転職して、引っ越しして、入社して仕事を慣れながら執筆してました。
ただ、一番時間がかかった理由は執筆に手こずったのではなく・・・・「これ、大丈夫だよな?(汗)」だったからです。
いや、本当にこれ、運営から消されないかな・・・・R-15は最初から設定してあるけど、R-18とか言われないよな・・・・ちゃんとそうならないように執筆したんですが・・・
消された時は・・・・察してください(汗)
桜 side
「ほら、もっと食べなさいな」
「・・・・・・・・」
「ふむ・・・・食べないわね」
「・・・・・・・・・」
お兄ちゃん、お姉ちゃんと続いたリーとの強制的な共同生活。私が3人の中で最後となった。リーの家に強制的に招待され、豪華な食事がテーブルに並ぶ。リーは私にご飯を食べるように促してくる。いつもの私なら何も考えずに箸をつけていたが、今はそんな気持ちにすらならない。
この2週間、お兄ちゃんとお姉ちゃんはこの女に全てを変えられた。お兄ちゃんは自分の意思では何もしない人形に、お姉ちゃんはこの女に忠誠を誓うロボットに変わってしまった。
「(・・・・・私も・・・変わってしまう)」
「ふむ・・・物凄い大食いだと聞いたけど口に合わないのかしら?あの家政婦はダメね。クビにしましょう」
「・・・・・・・・・・・」
「まぁこんなこともあるでしょ。それでね・・・桜」
「・・・・・・・」
「あなた、動物・・・・猫は好きかしら?」
「猫?猫は・・・・普通」
「そう・・・・ならちょうどいいわね。私ね、ペット・・・猫を飼いたいの。でもこのマンション、ペット禁止なのよ」
「・・・・・・・」
「あら、もう分かった顔をしているわね」
「・・・・・私が、猫になる」
この女の言葉を理解したくなかった。だけど、お兄ちゃんやお姉ちゃんの変貌ぶりに私は理解してしまった。この女は私を人間ではなく動物にしようとしている。
「話が分かる子は楽でいいわ。そう、貴方は猫になるの。私に忠実で可愛い猫よ」
「ひゃん!?」
リーは凄い笑顔で立ち上がり、私のそばにやってくる。そのまま私の耳の裏や耳たぶを触り出した。
「可愛い声を出すじゃない」
「ちょっ・・・ほんとにやめて・・・くすぐったい・・・・」
「ウフフフ・・・・そうね、今日は初日だし始めるのはまだ早いわね」
私がやめて欲しいと一言言うと意外にもリーは直ぐにやめてくれて、自分の椅子に座り直し、ワイングラスを持つ。
「とりあえず明日から貴方は猫になるわよ。心配しなくても外に出す時に猫みたく四つん這いで歩くとかそんな事はしなくて良いわよ。私はそこまで変態じゃないからね」
「・・・・・・それって家では四つん這いで生活しろって言ってるじゃない」
「理解力あるのは助かるわね〜。明日起きて四つん這いじゃなかったらお仕置きしていたわ」
「・・・・・・・」
「返事はちゃんとしなさい」
「・・・・・はい」
笑顔で話しかけてくるリーに私は俯いて返事をする事しか出来なかった。
〜(翌日)〜
「可愛いじゃない。よく似合ってるわよ」
「・・・・・・・・・」
笑顔で私を見つめるリーに私は視線を上に上げて見返すしか方法がなかった。
私は四つん這いになり、頭には猫耳を、お尻には猫のしっぽをつけて、両手は猫の手をモチーフにした肉球付きのグローブ、足は猫の足を模したハイブーツを履かされた。猫耳はヘッドホン型で私の耳を完全に覆い、肉球付きグローブは手を握りしめた状態で手首にベルトで拘束されたため、開くことができない。そしてハイブーツの膝部分にもテーピングされ、ベルトで拘束をされている。膝の関節が固定されてしまい、立ち上がることが難しくなっている。
「これから貴方は猫のサクラちゃんよ?分かった?」
「・・・・・・・」
「ちゃんと返事をしなさい。悪い子にはお仕置きよ」
「はひっ!?」
リーは私のお尻につけられた尻尾を握った。ただそれだけなのに私の身体はなぜか皮膚を触られた感覚に襲われた。
「な、なんで・・・・」
「その尻尾や耳が飾り付けだと思った?簡単にまとめると、あなたが身に付けている耳や尻尾はベルトは、あなたの脳内になるチップを通してあなたの皮膚感覚と繋がっているのよ」
「ひ・・・や、やめて・・・耳触らないで・・・」
リーは説明しながら取りつけられた猫耳や尻尾を優しく撫でてくる。頭に不思議な感覚が走る。抵抗したいけど猫耳や尻尾から伝わる不思議な感覚のせいで、なにも抵抗が出来ない。
「昨日の約束をもう忘れたのかしら?今日からあなたは猫のサクラちゃんよ。返事は?」
「や、やめて・・・ひゃい!?」
「返事は?」
「・・・・にゃ、にゃあ・・・・」
私が俯きながら「にゃあ」と鳴く。それを聞いてリーは満足したのか耳や尻尾を撫でるのをやめてくれた。
「私が許可する時以外は喋ったり立ったりしちゃダメよ。約束を守らないと・・・・」
「ひゃいっ!?」
リーが私の尻尾を掴む。その衝撃でまた声をあげてしまった。
「悪い悪い子猫ちゃんにお仕置きするから、良いわね?」
「にゃ、にゃあ・・・・・・」
「よし、それじゃサクラちゃん。早速だけど外に出るわよ」
「にゃ!?」
リーが外に出ると言って私は驚いた。こんな格好で外になんか出たら笑い物ではすまない。そんな考えを見抜いているのか、リーは笑顔でこっちに振り向く。
「心配しなくてもこのマンションの屋上よ。誰もいないから安心しなさい」
「にゃ、にゃ〜・・・・(そ、そんな事言われても・・・)」
「ほら、行くわよサクラ」
「にゃ!?にゃ〜・・・・」
リーは私の首輪に繋がったリードを引っ張り、私に移動するように促す。首を締め付けられた私は大人しくリーの後ろを犬のように四つん這いで歩く。玄関を出て、エレベーターに乗り、そのまま上の階に移動、エレベーターの扉が開く。
「にゃ!?(う、嘘!?どうなってるの!?)」
「ふふふ・・・・凄いでしょ?このマンション、オーナー私なの。だから、こんな事だって自由自在よ。2週間もあれば充分ね」
エレベーターの扉が開いた景色には晴天で広い屋上が広がっている、が、問題はそこじゃない。一面が芝生になり、一部のエリアはドッグランみたいなところや小屋、ふれあいコーナーみたいなところがある。小さな動物のふれあいコーナーみたいなものが私の目の前に広がっていた。
「ここならサクラちゃんを躾けるのにピッタリでしょ?じゃあまずは・・・・・」
リーは私を連れてエレベーター近くにある道具置き場みたいな所に行く。
「えっと・・・・あったあった」
「(それ・・・・ボール?)」
「じゃあサクラ・・・・取って来なさい!!」
「!?」
リーは道具置き場から野球ボールサイズのプラスチック製のボールを手に取り、大きな声を出してボールを投げる。
「どうしたの?サクラ、ボールを取ってきて」
「にゃ・・・・にゃあ・・・・」
何も動けずにいたリーは私に言葉で圧力を掛けてくる。その圧力に屈した私は顔を真っ赤にして四つん這いのままボールをとりに行き、ボールを口に挟む。
「(は、走りにくい・・・・それにボールを加えないと)」
四つん這いで走るなんて勿論やったことなく、口で咥える事でしかボールを持ち運べない。ゆっくりと歩きながら、時々バランスを崩しながら、そして疲れる顎の力を何とか食いしばってリーの足元まで行き、ボールを置く。
「は〜いよく出来ました〜」
「にゃ、ニャア・・・・(あ、頭、撫でないで・・・)」
リーはかがみ込んで私の頭にある猫耳を含めて頭を撫でてくる。猫耳から伝わる不思議な感覚に私の脳は蕩けそうになるくらいおかしくなる。
「でも・・・・」
「にゃ!?」
リーは頭を撫でながら左手を伸ばしてギュッと尻尾を握る。
「反応が遅かったわよ。それと、反抗的な態度は許さないわよ」
「や、やめ」
「ん?」
「ひゃあ!?」
私が声を出したところでリーは掴んでいた尻尾をさらに強く握りしめる。そのまま尻尾を引っ張る。私の脳に追いつけない程の感覚が襲われる。
「良い子にしないとこうなるわよ。分かった?」
「・・・・にゃ、にゃあ・・・・」
「ふふ・・・じゃあもう一回!とってきなさい!」
「にゃ、にゃあ!!」
そうして、私はこのボール拾いを十数回に渡ってやらされた。ボールを口で咥えてリーの足元に持っていくたびにリーは猫耳ごと私の頭を撫でて、その度に流れる感覚が私の脳を支配していく。
「にゃ、ニャ〜・・・・(あ、頭がおかしくなる・・・・)」
「ふふ、よく頑張りました。そろそろ丁度いい時間だし、ご飯にしましょう」
「にゃ〜・・・・(や、やっと・・・終わった・・・・)」
ようやくボール拾いが終わり、ご飯という言葉を聞いて私は気を抜いてしまい、力が抜けてしまった。だけど、そんな私の甘い考えはすぐに消えてしまった。
リーはボールを拾い上げて私の首輪につながっているリールを引っ張る。何もできず、疲れ切ってしまった私はなすがままに連れて行かれる。道具置き場の近くまで移動された後、ポールにリールをくくりつけられる。そのままボールを片付けて、道具置き場からとあるものを取り出して私の元に置く。
「(これって・・・・ペット用のお皿?中に水?まさか・・・・)」
「はいサクラちゃん。ご飯よ」
リーはまた別のお皿を私の近くに置いた。その中には炊き立てのご飯に鰹節と醤油がかけられている、「ねこまんま」があった。
「本当はペットフードとかなんだけど流石にサクラちゃんにそんな物を食べさせるわけには行かないわ」
「・・・・・・・」
驚愕した私はリーとお皿を見続けることしかできなかった。今の私は猫の手のグローブによってお箸どころか何も手に持つことは出来ない。つまり・・・・・
「ふふ・・・・今日一日、ちゃんと言うこと聞けば晩ご飯はちゃんとした物を人間らしく食べさせてあげる。だけど言うこと聞かなかったら・・・・あとは分かるわね」
「う・・・・・うう・・・・・」
「さあ、サクラちゃん。ご飯よ」
私の人権はまるで無いようにリーは私に向かって喋る。羞恥に塗れた、とてつもない屈辱だけど、リーの圧力に屈してしまった私は顔をお皿に近づけて差し出されたねこまんまを犬食いする。できるだけ早く終わらせたいため、私はプライドを捨てて早食いをする。
「(う、うう・・・・・こんな所・・・見られたくないよ・・・・)」
「あらあら、そんなにガッツいて。やっぱりサクラちゃんはご飯を食べることが好きなのね」
「ニャ〜・・・(い、いや・・・猫耳撫でないで・・・・)」
猫耳を触られるために尻尾とは違う、快感が脳を駆け巡る。その快感に抵抗できず、私はただ声を鳴くことしかできない。
「ふふふ・・・ほら、運動したから喉も渇いているでしょ?ちゃんとお水も飲みなさい」
「にゃ、ニャー・・・・」
リーに促されて私は顔を上げる。ご飯を犬食いしたため、口の周りやほっぺにもご飯粒が付いてしまっている。だけど、手を止めることは許されない。水が入ったペット用のお皿に顔を移す。水は皿にそこまで多く入っていない。顔を突き出せばご飯を食べれていたさっきと違い、舌を出す。ペチャ、ペチャという音が私の心をさらに砕いていく。
「(いや・・・・なんで・・・・私・・・こんな事に・・・)」
「ふふ、可愛いわサクラちゃん。ご飯を食べたらまた別の運動しましょう」
「(ふわぁ・・・・ま、また猫耳を・・・)」
リーはしきりに私の猫耳を優しく撫でる。尻尾を触られると嫌な感覚が全身や脳を駆け巡るが、猫耳を撫でられると甘い快感が脳を駆け巡り、私の思考を溶かしていく。
「(いや・・・・私は・・・・私・・・・猫じゃない・・・・・・のに)ニャ〜」
「あら?どうしたの?」
「にゃ、ニャ〜・・・・ニャ〜・・・・」
「ふむ・・・・猫を飼ったことがないから分からないけど・・・・もしかして眠くなったのかしら?」
「ニャ〜・・・・」
「・・・・そう見たいね。分かったわ。じゃあ一旦おうちに帰りましょうね」
「にゃ、ニャ〜・・・(や、やっと終わる・・・)」
リーはリードを手に持ち、歩き始める。リードから首輪に繋がれている私はその状況では何も抵抗出来ず、ただひたすらにリーの後を四つん這いで追いかける。
「にゃ、ニャ、ニャ・・・・」
「ふふ、可愛い猫ね。ちゃんと暖かい猫ベッドを用意してあるから、もう少し頑張ろうね」
「ニャ、ニャ〜・・・・・」
エレベーターに乗り、リーの家に戻った私はそのまま廊下の奥、リビングの一つ前の部屋の扉の前に立つ。リーはその扉を開ける。
「ほら、今日からしばらくここがサクラの部屋よ。好きに使っていいからね」
「ニャ、ニャ・・・・・(これ、猫の部屋・・・・)」
部屋の中を一言で表すと猫のための部屋だった。猫ベッドやキャットタワー、ケージ、木の爪とぎと見て分かるくらい猫の部屋だと分かった。
リーは私を猫ベッドまで連れて行き、私に入るように促す。疲れ切った私は猫ベッドの上に入り、そのままベッドの上に四つん這いのままうつ伏せになる。リーは私の上に毛布をかけた。
「ふふ・・・・この後、晩御飯を用意するまでゆっくりしてね」
「ニャ、ニャ〜・・・・・」
リーは私の頭を優しく撫でる。そのまま部屋の隅にあった音楽プレイヤーを起動させて、部屋をでて、鍵をかけてしまった。ようやくリーが部屋から出て私は力を抜き、目を瞑る。音楽プレイヤーから流れる音楽はピアノの音をゆったりとした音楽である。
「ニャ・・・・・ニャ・・・・・(つ、疲れた・・・・)」
今日、いや半日、もっと言えば数時間しか立っていないはずなのに身体的にも精神的にもものすごく疲れた。一週間くらいの労力を使った感じがする。身体がだるく、頭も働かない。音楽の力もあるのか、私は思考能力を段々と失っていく。
「ニャ・・ニャ〜・・・・(こんな格好で、こんな生活をして私は・・・・人間・・・・人間?あれ?)」
だんだんと意識が薄れて眠くなってくる。そのとき、ふと私は人間である事に疑問を持ってしまった。
「ニャ・・・・(・・・・私は・・・・にん・・・げん・・・・?人間なら・・・こんなところで・・・・こんな格好で・・・寝ないよね・・・私は・・・猫・・・だから・・・・・)」
うつ伏せ状態だった私は背中を丸めて出来るだけ身体を小さくするようにする。
「ニャ〜・・・・(猫なら・・・こうやって・・・寝るんだよ・・・ね・・・・だって・・・私は・・・・猫なんだから・・・)」
そのまま私は眠りについた。