち……いいかげんにしなさいよ……」
輝夜「それじゃあ、もう用無いし、俺帰るわ」シュンッ
ルイズ「ちょっと!!闇夜のショートワープで逃げないでよ!!……こうなったら、R0……あんただけでも……って、いない!?……ん?なにこれ?手紙?」
R0『読者の皆さん、投稿ペースは遅いかもしれませんが、よろしくお願いします。それから、自分の他の作品である“家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~”、“Lyrical×Darkness”もよろしくお願いします』
ルイズ「…………」プルプル
ルイズ「ちゃっかり、他の作品の宣伝しながら、逃げるなーーーー!!!バカ作者ーーーー!!!待ちなさいーーーー!!!」