BLEACH〜死神だった男〜   作:桂ヒナギク

1 / 1
1.死神だった男

 御影(みかげ) 裕一(ゆういち)は空座町(からくらちょう)に住む高校生だ。

 見た目は普通の高校生だが、裕一には特殊な力がある。それは……。

「なんだてめえ?」

 不良Aが裕一に詰め寄る。

 裕一は不良Aの腹部に拳を叩き込んで気絶させた。

「三峰!」

 不良Bが回し蹴りを放ってくる。しかし、裕一はそれをいとも簡単に躱し、反撃をお見舞いした。

 アッパーを食らった不良Bが、脳震盪を起こして倒れる。

「お前ら、あれを見ろ!」

 不良たちが、電柱の前で倒れて割れている花瓶を見た。

「問い一、あれは一体なんでしょうか? はい、そこの臭そうなお前!」

 裕一はそう言って、不良Cを指差した。

「こ、この前、ここで死んだガキへのお供え?」

「大正解!」

 裕一は不良Cの顔面を蹴り飛ばした。

「ぐえ!」

 不良Cが吹っ飛んだ。

「それじゃあ、あれはなんで倒れているのでしょう?」

 不良Dが答える。

「俺らがふざけてて倒したから?」

「だったら、こいつに謝んな!」

 裕一の背後から、血だらけの女の子が現れる。

「ひええええ! ごめんさいいいい!」

 不良どもは慌てて逃げていった。

「あんだけ脅しときゃ、ここには寄り付かんだろ。ごめんな、こんな風に使っちまって」

「別にいいよ。追い払うようにお願いしたのは私なんだし、このくらいはしないとね。ありがとう、お兄ちゃん」

 裕一の特殊能力。霊が見える。

「今度、花持ってきてやるよ」

 裕一はそう言って、帰路に就いた。

 

 

「ただいまー」

 家に帰宅する裕一。

 階段で二階に上がり、自分の部屋に入る。

 死覇装という黒衣を身に纏(まと)った端正な顔立ちをした女が立っている。その腰には刀を収めた鞘を携えていた。

「なんだお前?」

 …………………………。

「近い」

「近い、じゃねえだろボケ!」

 裕一は女を蹴り倒した。

「痛! 貴様、私が見えるのか!? というか、いま蹴り……」

「てめえ何者だ!? 人の家勝手に上がり込んで、泥棒の類か!? それとも刀持ってるから強盗か!? 上等じゃねえか!」

「縛道の一、塞(さい)!」

 裕一の体が見えない力で拘束される。

「て、てめえ俺に何した!?」

「てめえではない。磯部(いそべ) 雛菊(ひなぎく)……死神だ」

「はあ? 死神? つーことは、俺を刈りにきたのか?」

 ぐおおおおおああああおおおお!

(なんだ今の?)

「いや、私は虚(ホロウ)を退治にしきただけだ」

「虚?」

「ああ。虚というのは悪霊でな、人の魂を食らうんだ。妻が死んだあと、夫も後を追うように突然死するのがよくあるだろう? それらが虚の仕業なんだ」

 ぐおおおおああああおおおお!

「今のが虚なのか?」

「はあ?」

「だから、さっきから叫び声みたいのが聞こえてんだろ?」

「なんだと?」

 雛菊は耳を澄ます。

 ぐおおおおああああおおおお!

「……!?」

 駆け出す雛菊。

「待て! これ解いてけ!」

「貴様が来たところで何もできん! そこにいろ!」

 雛菊は階段を駆け下りていった。

「うおおおお!」

 裕一は力ずくで鬼道を破った。

 部屋を飛び出し、階段を駆け下りる裕一に驚き戸惑う雛菊。

(人間が鬼道を自力で破るだと?)

 一階の部屋は壁が崩れ、辺りに瓦礫が散乱している、

 裕一は外に飛び出した。

 ぐおおおおああああおおおお!

 虚の咆哮。

(なんだよあれ!? 悪霊だっていうから、てっきり人の姿をしてると思ったけど、化け物じゃねえか!)

 胸に孔の空いた、仮面をつけたその化け物が、裕一に迫り来る。

「……!?」

 一瞬の出来事だった。

 裕一の体が宙に舞う。

「うわああああ!」

 悲鳴を上げながら、裕一は地面に落ちた。

「ぐっ!」

 立ち上がる裕一。

「よせ! 貴様では勝てん!」

「うっせえ!」

 裕一が虚に迫る。

 虚は裕一の体から魂魄を抜き出した。その姿は、黒衣に身を包んだ、死神のそれだった。

「死神……だと?」

 戸惑う雛菊。

「うわ!」

 地面を転がる裕一。

「な、なんだよこれ?」

 立ち上がりざまに自分の姿を見て戸惑う裕一。

「前だ!」

 裕一は前を見た。

「うお!?」

 虚の攻撃を間一髪で躱す。

「力が湧いてくる感じだぜ!」

 裕一は背中の大刀を抜いた。

「わああああ!」

 裕一は虚に迫り、その首を掻っ切った。

 光の粒子になり消滅する虚。

「はあ……はあ……」

「貴様、死神だったのか?」

「死神? 俺が?」

「その姿、どう見ても死神ではないか」

「と言われてもな」

ていうか——と、続ける裕一。「どうやって戻るんだ?」

「肉体に重なれば戻れるが」

 裕一は自分の肉体に重なる。

「お、戻れた」

「貴様は何者だ? なぜ死神の力を持っている?」

 雛菊の問いに裕一は答える。

「そんなの知らねえよ」

「とりあえず、貴様を今から監視対象とする」

「監視対象?」

「そうだ。貴様が死神である以上、尸魂界(ソウル・ソサエティ)に有益か情報が欲しい」

「勝手にしろ。但し、人んちに勝手に入ってくるなよ」

 裕一はそう言って、家の中に戻った。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。