開始前
「毎度やきもきするわね、この時間」
「そうですねぇ、おちおち仮眠も出来ません」
「私が起きているから、少し寝ますか?」
「いえ、食べていれば起きていられますから」
「…そう、でもあまり食べ過ぎはよくないわ」
「腹が減ってはなんとやら、です」
「…そう」
深夜0時過ぎ、鎮守府のとある一室で赤城と加賀がコタツにあたりながら時計を眺めつつそんな会話をしている。加賀の前にはお茶、赤城の前には大量のミカンとお茶がある。横に置いてあるごみ箱にはすでに「何個食ったの?」といわんばかりのミカンの皮が積み重なっている。肌がミカン色になっちゃうYO。
「ところで赤城さん。今回はどうも空母の出番はあまりなさそうとの噂なのだけれど」
「あら、そうなんですか? でも準備はしておいたほうがいいですよね。何があるかわかりませんし、空母機動部隊は戦の要。慢心はいけません」
「さすがです、安心しました」
「ですから食えるうちに食っておきましょふ」
「…」
最後の一つを口に放り込む赤城。そしておもむろにコタツから抜け出しゴミ箱とは反対、赤城の右に置かれている「愛媛ミカン」と書かれた箱から、追加のミカンをコタツの上の籠に補充する。ついでに急須にもお湯を補充する。そして改めてコタツに滑り込む。
「赤城さん」
「はい?」
「一ついいでしょうか」
加賀が赤城に質問をする。
「どうぞ」
「なぜ太らないのですか?」
「…」
「…」
少々の沈黙。
「メンテ、終わりませんね」
加賀から目を逸らして時計を見ながらつぶやく赤城。
「はぐらかさないでください」
「そうですねぇ、考えたこともないです。食えども食えども胃袋が食料を欲するので、それに素直に従っているだけなので」
「アレですかね、テレチャンに出る人みたいなもんでしょうか」
「そうしておきましょう」
結論は出た。そしてまたしばらく沈黙の中時は過ぎる。そして加賀のこうべが少し垂れてくる…。
午前2時半
「…はっ! いけない、少し寝てしまった」
睡魔に勝てず起きているといった加賀が先にコタツの魔力に負けて眠っていた。目をゴシゴシこすって眠気を飛ばす。中途半端な眠りから覚めたため少しボーっとしている。
「あ、赤城さ…」
顔を上げ正面にいるはずの赤城に目を移す。
「はい?」
そこにはまだ食っている赤城がいた。しかしすでにミカンは品切れ「ど〇兵衛」と書かれた器を手にしている。ちなみに蕎麦。
「…それは?」
「お蕎麦です」
「見ればわかります。まだ食べていたのですか?」
「ええ、なかなかメンテも終わりませんし、加賀さんも寝てしまって暇でしたので」
加賀が少し目線を左に向けると、先ほどの愛媛ミカンの箱の上にはど〇兵衛の箱が置かれていた。こっちもカートンで買ってあったらしい、ア〇ゾンの上得意の赤城。
「すいません。私が寝なければ赤城さんに余計な食事も浪費もさせずに済んだのに…」
「気にしないでください、この時間のカップラーメンほど美味しいものはありませんから」
「心配のベクトルと気遣いのベクトルが交わらないですね…」
そんな会話をしていると、廊下にトタトタと足音が響き近づいてくる。二人の部屋の前で止まるとノックと同時に扉が開く。
「赤城さん、加賀さん。起きてますか?」
蒼龍だった。
「ええ、起きてるわ。何事?」
「メンテ、朝までかかるって」
メンテ延長の知らせだった。顔を見合わせる三人。
「加賀さん」
「はい?」
「モーニング始まるまで寝ましょうか」
3時間ほど寝た。
イベントがんばりましょー!