こちら、椴法華鎮守府日常譚   作:汐ノ爾

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その11:終

 …とっぷり

 

 というのが非常に適切な表現だろう。すでに日は落ちライトをつけて鎮守府へと続く道を急ぎ走っている提督一行。あの後白露が「晩御飯外で食べたい」なんて言い出したもんだから、また一しきり店を探すために車を走らせ、行列のできるラーメン屋なんかに入ったもんだからこんな時間。一応門限がある鎮守府、届け出なくそれに遅れると提督艦娘区別なく反省文という名の始末書を書かされることになる。ギリ間に合うかくらいのタイミング。

「おおお、怒られるぅぅぅ!!」

「いそげー、いぇーい!」

「とばせー!」

 ルパンの車が飛び跳ねるかの如く、道を爆走するミニクーパー(ここにきて車種特定)そして暗闇の先に鎮守府の門が見えた。

「20時58分、間に合った!」

 少しスピードを緩めてチェッカーを受けるかのように門をくぐり鎮守府内に滑り込む提督運転の車。

「はー、よかったー」

 ハンドルに寄っかかる提督。

「おつかれさまー」

「ただーいまー」

 後部座席から先に降りる二人、自分の荷物をもって宿舎へと戻っていく。一息ついた提督、車庫に戻そうと身を起こしハンドルに手を掛けると、まだ付いたままのライトの先に人影があることに気づく。照らされていてはっきりとはわからない。

「ん、誰?」

「おかえりなさい提督、お早いお帰りで」

「あ”」

 声の主は妙高だった。それと同時にお遣いの中にあった品物を一品思い出す提督。そう、夕食の足しにしたいとのことでお願いされていた、お気に入りのたこ焼き。当然夕食には間に合わず冷め切ったものがトランクの中で眠っている。

「ち、チンして食べてもらえれば…」

「私はそれでもかまわないんですけど、羽黒が泣いちゃうなぁ。ってかもうとっくにベソベソしてますけどね」

 

「提督さんが…、提督さんがたこ焼き持って帰ってきてくれないぃぃぃ!!!」

※現在の自室の羽黒の様子

 

「食べ物の恨みは怖いですよ?」

 鎮守府一泣かせてはいけないといわれている羽黒を泣かせてしまった提督。車を車庫に戻し冷めたたこ焼きを手に羽黒の元へと向かう。泣き止ますのに2時間かかったという。そして同時刻、買ってきた湯沸し器もといコーヒーサーバーは宿舎の談話室でフル稼働している。カプセルはあっという間に底をつき、追加分を庶務科に請求するが当然通るわけもなく、結局そのカプセル代は提督の給料から天引きされる形で補充され続けることとなった。しばらくして談話室にはこんな張り紙がされる。

 

 1日10杯まで!!(お願いだから

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