遊戯王 振り子使いの少年と連鎖使いの少女   作:DICHI

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というわけで桜さん、初デュエルです。
最初、これともう一つ候補があったけどもう一つは作者には回せなかった。作者、基本的にぶん回す系のデッキ、無理。デュエマとか時々触るんだけど、全般的に言えることはビート系よりもコントロール系が性に合う(遊戯王はトリスタ、オルガ、影霊衣等、デュエマはロージア等、あんまり深く触ってないけど、多分デスザークとかも相性は良いと思う)


第3話 出陣、戦場を駆け抜けるヒロイン

遊輝 side

 

 

「・・・・・・出来た」

 

「・・・・100点か、学力の問題は無いみたいだな」

 

「こんなの朝飯前」

 

今現在、俺と桜はセキュリティの建物に入って、牛尾さんと狭霧さんに面会を申し込んだ。あの事件から数日が経ち、とりあえず俺はアカデミアに1週間の休みを申請した。桜のことも含めて、今後のことをちゃんと話し合わないと行けない。今は待っている間に桜の学力を見ようと持ってきてたタブレットに適当な勉強アプリを起動して桜の学力を測っていた。

 

「待たせたな」

 

「遅くなってすみません」

 

っと、牛尾さんと狭霧さんがやってきたな。

 

「どうですか?その後の進展は?」

 

「事件の方はさっぱりだ。なんせ犯人が雲のように消えてしまったからな」

 

「ただ、あのペンダントの情報は分かりました。あれはアムールという組織のマークでした」

 

「アムール?」

 

「海外で最近急成長をしている製薬会社だ。そこの会社のシンボルとこのペンダントのマークが一致した」

 

そう言って牛尾さんはパンフレットを俺に手渡してきた。そこには狭霧さんが言ったアムールという会社の概要や業務内容などが書かれていた。

 

「・・・・・成立が10年前で去年の売り上げが2億?製薬会社ってこんな急に儲かるのか?」

 

「何でもそこの会社は癌の特効薬や脱毛症を改善する薬の開発に成功したらしく、今勢いがあるらしい」

 

「もちろんそれは表の顔だわ」

 

「表の顔?じゃあ裏で何をしているんだ?」

 

「これは海外からの噂だけど・・・・・殺人兵器を研究して国に売っているみたいだわ」

 

「おうおう、世のため人のために薬を作っていると思ったら、今度は国のために兵器を作っているのか」

 

「あくまでも噂だけどね、しかし国を相手にした商売だからなかなか捜査しにくいのも事実よ」

 

「あの事件を起こしたアイツ、そして桜ちゃんとその会社がどんな関わりを持っているか分からねぇが、マークしておかないといけない組織であるだろうな」

 

「なるほどね・・・・」

 

とりあえず俺たちの相手はなかなか強そうだな・・・しかも下手したら向こうは国を味方に付けれるのか、厄介極まりないことだ。

 

「ところでお前は何の用でここに来たんだ?まさかこれだけのために来たんじゃ無いだろうな」

 

「まさか、とりあえず最初に桜の戸籍を何とかして欲しい。それと、新召喚方法のテスター、桜に任せる」

 

「なっ!?お前嘘だろ!?この子に任せるのか!?」

 

「牛尾くん!ここでその話は不味いです!と、とりあえず遊輝さん、桜ちゃん、一緒に部屋に行きましょう」

 

狭霧さんについていかれて俺と桜は受付から奥へ奥へいき、個室に入った。

 

「牛尾くん、公の場で機密情報を漏らさないでください」

 

「すみません・・・・」

 

「それで何故遊輝さんはこの子にテスターを?」

 

「まぁ単純に俺はあの《魔術師》デッキが気に入っているからだな。あのデッキもリンクモンスターは入るけど、あくまでメインはペンデュラム召喚、それに俺ばかりテスターも不味いでしょ?」

 

「それはそうですがよりによってこの子ですか・・・・」

 

「こいつの腕前はどうなんだ?」

 

「問題無いですよ、ああそうそう、テスターはもう一人いますから」

 

「誰だ?」

 

「アリアに任せます」

 

「アリアさんね、彼女なら信頼できるでしょう。しかしこの子は・・・・・」

 

「・・・・お兄ちゃん」

 

「どうした?」

 

「お腹空いた」

 

「あのなぁ・・・・・・」

 

さっき渡したタブレットをずっと眺めていた桜が俺にボソッとそんな事を呟いて呆れてしまった。ついさっき、ここに来る前に朝飯で食パン2斤を食べたじゃねぇか・・・・・それでまだ食うか。

 

「飯はあとだ。とりあえずおまえのテスター申請が先だ」

 

「テスター申請って簡単に言うな・・・・まぁ結局実力を見たらいいんだが」

 

「話が早くて助かる、相手は誰がするんだ?」

 

「俺だ」

 

そう言って牛尾さんが自分自身を指した。

 

「俺自身がその子の実力を見極めてやる」

 

「じゃあ早速お願いします。桜、行くぞ」

 

「うん」

 

桜はタブレットを俺に帰し、牛尾さんの後ろについていく。俺は狭霧さんと一緒についていき、二人が入った部屋の隣の部屋に入る。ここからガラス越しで二人のデュエルを見ることが出来る。すでに二人ともデュエルディスクを構えている。

 

「行くぞ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

桜 LP 4000 牛尾 LP 4000

 

「先行は譲るぜ!どんな風に動くのかじっくり見させてもらう!」

 

「私のターン、魔法カード、増援。デッキからレベル4以下の戦士族モンスター1体を手札に加える。閃刀姫ーレイを手札に、魔法カード、おろかな副葬。デッキから魔法か罠を墓地に。錬装融合(メタルフォーゼ・フュージョン)を墓地へ。魔法カード、閃刀起動ーエンゲージ発動」

 

「こりゃぶん回りだな」

 

「そうなのですか?」

 

「えぇ狭霧さん。『閃刀姫』得意のアドバンテージを稼ぎに行くパターンです」

 

「『閃刀』魔法カードは共通としてメインモンスターゾーンにモンスターがいたら使えない」

 

「ほぅ・・・つまりその制約を持って強い効果を持っているんだな」

 

「閃刀起動ーエンゲージはデッキから『閃刀』カードを手札に加える。私は閃刀機関ーマルチロールを手札に加え、さらに墓地に3枚以上魔法カードがあるなら1枚ドローする」

 

桜 手札 3枚→5枚

 

「永続魔、閃刀機関ーマルチロールを発動。そして閃刀姫ーレイを通常召喚」

 

閃刀姫ーレイ 攻1500

 

「現れて、未来へ続くサーキット」

 

「早速お出ましか!」

 

桜のフィールドに現れた閃刀姫ーレイが二人の上空に現れたリンクマーカーの中に飛び込む。

 

「アローヘッド確認、召喚条件は炎属性以外の『閃刀姫』モンスター1体。私は閃刀姫ーレイをリンクマーカーにセット、フォームチェンジ、リンク召喚、閃刀姫ーカガリ」

 

閃刀姫ーカガリ 攻1500 ↖︎

 

リンクマーカーに飛び込んだ閃刀姫ーレイが赤いコスチュームを身に纏ってフィールドに戻ってきた。

 

「閃刀姫ーカガリはリンク召喚成功時、墓地の『閃刀』魔法カードを手札に戻す。私は閃刀起動ーエンゲージを手札に戻して、発動」

 

「なっ!?それターン1じゃないのか!?」

 

「そんな事私は一度も言ってない。デッキから閃刀機ーウィドアンカーを手札に加えて1枚ドロー」

 

桜 5枚→7枚

 

「さらに閃刀姫ーカガリをリンクマーカーににセット。フォームチェンジ、閃刀姫ーシズク」

 

閃刀姫ーシズク 攻1500 ↗︎

 

「カードを2枚伏せてエンドフェイズ、閃刀機関ーマルチロールの効果、このターンに発動した『閃刀』魔法カードの枚数だけ墓地の『閃刀』魔法カードをフィールドにセットする。閃刀起動ーエンゲージをセット、閃刀姫ーシズクの効果。墓地に存在しない『閃刀』魔法カードをデッキから手札に加える。閃刀起動ーエンゲージを手札に。これでターンエンド」

 

桜 手札 6枚 LP 4000 墓地魔法3

ー△▲▲▲ ー

ーーーーー

○ -

ーー---

ーー--ー ー

 

牛尾 手札 5枚 LP 4000

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

牛尾 手札 6枚

 

「手加減はしねぇ!手札からLv4・3・3のモンスターを墓地に送り、モンタージュ・ドラゴンを特殊召喚!」

 

モンタージュ・ドラゴン 攻?

 

「モンタージュ・ドラゴンはこのカードの特殊召喚に使用したモンスターのレベル×300ポイントアップする!」

 

モンタージュ・ドラゴン 攻3000→2700

 

「閃刀姫ーシズクが存在する限り、相手モンスターの攻撃力は私の墓地の魔法カードの枚数×100ポイント下がる」

 

「なら倒せばいい!バトル!モンタージュ・ドラゴンで閃刀姫ーシズクに攻撃!」

 

「速攻魔法、閃刀姫ーウィドアンカー。相手モンスター1体の効果を無効にする」

 

「なっ!?」

 

閃刀姫ーシズク 攻1500

モンタージュ・ドラゴン 攻2800→0

 

牛尾 LP 4000→2500

 

モンタージュ・ドラゴンがシズクに向かって攻撃を仕掛けるが桜が発動したウィドアンカーによって身体が拘束され、攻撃力が0になってしまう。そこにシズクによる反撃をくらってモンタージュ・ドラゴンは破壊されてしまった。

 

「ぐう!!仕方ねぇ・・・カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

「エンドフェイズ、速攻魔法、ツインツイスター。手札1枚をコストに、相手の伏せカード2枚を破壊する」

 

「なっ!?」

 

「うわ〜・・・・容赦ねぇなぁ・・・」

 

桜が伏せていたツインツイスターが発生、牛尾さんの伏せカード2枚を破壊する。マジ鬼畜やなぁ・・・

 

 

桜 手札 5枚 LP 4000 墓地魔法6

ー△▲▲▲ ー

ーーーーー

○ -

ーー---

ーー--ー ー

 

牛尾 手札 0枚 LP 2500

 

 

「私のターン、ドロー」

 

桜 手札 6枚

 

「伏せている閃刀起動ーエンゲージを発動。デッキから閃刀機ーベクタードラフトを手札に加えて、1枚ドロー」

桜 手札 6枚→8枚

 

「閃刀機関ーマルチロールの効果で伏せた閃刀起動ーエンゲージはゲームから除外される。魔法カード、閃刀機ーベクタードラフト。互いのプレイヤーはデッキの上からカードを2枚墓地に送る。さらに魔法カード、閃刀起動ーエンゲージ。デッキから閃刀機ーアフターバナーを手札に加えて、1枚ドロー」

 

桜 手札 6枚→8枚

 

「閃刀姫ーシズク1体をリンクマーカーにセット。フォームチェンジ。閃刀姫ーカガリ」

 

閃刀姫ーカガリ 攻1500→2500 ↖︎

 

「なっ!?攻撃力が上がっている!?」

 

「閃刀姫ーカガリは墓地の魔法カードの枚数×100ポイントアップ。本当なら魔法カードを回収できるけどその必要はない。バトル、閃刀姫ーカガリでダイレクトアタック」

 

牛尾 LP 2500→0

 

 

WIN 桜 LOS 牛尾

 

 

「参ったぜ・・・・完膚なきまでに叩かれてしまったな・・・」

 

「ヴィ」

 

デュエルに負けた牛尾さんはやれやれといった様子で両手を挙げて、桜はこっちに向かってVサインを送ってきた。

 

「あの子、凄いですね。あなたが教えたのですか?」

 

「基礎的な事はな。あとは桜の応用だ」

 

「そうですか・・・・確かにテスターとして問題は無いですね」

 

「さてと、じゃあテスターと戸籍の件、よろしくお願いします」

 

「分かりました。なるべく早く手続きをすませます」

 

「お兄ちゃん、お腹すいた」

 

狭霧さんに今後のことをお願いしていたら牛尾さんと桜が帰ってきて、真っ先にご飯をねだってきた。

 

「あのなぁ・・・・」

 

「まぁいいじゃねぇか。昼飯には少し早いが俺が奢ってやろう」

 

「おじさんありがとう」

 

・・・・・うわぁ、牛尾さん、絶対に後悔するだろうなぁ(遠い目)

 

 

 

 

30分後、牛尾さんは物凄く絶望してました。




桜「満足満足」

遊輝「・・・・牛尾さん、マジで泣きかけたな。そりゃ桜一人で3万円分って」

桜「またあの店行きたい」

遊輝「金が無いから無理」

桜「むぅ〜・・・・・」

遊輝「(こっちまで飛び火されたらマジ困る)閃刀姫はどうだった」

桜「ん、使いやすかった」

遊輝「本当はリンク召喚らしくサイバース族とか考えていたけど作者が投げたからな。あれ、難しすぎるって」

桜「私はこっちがしっくりくる」

遊輝「作者の感性が大量展開じゃなくて盤面制圧型だからな」

桜「次回、『戦場を駆け抜ける姫vs騒ぎ続ける幽霊』。よろしく」

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