アリア side
「う、う〜ん・・・・ゴホッ、ゴホッ・・・・」
「7度5分、微熱ね。昨日雨降っていたのに打たれながら帰るからそうなるのよ」
「付いてない」
「昨日なんか帰るときに雨なんて降ると思うかよ・・・降水確率0%だったんだぜ・・ゴホッ」
ベッドで眠っている遊輝ちゃんに冷たいタオルをおでこに乗せる。今朝、起きた時に電話が鳴って桜ちゃんから「お兄ちゃんの様子がおかしい」って電話がかかってきて来たらこの有様だよ。これで朝飯作ろうとしていたんだから慌てて止めてベッドに寝かしたわ。
「風邪なんて中学1年以来だよ・・・あの時は原因不明だったけど」
「とにかく安静にしてなさい。家事と桜ちゃんの面倒は私が見るから」
「すまん・・・・・」
「看病代は後日なんかしてもらうから」
「はい・・・ゴホッ」
「とりあえず掃除からね。桜ちゃん、掃除機はどこ?」
「あっち」
桜ちゃんの案内で遊輝ちゃんの部屋から出て、洗面所に行く。立て掛けてあった掃除機を手にする。
「コードレスとか良い掃除機持ってるわね〜」
「そうしないといちいちコードを指し抜きして大変ってお兄ちゃんが言ってた」
「ああ、なるほど・・・・」
この家、無駄に広いからコードタイプだとコンセントに差し替えないといけないのね。それだったらコードレスにするわけだ。
「掃除掃除っと・・・・桜ちゃんは何か出来る?」
「洗濯とか色々、お兄ちゃんに教えてもらった」
「じゃあ洗濯お願い。終わったら一緒にお粥を作ろう」
「ん」
とりあえずだだ広いリビングからしよう。確かロフトは使ってないって言ってたわよね。
「う〜ん、相変わらず広い、前はどうやって掃除してたっけ」
3ヶ月くらい前までこの家に住んでいたのにもう掃除のやり方忘れたよ。なんか効率良いやり方があったはずなんだけど・・・まぁいいか。適当にやろう、適当に。
〜〜(1時間後)〜〜
「フゥ・・・・なんとか終わったわね」
もうほんと広すぎる。この家無駄に広い。4人で暮らしてたよりも広く感じる。なんでこんな家に引っ越したの?
「よいしょっと・・・」
「お姉ちゃん、洗濯終わった」
「うん、えらいえらい」
洗濯が終わったと報告をしにきた桜ちゃんの頭を撫でる。はぁ〜、ほんとこういう妹いると心が安らぐ〜。
「・・・お姉ちゃん優しい」
「あったりまえでしょ〜。可愛い妹を褒めることは大事なことなんだから〜」
「お兄ちゃんと大違い」
ああ・・・まぁ遊輝ちゃんだけじゃなく世の男性陣はこういうの疎いから。
「さて、じゃあ次はお粥作ろうか」
「ん・・・・お粥って何?」
「お米を大量の水分で炊いた料理よ。胃に優しいから風邪ひいたときに持ってこいなのよ。とは言え、私も作るのは初めてだから・・・」
そう言ってポケットからスマフォを取り出して「お粥 作り方」と打つ。ふむふむ・・・この辺のシンプルなやつで良いわよね。
「じゃあ作るわよ。まずは・・・・ご飯ある?」
「ない」
「・・・・・・・・」
桜ちゃんの無慈悲な一言で私は無言で一度リビングから離れて遊輝ちゃんの部屋に行く。
「ちょっと遊輝ちゃん、ご飯が無いってどういう事?」
「ゴホッ・・ゴホッ・・・・桜が大量に食べるから炊いても無くなるんだよ・・・3合炊いて空にしたんだから・・・」
「お粥作ろうと思ってるんだけど肝心のご飯が無かったら作れないわよ」
「冷蔵庫の隣の食器棚の下にチンご飯あるからそれ使って・・・・」
「チンご飯は隠してあるのね・・・」
よく見つからないこと・・・まぁご飯があればどうとでもなるわ。味付けはともかくとして作り方はご飯を水で熱するだけだったから。遊輝ちゃんの部屋から出て、言われたとおりに冷蔵庫の隣の食器棚をゴソゴソと探すとチンご飯が見つかった。パックを少しだけ開けて電子レンジに入れる。
「じゃあその間に具材と出汁の準備ね。出汁はだしの素で、具材は・・・卵とネギで良いわね。桜ちゃん、卵といてくれる」
「ガッテン」
「・・・・どこでそんな言葉を覚えたのよ」
とりあえず私は冷蔵庫から青ネギと卵、あとは生姜のチューブも出して卵とボウル桜ちゃんに渡す。包丁とまな板を取り出して青ネギを切っていく。鍋に水を多めに入れて、チンしたご飯を入れて、だしの素を入れて熱する。
「あとは水分飛ばして卵とネギを入れたら出来上がり〜」
「・・・・・あんまり美味しくなさそう」
「お米を大量の水分で焚くからね〜。まぁ味は大丈夫でしょ、なんたって料理レシピサイト直伝だから」
これで不味かったら訴えるレベ・・・さすがにそんなことはないか。とりあえずをある程度飛ばして、溶き卵を入れてネギを入れたら完成〜。
「これをこの器に入れて・・・・じゃあ持って行こうか」
「私がいく」
「じゃあ気をつけて持って行ってね。はい」
お盆の上にお茶碗とレンゲを乗せてお粥をのせる。そのお盆を桜ちゃんに渡し、桜がちゃんは遊輝ちゃんの部屋に持っていく。後ろからその姿を見て少し心配しながら遊輝ちゃんの部屋を覗く。
「はいお兄ちゃん、お姉ちゃんがおかゆを作った」
「ゴホッ、ゴホッ・・・・あ、ありがとう」
遊輝ちゃんは上半身を起こしてお盆を手にする。そのままレンゲを持っておかゆを食べ始める。
「ハァ・・・何でこんな時期に風邪引くのかな・・・・」
「・・・・・・」
「どうした?」
「・・・・頭撫でてくれないの?」
「はっ?」
「お姉ちゃんは褒めてくれるのと同時に頭を撫でてくれた」
「いやお前・・・・俺病人だぞ、そんな事してる余裕ねぇぞ」
「・・・・・・・」
「わ、分かったよ・・・・」
桜ちゃんの情に負けた遊輝ちゃんが桜ちゃんの頭を撫でる。やっぱり妹はこうやって育てなくちゃ。
「ところでアリア、お前は何でそこにいる?」
「え、いいじゃない。たまには兄弟揃って」
「義理なんだけど・・・ゴホッゴホッ・・・・あとは一人でいけるからなんか食べてきたら。あんまり部屋にいたら風邪が移るし」
「う〜ん・・・もう11時半なんだよね」
時計を見てそう呟く。掃除とお粥作るのに意外と時間かかっちゃったしな・・・おまけにお米もないから食料も買いに行かないと。
「じゃあお昼食べに行こう。次いでだからそのまま買い物もしよう」
お昼食べにと言うと桜ちゃんの目がキラキラと輝きだした。
「・・・・・ラーメンラーメン」
「ラーメン食べたいの?じゃあラーメン屋行こう」
「あのラーメン屋行こう」
「あのラーメン屋?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ここ」
「・・・・・二郎系のラーメン屋」
桜ちゃんに連れていかれたラーメン屋は事もあろうに二郎系ラーメン屋だった。いや、私は構わないのだけど遊輝ちゃん、この子に何教えてるのよ。中学生の少女が食べに来る場所じゃないわよ。
「まぁいいか・・・・桜ちゃんは何食べる?」
「特大豚ラーメン、豚Wマシ」
「・・・・・・本当によく食べるわね」
とりあえず店の中に入る。こっちを見た店主が何故か驚いた表情をしていた。
「い、いらっしゃい。今週も来たんだね」
「ワクワク」
「どれだけ行ってるのよ。特大ラーメンの豚Wマシね。私は・・・豚大ラーメンの豚マシでいいや」
そう言って券売機から特大豚ラーメンと豚ラーメン、豚マシを3つ押す。これだけで2000円近くね。まぁいつも通りいつも通り。券売機から出た券をカウンターのお店の人が見えるところに置く。店主がそれを見て麺を茹で始める。
「ニンニクは」
「ヤサイマシマシアブラニンニクカラメ」
「お客さんは?」
「私?ニンニク無しでヤサイマシで」
店主さんのコールを普通にやり過ごす。私も二郎系のラーメン屋は時々行くからね。あんまり行っているとあの人に怒られてしまうから、特にニンニク・・・・
「はいお待ち」
「・・・・・(ニヤリ)いただきます」
「は〜い、いただきます」
カウンターの目の前に置かれたラーメンを手にする。野菜が盛られてその下には分厚目に切られた豚が5枚とスープの下に麺が大量にある。まずは野菜から食べるか、隣の桜ちゃんはもうすでに食べ始めているし。
「(まぁこういう時無言で食べないとふつうにマナー違反なんだよね、特にこういう店は)」
誰かがネットで言っていたわね、「二郎のラーメンはラーメンじゃない、二郎という食べ物だ」とか「二郎のラーメンはフルコースだ」とか・・・・まぁ私もこれくらい余裕なんですけどね。とりあえず野菜と豚半分、次麺〜。麺は極太麺だけど私だったら余裕余裕〜。これくらいの量ペロリペロリ〜。気がつけば野菜も豚も無くなり、あとは麺一口だけ、それを食べておしぼりで口を拭く。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさま」
どんぶりの中に箸とレンゲを入れてカウンターに持ち上げる。ちょうど桜ちゃんも食べ終えたところで一緒に店を出る。
「・・・・満足満足」
「それは良かったね〜」
「・・・でも、もっと量が欲しい」
「・・・・店が潰れるからやめてあげなさい」
桜ちゃんのラーメン、全てにおいて特大だったのにあれでまだ足りない、もっと足せって言ったらお店破綻してしまう。
「次は食料買い出しね。ちょっと戻ってスーパーに行こうか」
「・・・・・・・お姉ちゃん」
「ん?どうしたの?」
「・・・・あいつらの仲間」
「・・・・・OK」
桜ちゃんが私の服をギュッと握りしめてある方向に指を指す。それを見た私は全てを理解して少し歩き、人通りの少ない公園の中に入る。
「ここなら大丈夫ね・・・・・出てきなさいよ」
「あら、もうバレちゃったの?」
桜ちゃんを後ろにやって振り向いて声をかける。相手は木の陰からゆっくりと歩いてこっちに対面してきた。
「何か資料と違う人が護衛しているんだけど・・・・どういうことかしら?」
「資料?なんか知らないけどあいにくあなたの目的の人は今日は体調不良でね」
「あら残念」
「じゃあお引き取り願いたいね」
「本当ならそうしたいけど、私は雇われている身、雇い主の依頼はキチンと仕事しないといけないのよ。その子を返してもらうわよ」
「嫌だね。可愛い妹を渡すほど私はヒトとして終わってないから」
そう言って鞄の中からデュエルディスクを取り出す。相手もデュエルディスクを腕につけて起動させる。
「私の名はキャトル、あなたはすぐ忘れるでしょうけどね」
「私はアリア、桜ちゃんの姉よ」
「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」
アリア LP 4000 キャトル LP 4000
「先行は私、F.A.ハングオンマッハを召喚」
F.A.ハングオンマッハ 攻?
相手の場に青いバイクが颯爽と現れる。
「ハングオンマッハの攻撃力は自身のLv×300ポイントアップする。さらに『F.A.』魔法・罠を発動するたびにレベルが一つ上がるわ。フィールド魔法、F.A.シティGPを発動!」
フィールドが大きなビル街に移り変わり、私たちの場はレースのコースへと変わる。
「シティGPを発動した事によりハングオンマッハのLvは1つ、シティGPの効果で自分フィールドの『F.A.』モンスターのレベルはお互いのメインフェイズ・バトルフェイズの間、2つ上がる!」
F.A.ハングオンマッハ ☆4→7
F.A.ハングオンマッハ 攻?→2100
「カードを2枚伏せてターンエンド」
キャトル 手札 1枚 LP 4000
ー▲▲-- ー
ーー--○
- -
-----
----- -
アリア 手札 5枚 LP 4000
「私のターン!ドロー!」
「メインフェイズ、ハングオンマッハ のレベルと攻撃力は変動する!」
ようは相手だけマクロコスモスでしょ?でもそれはレベルを変動している時だけってわけね。
「魔法カード、サイクロン!シティGPを破壊する!」
フィールドにサイクロンが吹いてシティGPを破壊する。
「ぐっ・・・ハングオンマッハのレベルは下がる代わりに、シティGPの効果発動!このカードが破壊された場合、デッキからこのカード以外の『F.A.』魔法・罠カードを手札に加える!F.A.サーキットGPを手札に加える!」
F.A.ハングオンマッハ ☆ 7→5
F.A.ハングオンマッハ 攻2100→1500
「このカードは自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる!SRベイゴマックス!」
SRベイゴマックス 守600
「ベイゴマックスの効果発動!特殊召喚成功時、デッキから『SR』モンスター1体を手札に加える!SRタケトンボーグを手札に加えて、タケトンボーグは自分フィールドに『SR』がいる場合、特殊召喚できる!」
SRタケトンボーグ 守1200
「権限せよ!光を照らすサーキット!」
私の上空に現れたリンクマーカーにベイゴマックスとタケトンボーグの2体のモンスターが入り、左斜め下と右斜め下の矢印が赤く光る。
「アローヘッド確認!召喚条件はLv3モンスター2体!私はSRベイゴマックスとSRタケトンボーグをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!リンク2!彼岸の黒天使 ケルビーニ!」
彼岸の黒天使 ケルビーニ 攻500 ↙︎ ↘︎
「ケルビーニの効果!コストでデッキからLv3以下のモンスターを墓地に送り、フィールドの『彼岸』モンスターを対象に取る!私が送るのは幻影騎士団ダスティロープ!対象のモンスターの攻撃力を墓地に送ったモンスター分、アップする!」
彼岸の黒天使 ケルビーニ 攻500→1300
「そして墓地に送られたダスティロープの効果!このカードをゲームから除外して『幻影騎士団』カードを1枚、デッキから手札に加える!幻影騎士団ラギットグローグを手札に加えて、召喚!」
幻影騎士団ラギットグローグ 攻1000
「さらにこのカードは自分フィールドに『幻影騎士団』モンスターがいる場合、特殊召喚できる!幻影騎士団サイレントブーツを特殊召喚!」
幻影騎士団サイレントブーツ 守1200
「権限せよ!光を照らすサーキット!」
再び現れたリンクマーカーに今度はケルビーニとラギットグローグの2体のモンスターが入り、リンク3のモンスターが出てくる。
「アローヘッド確認!召喚条件は闇属性モンスター2体以上!私はリンク2の彼岸の黒天使 ケルビーニと幻影騎士団ラギットグローグ をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!リンク3、幻影騎士団ラスティ・バルリッシュ!」
幻影騎士団ラスティバルリッシュ 攻2100 → ↙︎ ↘︎
「それを通したらまずいわね!リバースカードオープン!速攻魔法、F.A.シェイクダウン!自分フィールドの『F.A.』モンスター1体の表示形式を変更して、その後にフィールドのカード1枚を選んで破壊する!」
F.A.ハングオンマッハ 攻1500→守1800
相手が発動したシェイクダウンによりハングオンマッハがラスティ・バルリッシュに特攻して破壊された。
「『F.A.』魔法カードを発動した事より、ハングオンマッハのレベルが1つ上がる!」
F.A.ハングオンマッハ ☆5→☆6
「墓地のラギットグローググローブの効果発動!墓地のこのカードをゲームから除外してデッキから『ファントム』魔法・罠を墓地に送る!」
墓地に送られたラギットグローグがゲームから除外されてデッキの1枚のカードが墓地に送られる。
「幻影翼を墓地に送り、幻影翼の効果!墓地のこのカードをゲームから除外して、墓地の『幻影騎士団』を特殊召喚する!幻影騎士団ラスティバルリッシュ、復活!」
墓地に送られた幻影翼が除外されて、破壊されたラスティバルリッシュが復活する。
「ラスティバルリッシュの効果!デッキから『幻影騎士団』モンスター1体を墓地に送り、デッキから『ファントム』魔法・罠をフィールドにセットする!2枚目の幻影騎士団ラギットグローグ を墓地に送り、幻影霧剣をセット!さらに速攻魔法、緊急テレポート!デッキからLv3以下のサイキック族モンスターを特殊召喚する!チューナーモンスター、サイコウィールダー!」
サイコウィールダー 守0
「Lv3の幻影騎士団サイレントブーツとサイコウィールダーでオーバーレイ!」
☆3 × ☆3 = ★3
「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!戦の地で倒れた騎士の魂が幻影に蘇る!エクシーズ召喚!ランク3!幻影騎士団ブレイクソード!」
幻影騎士団ブレイクソード 攻2000
ブラックホールの中からブレイクソードがラスティバルリッシュの隣に召喚され、ラスティバルリッシュが動き出す。
「ラスティバルリッシュの効果発動!このカードのリンク先に闇属性エクシーズモンスターが特殊召喚された場合、フィールドのカード1枚を破壊する!その伏せカードを破壊する!」
「リバースカードオープン!速攻魔法、F.A.ピットストップ!自分フィールドの『F.A.』モンスターのレベルを2つ下げ、墓地の同名カードの枚数+1枚ドローする!」
F.A.ハングオンマッハ ☆6→☆4→☆5
キャトル 手札 1枚→2枚
「関係ないわね!ブレイクソードの効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を破壊する!自身とハングオンマッハを破壊する!」
幻影騎士団ブレイクソード OVR 2→1
「そしてブレイクソードの効果!エクシーズ召喚されたこのカードが破壊された場合、墓地の同じレベルの『幻影騎士団』モンスター2体をレベルを1つ上げて特殊召喚する!ラギットグローブとサイレントブーツを特殊召喚!」
幻影騎士団ラギットグローグ ☆3→☆4
幻影騎士団サイレントブーツ ☆3→☆4
破壊されたブレイクソードの跡に2つの穴が開いてラギットグローグとサイレントブーツがフィールドに戻ってくる。
「Lv4のラギットグローグとサイレントブーツでオーバーレイ!」
☆4 × ☆4 = ★4
「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!奈落の闇より反逆の魂を宿り、今地上に現れろ!エクシーズ召喚!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻2500
『ガアアアアア!!!!!』
ブラックホールの中から現れたダーク・リベリオンは大きな咆哮をあげる。
「バトル!ラスティバルリッシュ、ダーク・リベリオンでダイレクトアタック!」
キャトル LP 4000→0
WIN アリア LOS キャトル
「うしっ!」
デュエルディスクを片付けてガッツポーズをする。相手はこっちを見てゆっくりと拍手していた。
「ふふ・・・・・凄いわね。少し甘く見ていたわ」
「ふん、だったらこれに懲りてもう近寄ってこないでよね」
「悪いけど私も契約があるのよ。それに・・・・その子を防衛している男の子、すごく可愛いじゃない・・・・私好みだし」
「あんたなんかに遊輝ちゃんを渡すつもりはないわよ」
「いいね・・・殺し合いがあるじゃない・・・今日は引いてあげるけど次はこうはいかないからね」
そう言ってキャトルは振り向いて帰っていった。全く、買い物の途中で余計なことさせないで欲しい。桜ちゃんも萎縮しちゃってるじゃない。
「大丈夫桜ちゃん」
「・・・・うん・・・お姉ちゃん、ありがとう」
「(ズキューーーン!!!!!)」
服を持ちながらモジモジとした態度で上目遣いにお礼を言ってきた桜ちゃんに私の心は奪われた。良いなぁ〜、こんな妹、本当にもちたいわ〜。
「じゃあ買い物の続き、しようか」
「ん」
私は桜ちゃんの手を繋いで公園から出た。
アリア side out
遊輝 side
「う〜ん・・・・ゴホッゴホッ・・・」
「37度・・・・咳き込んではいるけどだいぶマシになってきたわね」
「咳き込みもだいぶなくなってきたけど・・・」
「無茶しないの。でも一晩寝たら治るかもね」
現在夜の8時、晩御飯も食べ終わり、熱も下がってようやく体調が戻ってきた。桜は今お風呂に入っている。
「んで、今日来た奴は?」
「何か凄い遊輝ちゃんに執着していたわね。分からないこともないけど」
「どういう事だよ・・・」
「まぁこれから頑張っていきましょう。これ、今の分の薬、とりあえず飲んですぐ寝ること」
「ふぁい・・・」
アリアから薬を渡されて、それを飲み込んで水を流し込む。カプセル状の薬が喉を通っていく。
「それでね〜、今日の看病代なんだけど・・・・」
「あ〜、ごめんまた後日、今ちょっと払う機会ねぇわ」
「うんうん、お金は良いの、その代わり・・・・」
アリアは俺の耳元に近づいて呟いた。
「遊輝、いえ、優姫ちゃん、あなたの写真6ヶ月も溜まってるのよ」
「!?」
「あの人もそろそろ連れて来いって言ってるのよ・・・だから、明日から1週間泊まり込みでモデルの仕事、お・ね・が・い♪」
アリアの一言一言で俺の身体が震え上がり寒気がする。不味い!何とかしてこの場から逃げないと明日からの人・・・け・・・・
「ぐっ!?ね、眠気・・・・」
「ああ、さっき飲んだ薬、凄い効くんだけど副作用として睡眠欲に襲われるんだ」
「な・・ん・・・だと?」
「今日はもうおねんねして、明日からよろしくね♪ゆ・う・き・ちゃ・ん」
襲われる睡魔に勝つことが出来ず、アリアの満面の笑みを浮かべていたのを最後に俺は意識を落とした。
桜「お姉ちゃん、優しい」
アリア「こんな可愛い妹を厳しくしないお姉ちゃんはいないよ〜」
桜「褒めてくれる、好きなものを食べさせてくれる、おまけに強い」
アリア「(割と遊輝ちゃんも同じことをしてるはずなのにこの違い・・・・)」
桜「ところでお兄ちゃんは?」
アリア「遊輝ちゃんはね、明日に向かって英気を養うためにもう寝たの」
桜「?・・・・次回、『優姫ちゃんのモデル生活』・・・・誰?』
アリア「次回もよろしく」