遊戯王 振り子使いの少年と連鎖使いの少女   作:DICHI

26 / 77
バイトとWCSの予選に忙しかった。
WCSは3戦連続ベスト4で2月20日過ぎにフィニッシュ、残りはバイトと0回戦落ちで行けなかった。


*序盤、繋がってない部分があったので書き直しました。


第23話 Arena Tour 千秋楽 Live Fes in KIZUNA is MUSIC POWER

遊輝 side

 

 

「うぃ〜す」

 

「おはようございます」

 

「おはよう〜」

 

「おっは〜、今日遊輝最後だからみんなに奢りね〜」

 

「勘弁してくれよマジで、余計な出費したくないんだよ」

 

控え室について響の無慈悲な一言に俺はダルそうな返事をして返した。

東京、日本武道館・・・・・バンドマンの夢である日本武道館でのライブをアリーナツアーの最終日に3日連続でやるという離れ業をやってのけた。アリーナツアー自体も好調、そして武道館の初日と2日目もありがたいことに満員御礼となってとうとう今日がツアー最終日だ。一応、千秋楽と名を売っているが本当のツアー最終はアカデミアで行う。

 

「遊輝さん、ご飯食べたら最終リハーサルですよ」

 

「うぃ〜・・・・まぁおにぎりぐらい食うか」

 

「もっと食べなさいよもっと。ググったらライブの時に5kgぐらい落ちる人なんているのよ」

 

「俺は食べたら横っ腹痛くなるから」

 

「そんな事気にせずに食べなさいよ、スバルは大量に食べるのに」

 

「あいつの方が運動量ヤバいだろ」

 

ドラムなんかやったことないけどスバルを見てたらよく3時間もドラムを叩けると思う。あいつ首回りに冷やしタオルしながらツアーやっているけど2〜3曲で交換してその間にもバスタオルで汗ふきまくっているんだから。

 

「ヴォーカルはもっと大変でしょ。奏っちも遊輝っちも本当は体重ヤバイんでしょ?」

 

「ないない」

 

「私も・・・・まぁ体重は落ちているけど」

 

体重が落ちたか落ちてないかで言えば落ちているがめちゃくちゃ落ちているわけじゃない。

 

「皆さん、おはようございます。最終リハ始めますよ」

 

「は〜い」

 

「っしゃ!!最後も気合入れていきますか!」

 

 

遊輝 side

 

桜 side

 

 

ガヤガヤガヤガヤ・・・・・

 

「・・・人、すごい」

 

「約14000人だからね。ぐる〜と360度見えるようにしているからこれで最大人数だよ。とは言っても埼玉スーパーアリーナは20000人入れたみたいだけど」

 

お姉ちゃんについてきてやってきたのは日本武道館という所。バンドマンが目指すべき場所みたいで多くのバンドマンの憧れみたい。私が当てた席はアリーナではなく1階席。最前列なのが救い。

 

「・・・・それよりこれ邪魔」

 

「これは今日のライブにいるからね!」

 

私は頭にかかったフードタオルを取ろうとしたけどお姉ちゃんに止められた。お姉ちゃんは大阪公演を知っているからだろうけどなんで1つ5000円もするフードタオル買わなくちゃいけないの?お姉ちゃんのお金とはいえTシャツと合わせたらそれだけで9000円近く無くなった。お姉ちゃんはそれにパンフレットとかキーホルダーとか追加で買っていたけど。

 

『本日はSECRETのライブツアー、Live Fes in KIZUNA is MUSIC POWERにお越し頂き誠にありがとうございます。開演前にお客様が安全に公演をご覧になられるようにいくつか注意事項を確認します』

 

「おっ、そろそろ始まるよ」

 

会場内に響きわたる注意事項のアナウンス、スマフォで時間を確認したら確かにもうすぐ開演時間だった。

 

『・・・・以上のことをお守りできないお客様がいらっしゃる場合、公演を中断、中止する場合がございます。お待たせしました。Live Fes in KIZUNA is MUSIC POWER、まもなく開演です』

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

・・・・・♪♪!!!

 

『オオオオオ!!!!!!』

 

中央に作られた円形ステージ、その上にある四方から見えるように作られた液晶画面が映像が流れ始める。BGMに乗って映し出されたのは影絵の少年少女、子供たちが楽しく遊び、喧嘩をしながらどんどんと成長していく。

 

♪〜〜〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!!』

 

映像の途中からステージにお兄ちゃんたちが上がってきた。ステージ脇から上がったスタッフにギターやベースを受け取る。そして全員がフードタオルを被っていた。

 

♪♪♪〜〜〜

 

映像の少年少女の心臓の部分から一本の白い糸が出てきて少しずつ結んでいって長い一本の糸になる。その糸が動いていき、一筆書きで『KIZUNA is MUSIC POWER 』の文字が浮かび上がる。

 

♪♪♪〜〜〜♪・♪・♪・♪

 

『オオオオオ!!!!』

 

奏がマイクの前に立ち歌い始める。それに合わせてお兄ちゃんとレミはヘッドマイクを口の前に持っていて歩き始めた。ドラムやキーボード、茜のパーカッションがある楽器のステージはゆっくりと回転をし始めた。

 

 

1 Jamboree!Journey! 【Afterglow】

 

2 キズナミュージック♪ 【Poppin'Party】

 

3 R 【Roseiia】

 

 

♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

「R」が終わり、フードタオルを外した奏はギターをスタッフに預けてマイクの前に立った。

 

「今晩は〜」

 

『今晩は〜!!!』

 

『奏さ〜〜ん!!!』

 

『スバル!!!!』

 

「ありがとうございます。えぇ、SECRET、のライブツアー、武道館の千秋楽にお越しいただき誠にありがとうございます」

 

パチパチパチパチ

 

「とりあえずこれ初日、二日目と恒例だから言わせて・・・・・武道館に来たぞおおおお!!!!!」

 

『ワアアアアア!!!!!!』

 

「ゴホッ、ゴホッ・・・ごめん、むせた」

 

『ハハハハハッ!!!!』

 

「ええっと茶番に付き合ってくれてありがとうね。こんなバンド、こんなバンド?こんなバンドですが去年初めてツアーをして、今年は去年の倍以上の公演回数をやって憧れの武道館に3daysを行うことが出来ました。本当に皆さんのお陰です。ありがとうございます」

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

「えぇ・・・それじゃ後ろの準備も終わったみたいなので今度はしっとりとバラードでも歌いましょう。SECRETのオリジナル曲です」

 

『オオオオオ!!!!』

 

・・・・♪♪♪〜〜〜〜〜〜

 

 

 

4 Best friend 【オリジナル】

 

5 ありがとう 【オリジナル】

 

6 Dreaming 【オリジナル】

 

 

 

♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜

 

「イエエエエ!!!!!盛り上がっている!?」

 

『イエエエエ!!!!』

 

「次!!新曲行くわよ!!『限界突破』!!』

 

♪・♪・♪〜〜〜♪♪〜〜〜

 

「フゥゥ!!!!」

 

疾走感あるキーボードとギターのリードからベースとドラムによるリズム隊による軽やかな曲が流れ始め、観客は曲に合わせて手拍子を始める。

 

 

「呆られるほどに見捨てられた

スピードに魅力された馬鹿(やつ)がいる

「馬鹿だな」と他人(そいつ)は叫んでいる

何もしなきゃ何も変わらないだろう

 

アクセルを目一杯踏んで

轟きを鳴らしながら疾走していく

コンマ数秒のその迫力に胸の鼓動が高鳴り

 

熱く燃えてクールに行こうぜ

地平線の先に待っているゴールを目指して

僕らのエンジンはまだぶっ壊れていない

限界突破のスピードを飛ばして つき進もうぜ

 

運命の扉をこじ開けて

その先にある大事なものを取りに行こうぜ

「おとぎ話」と他人(そいつ)は冷やかす

それでも俺はこの瞬間を大切にしたい

 

たまにブレーキを踏んで

タイヤ痕を残してカーブを曲がる

コンマ数センチのその脅威に胸の鼓動が破裂しそう

 

熱く燃えてクールに行こうぜ

S字カーブを曲がり切ったゴールを目指して

たとえ曲がりきれなくて横転しちゃっても

七転八起の心を持って 何度でもtry!

 

 

真っ赤に燃える太陽を背中に

フラッグを目指した戦いが始まる

シグナルが赤から青に変わり

レースにうるさく鳴り響く重音

 

熱く燃えてクールに行こうぜ

地平線の先に待っているゴールを目指して

僕らのエンジンはまだぶっ壊れていない

限界突破のスピードを飛ばして つき進もうぜ

 

燃え上がる脳内インスピレーション

目の前に見えるフラッグを目指して

僕らのエンジンはまだ燃え上がっている

スピードメーターの針を振り切って つき進もうぜ」

 

♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

「まだまだ行くよ!『enjoy!!summer vacation‼︎』」

 

♪♪〜〜〜

 

「蒸し暑い終業式 校長の無駄話を立ち寝して

これから起こるhappyな毎日を妄想

 

通知表もらって 親への無駄な言い訳を考え

これから起こるbadな未来を悲壮感

 

ハイなテンションで幕が上がる初日

スマフォの充電を忘れて気分がdown

そんな事忘れるくらいに

 

みんなで

歌ってenjoy 叫んでmiracle

歌って踊って遊び尽くして倒れろ!!

遊んでplay 走ってrunning

いつだって全力全開 楽しみ尽くせ!!

 

ミンミンと鳴く 儚いセミの鳴き声を

耳障りだと叫んでテレビゲームに夢中

 

Game overと現れる 画面にムシャクシャして

髪の毛をむさぼりにかきむしっていた

 

ロウなテンションで迎える夏祭りの屋台

リア充達に嫌味な視線を送りつける

そんな事を忘れるくらいに

 

みんなで

撃ちまくれshout 食べ尽くせeating

飲んで食べてまた飲んで潰れろ!!

花火だfire 心踊るflying

いつだって 全力全開 楽しみ尽くせ!!

 

 

騒いで遊んではしゃぎまくった最高の夏もあと1日

ふと机に現実を振り向くと手をつけてもいないモノが沢山

徹夜・夜更かしなんてしても意味がなく結局初日から補習だあああ!!!!

 

そんな事忘れるくらいに

 

みんなで

歌ってenjoy 叫んでmiracle

歌って踊って遊び尽くして倒れろ!!

遊んでplay 走ってrunning

いつだって全力全開 楽しみ尽くせ!!

summer vacation」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!」

 

「まだまだまだ!!もっともっと!!!」

 

『イエエエエ!!!!!』

 

「ノンストップで行くわよ!!『さあ 行こう』!!」

 

♪♪♪〜〜〜

 

「(さあ行こう!)振り返らずに

(さあ行こう!)前を向いて

果てしなく続く一本道 僕らの旅は走り出す

 

それは偶然の産物が生み出して

それは運命の導きのようだ

出会ってすぐに意気投合して

なんの不安もなく歩き出した

 

Ah〜 一体なんでこんな自信あるの?(あるの?)

一体どうやってそんな根拠持てるの?(持てるの?)

そんな答え有りはしない(No Answer)

だって何が起こるのか分からない(分からない)

だって悪いことばかりじゃない(じゃない)

楽しいことを楽しもう!(Let's start your future)

 

さあ行こう!真っ白な未来めざして

さあ行こう!心に期待を秘めて

少しの不安もありはしない だって分からないから

前向いて!ぶつからないように

前向いて!見つめるんだよ

高い障害物も乗り越えて 目指すは遥か頂き

 

いつも君の笑顔に救われて

僕もたまには君を救いたい

君の悩んだ姿に心苦しみ

君と手を取り合って解決したい

 

Ah〜 一体どうしたんだい?(どうしたんだい?)

一体何で悩んでいるんだい?(悩んでいるんだい)

君らしくない (you don't look good)

僕が君の力になりたい(なりたい)

僕が君を助けたい(助けたい)

手を取り合って走ろう!(Let's run with me)

 

さあ行こう!未知なる世界へ

さあ行こう!果てしない旅へ

どんな事が起きろうとも 楽しく乗り越えよう

振り返らず 走り抜けよう

後ろ振り向いても 戻れないんだから

高い壁でも深い谷でも 乗り越えて行くんだ

 

 

時には休むために立ち止まって

ご飯食べて寝て英気を養って

 

 

さあ行こう!果てしない未来へ

さあ行こう!その先に続く道へ

真っ白なんだからカラフルな色を手にして

前向いて!高い壁超えて

羽ばたけ!世界中に

僕たちの夢は続くんだ!

 

さあ行こう!その頂きへ

さあ行こう!迷わずに進んで行け

さあ行こう!振り向かずに

さあ行こう!その足を進めて」

 

 

♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!!』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪!!!!

 

「さあ 行こう」が終わり、奏は頭を下げてステージの照明が普通に照らされる。ステージを駆け回っていた奏はマイクスタンドの前に戻り、マイクスタンドを持ってステージ中央に移動した。

 

「ありがとうございます」

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

『奏さ〜〜〜ん!!!!』

 

「ありがとうね、とりあえず一旦水飲ませて・・・・・・・っはい、みんなも休憩しながらお願いね」

 

奏が休憩をお願いしたところでスタンディング状態だったお客さんが一斉に座りだした。

 

「えぇと次の準備の繋ぎをしてって言われたけど、私は遊輝ほど喋るのが上手くないからね、何話したらいい?」

 

『WRGP!!』

 

『軽音部の恋仲!!』

 

『好きな人は!?』

 

「・・・・所々おかしい所あるけど(汗)。恋愛相談ならそこの彼女持ちのギタリストに聞いてよね」

 

『アハハハハ!!!!!』

 

「あとさ、お客さんが振ったせいで考えていた次の曲の紹介パァ〜になったんだけど(汗)」

 

『ハハハハハ!!!』

 

「率直にどうしようかしらねぇ・・私はね、そこの誰かさんと違って恋なんてしていないけどさ、恋心を抱いたらこんな気持ちになるんかなって・・・・」

 

「おい奏、お前俺のことバカにしてるだろ?」

 

『アハハハハ!!!!!』

 

「いやまぁ・・・・どうなのかな〜?まぁ私の、私たちの恋歌、歌います。『愛の言葉』」

 

♪♪♪〜〜〜

 

しっとりとしたキーボードのリズムにギターの音が乗り、全体の重厚感のある音楽が会場に響き渡る。

 

 

10 愛の言葉 【オリジナル】

 

11 恋心 【オリジナル】

 

12 Happy birthdayの歌 【オリジナル】

 

13 カミサマドライブ 【オリジナル】

 

14 STAR TRAIN 【オリジナル】

 

♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

「ありがとうございます!」

 

『STAR TRAIN』が終わり、観客は拍手が巻き起こる。そのままステージの照明は落ちて、ステージ上の液晶画面に映像が流れ始めた。みんな座り直して、オープ二ングの時に写っていた影絵の少年のうち一人が家族らしき人たちとベッドの横に立っている様子だった。

 

♪♪♪〜〜〜

 

ベッドで眠っているのは結構年めいた人だ。多分、少年のお爺ちゃんかお婆ちゃんだろう、横にある心電図モニターは微かに、しかし弱く動き、ついにモニターは止まった。周りの人達、少年もベッドに横になった人の手を握り泣き始めた。

 

『喜び、怒り、哀しみ、楽しみ、人の心は多種多様である』

 

スクリーンの映像とともに白い文字が出て、映像とともに鮮明に脳に刻まれる。

 

『では人の記憶に一番残るのは?それは哀しみではないだろうか?一説では哀しみは他の感情の240倍記憶に残ると言われている』

 

『人は決して忘れられない哀しみと共に、後悔と弱みとして鎖に縛られながら生きていく』

 

『「本音と建前」、その言葉の通り、人は表側では平気を装う、しかし一人になると哀しみが混み上がり、底知れない感情へとなる』

 

『人は・・・・・哀しみと共縛られ・・・・・生きていく生き物である・・・・・それはまるで・・・苦いレモンの匂いのように・・・・・』

 

♪♪〜〜〜

 

『オオオオオ!!!!』

 

♪♪〜〜〜

 

スクリーンの映像が止まってステージ中央にスポットライトが灯される。そこにいたのはマイクを持ったお兄ちゃんだった。そのままお兄ちゃんがキーボードに乗せてほぼアカペラの状態で歌い始める。お兄ちゃんの歌を聞いた観客は歓声を上げてスタンディング状態になる。

 

15 Lemon 【米津玄師】

 

16 オリオンをなぞる 【UNISON SQUARE GARDEN】

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

「ありがとうございます」

 

ギターを持ったお兄ちゃんはスタッフから別のギターを受け取り、ストラップを通す。軽く指で弾いてマイクスタンドの前立つ。前の曲の繋ぎからドラムとキーボードの音が響き渡る。

 

「イエエエエ!!!!盛り上がっている!?」

 

『イエエエエ!?!?』

 

「いいねいいね!!もっともっと声が出せるでしょ!?」

 

『イエエエエエエ!!!!』

 

「もっともっと声が出せるかああああ!!!!」

 

『イエエエエエエエエエエエエ!!!!!!』

 

「もっともっともっと叫べえええええ!!!!」

 

『イエエエエエエエエエ!!!!!!』

 

「いくぞおおおお!!!『叫び』!!!!」

 

♪♪♪〜〜〜!!!!!!

 

激しい3重のギター音、それに答えるベースとドラムのリズム隊、今までになかったハードロック寄りの大迫力なリズム、それをまとめ上げるキーボード、まさに三位一体となって会場の観客のボルテージはさらにヒートアップする。

 

♪♪♪〜〜〜

 

「自暴自棄になって暴れまくり

己の拳が真っ赤に染まって

周りを見たら全て壊れていて

自分の心に重ねていく

一体どこで間違えたんだ?

誰かに問いただして聞いてみた

答えは誰も帰ってこない

そりゃそうだ、誰もいないんだから

 

「君はどうしてこうなんだ」

勝手な理想を押し付けられて

何の文句も言えずに心が黒く染まっていく

「お前なんて生きる価値がねぇ」

糸が切れたように意識を手放して

気づいたらそいつの胸ぐら掴んで 殴ってた

 

二次方程式を解ける奴は

俺の心の中も解けるのか?

俺の心を染めた答えを

おい答えてみろ?誰なんだ?

歴史を淡々と述べる奴は

俺の心の歴史も読めるのか?

俺の生い立ちが間違ってるのか?

おいどうなんだよ?答えろよ

 

学校追われてムショに入り

拘束という名の暴力に振るわれて

また己の拳を赤くする

俺の心は黒く染まったまま

 

「誰だこいつ!?」と叫んでいる

辺り構わず八つ当たり

目を覚ますといつも孤独だった

「大丈夫!?」と心配の声掛けさえ

信用できずに振り払う

哀しい目を見て苦しくて 泣いていた

 

化学反応で原爆を作る奴は

俺の心の爆弾も操れるのか?

俺の心の鉄格子も破れるのか?

おいどうなんだよ?答えてみろよ

 

 

誰も彼も辺り構わず暴れまくり

俺の周りは黒く染まっていく

信用の言葉も信頼の言葉も無いくらいに

 

「どうして泣いているの?」

誰かの声が聞こえてきても

耳を塞ぎ聞こえないふりをしていた

「苦しくて辛くて逃げてきたんだ」

自分の心の声を無視し続けて

目が潤んでいるのに 気づかないふりをした

 

黒板の漢字を読めるやつは

俺の心も読めるのか?

俺の事を分かるの?

おいどうなんだよ?おいどうなんだよ!?

 

目の前の先公の話を聞いて

俺の心は救われるのか?

俺はいつだって迷っていた

おいどうするんだよ?おいどうするんだよ!」

 

 

♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

観客の声に答えるようにお兄ちゃんは手を振って頭を下げた。スタッフからエレキギターを受け取ってアコースティックギターを渡す。ストラップを通してマイクスタンドの前に立った。

 

「えぇ・・・・改めましてこん、こんにちは?今は今晩はか」

 

『こんにちは!!!』

 

『こんばんは!!』

 

「ギター&ヴォーカルの遠藤遊輝です、よろしくお願いします。ええ・・・・何言おう、まずは千秋楽に来てくださってありがとうございます」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「皆様のおかげで無事に千秋楽まで駆け抜けることができました」

 

『もう終わり!?』

 

『早いよ!!!』

 

「違う違う違う!!!!!!!繋ぎのMCだから!!!」

 

『アハハハハ!!!!』

 

「本当ならねホールツアーと同じことを言おうと思ったけど初日の沖縄公演の時にそこのリーダーにコテンパンに怒られてね、話すなと、それとMCの時間減らさせて」

 

『ハハハハハ!!!!』

 

「まぁ今日が初めての人に何を言ったのか簡単に言うと、絆って言葉は安易に使ったら逆に人を苦しめる、それくらい重い言葉だけど今回のツアーでは『私たちは音楽の力で皆さんと絆を繋げよう』、そういう事言ったんです」

 

パチパチパチパチ!!!

 

「いい事言ったでしょ?なのにそこのリーダーは俺の頭を叩いてくるんすよ」

 

「余計なことを言って私のことを馬鹿にしたからでしょ、終わったらまたブツわよ」

 

『アハハハハハ!!!!』

 

「こわ〜・・・・女ってやっぱ怖いわ〜」

 

『アハハハハハ!!!!!』

 

「とりあえずこんな茶番は置いといて、準備できた?」

 

マイクスタンドからマイクを取ったお兄ちゃんは楽器隊を確認した。みんなお兄ちゃんに頷いてお兄ちゃんは観客の方に振り向いた。

 

「それじゃ準備が整ったようなのでいきましょう・・・・・『Re:START』」

 

♪・♪・♪♪♪〜〜〜

 

先ほどとは違って今度はゆっくりとした曲が流れる。

 

 

「「思い出の詰まった宝物は何?」

「そうだな〜」と考えてみた

この3年間で出会った友達や先輩

はたまた教室や放課後の体育館

どれもこれも頭の中を巡ったけど

なかなか一つに絞りきれないや

どれもこれもが大切な思い出

であり大切な宝物だから

 

靴箱にある上履きとテスト用紙

ロッカーにある体操服と落書き

上辺では消えてしまうけど心の中では残り続けるよ

 

僕ら泣いたって 笑いあって 抱き合って

ただただこの時間を走り抜けた

永遠に続くような気がしていた

君もいつだって あんな時だって どんな時だって

僕らとともにずっと走り抜けた

やがて終わりを迎えて始めて無を知った

 

「あの先生にいい思い出あった?」

「そうだな〜」と思い返してみた

この3年間に何度も怒られて

それでも可愛がってもらった

 

裏庭でいつも集まり

弁当を食べて遊びまくった

そんな楽しみの一つも明日からは無くなってしまうんだ

 

君もふざけあって 喜んで 嬉しくて

ずっとこの時間を共にした

永遠にこの場所で過ごしていくんだと

僕ら ただ突き進んで 前向いて 時には振り返って

ずっとずっと走り続けたんだ

だからそんな事は起きないと気づいた

 

 

いつも今日だって昨日だって明日だって

ずっと走り続けきたんだから

悩みの種だって 一つぐらい 抱えいても

おかしくないんだ

 

でもだからって泣いちゃダメな理由はないんだ

 

僕ら泣いたって 笑いあって 抱き合って

ただただこの時間を走り抜けた

いつかはこの場所からいなくなるんだと

僕らいつだって この先も どこに居ても

この硬い硬い絆はこわれないんだ

例えバラバラに離れちゃっても

 

忘れ物はしていないか?

卒業の次は新たなスタートが始まるんだ」

 

♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

♪・♪・♪・♪♪♪〜〜〜

 

曲が終わってそのまま次の曲に入った。ゆったりとした局は変わらず、だけどさっきの明るい雰囲気とは違って今度は少し暗い感じの雰囲気の曲になる。

 

♪♪♪〜〜〜

 

19 春夏秋冬 【オリジナル】

 

20 素晴らしき世界 【オリジナル】

 

21 Hometown 【オリジナル】

 

♪♪♪〜〜〜

 

ステージを駆け回ったお兄ちゃんがマイクスタンドの前に立ち、アコースティックギターを手にする。横にはベースを持ったレミとギターを持った奏、そして3人の後ろのステージが回転してスバル・響・茜の楽器隊がお兄ちゃんたちの後ろについた。

 

「えぇ・・・本日も長いことで、ついにこのツアー、この千秋楽公演最後の曲です」

 

『エエエエ!!!!!』

 

「・・・・・・満足した?」

 

『アハハハハハ!!!!』

 

「最後の曲、個人的には割と自信を持って作りました。ほんっとなんて事ないただの日常の中の一部を切り取っただけなんですが、この曲の思いは他の曲よりも強いです・・・・・たった一つの飛行機雲から繋ぐ世界への夢へ・・・・・『飛行機雲』」

 

 

♪・♪・♪・♪♪♪〜〜〜

 

 

22 飛行機雲 【オリジナル】

 

♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!!!!』

 

「ありがとうございました!!!!」

 

最後の曲が終わり、観客から拍手と歓声が巻き起こる。お兄ちゃんはギターをスタッフに渡してマイクを手にして一歩前に出た。他のメンバーは観客に手を振っている。

 

「今日はSECRETのライブに来てくれてありがとうございました!!!気をつけて帰るんだぞおお!!!!」

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

お兄ちゃんが頭を下げて、メンバーは手を振りながらステージに着いた階段を降りていく。お兄ちゃんも手を振りながら階段から降りてステージには誰もいなくなった。

 

「・・・・終わった、凄かった」

 

「まだまだ、まだ終わらないよ」

 

「?終わりでしょ?お兄ちゃん最後って『アンコール!!アンコール!!アンコール!!』・・・・えっ?」

 

私は終わったと思って感慨深くなっていたらお姉ちゃんにまだっと言われた。そして周りから会場に響き渡るくらいにアンコールの声が鳴り響く。

 

『アンコール!!アンコール!!アンコール!!』

 

・・・・バン!!!

 

アンコールは続き、ステージに照明が付いた。既にステージには6人全員が戻っていた。マイクスタンドの前に奏さんが立って、マイクを手にする。

 

「アンコールありがとうございます」

 

パチパチパチパチパチパチ

 

「ええと・・・・アンコールなんですが去年はアニソンを歌って今年はどうしようかな〜って」

 

『オオオオオ』

 

「勝手に盛り上がらないで!!お願いだから余計な期待持たないで!!」

 

『アハハハハ!!!』

 

「結局方向性が決まらないままホールはやっちゃったんだけど、アリーナの直前でようやく決まってね。今回は有名どころだけどボーカロイドの曲を」

 

『オオオオオ!!!!』

 

「みんな準備出来た?・・・・・それじゃ行くわよ!!」

 

『ワアアアアア』

 

♪・♪・♪・♪〜〜〜

 

「ロキ!!!!」

 

『オオオオオ!!!!!』

 

♪〜〜〜♪〜〜〜♪♪〜〜

 

 

23 ロキ 【鏡音リン】

 

24 ロストワンの号哭 (ver Afterglow) 【鏡音リン】

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!!!』

 

「ありがとうございました!!!」

 

ロストワンが終わって奏は頭を下げる。ステージ中央で演奏していたお兄ちゃんとレミと一緒にステージ端まで移動して、楽器隊が準備を始める。

 

「ええ・・・・それじゃ最後の曲になります。この曲はですね、リーダーのレミがツアータイトルを決めたのと同時にアリーナの最後の曲を絶対にこれだ!って押していた曲なんです」

 

『オオオオオ!!!!』

 

「この曲はね、とあるグループが解散する時に作られた最後の曲。誰にも公に発表せず、本当に突然の発表となって、だけれどもこのグループの歌われた曲や記憶っていうのは、そしてそのジャンルはずっとずっと続くっていう素晴らしい歌です」

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

「・・・・ごめんね、ちょっと待って、ねぇ本当にこれ歌うの?私やっぱ恥ずかしいんだけど〜」

 

『エエエエ!!!!

 

「あんた毎回毎回アリーナやるたびにそれ言うのフリ?昨日も言ったじゃない」

 

「いやだって、なんか恥ずかしいんだよね・・・・」

 

『アハハハハハ!!!!』

 

「まぁ・・・・バンドグループ、SECRETでは手の出した事ないジャンルの曲なので」

 

『オオオオオ!!!!』

 

「今回のツアータイトル、『KIZUNA is MUSIC POWER』に込められた、音楽でみんなの絆を繋ぎ、未来へと向かっていく曲です・・・・・μ's、『SUNNY DAY SONG』」

 

『オオオオオオ!!!!!!』

 

♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜♪♪〜〜♪♪〜〜〜♪♪♪♪!!!!

 

 

25 SUNNY DAY SONG 【μ's】

 

 

♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!!!』

 

「ありがとうございました!!!」

 

最後の歌が歌い終わり、キーボードの響とドラムのスバル、パーカッションの茜は立ち上がり、ギターのお兄ちゃんとベースのレミはスタッフに楽器を預けて奏の横に並ぶ。奏はレミにマイクを渡した。

 

「えぇ・・・・みなさん、本日は本当にありがとうございました!!皆さんのおかげで無事にツアーも、そして武道館3daysも成功することができました!!!」

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

「本当・・・・冗談抜きで武道館を3日間埋まるとは思わなかったから・・・・大分しんどい思いをしたけど、メンバーみんなが私たちについてきてくれて、本当・・・・」

 

「大丈夫?レミ、泣いてる?」

 

「いやだって・・・今回は本当に凄いプレッシャーで・・・・」

 

『頑張れ〜〜!!!』

 

「ありがとうございます・・・・ツアー自体は終わりましたが、まだ私たちにはFinal公演が残っているのでそこまで突っ走ります」

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

レミの挨拶が終わって全員が手を繋ぐ。

 

「本日は誠にありがとうございました!!!」

 

「「「「「ありがとうございました!!!」」」」」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

『ありがとう!!!』

 

「それじゃ次は南!!」

 

円形状のステージを時計回りに回っていき、南エリアについてもう一度お礼を言う。そのままステージを一周して行く。最後に北エリアに着き、マイクを離す。

 

「せええの!!」

 

「「「「「「ありがとうございました!!!!!!」」」」」」

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

『ありがとう!!!』

 

『また来るよ!!!』

 

観客から今日一番の拍手と歓声が巻き起こり、メンバーは手を振りながらステージから降りていった。




レミ「終わった・・・・・全てが終わった・・・・」←燃え尽きている

遊輝「お前本当に死ぬんじゃねぇのかって雰囲気出すなよ」

桜「・・・・凄かった」

レミ「それが私たちのやらなきゃならない事だから、プレッシャーやばかった」

遊輝「ようやく肩の荷が降りたんだからしばらくはゆっくりしようぜ」

桜「そういうわけで次回、『決着、キャトル戦』。次回もよろしく」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。