3年ぶりかな?久々の投稿です。
なんで更新していなかったのかと言いますと、転勤してからの忙しさもありましたが一番はモチベーションの低下でした。特に遊戯王に対して、去年日本選手権である程度勝ち進んでしまい、完全にモチベーションが低下していました。
最近になってようやく回復したので、2〜3ヶ月に1話・2話くらいのペースになると思いますが亀のように更新していきます。
・・・・・・この話大丈夫だよね?(汗)R18にはならないようにはしっかり確認したのですが
No side
「・・・是的。已经很接近了。(そう、そこまで迫っているのね)」
「老板,我们该怎么办?说实话,对方也会用力的动。(ボス、どういたしましょうか?正直、相手も力づくで動いて来ますよ)」
「我们再游一会儿吧。对方也不会轻易放过你。(もう少し泳がしましょう。向こうもそう簡単に手を出すことはないわ)」
「他的意志(御意)」
ふう〜と女は息を一つ吐く。高速を走る黒のワンボックスカーはカーテンで覆われて誰にも見られない、密室な空間になっている。その中で上海を牛耳るマフィア組織、『仁龍』のボスである女、リーは直属の部下との話し合いをしていた。内容は今世間を騒がしているとある3人、正確には1人の青年について。
「(・・・・もう6月、あれから3ヶ月、早いわね。歳はとりたくないわ)」
黒のカーテンで見えないはずの窓の外を妄想しながらリーはふと考える。年々時間の流れは早く感じるようになり、特に50を過ぎた時から空虚な日々を過ごすようになった。
「(この世界に入って30年以上、ボスとなってから3年近く、組織や会社を大きくする事に奔走していた日々で、灰色の日々が流れるだけの日々だったわね・・・・・)」
「老板、到达的(ボス、到着しました)」
「ハンファ、ハオン、请明天十四点请医生来。(明日、例の医者を14時に連れてきなさい)」
「「他的意志(御意)」」
「那么好吧。明天见(じゃあ、また明日)」
ワンボックスカーの扉が開く。リーが降り、車は扉を閉めて走り出す。高層マンションの入り口にあるパスキーにカードをタッチしてマンションの中に入ったリーはそのままエレベーターまで直行して、最上階のボタンを押し、再びカードキーをタッチする。エレベーターは真上に動き出し、最上階まで到達する。エレベーターから降りてすぐ目の前の玄関に鍵を回して扉を開ける。
「ただいま」
「ニャ〜!!!ニャ〜〜!!!」
「あらあら、サクラ。どうしたのかしら?」
玄関の扉を開けると一匹の猫の声が聞こえ、バタバタと走り、リーの足元で擦り寄る。リーは身体を屈ませて、猫の頭を優しく撫でる。
「ニャ〜〜・・・・」
「ふふ、相変わらず可愛いわねサクラは、ここが良いのかしら?」
「ニャ〜・・・・」
優しい笑みを浮かべながらリーは愛猫の顎を撫でる。猫は飼い主から優しくされて嬉しそうに鳴く。
飼い主と猫のよくある普通の光景である。
・・・・・・たった一点、その猫が人間であることを除けば普通の光景であった。
リーがサクラと呼んでいる猫は、猫のコスプレをした人間であった。ワンピースに猫耳と猫の尻尾を身に付け、猫のグローブとブーツを装飾して、自分自身が猫だと信じきっているかのように、猫の仕草をしている。
「ふぅ〜・・・・・愛猫を見ると疲れが癒やされるわね」
「ニャ〜」
「ふふ、じゃあ行きましょうサクラ」
「ニャ〜」
リーはサクラと呼んでいる猫を連れてリビングに向かう。扉を開けるとテーブルの上には温かい料理が並べられている。ちょうどその時、白黒のクラシックなメイド服を着た眼鏡をかけたメイドが車椅子に乗っている口元や自身の身体が隠れるくらいの大きなクマのぬいぐるみを抱きしめた、白を基調としたゴシック&ロリータのワンピースを着た自信なさげな女の子を連れて隣の部屋から現れる。
「お帰りなさいませご主人様」
「・・・・・・・・・・・・」
「ただいまアリア、今日も仕事助かったわ。お陰で早く片付けることが出来たわ」
「いえ、ご主人様のお役に立てて光栄です」
「・・・・・・・・・・」
「ただいま〜優姫ちゃん。今日も良い子に過ごしていた?」
「・・・・・(コクコク)」
「優姫さんは午前中はサクラと一緒に遊んで、午後はテレビでアニメをご鑑賞されてました。また、ご主人様がおっしゃった、『おトイレの我慢』というお約束もキチンと守られていました」
「あら、よく出来たわ、えらいえらい。じゃあそんな良い子に過ごした優姫ちゃんにはプレゼントをあげないとね」
笑みを浮かべながらリーはカバンの中からあるものを2つ取り出した。一つは白くて長い、ロング状のサテン素材でできたフリルが着いた手袋、ウエディンググローブ、そしてもう一つは・・・・・・白く塗られた手錠である。
アリアと呼ばれたメイドは優姫と呼ばれた女の子の右手を優しく持ち、支える。
リーは優姫と呼んでいる女の子のまず右手にウエディンググローブを、次いで左手にウエディンググローブをはめる。ロング状のウエディンググローブのため、優姫の肘が隠れるくらいの長さである。その状態になって、優姫はクマのぬいぐるみを抱き抱え直す。そしてその状態でリーは抱き抱えた優姫の両手の手首に手錠を掛けて、クマのぬいぐるみの首部分にある少し大きめの鈴の輪に通して鍵をかけた。
「この前プレゼントで渡した専用のブーツと専用のコルセットと合わせて、ぬいぐるみと優姫ちゃんを固定したから、私がカギを使わない限りぬいぐるみから離れる心配はないわ」
「・・・・・(コクコク)」
「これも優姫ちゃんが良い子にしてたからだよ。これからもお人形として良い子にしていられる?」
「・・・・・・(コクコク)」
「フフ、良い子良い子」
笑みを浮かべながらリーは優姫の頭を撫でる。頭を撫でられた女の子は少し笑みを浮かべていた。
「それじゃご飯の準備をしましょう。アリア」
「かしこまりましたご主人様」
アリアと呼ばれるメイドは優姫を乗せた車椅子をダイニングテーブルまで移動させ、車椅子のブレーキをかける。懐から小さい木の杖を取り出し、軽く振ると何も無い空間から女の子用のアニメキャラが描かれた涎掛けが出てきて、それを優姫の身体に纏わせる。クマのぬいぐるみや車椅子を包み込めるほどの大人用のポンチョサイズよりも大きいサイズである。今までクマのぬいぐるみで隠れていた優姫の口元が現れた。小学生・中学生くらいの女の子がおしゃぶりをしている。それがアリアの手によって外されて、口元の涎をハンカチで拭き取られる。
普通のようで普通ではない、明らかに異常な光景が広がっているが当人たちは何ら疑問も持つこと無く、当たり前の日常のように過ごしている。
リーが自身の家に招いている3人。それは今、世界中の表社会・裏社会が捕まえようと血眼になって探している話題の3人組、遊輝達であった。最初は金儲けの為だけに捕獲依頼を受けたリーは3人を大層気に入った。そして、3人を自分だけの人形にすると決めた。
リーはその3人を軟禁し、自身のお人形として3人を調教した。その結果、3人は自身の状況や境遇、性格等、全てが変貌してしまった。
遊輝の義理の妹、桜はリーに懐いたサクラという名の猫として生活をしている。猫耳に猫のしっぽ、さらには猫の足のグローブに猫の手のグローブをつけて四つん這いで生活をする彼女は人間である事を忘れ、自分は猫だと完全に思い込み、猫と同じ仕草・行動をする。
遊輝の現在の右腕、魔法使いのアリアはリーの秘書兼メイドとなった。ある時にはメイドとして家事炊事洗濯等、リーの身の回りのことを全て行い、ある時には社長であるリーの敏腕秘書として、ある時には魔法使いとしてリーの護衛を全て一人でこなす、リーに忠誠を使うロボットである。
そして・・・・・・世界中の標的となっている遊輝、彼が一番変貌してしまった。
リーの一番のお気に入りである彼はリーが望んだお人形へと変貌した。足の怪我で自分では何も出来ない身体的状況にプラスして、遊輝自身の精神的な部分を突いた調教により、遊輝は自分自身の意思では何も行動を起こさない、何も喋らない、ただ、車椅子に座った、クマのぬいぐるみを抱えるだけの本当のお人形になってしまった。
遊輝は朝起きたらリーのお気に入りの服を着て、お人形を抱える、それで一日は終わる。四六時中、お人形を抱えるだけの毎日である。日常生活における動作、食事やお手洗い、さらにはちょっとした部屋の移動すら自分一人では全く行わない。ただ、リーの言った事を守る、それだけの人形に成り下がってしまった。
今の彼は何かに依存をしている。それもかなり重度の依存症だ。誰かに頼らないと自分一人では何も出来ず、また1人で過ごすことすらも出来ない。そのため、リーやアリアが居る時は、常に2人のうち誰かが彼の事をお世話する。その2人がいない時、彼が抱きしめているクマのぬいぐるみに依存している。
何も行動を起こさない彼が自分自身で行動を起こす時がある。それはクマのぬいぐるみを取り上げられた時だ。ある時、こんな事が起きた。
『悪い事をした優姫ちゃんには罰を与えないといけないわね』
そう言ったリーは遊輝が抱き抱えているクマのぬいぐるみを30分の間だけ没収をした。たったの30分。しかし、今の彼にはそれが我慢出来なかった。取り上げられたその瞬間から、遊輝はポロポロと涙を流し、次第にはワーワーと泣き出した。言葉は自分では発しない。クマのぬいぐるみを返して欲しい、それが無いと自分は生きていけない、そんな感じで泣き続ける。
やがて、没収の時間が終わり、リーはクマのぬいぐるみを遊輝に返した。遊輝はすぐにクマのぬいぐるみをギュッと抱きしめて二度と離さないようにする。
この行動を見たリーはある事を遊輝に告げた。
『これから良い子にしてたらプレゼントを挙げる。でも、悪い事をしたらクマのぬいぐるみは没収だからね?』
リーのその言葉に遊輝は深くうなづいた。その日を境にリーは1週間に1度の頻度で『お約束』を遊輝に告げる。クマのぬいぐるみを取り上げられたく無い遊輝はその約束を守る。そして、その日の夜、アリアからの報告を受けて約束を守ることが出来た遊輝にプレゼントとして拘束道具をプレゼントした。
まず初めにおしゃぶりをさせて口を拘束させ、何も喋らないようにする。次にぬいぐるみの脚と一緒に固定して両膝までマーメイドのように拘束する専用のブーツ、ぬいぐるみと一緒に固定する専用のコルセット。そして、今日プレゼントした手錠、ぬいぐるみと一緒にいたいという遊輝のためのプレゼントと言っているが、実際はお人形をリーの手元に置いておくための道具である。しかし、今の遊輝にはそんな事も感じはしない。ただぬいぐるみと一緒にいる事ができる、そしてリーに褒められたという嬉しさ、その2点で約束を守っていくのだ。
「はい、優姫ちゃん」
「・・・・・・・・・・」
「美味しい?」
「・・・・・(コクコク)」
「良い子良い子」
「・・・・・・(コクコク)」
「ニャ〜、ニャ〜」
「あらサクラ、もう食べ終わったの?」
「ニャ〜」
状況は戻り、リーはスプーンにご飯を掬いそれを遊輝に食べさせる。元々食が細かった遊輝ではあるが、今の生活になってからはさらに食が細くなった。しかし、痩せ細った感じはしない。運動もしていないこともあるが、リーが監修してアリアが作った栄養管理がしっかり整ったメニューを食べることで、さらに女体的な身体に変わって行く。
「アリア」
「デザートは杏仁豆腐でございます。あと10分でお風呂が沸きます」
「私この後見たい番組があるから優姫のお風呂のお世話お願い」
「かしこまりましたご主人様」
リーの隣に立つアリアはサッとデザートである杏仁豆腐が入った器を二つ目の前に置く。リーは自分の杏仁豆腐を足早に平らげ、すぐに遊輝のお世話に戻る。
「はい優姫ちゃん。あ〜ん」
「・・・・・・・・・・・」
「ニャ〜」
「はいはい、サクラも甘えたがりね。今日は一緒に寝ようね」
「ニャ〜」
足元に擦り寄るサクラの頭を撫でるリー。その後に杏仁豆腐を一口スプーンで掬い遊輝に食べさせてあげる。その横でアリアが手早く空になっている皿を手に持ち台所に持っていき食器を洗い始める。
「(良いわ・・・・最高に『今』が楽しいわ)」
サクラの頭を撫でながらリーは自身の頭の中で考え始める。裏社会に身を置きボスになった、欲しいものは力づくで全てを手にいれた。それらは今でも手元に置いているが、ほぼ全てが長続きせずに物置の肥やしとなっていた。しかし、3人だけは違った。
「(素晴らしいわ・・・・私が望んだお人形だわ)」
これまでの経験を活かして3人を調教し、自分の思い通りの人形を完璧に作り上げた。主人に忠実で自分の思いのままに動く秘書メイドに作り上げた魔法使い、ペットが飼えないがために猫にしたてた義理の妹、そして自分では何もしない人形にまで成り下がった本命。
「(今までのクソみたいな人生とは違うわ。圧倒的な充実感と満足感・・・・・こんなにも楽しいなんて)」
リーの笑みがこぼれる。全てが自分の思い通りになった。ここまでの充実な経験は人生で一度も味わったことがない。快楽にも等しい感覚を得ている。
♪♪♪〜〜〜
「ご主人様、お風呂が沸きました」
「それじゃアリア、優姫をお願い。優姫ちゃん、お風呂で綺麗綺麗しようね?」
「・・・・・・・・(コクコク)」
「少しの間クマのぬいぐるみと離れるけど、アリアと一緒だから大丈夫よね?優姫ちゃんは良い子だから」
「・・・・・・・(コクコク)」
アリアは遊輝を乗せた車椅子のブレーキを解除、そのままテーブルから離れリビングを出る。リーはテレビのリモコンを持ち、テレビの電源をつけて食事を続ける。
「ふぅ〜・・・・スッキリしたわね」
「・・・・・・・・・」
「フフ、優姫ちゃんも綺麗になったわね」
お風呂から上がったリーは自身の寝室でベッドに座って待っている遊輝を見つける。白色のワンピースタイプのネグリジェを着て、変わらずにクマのぬいぐるみを抱き続けている。その横には桜が体を丸くしている。
リーはベッドに座っている遊輝を優しく移動させて寝かし、ついで自身もベッドに座り、布団を被る。桜はリーの横に付いて布団に被り、体を丸くする。
「ほ〜ら、寝るときはぬいぐるみから離れて私と一緒に寝ないとダメよ」
リーは遊輝からクマのぬいぐるみを取り上げて代わりに自分に抱きつかせるように両手を広げて遊輝を抱きしめる。遊輝は何も言わずにリーの体を抱きしめる。
「・・・・・・・・・・・・」
「ふふふ・・・・可愛い可愛い」
「・・・・う・・・・」
「うん?どうしたの?」
「・・・・・マ、マ・・・・・」
遊輝はそう呟きスゥ、スゥと寝息を立てて寝始める。リーは遊輝の頭を優しく撫でる。
「(最高だわ・・・・この子は本当に私が望んだお人形だわ・・・・)」
リーの顔が緩む。
「(楽しいわ・・・・本当、楽しい事はあっという間ね。もう少し遊びたかったけど仕方ないわね)」
リーは遊輝の頭を撫でながら心の中で残念そうに思い込む。
「(あ〜あ、まさか医者が見つかるとは思わなかったわ。私の換算ではあと半年は見つからない手筈だったのに・・・・まぁ、見つけた部下にはしっかり褒美を与えないといけないわね)」
医者を見つけた・・・・それが彼女にとってただただ残念でしかならない事実だった。彼らがリーの人形になっている条件であった医者を見つけて治療を受けるまで。彼らが望んだ医者がつい先日、見つかったのだ。
「(まぁいいわ。口実はいくらでも作れる。別に手元から離れるけど私の物じゃなくなるわけじゃないし・・・・それに、失敗したら一生私の物だしね)」
「・・・・・・・・・」
リーは優しく遊輝の頭を撫でる。遊輝の寝顔は嬉しそうな笑みを浮かべていた。
〜〜(翌日)〜〜
「今日も可愛いわね優姫ちゃん」
「・・・・・・・(コクコク)」
鏡越しに優姫を見てニッコリと微笑むリー。そして優姫も嬉しそうな表情で頷く。今日もワンピースを着て大きなぬいぐるみを抱えた状態で車椅子に座る。両足、そして両手はぬいぐるみと一緒に拘束された状態だ。
コンコンコン
「失礼致します。ご主人様、車の手配が整いました」
「ありがとうアリア。貴方も着いてきなさい、サクラはお留守番ね」
「かしこまりました」
「ニャ〜」
「それじゃ優姫ちゃん、一緒に出掛けるわよ〜」
「・・・・・(コクコク)」
リーは遊輝の乗っている車椅子のブレーキを解除して動かす。アリアはその後をゆっくりと追う。玄関を出てエレベーターに乗り、アリアが地下階のボタンを押す。エレベーターはゆっくりと動き出す。
「さあ、あなた達の運命の扉を開きに行きましょう」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここは町外れの廃屋。上海から車でおよそ1時間くらいある農村の外れにあるこの国ではよくある風景だ。周りを見渡すと畑もない、荒れ放題の土地にポツンと廃屋がある。この場所に1台のワゴン車が到着する。運転手と助手席の扉が開き、スーツ姿の大柄の男性2人が降りて、1人が後ろの扉を開ける。
「请(どうぞ)」
「谢谢。(ありがとう)」
扉からサングラスをかけたリーが次いでアリアが降りてくる。一番後ろから車椅子に乗った遊輝が降りる。同じタイミングで廃屋から1人の老人が出てくる。
「・・・・・是谁啊(誰だ?)」
「是谁啊、针灸师的盧。是联系的李哦。(初めまして、針師の盧さん。連絡したリーよ)」
「是昨天来的没有礼貌的男人们的上司吗?听说了,那个坐轮椅的家伙是病人吗?进去。(昨日来た礼儀のない男どもの上司か。話は聞いた、その車椅子に乗っている奴が患者か。中に入れ)」
「请多关照(よろしく)」」
老人の案内によってリー達は廃屋の中に入る。埃が多い玄関と廊下を抜けてリビングらしき部屋に入る。一人で住むには大きすぎる部屋の中央に簡易ベッドとその近くにベッドサイトテーブルが置かれている簡素な部屋だ。
「把那个家伙放到床上。看病。(そいつをベッドに乗せろ。早速見る)」
老人が遊輝をベッドに乗せるように指示を出し、リーの部下二人が遊輝からぬいぐるみを預かり、車椅子からベッドに移し替えて、仰向けで寝かせ、遊輝にぬいぐるみを返す。老人は何も言わず、遊輝の体にも触らずにただ、遊輝の体を見つめる。
「・・・・・・・・」
「怎么样?(どうかしら?)」
「・・・・・如果期待有嚼劲的话,就会觉得这个,真心失望。(歯ごたえがあるものかと期待したらこれか、ガッカリだよ)」
「什么事?(どういう事?)」
「不要把任何人都能治好的伤转给我。差不多痊愈了吧(簡単に治せるやつを俺に回すな。完治しているだろ)」
「痊愈了?肌肉系统确实痊愈了,但医生说和神经系统没有联系。(完治した?確かに筋肉系は完治したけど、神経系はまだ治っていないし、脳と連動していないはずだわ)」
「不要指望灌木医生的诊断。这家伙的腿痊愈了。(藪医者の話は信用出来ない。こいつは治っている。)
「那他为什么不能动腿呢?(じゃあどうして優姫ちゃんは脚を動かせないの?)」
「大脑的信号没有到达神经。这个样子的话,应该是脊髓有问题吧。(脳の信号が神経に届いていない。この様子だと脊髄に問題があるんだろう)」
「脊髓?(脊髄?)」
「腿受伤的时候,有可能因为某种原因脊髓神经受伤了。被枪打中的时候,背部也受到了冲击吧。让他脱掉衣服,让他趴下。(脚を怪我した時、何かしらの拍子で脊髄の神経を痛めた可能性がある。銃で撃たれた時、背中にも衝撃が走ったのだろう。服を脱がせてうつ伏せにさせろ)」
「アリア」
「かしこまりました」
老人は指示をして、アリアが動く。遊輝とぬいぐるみの拘束を外してワンピースを脱がし、うつ伏せの状態にする。遊輝が泣かれないようにぬいぐるみは遊輝の頭の近くでアリアが持ち、遊輝が見える状態にする。老人は遊輝の背中を見てすぐにとあるポイントを指差す。
「就是这里。这里的神经没有恢复。刺激这家伙的话,这家伙会痊愈的。(ここだ、この神経が回復していない。こいつを刺せば完治する)」
「那请多多关照(じゃあよろしくね〜)」
「下属也是下属的话,上司也是人手粗暴。算了,我拿到了很多钱,这次很特别。(ふん、部下も部下なら上司も上司だな。まあいい、大金を貰ったんだ、今回は特別だ)」
老人がベッドサイトテーブルの引き出しを開け、針を1本取り出す。
「走吧,直接刺进神经。因为只刺一次,一动就一辈子都是植物人。(行くぞ、神経に直接刺す。一度しか刺さない。動いて変なところに刺すと植物人間だからな)」
「優姫ちゃん、これからちょっとだけ痛い思いをするけど良い子の優姫ちゃんなら動かずに我慢できるよね?」
「・・・・・(コクコク)」
「偉い偉い、良い子に出来たら今日もご褒美をあげるからね」
「・・・・・(コクコク)」
リーは優姫の頭を撫でながら声をかける。優姫はそれに頷き、目を瞑って痛みに耐える耐性に入る。
「很好,做吧(良いわよ)」
リーの合図で老人は遊輝の背中の1点に針を刺した。
「・・・・・・」
遊輝は針を刺されたその痛みで目から涙を流した。