いよいよ内のアルバイト会社の年末年始の特大イベントの招集が来ました。あの会場、まじでぶっ倒れるからあんまり行きたく無いけど、年末年始時給上がるからな・・・・
【*11月19日、追記
こんだけ真剣に考えて、プレイング気をつけたのに1カ所プレイングミスしてました。ちょっと直している余裕がないので、そのプレイヤーのミスということにします。真剣勝負の話の中、申し訳ありません】
前回までの状況
桜 手札 6枚 LP 1900 墓地魔法 5
ーーー▲ー▼
ーーーーー
○ ー
○ー○ー○
△ー△△△ ー
遊輝 手札 3枚 LP 2500
桜 side
「(・・・・強い)」
お兄ちゃんと改めてデュエルしてそう思わざろうえなかった。私の考えていることや防御札をいとも簡単に突破してくる。長期戦が有利な私のデッキと違ってお兄ちゃんのデッキは短期戦向き、それなのに私と同じ土俵で立ち塞がる。
「・・・・私のターン、ドロー」
桜 手札 7枚
「(だけど負けるつもりはない)魔法カード、閃刀起動ーエンゲージ」
「手札の灰流うららの効果。このカードを手札から捨て、相手が発動した『デッキから手札に加える効果』『デッキから特殊召喚する効果』『デッキから墓地に送る効果』のいずれかを含むカード効果を無効にする」
「ぐっ・・・・仕方ない、魔法カード、貪欲な壺。墓地の閃刀姫ーカガリ、閃刀姫ーシズク、閃刀姫ーハヤテ、増殖するG、灰流うららの5枚を戻して2枚ドローする」
桜 手札 5枚→7枚
「・・・・・・水晶機巧ーハリファイバーか」
「(・・・・ロゼの特殊召喚を狙っているのか?)」
「・・・・伏せているフィールド魔法を発動、閃刀領域ーエリアゼロ」
「・・・・まぁスルー」
「効果発動、対象はこの伏せカード」
「(・・・・・時空を使いたいけど我慢するか)良いぞ」
「デッキトップ3枚をめくり、その中に『閃刀』カードがあれば手札に加え、対象のカードは墓地に送られる。1枚目、ツインツイスター、2枚目、強欲で貪欲な壺」
足りない・・・・これじゃダメ。この3枚目に・・・・
「3枚目・・・・!!閃刀術式ーベクタードブラスト!」
「ッチ、まじか・・・・・・」
「閃刀術式ーベクタードブラストを手札に加えて、セットされたこのカードは墓地に送られる。魔法カード、閃刀術式ーベクタードブラスト、互いのプレイヤーはデッキの上から2枚を墓地に送り、私の墓地に魔法カードが3枚以上あれば、EXモンスターゾーンの相手のモンスターを全てデッキに戻す」
「(・・・・・・ハリファイバー使っても意味ない。ここはハリファイバーをEXデッキに戻してもらおう)何もない」
閃刀領域ーエリアゼロで加えた閃刀術式ーベクタードブラストをすぐに発動、互いのデッキの上からカードを2枚墓地に送った後、ベクタードブラストが起動して水晶機巧ーハリファイバーに向けてエネルギーを放ち、乗り込まれた水晶機巧ーハリファイバーはそのままお兄ちゃんのデッキに戻っていった。
「この瞬間、墓地の閃刀姫ーロゼの効果発動、相手のEXモンスターゾーンのモンスターが戦闘で破壊された場合、または私のカード効果によってフィールドから離れた場合、墓地から特殊召喚する」
閃刀姫ーロゼ 攻1500
お兄ちゃんの場から水晶機巧ーハリファイバーが飛ばされた事により、私の墓地にいた閃刀姫ーロゼが飛び出す。閃刀姫ーレイとは違う、大正ロマンを感じさせる服を身に包み、黒いマフラーと黒い学生帽、黒いスパッツと黒一色に染まり、銀髪の髪とクールな顔が逆に目立つ。
「この効果で特殊召喚した場合、相手フィールドのモンスター1体の効果を無効にする。対象はメタファイズ・ホルス・ドラゴン」
「(使うならここしかねぇ!)特殊召喚処理後、永続罠、時空のペンデュラムグラフの効果!対象は賤竜の魔術師と閃刀姫ーロゼ!」
「・・・チェーンで速攻魔法、サイクロン。時空のペンデュラムグラフを破壊する」
「なっ!?」
お兄ちゃんの時空のペンデュラムグラフが起動してエネルギーを充填し始めたところで私が発動したサイクロンが時空のペンデュラムグラフを巻き込んで破壊する。
「永続罠の時空のペンデュラムグラフはこれで効果を発動できない。ついでにスケール2の賤竜の魔術師とスケール0の覇王門零ではお兄ちゃんはペンデュラム召喚できない」
「ぐっ・・・・(一番恐れていたことが起きてしまった)」
「これで有利になった。現れて、未来へ続くサーキット」
閃刀姫ーロゼが飛び上がり、リンクマーカーの中に入る。
「アローヘッド確認、召喚条件は火属性以外の『閃刀姫』モンスター1体。私は閃刀姫ーロゼをリンクマーカーにセット、サーキットコンバイン、リンク召喚、フォームチェンジ、閃刀姫ーカガリ」
閃刀姫ーカガリ 攻1500 ↗︎
「閃刀姫ーカガリの効果。特殊召喚に成功したため墓地の『閃刀』魔法カードを回収する。閃刀起動ーエンゲージを加えて、発動。閃刀機関ーマルチロールを加えて、墓地に魔法カードが3枚以上あるから1枚ドロー」
桜 手札 6枚→8枚
「閃刀姫ーカガリは墓地の魔法カードの枚数×100ポイント、攻撃力がアップする。墓地のカードは9枚」
閃刀姫ーカガリ 攻1500→2600
「バトル、閃刀姫ーカガリでメタファイズ・ホルス・ドラゴンに攻撃」
閃刀姫ーカガリ 攻2600
メタファイズ・ホルス・ドラゴン 攻2300
遊輝 LP 2500→2200
「ッチ・・・・」
「メイン2、閃刀姫ーカガリをリンクマーカーにセット、フォームチェンジ、閃刀姫ーシズク」
閃刀姫ーシズク 攻1500 ↖︎
「永続魔法、閃刀領域ーマルチロールを発動。カードを3枚セット、エンドフェイズ時、閃刀姫ーシズクの効果。特殊召喚したターンのエンドフェイズ時、墓地に存在しない『閃刀』魔法カードを手札に加える。装備魔法の閃刀機構ーハーキュリーベースを加えてこれで終了」
桜 手札 5枚 LP 1900 墓地魔法 11
▲ー▲△▲ △
ーーーーー
○ ー
ーー○ー○
△ー△ー△ ー
遊輝 手札 2枚 LP 2200
「閃刀姫ーシズクの効果でお兄ちゃんの場のモンスターは私の墓地の魔法カードの枚数×100ポイント攻撃力と守備力がダウンする」
閃刀姫ーカイナ 攻1500→400
星刻の魔術師 攻2400→1300
「俺のターン、ドロー!」
遊輝 手札 3枚
「・・・・・・・」
お兄ちゃんが再び手札と睨めっこを始める。このデュエル中、お兄ちゃんはずっと私の場と手札、そしてお兄ちゃんの手札を見て考え続けている。
「・・・・星刻の魔術師の効果。オーバーレイ・ユニットを取り除いて、デッキから魔法使い族・闇属性モンスターを手札に加える」
「・・・・ん、通す」
そう言えば星刻の魔術師忘れていた、まあ仕方ない。お兄ちゃんの手札にはドクロバット・ジョーカーはある、ここを止めても意味がない。ここは通さないといけない。
星刻の魔術師 OVR 1→0
「・・・・・俺は2枚目のEM オッドアイズ・シンクロンを手札に加える」
「・・・2枚目があった」
「(・・・ヤバいな。ここに来て増Gによるハンドアドバンテージが重くのしかかってくる。どっちを出したもんか・・・)魔法カード、貪欲な壺。墓地からドロール&ロックバード、ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム、黒牙の魔術師、賤竜の魔術師、灰流うららの5枚を戻して2枚ドロー」
遊輝 手札 3枚→5枚
お兄ちゃんの墓地から5体のモンスターがデッキやEXデッキに戻って、デッキがシャッフルされて2枚ドローする。
「(・・・・ハリファイバーだけじゃなくてエレクトラムが戻ったのも不味い)」
とは言え私の伏せカードの1枚は夢幻泡影、2枚目はシャークキャノン、さっきみたいに黒牙の魔術師の蘇生はさせない。灰流うららがないのが不安だけど代わりにエフェクト・ヴェーラーも構えている。
「・・・・・・チューナーモンスター、EM オッドアイズ・シンクロンを召喚」
EM オッドアイズ・シンクロン 攻200→0
「オッドアイズ・シンクロンの効果「手札のエフェクト・ヴェーラーの効果」・・・・脳死かよ」
「手札のこのカードを捨て、EM オッドアイズ・シンクロンの効果をエンドフェイズまで無効にする」
お兄ちゃんが召喚したEM オッドアイズ・シンクロンの効果を使われる前に手札にあったエフェクト・ヴェーラーを墓地に送る。エフェクト・ヴェーラーがキスをして、効果を発動させない。
「ペンデュラム召喚出来ないのにそんな事させない」
「(そうだよな・・・伏せカード使わせるか)現れろ、未来へ続くサーキット。召喚条件はチューナーモンスターを含むモンスター2体。俺は閃刀姫ーカイナとEM オッドアイズ・シンクロンをリンクマーカーにセット、サーキットコンバイン、リンク召喚、リンク2、水晶機巧ーハリファイバー」
水晶機巧ーハリファイバー 攻1500→400 ↙︎ ↘︎
再び現れたリンクマーカーの中にブルートエンフォーサーとEM オッドアイズ・シンクロンが入り、その中から私が前のターンに戻した水晶機巧ーハリファイバーがリンク召喚される。
「ハリファイバーの効果発動」
「・・・・・リバースカードオープン、罠カード、夢幻泡影。相手のモンスター1体を対象に取り、その効果をエンドフェイズまで無効にする」
リンク召喚したハリファイバーが効果を使おうとしたが、伏せていた夢幻泡影を使い、その発動を無効にする。
「そしてこのターン、夢幻泡影をセットした縦列の魔法・罠の効果は無効になる。私から見て左側、お兄ちゃんからは右側の一番端の列は無効になる」
「・・・・・・」
「これで止まった。賤竜の魔術師と覇王門零のスケールではペンデュラム召喚はできない」
「確かにな・・・・じゃあこれは?速攻魔法、揺れる眼差し。お互いのPゾーンのカードを全て破壊する」
「なっ・・・」
お兄ちゃんが発動した揺れる眼差しにより、フィールドにペンデュラム召喚で使われる大きな振り子が現れて、無造作に揺れる。Pゾーンに存在した賤竜の魔術師と覇王門零はその振り子にまきこまれて破壊される。
「この時、破壊した枚数によって効果を得る。1枚以上破壊した場合は相手に500ポイントのダメージ」
「ぐっ・・・」
桜 LP 1900→1400
「2枚以上破壊した場合、デッキからPモンスターを手札に加える。アストログラフ・マジシャンを加える。チェーン1、星霜のペンデュラムグラフ、チェーン2、アストログラフ・マジシャンで発動。自分フィールドのカードが破壊された場合、手札のアストログラフ・マジシャンを特殊召喚」
アストログラフ・マジシャン 攻2500→1400
揺れる眼差しの効果が終わり、お兄ちゃんの場の星霜のペンデュラムグラフ、さらに手札に加えられたアストログラフ・マジシャンが反応して、アストログラフ・マジシャンが特殊召喚される。
「このカードがこの効果で特殊召喚された場合、このターンに破壊されたモンスター1体を選んでデッキから手札に加える。選ぶのは賤竜の魔術師、そして星霜のペンデュラムグラフの効果、自分フィールドの『魔術師』Pカードがフィールドから離れた場合、デッキから『魔術師』Pモンスターを手札に加える。チューナーモンスター、調弦の魔術師を手札に加える」
「(・・・・不味い、揺れる眼差しを入れていたなんて)」
「(揺れる眼差しを引いたが攻め手には欠けるな・・・・・あの伏せカードなんだ?ウィドアンカーだったら不味いんだが)ライト・Pゾーンにスケール2の賤竜の魔術師、レフト・Pゾーンにスケール8の時読みの魔術師をセッティング」
お兄ちゃんの空いたPゾーンに新たに賤竜の魔術師と時読みの魔術師がPゾーンにセットされる。
「賤竜の魔術師のP効果、もう片方のPゾーンが『魔術師』Pモンスターの場合、EXデッキに表側で存在する『魔術師』または『オッドアイズ』Pモンスターを手札に加える。慧眼の魔術師を回収。揺れろ、魂のペンデュラム。天空に描け光のアーク、ペンデュラム召喚。現れろ、俺のモンスターたち!」
Pゾーンの間に大きな振り子が再び現れて、今度は縁を描くように揺れ始める。振り子が描いた軌跡の円から2つの光が飛び出してくる。
「エクストラデッキから紫毒の魔術師と黒牙の魔術師!」
紫毒の魔術師 攻1200→100
黒牙の魔術師 攻1700→600
「現れろ、未来へ続くサーキット」
アストログラフ・マジシャンと紫毒の魔術師が飛び上がり、お兄ちゃんの頭の上に再びリンクマーカーが現れて、その中に飛び込む。
「アローヘッド確認、召喚条件はPモンスター2体、俺は紫毒の魔術師とアストログラフ・マジシャンをリンクマーカーにセット、サーキットコンバイン、リンク召喚、リンク2、ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム」
ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム 攻1800→700 ↙︎ ↘︎
リンクマーカーの中から再びヘビーメタルフォーゼ・エレクトラムが特殊召喚され、水晶機巧ーハリファイバーのリンク先に現れる。
「エレクトラムの特殊召喚時効果は使わない。起動効果発動、自分フィールドのカードを破壊して、EXデッキのPモンスターを手札に戻す。賤竜の魔術師を対象に取り、破壊。アストログラフ・マジシャンを回収」
ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラムがお兄ちゃんのPゾーンの賤竜の魔術師を掴み、破壊する。そしてEXデッキに行ったアストログラフ・マジシャンを回収した。
「チェーン1、エレクトラム、チェーン2、アストログラフ・マジシャンの効果。アストログラフ・マジシャンを特殊召喚、破壊されたのは賤竜の魔術師だけだが、デッキからサーチはしない。エレクトラムの効果で1枚ドロー」
遊輝 手札 4枚→5枚
「さらにアストログラフ・マジシャンと黒牙の魔術師で融合、覇王につく四龍の1体よ、融合の力を得て、全てを食い尽くせ、融合召喚、覇王眷竜スターヴ・ヴェノム!」
覇王眷竜スターヴ・ヴェノム 攻2800→1700
アストログラフ・マジシャンと黒牙の魔術師がお兄ちゃんの後ろに現れた融合の渦に吸い込まれていき、渦の中から覇王眷竜スターヴ・ヴェノムが現れる。大きな翼が開かれて、翼にある触手部分の口が開き、涎を垂らす。
「スターヴ・ヴェノムの効果、自分または相手のフィールド・墓地のモンスター1体を対象に取り、エンドフェイズまでそのモンスターと同じカード名そして効果を得る。対象はエレクトラム」
『ギャアアアア!!!!!』
覇王眷竜スターヴ・ヴェノムの触手が動き出し、お兄ちゃんのフィールドのヘビーメタルフォーゼ・エレクトラムに突き刺さる。エレクトラムから触手を介してエネルギーを吸収して効果をえる。
「そしてこの効果を使ったターン、俺の全てのモンスターは貫通能力を得る。慧眼の魔術師をセット、効果発動。デッキから2枚目の紫毒の魔術師をセット、スターヴ・ヴェノムの効果。対象は紫毒の魔術師」
同じ効果を得た覇王眷竜スターヴ・ヴェノムが慧眼の魔術師の効果で現れた紫毒の魔術師を破壊、再びEXデッキに戻ったアストログラフ・マジシャンを回収する。
「チェーン1、紫毒の魔術師、チェーン2、アストログラフ・マジシャンで発動。アストログラフ・マジシャンを特殊召喚、そしてデッキから3枚目の紫毒の魔術師を手札に加える。紫毒の魔術師の効果、このカードが破壊された場合、相手フィールドの表側表示のカード1枚を破壊する。マルチロールを破壊」
EXデッキから回収されたアストログラフ・マジシャンが再び特殊召喚、今度はデッキから紫毒の魔術師をサーチして、さらに破壊された紫毒の魔術師が霊となり、私の閃刀機関ーマルチロールに取り憑いて破壊する。
「これで終わり・・・・バトル、覇王眷竜スターヴ・ヴェノムで閃刀姫ーシズクに攻撃!」
「まだ・・・負けない!リバースカードオープン、速攻魔法、残留思念!墓地からエフェクト・ヴェーラーと閃刀姫ーカイナの2体を除外して、このターン私が受ける戦闘ダメージを0にする!そして覇王眷竜スターヴ・ヴェノムの攻撃力も下がる!」
覇王眷竜スターヴ・ヴェノム 攻1700→1600
「それでもシズクは破壊させてもらう!猛撃のヴェノム・ショット!」
覇王眷竜スターヴ・ヴェノムが飛び上がり、閃刀姫ーシズクに向かって突進して閃刀姫ーシズクを噛みつき、そのまま上空に飛び上がる。閃刀姫ーシズクも反撃するが上空まで上がった覇王眷竜スターヴ・ヴェノムが急降下して投げつけて、閃刀姫ーシズクを破壊した。
「閃刀姫ーシズクが破壊されたことで俺の場のモンスターの攻撃力は元に戻る!」
水晶機巧ーハリファイバー 攻300→1500
ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム 攻600→1800
覇王眷竜スターヴ・ヴェノム 攻1600→2800
アストログラフ・マジシャン 攻1300→2500
星刻の魔術師 攻1200→2400
「・・・・・どうせ出しても変わらない。閃刀姫ーレイの効果は使わない」
「感の良いやつ・・・・メイン2、カードを1枚伏せてターンエンド」
桜 手札 4枚 LP 1400 墓地魔法 12
ーーーー▲ △
ーーーーー
ー ○
○ー○○○
△▲△ーー ー
遊輝 手札 4枚 LP 2200
「(あれ・・・・返されるの?)」
私の心は非常に焦っていた、使う予定が無いけど念のためと伏せていた残留思念を、エフェクト・ヴェーラーと夢幻泡影を打ってもなお使わざろうえない状況まで追い込まれた。
「(シャークキャノンを使わなかったけど・・・っていうかお兄ちゃん、まさかシャークキャノンも呼んでいた?)」
そうなるとかなりまずい・・・モンスター少ないから何とかしないと・・・
「私のターン・・・ドロー!」
桜 手札 5枚
「装備魔法、閃刀機構ーハーキュリーベースを覇王眷竜スターヴ・ヴェノムを装備」
閃刀機構ーハーキュリーベースを発動、お兄ちゃんの場の覇王眷竜スターヴ・ヴェノムに装着される。
「・・・そうきたか」
「フィールド魔法、閃刀領域ーエリアゼロの効果。対象は閃刀機構学ハーキュリーベース。1枚目、閃刀機ーアフターバナー、2枚目、屋敷わらし」
ダメ・・・モンスターに繋がるカードを・・・・
「3枚目・・・・!!閃刀術式ーシザークロス!!」
「シザークロスか・・・・嫌なものを・・・」
「閃刀術式ーシザークロスを手札に加えて、閃刀機構ーハーキュリーベースを墓地に送る。閃刀機構ーハーキュリーベースの効果、フィールドのこのカードがカード効果で墓地に送られた場合、墓地のこのカード以外の『閃刀』カード3枚をデッキに戻す。閃刀姫ーカガリ、閃刀起動ーエンゲージ、閃刀機ーウィドアンカーを戻す」
墓地に送られた閃刀機構ーハーキュリーベースにより、私の墓地の閃刀姫ーカガリ、閃刀起動ーエンゲージ、閃刀起ーウィドアンカーの3枚がデッキに戻る。
「魔法カード、閃刀術式ーシザークロス、墓地のLv4の『閃刀姫』モンスター1体を手札に戻す。墓地に魔法カードが3枚以上ある場合、戻す代わりに特殊召喚する。閃刀姫ーレイを特殊召喚」
閃刀姫ーレイ 攻1500
回収した閃刀術式ーシザークロスによって墓地に眠っていた閃刀姫ーレイが飛び出して私のフィールドに戻ってくる。
「現れて、未来へ続くサーキット」
閃刀姫ーレイが飛び上がり、私の頭上のリンクマーカーに入る。
「アローヘッド確認、召喚条件は火属性以外の『閃刀姫』モンスター1体。私は閃刀姫ーレイをリンクマーカーにセット、サーキットコンバイン、リンク召喚、フォームチェンジ、閃刀姫ーカガリ」
リンクマーカーの中に入った閃刀姫ーレイが装甲を身につけ、再び閃刀姫ーカガリが特殊召喚される。
「閃刀姫ーカガリの効果、特殊召喚成功時、墓地の『閃刀』魔法カードを回収する。閃刀機構ーハーキュリーベースを加える」
「この瞬間、水晶機巧ーハリファイバーの効果発動、このカードをゲームから除外してEXデッキからSチューナーモンスターをS召喚扱いで特殊召喚する」
カガリが墓地から閃刀機構ーハーキュリーベースを加えたところでお兄ちゃんの水晶機巧ーハリファイバーが効果を発動、自身がゲームから除外される。
「星の流れに身を捧げる龍よ、永遠の輝きと共に宇宙を駆け巡れ、シンクロ召喚、Lv7、シューティング・ライザー・ドラゴン」
シューティング・ライザー・ドラゴン 攻2100
除外された水晶機巧ーハリファイバーが7つと星となって、除外された跡から白い龍が現れる。
「シューティング・ライザー・ドラゴンの効果発動。S召喚成功時、このカードのレベルより低いモンスターをデッキから墓地に送り、このカードのレベルをその墓地に送ったモンスターのレベル分下げる、俺はデッキからLv6の賤竜の魔術師を墓地に送る」
シューティング・ライザー・ドラゴン ☆7→☆1
特殊召喚されたシューティング・ライザー・ドラゴンの前にお兄ちゃんがデッキから墓地に送った賤竜の魔術師の霊が現れ、吸収される。シューティング・ライザー・ドラゴンのレベルは1へと変わる。
「この効果処理後、シューティング・ライザー・ドラゴンの効果発動。このカードをS素材としてS召喚を行う、俺はLv7のアストログラフ・マジシャンにLv1のシューティング・ライザー・ドラゴンをチューニング!」
☆7 + ☆1 = ☆8
「覇王に付く四龍の1体よ、同調の力を持って、フィールドを拭き荒らせ。シンクロ召喚、覇王眷竜クリアウィング!」
覇王眷竜クリアウィング 守2000
シューティング・ライザー・ドラゴンとアストログラフ・マジシャンが飛び出して、一つの光となる。その光が黒く染まり、大きな球体となる。球体は変形を始め、覇王眷竜クリアウィングが姿を表す。覇王眷竜クリアウィングは特殊召喚されたのと同時に私の場に向かって無差別に攻撃を始める。
「覇王眷竜クリアウィングの効果!S召喚成功時、相手の表側表示のモンスターを全て破壊する!」
覇王眷竜クリアウィングの攻撃により、私の場の閃刀姫ーカガリは破壊されてしまった。
「ぐっ・・・・墓地の閃刀姫ーレイの効果。自分フィールドの『閃刀姫』リンクモンスターが相手によって破壊された場合、特墓地から特殊召喚する!」
破壊された閃刀姫ーカガリの装甲だけが壊されて、普通の姿に戻った閃刀姫ーレイがフィールドに残る。
「(このターンに勝てる可能性はなくなった・・・・だったらお兄ちゃんよりも有利な盤面を作る!)現れて、未来へ続くサーキット。アローヘッド確認、召喚条件は水属性以外の『閃刀姫』モンスター1体。私は閃刀姫ーレイをリンクマーカーにセット、サーキットコンバイン、リンク召喚、フォームチェンジ、閃刀姫ーシズク」
特殊召喚した閃刀姫ーレイがリンクマーカーの中に入り、今度は閃刀姫ーシズクが特殊召喚される。
「閃刀姫ーシズクは墓地の魔法カードの枚数×100ポイント、相手モンスターの攻撃力と守備力を下げる。墓地の魔法カードは13枚」
覇王眷竜クリアウィング 守2000→700
ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム 攻1800→500
覇王眷竜スターヴ・ヴェノム 攻2800→1500
星刻の魔術師 攻2400→1100
「装備魔法、閃刀機構ーハーキュリーベースを閃刀姫ーシズクに装備。装備モンスターはダイレクトアタックできない代わりに、1度のバトルフェイズで2回モンスターに攻撃できる」
閃刀姫ーカガリの効果で回収した閃刀機構ーハーキュリーベースを今度は閃刀姫ーシズクに装備する。
「バトル、閃刀姫ーシズクで覇王眷竜ークリアウィングに攻撃」
閃刀姫ーシズクが地面を蹴り、飛び上がる。覇王眷竜クリアウィングよりも高く飛び、後ろに装着した装甲にエネルギーが溜められ、覇王眷竜クリアウィングに攻撃する。
「ハーキュリーベースを装備したモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、1枚ドロー」
桜 手札 4枚→5枚
「さらに墓地の閃刀姫ーロゼの効果、EXゾーンの相手モンスターが戦闘で破壊された場合、墓地からこのカードを特殊召喚」
覇王眷竜クリアウィングが破壊されたことによって、墓地から閃刀姫ーロゼが飛び出して私のフィールドに特殊召喚される。
「閃刀姫ーシズクでヘビーメタルフォーゼ・エレクトラムに攻撃」
閃刀姫ーシズク 攻1500
ヘビーメタルフォーゼエレクトラム 攻500
遊輝 LP 2200→1200
「ぐうぅ!!!!」
「戦闘でモンスターを破壊したため、ハーキュリーベースの効果で1枚ドロー」
桜 手札 5枚→6枚
「閃刀姫ーロゼで星刻の魔術師に攻撃」
閃刀姫ーロゼ 攻1500
星刻の魔術師 攻1100
遊輝 LP 1200→800
「ッ・・・・・」
「メインフェイズ2、現れて、未来へ続くサーキット」
閃刀姫ーシズクと閃刀姫ーロゼの2体が飛び出して、リンクマーカーの中に入る。リンクマーカーは上向きと下向きを指す。
「アローヘッド確認、召喚条件は『閃刀姫』を含むモンスター2体。私は閃刀姫ーシズクと閃刀姫ーロゼをリンクマーカーにセット、サーキットコンバイン、リンク召喚、フォームチェンジ、閃刀姫ージーク」
閃刀姫ージーク 攻1500
リンクマーカーの中に入った閃刀姫ーシズクの装甲が分解され、人型のアーマーへと変わる。その中に閃刀姫ーロゼが入り、閃刀姫ージークがリンク召喚される。
「閃刀姫ージークの効果、このカードのリンク召喚成功時、フィールドのモンスター1体を次の相手ターンのエンドフェイズまでゲームから除外する。対象は覇王眷竜スターヴ・ヴェノム」
閃刀姫ージークが覇王眷竜スターヴ・ヴェノムの前に移動して、右手を前にかざす。覇王眷竜スターヴ・ヴェノムの上空に穴が開いて、その中に吸い込まれていった。
「カードを2枚セット、閃刀姫ージークの効果。1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのカード1枚を墓地に送り、このカードの攻撃力を1000ポイントアップする。対象はさっき伏せた真ん中のカード」
2枚伏せたカードのうち、真ん中の伏せカードが消えて、閃刀姫ージークにエネルギーが加えられる。
閃刀姫ージーク 攻1500→2500
「これでターンエンド」
「エンドフェイズ、リバースカードオープン、永続罠、錬成する振動。自分のPゾーンのPモンスターを破壊して1枚ドローする。時読みの魔術師を破壊して1枚ドロー」
遊輝 手札 4枚→5枚
「そして永続魔法、星霜のペンデュラムグラフの効果、デッキから黒牙の魔術師を手札に加える」
桜 手札 4枚 LP 1400 墓地魔法 15
▲ーーー▲ △
ーーーーー
○ ー
ーーーーー
ー△△ーー ー
遊輝 手札 6枚 LP 800
「(私の伏せカードはウィドアンカーとシャークキャノン、そして手札に灰流うらら、これで踏み越えられたらもう・・・)」
「俺のターン、ドロー」
遊輝 手札 7枚
「レフト・Pゾーンにスケール12の超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴンをセッティング」
お兄ちゃんの空いたPゾーンに頂天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴンがセットされる。
「オッドアイズ・レボリューションのP効果、自分の墓地のドラゴン族S・X・融合モンスター1体を対象に取り、このカードを破壊してそのモンスターを特殊召喚する。対象はシューティング・ライザー」
「・・・リバースカードオープン、速攻魔法、閃刀機ーシャークキャノン、シューティング・ライザー・ドラゴンをゲームから除外する」
ここでモンスターの特殊召喚はマズイと判断して閃刀機ーシャークキャノンを発動してシューティング・ライザーをゲームから除外する。
「オッドアイズ・レボリューションは破壊される。EM ドクロバット・ジョーカーを召喚」
EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800
「ドクロバット・ジョーカーの効果、デッキから『EM』『オッドアイズ』『魔術師』Pモンスターのいずれか1枚をデッキから手札に加える」
「・・・・灰流うららの効果、EM ドクロバット・ジョーカーの効果を無効にする」
ドクロバット・ジョーカーの効果に対して手札の灰流うららを使い、無効にする。しかし、お兄ちゃんは一切困った様子はない。
「(まさか・・・突破される?)」
「レフト・Pゾーンにスケール8の黒牙の魔術師をセッティング」
頂天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴンの破壊されたPゾーンに黒牙の魔術師がセッティングされる。
「魔法カード、デュエリスト・アドベント。フィールドのPゾーンにPモンスターが存在デッキから『ペンデュラム』Pモンスターまたは魔法・罠を手札に加える。竜剣士ラスターPを手札に加える。黒牙の魔術師のP効果発動、閃刀姫ージークの攻撃力をエンドフェイズまで半分にする」
閃刀姫ージーク 攻2500→1250
「その後、このカードを破壊する。破壊された黒牙の魔術師の効果発動、墓地の闇属性・魔法使い族を特殊召喚する。星刻の魔術師を特殊召喚」
星刻の魔術師 攻2400
特殊召喚した星刻の魔術師とEM ドクロバット・ジョーカーがお兄ちゃんの頭上のリンクマーカーの中に入る。
「アローヘッド確認、召喚条件は効果モンスター2体、俺はドクロバット・ジョーカーと星刻の魔術師をリンクマーカーにセット、リンク召喚、リンク2、ブルートエンフォーサー」
ブルートエンフォーサー 攻1700 ↙︎ ↘︎
「空いたPゾーンにスケール5の竜剣士ラスターPとスケール1の紫毒の魔術師をセッティング。これでLv2からLv4のモンスターが同時に召喚可能、現れろ、魂のペンデュラム、天空に描け光のアーク、ペンデュラム召喚!現れろ・・・・俺のモンスター達!」
お兄ちゃんの上空に現れた大きな振り子、その振り子が描いた円の中から3つの光が飛び出す。
「エクストラデッキから黒牙の魔術師2体!そして手札から調弦の魔術師!」
黒牙の魔術師 攻1700 ×2
調弦の魔術師 攻0
「調弦の魔術師の効果発動!このカードが手札からP召喚に成功した場合、デッキから『魔術師』Pモンスターを守備表示で特殊召喚する!」
「まだある・・・・・通す」
「デッキから星読みの魔術師を特殊召喚!」
星読みの魔術師 守2400
調弦の魔術師の効果により、お兄ちゃんのデッキから星読みの魔術師が特殊召喚される。ここでウィドアンカーを使ったらは覇王眷竜スターヴ・ヴェノムを出されて、負けてしまう。確かお兄ちゃん、スターヴ・ヴェノムは2枚しか入れないないはず。勝つならここで使うしかない!
「フィールドの星読みの魔術師と黒牙の魔術師で融合!融合召喚!覇王眷竜スターヴ・ヴェノム!!」
お兄ちゃんの後ろに現れた融合の渦に星読みの魔術師と黒牙の魔術師が吸い込まれていき、2体目の覇王眷竜スターヴ・ヴェノムが特殊召喚される。
「特殊召喚成功時、リバースカードオープン。速攻魔法、閃刀機ーウィドアンカー!覇王眷竜スターヴ・ヴェノムの効果を無効にして、墓地に魔法カードが3枚以上ある場合、エンドフェイズまでそのモンスターのコントロールを得る!」
私が発動した閃刀機ーウィドアンカーが覇王眷竜スターヴ・ヴェノムを捉え、私の場にコントロールが移る。
「これで・・・お兄ちゃんの場の・・・」
「そうだな・・・ようやく最後の伏せカードを使ってくれたな・・・俺の勝ちだ」
「!?」
「桜、お前一つ忘れていることがあるぞ・・・・調弦の魔術師はチューナーモンスターだ」
「あっ・・・・」
「まぁ結局、その伏せカードがウィドアンカーの時点でお前の負けが決まっていた!!Lv4の黒牙の魔術師にLv4の調弦の魔術師をチューニング!」
☆4 + ☆4 = ☆8
「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!」
ブラック・サン・ドラゴン 攻1000
『・・・グオオオオ!!!』
調弦の魔術師が作った4つの輪の中に黒牙の魔術師が入ってひとつの光となる。その光はやがて黒く染まりながら大きくなっていき、黒い太陽へと変わる。その黒い太陽が変形をして黒いドラゴンがフィールドに現れた。そのドラゴンはお兄ちゃんが出したホワイト・サン・ドラゴンと瓜二つだ。
「攻撃力・・・・1000?」
「ブラック・サンの効果!特殊召喚成功時、墓地のXモンスター1体をこのカードの装備カードとして装備する!対象はホワイト・サン!」
地面が大きく揺れ始め、ブラック・サン・ドラゴンの目の前の地面が割れる。その中からホワイト・サン・ドラゴンの白い太陽が昇り、ブラック・サン・ドラゴンに吸収され、身体が一回り大きくなる。
「そしてブラック・サンは装備したモンスターの攻撃力の分だけアップする」
ブラック・サン・ドラゴン 攻1000→3400
「・・・こ、攻撃力・・・・3400」
「ラスト・・・・ブラック・サンで閃刀姫ージークに攻撃!ダークネス・ブラスト!!」
ブラック・サン・ドラゴンが閃刀姫ージークに向けて照準を合わせ、口から黒いエネルギーが放たれる。閃刀姫ージークはそのエネルギーに飲み込まれ、その余波が私に襲ってくる。
ブラック・サン・ドラゴン 攻3400
閃刀姫ージーク 攻1250
桜 LP 1400→0
WIN 遊輝 LOS 桜
『そこまで!!勝者、高等部1-1、遠藤遊輝!!決勝戦、中等部2-3vs高等部1-1は3-2で高等部1-1の勝利!!』
『・・・・・ワアアアアアアア!!!!!!!』
「シャアアアアア!!!!!」
「やったぜ遊輝!!!」
「優勝!!優勝よ!!!」
「負け・・・た・・・・」
ライフが0になった瞬間、観客からは歓声が巻き起こり、軽音部のメンバーはデュエルフィールドに上がってお兄ちゃんに飛びつき、人差し指を頂点に指す。そして私は膝から崩れ落ちた。
「(・・・・悔しい、お兄ちゃんにまた勝てなかった・・・・)」
「さ、桜さん!?大丈夫ですか!?」
膝から崩れ落ちて両手を地面についている私の周りに祈や恭輔、翔悟に氷川さんが集まる。
「・・・・みんな・・・ごめん、お兄ちゃんに・・・ヒグッ・・・」
「!!お、おいお前・・・・」
「ヒグッ・・・・お兄ちゃんに、勝てなかった・・・・ヒグッ」
気づいたら目から涙が溢れていた。今までお兄ちゃんに負ける時もあったが、こんなに悔しい思いをしたのは初めてだった。何も出来ず、お兄ちゃんの手のひらで踊らされたような気分だった。
「ヒグッ・・・ヒグッ・・・・悔しい・・・・・悔しいよ・・・・」
「桜さん・・・・」
「・・・・桜さん、その感情は絶対に忘れないでください。あなたのその悔しさはいつかバネになってお兄さんに勝てる時があります」
氷川さんが私の方に寄り添って優しく抱きついてくる。その暖かさが私の心を落ち着かせ、涙が止まる。
「・・・・桜さん、来年頑張りましょう。今年の会議でルール変更があるかもしれません。来年も勝ち上がって師匠達に挑みましょう」
「そ、そうですね・・・私もスバルさんに負けましたので・・・」
「・・・・あ〜、俺も悔しさが込み上げてきた。来年は絶対にぶっ倒す!!!」
みんなが歓喜で喜んでいる軽音部を見る。私も喜んでいるお兄ちゃんの姿を見て、決心する。
「グスッ・・・・・ん、来年も出る。そして今度は私がお兄ちゃんを倒す」
『それでは表彰式に移ります。優勝チーム、準優勝チームは所定された場所に向かいなさい』
桜 side out
No side
デュエルアカデミアのデュエルフィールド、歓喜が沸き起こり、優勝チームと準優勝チームの表彰式が行われている中、その天井から一人の女性が見つめている。
「(・・・・・DMWが感情を持ち始めた、不味いわね・・・・)」
彼女の名はドゥ、桜を狙う組織に雇われた人間だ。彼女はファーストコンタクトで遊輝と桜に会って以来、ひたすら身を隠して二人やその仲間達の調査を続けていた。
「(これは実験に支障が出る可能性があるわ、本部に報告して早急に連れ戻さないと)」
立ち上がった彼女はデュエルフィールドの天井から忽然と姿を消す。
桜「・・・・・悔しい」
恭輔「来年またリベンジしましょう」
祈「ル、ルール変更があればですけど」
桜「・・・ルール変更させる」
恭輔「さ、桜さん!!凶器持っちゃダメですよ!!」
祈「ま、待ちましょう!!」
桜「・・・っち」
恭輔「じ、次回は平穏な休日です。『茜色の空』」
祈「じ、次回もよろしくお願いします」