遊戯王 振り子使いの少年と連鎖使いの少女   作:DICHI

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前回と違う公演会場

7/1 沖縄
7/5 長崎
7/9 岡山
7/14 兵庫、神戸
7/19 静岡、浜松
7/23 長野
7/27 新潟


8/3、8/4 北海道
8/7 宮城、仙台
8/10、8/11 埼玉
8/17、8/18 神奈川
8/24、8/25 愛知、名古屋
8/31、9/1 大阪
9/4 広島
9/8、9/9 福岡
9/14、9/15、9/16 東京、武道館


倍以上の公演回数、そしてバンドマンの夢、日本武道館が入りました。


第18話 Hole TURE Live Fes in KIZUNA is MUSIC POWER

遊輝 side

 

 

「あ、暑い・・・・」

 

「そうか?」

 

「あんたシグナーの能力のおかげでしょ・・・太陽が燦々と照りつく・・・」

 

「前に来たときは大晦日と年越しだったからね・・・」

 

沖縄、○○空港・・・・

今年もまた、夏がやって来た。去年から夏になるとアカデミアに早めの夏休みを貰い、軽音部全員で全国を回ることになった。目的はただ一つ・・・・ライブをするためだ。

 

「今回は変な出待ちとか無いわよね。去年のアレは目立つし恥ずかしかったんだから」

 

「まぁ小林さんだから大丈夫でしょう。私たちの事を一番に考えてくれてるし」

 

「あっ、いた。絶対アレだ」

 

「めんそーれ、ようこそ沖縄へ」

 

自動ドアを抜けて空港の到着フロアにスタッフの小林さんがいた。

 

「小林さ〜ん、昨日ぶりです」

 

「ハハハ、遊輝君、足の方は大丈夫なのか?」

 

「おかげさまで」

 

「最初聞いたときはビックリしたよ。護衛のことは聞いているけど自分の身にも気をつけてよね」

 

「それより小林さん、さっきからチラチラとこっちを観ている人が何人かいるんですが」

 

なんかチラチラと見られている気がしてレミが聞いてくる。確かに気になるな。

「君たちのファンだよ。どこから噂を駆けつけたのか、おまけに君たち変装もしないで来るもんだから」

 

「必要ないでしょ。遊輝はサングラス掛けているけど」

 

「いや、マジで夏場はダメ。左目つぶってしまう」

 

俺一人だけサングラスかけていることに奏は言ってきたがマジで夏場の日差しはキツイ。サングラスかけないと左目閉じてしまう。・・・・・病気じゃないと思いたい。視力検査は無事だし。

 

「とりあえず行こうか。この前使ったペンションに泊まるよ」

 

「は〜い」

 

「んん〜!!今日は国際通りで食べるわよ!」

 

「観光なんかしないわよ」

 

「いいじゃん別に!国際通り歩いておもろまちいってショッピングモールくらい」

 

「今日は早めに到着しましたから別に構いませんよ。リハーサルは明日からですから」

 

一人はっちゃける響にレミが活を入れる。小林さんがすぐにリラックスするように言ったので響は落ち込まず、むしろテンションが上がっていく。

 

「よーし食べまくるぞ!」

 

「太るぞ、お前」

 

「大丈夫大丈夫!私太らない体質だから!」

 

「それケーキだけじゃないのかよ・・・」

 

うちの女性メンバーって体重気にしないやつ多すぎる。まぁそのうち二人はピンクの悪魔如き食べまくるが、あれは地球上にいちゃならん生命体だ、地球の食糧食い尽くして人類史が滅んでしまう。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「むっ、今アリアさんと可愛い妹をバカにされた」

 

「・・・・何それ?」

 

「恐らく遊輝ちゃん辺りがバカにしたんだわ・・・あとで確認しよう」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「国際通り到着!!お土産買おう!!」

 

「速えよ」

 

「良いんじゃね?ライブした次の日にはもう長崎だし、郵送すれば良いだろ」

 

「家に代金送りつけて」

 

「親不孝者」

 

ペンションに荷物を置いて早速国際通りに向かった。国際通りに入って開口一番に響はお土産を宣言、しかも送料は親持ちという罰当たりなことを言い出した。

 

「別に良いじゃん!各地のお土産買っていくんだから!」

 

「響のお父さんは世界中駆け回っているんだから日本全国のお土産なんてあんまりでしょ」

 

「まぁ俺もお土産くらい送っておこう。あいつらならどうせ食べ物でいいだろ。サーターアンダギーとちんすこうと紅芋タルトでも送っておこう」

 

あいつらは食べ物送っておけば全て解決する、ある意味楽だ。ピンクの悪魔の唯一の利点だ。

 

・・・・・ピピピ

 

「電話?・・・アリア?はいもしもし」

 

『遊輝ちゃん、今とついさっき、私と可愛い妹をバカにしたでしょ』

 

「・・・・な、何のことだ?」

 

『今一瞬躊躇ったわね』

 

何でこいつ、こんなテレパシーみたいな能力あるんだよ!?しかもついさっきって空港のアレか!?あれも勘付いているのか!?

 

『まぁいいわ。帰ってきた時を楽しみに待ってなさい』

プツン、プー、プー

 

言いたい事言いまくったアリアはそのまま電話をぶつ切りした。俺はスマフォをポケットに直す。

 

「(あいつ・・・すみれさんのテレパシーをいつ習得したんだよ(汗))」

 

あの人もあの人で俺の考えていることが分かるからな・・・・あの人に入門したらみんなテレパシー使えるのか!?いや、それだったら娘の茜とか使えないしな・・・・

 

「?どうしたのよ遊輝っち、こっち見て」

 

「いや、何でもない」

 

とりあえずこの娘だけは普通にして欲しい。

 

 

〜〜(二日後)〜〜

 

 

「じゃあこれでよし」

 

「ふぃ〜・・・身体が楽になった」

 

専属のスタッフから鍼を打ってもらって身体を起こす。ツボを刺激してくれたから身体が軽く感じる。

 

「終わった?」

 

「終わった終わった」

 

「じゃあステージ裏まで行くわよ」

 

「あいよ」

 

既にステージ衣装(と言っても私服)に着替えたレミが俺に催促をして俺も着替えてステージ裏に行く。他のメンバーも気合十分で集まっていた。

 

「来た来た、本番3分前でようやく集合ね」

 

「余裕ねぇ〜、私なんか未だに緊張して肩に力が入るのに」

 

「緊張しても意味ないって去年のツアーで教えてもらったよ」

 

「じゃあみんな、円陣組むわよ」

 

レミの呼び声で俺たち6人で円陣を組み、その周りをスタッフたちが囲む。

 

「今年もこの時期が来たわよ!まず初日!怪我なく、盛り上げていくわよ!」

 

『オイ!!』

 

「行くわよ!1・2・3!」

 

『Let's Go!!!』

 

『お待たせしました、SECRET、ライブツアー、Live Fes in KIZUNA is MUSIC POWER、開演します』

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

・・・♪♪♪♪〜〜〜〜〜〜

 

会場のアナウンスが終わり、拍手が巻き起こったあと、ギターのイントロが入る。そのままステージの幕が上がる。

 

『ワアアアアア!!!!!!』

 

すでにスタンバイしていた俺たちは楽器の前にいて、最初のギターイントロを俺と茜のダブリングのように重ね合わせるように演奏する。正面に流れる映像とシンクロするようにギターイントロを続ける。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!

 

♪・♪・♪・♪♪♪〜〜〜

 

『オオオ!!!!』

 

ギターのイントロが終わり、そのまま響のキーボードから開幕ナンバーのイントロが流れ始める。ベースとキーボードのセッションに合わせ、マイクスタンドからマイクを持った奏が右手を突きつけてコインを指で弾く。そのままイントロに合わせて歌い始めた。

 

 

1 Only My Railgun 【fridSide】

 

2 Chase the Chance 【安室奈美恵】

 

3 Liar!Liar! 【B'z】

 

♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

「元気〜〜?」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

「えぇ・・・ようこそ、あっごめん間違えた。めんそーれ、SECRETのLive Fesへ」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

開幕ナンバーが終わり、そのままマイクをマイクスタンドにマイクを戻した奏がお客さんに向かって話し始める。その間に俺たちは次の曲の準備を進める。

 

「今年もまた、この沖縄の地から全国を回るツアーが始まりました。今年は去年よりもたくさんの場所を回ることができます」

 

『奏さ〜〜ん!!!』

 

『遊輝さ〜〜ん!!!』

 

「ありがとうこざいます、たくさんの場所を回るのはまぁ正直、私たちからすればすごい大変なんだけどこれも皆さんのお陰です。本当にありがとうございます」

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

「では、続きましてバンドSECRETのオリジナル曲に入ります」

 

『ワアアアアア!!!』

 

「今年の9月頃にデビューアルバムが発売されますけど、もちろんその中からも歌いますがせっかくですので去年のツアーでもやってなかった未発表曲を・・・」

 

『オオオオオ!!!!』

 

「やりません」

 

『エエエエエ!!!!』

 

「ええって言わないで!!だって出来てないんだから!!」

 

『ハハハハハハ!!!』

 

「それに著作権の問題とか色々あるんだからね・・・・」

 

色々と奏が繋げてくれたおかげで俺たちの準備が終わり、最後にスタッフが奏にアコースティックギターを渡した。

 

「それじゃ準備も出来たし、次の曲行きますか。まずは去年のツアーでも歌った曲から』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

4 星の風 【オリジナル】

 

5 ありがとう 【オリジナル】

 

6 愛の言葉 【オリジナル】

 

7 Happy birthdayの歌 【オリジナル】

 

8 さあ 行こう! 【オリジナル】

 

9 限界突破 【オリジナル】

 

10 Dreaming 【オリジナル】

 

♪♪♪〜〜〜

 

「Dreaming」が終わり、そのまま奏が両手を上げて早めのリズムで手を叩く。そのリズムに合わせて観客も手拍子を始める。

 

「じゃあ行くわよ!!このままの勢いでもっと熱い夜にするわよ!」

 

『オオオオオ!!!!』

 

「B'zの曲をオマージュしてみました!!『RUN』!!」

 

ギターのソロから始まり、そのまま疾走感のあるメロディがドラムとキーボードで流れ始める。

 

 

「お前らと付き合ってこの数十年

「よくもまぁこんな奴らと付き合えたもんだよ」

金髪に染めた俺が運転しながら喋った

誰かが「私の力だね!」と自慢してはみんなで止めて笑いあった

 

時の流れを早く感じるけど 出会ったあの頃と何ら変わらずに

 

走れ 走れ 走れ!!全力で!!

真っ暗な道に希望という光を灯して

飛べ 飛べ 飛べ!!どこまでも!!

いつまでも少年のような心を持って走り続けろよ!!

 

カッコをつけて踊るお前らを見て

「誰がそんな下手な物を見るかよ」と罵倒をした

そんなしょうもないことでまた喧嘩をして

酒を飲んで忘れ笑いあっていた

 

十人十色の思いを抱えて 出会った頃よりもずっと加速して

 

走れ 走れ 走れ!!全力で!!

塗装された新しい地面を蹴りつけて

泳げ 泳げ 泳げ!!どこまでも!!

この世界という海原を相手にしようぜ!!

 

 

「何億分の一という奇跡を信じるんか?」

そんな物 当然信じるぞ でなくちゃ俺たち

出会わなかったんだ

「死ぬなら一人だけだ!!!」そんなくさい自分らしらを捨てようぜ

俺たちはいつでもBEST FRIENDS いつまでもこれからも

 

 

走れ 走れ 走れ!!全力で!!

何もない所から始まる新たな場所へ

走れ 走れ 走れ!!どこまでも!!

時には冗談を言って気を抜くのも いいじゃない!!

走れ 走れ 走れ!!全力で!!

これからもよろしく頼むぜ!!

 

走れ 走れ 走れ!!全力で!!(Let's RUN)

走れ 走れ 走れ!!どこまでも!!(Let's RUN)

走れ 走れ 走れ!!全力で!!(Let's RUN)

走れ 走れ 走れ!!これからも走り続けようぜ!!!(Let's RUN)」

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!』

 

この曲が終わり、奏はスタッフから愛用のギターであるランダムスターを手にして、マイクスタンドにマイクを付ける。

 

「次行くわよ!『カミサマドライブ』!」

 

 

♪♪♪〜〜〜

 

「僕らの行く道は誰が決めたのか?

神様?仏様?それとも雷様?

 

「自分で決めた道を信じなさい」

そんな事聞いても99%上手くいかない

結局僕らは日常に埋もれていくんだ

 

あどけない顔で 「大丈夫」と言われて

頭を抱えベンチに座ってた人に

少女はそう呟き 消え去っていく

 

カミサマドライブ

僕らが走っていく道は 結局は僕らではない誰かが決められる

不条理な世界

そんな世界という道を 僕はこれからも走っていくんだろう

 

テレビでみた憧れのキャラクター

主人公?ライバル?それとも悪役?

「俺はこの世界の英雄だ」

クールに格好つけても100%厨二病に

結局僕らはアニメのようにいかない

 

汚れのない瞳で キラキラ見つめられて

跪き絶望を味わっている人に

少女は見つめて 手を差し伸べた

 

カミサマドライブ

僕らが走っている道は 決して平らに出来ているわけじゃない

理不尽な世界

凸凹や険しい崖を超えて 僕らの行く道はこんな風に茨何だろう?

 

 

何故僕らは道に迷うだろう?

(Why will we get lost?)

何故僕らはまたつまずくのだろう?

(Why will we stumple again?)

こんな険しい道を歩いた記憶はない

それでも僕らは理不尽なこの道を走っていくしかないんだ

 

カミサマドライブ

僕らが走っていく道は 結局は僕らではない誰かが決められる

不条理な世界

そんな世界という道を 僕はこれからも走っていくんだろう

 

カミサマドライブ

僕らの走って行く道は 結局僕らには決められない

理不尽な世界

そんな世界でも 僕らは全力で走って行くんだろう 理由(わけ)もなく」

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!!』

 

ギターをスタッフに預けた奏が再びマイクスタンドからマイクを手にする。俺がスタッフから交換してもらった愛用のブルーフラワーでメロディを奏で、次の曲のイントロに入る。

 

「次も新曲よ!!『STAR TRAIN』!!」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

「一歩ずつ前へ進んで 大きくジャンプして

大きな太陽登り 始まりの合図

 

僕らの思いは どこに向かって行くのかな?

答えはない 結局探し出すしかないんだ

 

さぁ 今こそ旅立ちの時

希望と不安と少しばかりの夢を心に持って

僕らは 何を探しに出かけるのかな?

その答えを見つけるために出かけるんだろう

 

さあ走り出そう STAR TRAIN to Go!

行き先は華やかに輝く未来だけじゃないけど

蒸気から出てくるのは黒い煙じゃなくて虹色の星なんだよ

 

心の本音に従って 思いのまま突き進んで

壁にぶつかり 凹んでまた1からやり直し

 

色々考えたって 過去に戻りたいと呟いても

大好きな歌を聞いていたら バカバカしくなった

 

ああ 僕らはこのまま

この錆びた鎖に縛られたままかな?

複雑に絡んでもがいても取れないのかな?

だったらこの鎖と共に歩いて行こうじゃないか

 

スピードアップだ STAR TRAIN to Go!

まだまだ夢を叶えちゃいないんだから

窓から見える景色はキラキラと輝いているんだ

 

思いを乗せて旅に出たんだ

例えそれが叶わなくても 僕の決めたことだから後悔なんてないんだ 失敗したらまた新しい夢を立てればいいんだ

 

さあ走り出そう STAR TRAIN to Go!

行き先は華やかに輝く未来に向かって

蒸気から出てくるのは黒い煙じゃなくて虹色の星なんだよ

さあ駆け抜けてこう STARTRAIN to Go!

一度行ったら戻りはしないよ

既定路線の線路なんてないんだ 僕らが作るんだから」

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『イエエエエ!!!!』

 

「ありがとうこざいました!!」

 

奏がマイクスタンドにマイクを戻して、観客にお礼する。そこで一度ステージの照明が全て消えて、その間に裏でスタッフが色々と準備を進める。その間にブルーフラアーのギターを手にした俺がマイクスタンドの前に立ち、俺だけスポットライトが当てられた。

 

「えぇ〜、じゃあここから私のターンということで」

 

『遊輝さ〜ん!!』

 

「どうもありがとうございます。沖縄でライブをやるのは初めてですが、やっぱり暑い場所ですね」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

「静まって静まって!!これ以上熱くしたら熱中症で倒れてしまうから!」

 

『アハハハハ!!!!』

 

「冗談抜きで皆さんも水分補給はしてくださいね。ちょうど今、メンバーも水分補給しながら休憩しているので、えぇ今回のテーマ、『KIZUNA is MUSIC POWER』、皆さんどう思いますか?」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「ちょっと予想外の反応が来たけど・・・・個人的には非常に幼稚でダサいと思うんですよね」

 

『アハハハハハ!!!!』

 

「だって幼稚園児が着けそうなタイトルですよ?誰だって思い浮かびそうじゃないですか」

 

『そんな事ないよ!!』

 

『良いよ!!』

 

「褒めても何も出ないからね?あんまり言ったらリーダーに怒られるのでここから本題に入ります。絆って言葉、皆さん知ってますか?あれって本来は家畜とかの動物を繋ぐための綱が原語みたいですよ」

 

『ヘェェ』

 

「そこら辺からヘェーって聞こえた辺りから多分ほとんどの人が知らないと思うんですが、ほとんどの人たちが今じゃ人と人が断つ事のできない繋がりみたいな感じで捉えていると思うんです。ようは何かと何かを繋ぎ止めるようなものみたいなんですね」

 

「絆って漢字は糸偏にこう・・・半分の半って漢字みたいじゃないですか?本来の成り立ちはちょっとグロいので各自で調べて欲しいです」

 

「それで、これで私が何が思ったのかと言いますと、絆って言葉は安易に使っちゃいけない言葉なんだなって、元々は何かと何かを繋ぎ止めるもの、つまり人と人を見えない何かで縛り付けるみたいなニュアンスなんですよ。それって強制的に縛られたらダメじゃないですか?だからこそ、この絆って言葉は大切にしなくちゃいけないけど、安易に使うと逆に拘束してしまう・・・そんな感じなんですよ。だからこそ、今回は明るくしようと、『私たちのメンバーは音楽の力で、ここにいるみんなも音楽の力で繋がっている』。そういう思いを込めたんです」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

「長くなってごめんね?半分以上雑学で眠くなった人いるけど大丈夫?そろそろ準備できたから次の曲行くよ」

 

『ワアアアアア!!!!!!』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『オオオオオ!!!!』

 

次の曲のメロディが響のキーボード、スバルのドラムから始まる。明るいポップなメロディで会場のムードは大きく上がった。

 

 

14 君に届け 【flumpool】

 

15 Bitter sweet 【嵐】

 

16 Hometown 【オリジナル】

 

17 叫び 【オリジナル】

 

18 素晴らしき世界 【オリジナル】

 

♪♪♪〜〜〜

 

『イエエエエ!!!!』

 

自分の持ち歌を歌ってすぐにアコースティックギターを手にする。そのままマイクスタンドの前に立つ。

 

「それじゃ次の曲行きます。次の曲はアルバムに入った新曲です。たまたま空を見上げて思ったことを書いてみました。『飛行機雲』」

 

♪・♪・♪・♪♪♪〜〜〜

 

 

「今僕の目の前にある小さな宝箱 オンボロで

鍵穴が 壊れていて 簡単に開けられる 何が入っているんだろうかな?

 

そぅ〜と開けてみたらヒラリとした紙飛行機一つ

なんでこんな物 ずっと入れていたんだろう?あの頃の自分に

 

問いかけてみたら 答えがきた

「裏側を見てごらんよ。僕の夢が書いてあるよ」

そう聞こえたので 裏向けると

 

愛を探して 希望目指して 自由に憧れて

大空へと飛ぶ夢を描いていた

夢や希望や理想を何にも疑わずに

どこまでも続く青い彼方に憧れて

 

ああ あの飛行機雲のように僕もどこか自由の場所へ 飛んで行こう

 

もしも これが夢の中だったら 僕は今でも

こんな気分になれるかな?

 

ドローンやロケットみたいに垂直に上がっても なんか夢や持てやしない

 

問いかけてみても誰も返事がしない

「そりゃそうか だってこんな所誰もいないしな」

そう呟いて ため息を吐く

 

遥か彼方 にある雲に憧れて 心動かされ

世界中にいるたくさんの人に向かって

大きな声で叫んでみよう

どこまで届くか分からないけど

 

 

何にも変わらず 何にも考えず

ただぼぅ〜と空の彼方を眺めて

そう言えば子供の頃も そう言えば今も

そんなに変わっていないじゃないか

 

愛を探して 希望目指して 自由に憧れて

大空へと飛ぶ夢を描いていた

夢や希望や理想を何にも疑わずに

どこまでも続く青い彼方に憧れて

 

どこまでも 伸びていく 飛行機雲みたいに

僕の道も夢もまだまだ続いて行くんだ

自分の可能性をひたすらに信じて

どこまでも続く青い彼方に憧れて

 

ああ あの飛行機雲のように僕もどこか自由の場所へ 飛んで行こう」

 

♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

「えぇ、みんなが準備している間に次の、最後の曲紹介です」

 

『エエエエエ!!!!!』

 

「だからさぁ〜、本当にもう・・・・やめてくれる?(汗)」

 

『アハハハハハ!!!!!』

 

「時間あるのよ、労働基準法のこと、本当に話すよ?長いよ〜・・・・まぁそんな冗談は置いといて、最後の曲、個人的にはもうちょっと練ればなぁと思った恋歌です」

 

『オオオオオ!!!!!』

 

「なんでみんないちいち騒ぐの?なんも出てこないよ?」

 

『良いよ!!』

 

『早く聴かせて!!!』

 

「まぁまぁ・・・・突然の出会いから始まった1年の長くて短い恋物語・・・・『春夏秋冬』」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

「小春日和が多くなったけど まだ肌寒い夕焼けの時間

イヤフォンから流れる音楽で僕は気ままに帰ってた

 

街灯の下で倒れている 君を慌てて見つけ

急いで走り出して僕は 病院へと翔ってた

 

不思議な出逢いを体験して 僕らギクシャクのまま一つの家で生活を始め

何の感情も抱かない 君の表情を見て僕は…「君のこと知りたい」

 

「あのね」という言葉を使って 君との距離を感じた

「そうだ」という言葉で返事を した君は僕との距離を離す

 

太陽が眩しく照りつける 蒸し暑さが残る熱帯夜

テレビから流れる音楽で 君は無表情に見ていた

 

夏祭りのイベントでも シナリオ通りのイベントなんて起こらず

和太鼓の音が響いて 盆踊りを踊ってた

 

半年が過ぎても君のことを 何の理解も得ることはできずに

君との距離も縮めない 僕の心は…「君のことを知りたい」

 

「恋」という文字を調べて 僕の心は何を思ってる?

「好き」という言葉を 伝えるために苦労した

 

La La La…………

 

 

小さくて 届かない 君の心

雪のように冷たく 消えていく存在かな

このままいつか 居なくなってしまうんだろ

そう思うと僕は 辛いんだ

 

 

「さよなら」という言葉を使って 君は旅立とうとする

「さよなら」という言葉で 僕は涙を流した

 

「またね」という言葉を 言っても二度と会えない

どんなに頑張ったって評価されない 誰も見ていないんだから

 

La La La さようなら・・・・・消えないように・・・・・ありがとう」

 

 

♪♪♪〜〜〜・・・・・

 

パチパチパチパチ!!!!!!!

 

最後の歌が終わり、ギターをスタッフに渡す。既に6人は立ち上がり観客に向かって頭を下げていき、舞台袖に下がっていく。

 

「今日はありがとうございました!!SECRETでした!!」

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

最後に俺が挨拶をして手を振りながら舞台袖に下がった。観客からは拍手が巻き起こっている。

 

「お疲れ様〜」

 

「お疲れ〜、様子見ていくわよ。準備してね」

 

「うぃ〜す」

 

近くにあった未開封のウーロン茶を飲んで塩飴を一つ手にして口に入れる。その間にも服を着替え始める。こっちの舞台袖にも観客のアンコールの声や拍手が聞こえてくる。

 

『アンコール!!アンコール!!』

 

「ステージの照明付けます」

 

「ドラムから行ってね」

 

「あいよ」

 

「アンコール行きま〜す!」

 

スバルから順番にこっそりと舞台袖からステージへと戻る。塩飴を噛み付くした俺もウーロン茶で口を洗い、飲み込んでスタッフからESPのエレキギターを手にする。奏は右手に青い薔薇をモチーフにしたシュシュを身に付ける。

 

「それじゃ最後、遊輝さんと奏さんが入るタイミングで付けます!」

 

「ではどうぞ」

 

「行くよ」

 

「うっす」

 

奏と同時タイミングで舞台袖からステージに戻る。同時にステージの照明がついて観客は大盛り上がり。定位置に着いた俺はギターのチューニングをして、奏はマイクスタンドの前に立ち、頭を下げる。

 

「アンコールありがとうございます」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

「えぇ・・・アンコールではですね、昨年のツアー最終公演で人気だったガールズバンドの」

 

『オオオオオ!!!!』

 

「ライバルバンドの歌を歌います」

 

『オオオオオ!!!!』

 

「これ分かるかな?今からこのバンドの曲歌うよ」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

「それじゃあいくよ!!」

 

♪・♪・♪・♪・♪♪♪〜〜〜

 

『オオオオオ!!!!』

 

レミのベースとスバルのドラムから始まりそのまま奏の力強い歌声が会場に響き渡る。去年のツアーで公表だった、とあるバンドのライバルバンド、その絶対的人気を誇る曲だ。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

21 R 【Roseiia】

 

 

♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!!』

 

「ありがとうございます!!」

 

奏が頭を下げて、舞台袖から来たスタッフに右腕に着けたシュシュを渡し愛用のランダムスターを手にする。その間にもドラムとキーボードの音は鳴り止まずに観客を盛り上げている。

 

♪♪♪〜〜〜

 

「それじゃこの歌で締めくくるわよ!」

 

『イエエエエ!!!!』

 

「せっかくツアーのタイトルと似たようなタイトルの曲があるんだから!歌わないとね!!いくよ!!『キズナミュージック♪』」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

22 キズナミュージック♪ 【Poppin'Party】

 

 

♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!!!』

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

「ありがとうございました!!」

 

最後の歌が終わり、俺とレミ、奏はギターやベースをスタッフに預ける。その間に後ろにいたドラムのスバルとキーボードの響、パーカッションの茜がステージの前の方に立ち、一列に横に並ぶ。

 

「今日はありがとうね!!最後に今日のメンバー紹介行くよ!ドラム!!遊城スバル!!」

 

奏の紹介でまずはスバルが一歩前に出て観客に頭を下げる。

 

「キーボード、小野寺響!!」

 

「ギター&パーカッション、栗城茜!!」

 

「ベース、葵レミ!!」

 

「ギター&ヴォーカル、遠藤遊輝!!」

 

俺の名前が言われて観客に頭を下げた後、奏からマイクを受け取り、最後のメンバー紹介をする。

 

「それじゃ最後、バンドSECRETのヴォーカル&ギター、水野奏!!」

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

「それじゃ、今日のLive Fes来てくれてありがとう!!今年のツアーもこんな感じで回っていくから応援よろしくお願いします!!」

 

『ありがとうございました!!』

パチパチパチパチ!!!!!!

 

『頑張って!!!』

 

最後のお礼を言った後、俺たちは観客に手を振りながら舞台袖に下がっていき、タオルを手にしてそのまま控え室へと戻っていく。

 

「プハァ・・・・・・あ、あっつ・・・・」

 

「疲れた〜」

 

「無事初日終わったよ〜。良かったね〜」

 

「神頼みした甲斐があるね〜」

 

「誰だよ、そんな神社通いしたやつ〜」

 

「まぁまぁ・・・・それじゃみんな、今年も頑張って行くけど、まずは今日の成功を祝って軽く祝おう!」

 

「イエエエエ!!待ってました!!」

 

そう言って響は控え室に飛び込んでいった。




響「いや〜、やっぱりライブ後の食事は良いねぇ!」

茜「分かる!全部出し切った感じがするから罪悪感なく食べれるよね!」

奏「私逆にヘロヘロで食べたくないんだけど・・・」

遊輝「俺も奏派だな、俺の場合は無理にでも食べないとライブ前に食べてないから」

スバル「そこがよく分からないよな。普通食べないとエネルギー不足になるのに」

レミ「くぅ〜・・・・くぅ〜・・・・・・」

遊輝「次回はネオドミノシティに残った桜やアリアたちの話、『残った者たちは・・・・』」

奏「普通の日常回よ。次回もよろしくね〜」

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