気が付くと、見知らぬ場所に一人。
辺りは真っ暗で、人っ子一人いやしない。
…いや、違う。そういうレベルの話じゃない。
普段なら感じるはずの“モノ”がない。
失ってから初めて気づく、というのは、どうやら本当らしい。
ここには、人間どころか、
‘───お前には転生をしてもらう。’
突然声が聞こえた。
転生?一体なんの話だ。
‘拒否は赦さず。抵抗も赦さず。人という矮小な汝に赦されるのは、我らの糧となることのみである。’
直接頭を揺さぶりかけてくるその声はそんなふざけたことを
───ふざけるな。
胸が怒りで熱くなっていく感覚を覚えて、気がついた。
自分の体が無くなっていた。
なぜ、どうして、なにがどうなっているんだ。
先程の怒りは消え失せ、疑問だけが頭を回っていく。
‘さぁ行け。神たる我らは、汝の奮闘に期待している。’
「まっ…え…」
また、目を覚ます。
またもや見知らぬ場所だが、先の何もない空間ではない。
だが、ある意味似かよってはいるのだろう。
周囲に生命が存在しない。
そんな場所に、二度も訪れるなんて、あっていいのか。
いや、このような体験、あっていいはずがない。
自分は、平凡な男だったはずだ。
なのに、なぜこのような目に合わなければならない。
───なぜだ…何故だ、ナゼだ!!
怒りに、思わず胸を掻きむしる。
「あ、ア………あアアアアあああアああああァあアアアアアアアアアァァァぁあああぁあアあ────!!!!!!!!」
そして思い出す。
両親に恵まれ、不自由の無い生活を送り、
ある程度の学校に入学し、友達とバカみたいに騒いで、
普通の中小企業に就職し、順調に稼いで、
様々な出会いと別れを経て、愛すべき女性と結ばれ、
彼女と平穏に過ごし、愛しい我が子も生まれた。
そうだ、そうだ、そうなのだ…!
全てはこれからだったのだ!!
しかし、全て奪われた!!!
訳もわからぬまま、私が掴み取りたかった幸せも!夢も!!何もかもを奪い去っていた!!!
まだやりたいこともあった!!まだしなきゃならないこともあった!!まだ彼女たちと過ごしていたかった!!!
しかし、もう何処にもない!!私が目指していたものも!!私の守りたかったものも!!
───私自身でさえも!!
この胸の熱さが怒りによるものなのか、それとも痛みによるものなのか分からなくなったころ。
近くにあった鏡を見て、自分の体があまりに違うことに気がついた。
短かった黒髪は、長く艶のある金髪に。
無骨で男らしかった顔は、スッキリとした女性的な顔に。
鋭かった黒の瞳は、こぼれるほど大きな赤い瞳に。
全体的に大きく頑丈そうだった肉体は、少し小さく丸みを帯びた女性的なそれに変わっていた。
今さらになって、猛烈な吐き気に襲われた。
───あぁ、嫌だ、嫌だ。
どうしてこの様なことになったんだ。どうして自分がこんな目に合わなくてはならないんだ。
答えのでない疑問が堂々巡りをしていく。
「ゆるさない………」
許さない…!
───許さない、赦さない、ユルサナイ、ユるサない!!!
ユルさない!!ユルせる訳がない!!!
私はただ平穏に過ごしたかった!!彼女と、子供と一緒に!ただ穏やかな日々を過ごしたかっただけだったのだ!!
───ころしてやる…!!
あぁ、ころしてやる…コロシテヤル…殺してやるとも…!!
私の全てを奪った奴を、いや、奴等を殺してやる!!!
奴等は言っていた、“シン”たる我らと…!
シン…これはきっと神だろう。あぁ、そうだ。きっと神に違いない。
ならば私は神を殺す。
全ての神を殺し尽くそう。
この世に存在したことを後悔させ、絶望させ、その顔を苦痛に歪ませ、私に許しを乞わせ、そしてじっくり、ゆっくりと殺してやろう。
先の傲慢な口から、私の慈悲を乞う声が聞こえたら、それはどれほど甘美なものだろう。
あぁ、あぁ、それはきっと、この世のどの様なモノよりも素晴らしいだろう。
待っていろ。まだ見ぬ神々よ。
「───すぐに、私が殺しに行こう。」
どれほどの時が経っただろうか。一年か?十年か?百年か?もしや、ほんの一時も経っていないかもしれない。
だが、少なくともこの身は、前の私とは違う。
神を殺すために、様々なことを体得した。
切り殺す為に剣を身に付けた。突き殺す為に槍を覚えた。射殺す為に弓を修めた。呪い殺す為に魔術を学んだ。
全ては神を殺す。その為に───
幸いにも、この世に確かに神はいるようだ。
魔術、などというものがあると知ったときには驚いた。
学ぶ過程で知った。ここが“座”という場所であり、あらゆる場所、あらゆる時代で活躍した英雄、もしくは、“神霊”の集う場所であると。
この事を知ったとき、私は歓喜した!
この世に確かに神はいるのだ!私から全てを奪った神が、確かにいる!
これで、私は奴らを殺せる!!殺してみせる!!!
────………!
「む…声…?」
何者かの声がする。
私を呼ぶ声がする。
これは、いわゆる召喚、と言うものか。
私を呼ぶ者がいるのか。
あぁ、これは感謝しなければならないな。
───これで私は、神を殺せる…!
「今行こう…まだ見ぬマスターよ…フフ…」
あぁ、あぁ。実に楽しみだ…
───────────────────────────
絶え間ない吹雪が吹き付け、視界すら閉ざされる極寒の地。
その地にひっそりと、他者の干渉を拒む様に建てられている近未来的な建造物。
ここは、人理継続保障機関”フィニス・カルデア”。
未来の人類社会の存続を保障し、これを見守るために設立された組織の保有する、建造物の中である。
建物の内部は、外の猛吹雪と違い空調が効き、人が過ごしやすい快適な温度に保たれている。
そんなカルデアの中のとある一室。俗に、召喚ルームと呼ばれている、部屋の中には、少年が一人立っていた。
『藤丸くん。準備はいいかい?』
「はい!バッチリです!」
部屋の中に響く声に元気よく答える少年の名前は、藤丸立香。ほんの数日前まで、ごく普通の一般人であったただの少年である。
彼がこれから行おうとしているのは、“英霊”の召喚。
過去に活躍、もしくは、これから活躍するであろう英雄を召喚し、自らの”
なぜ彼が、その様なことをしようとしているのか。
それは───
「記念すべき、最初の召喚だ…仲良くなれるといいなぁ。」
『そうだね。僕も、真っ当な英霊が来てくれるといいな。これから僕たちは、“人理を守る戦い”に身を投じなくてはいけないから。』
人理を守る戦い。
現在、2015年。地球上に生存している人類はここ、カルデアに所属している者たちのみ”である。
何者かにより焼却された、人類の未来。
人類の未来を保障するモノとして、それを取り戻すために立ち上がったのが、カルデアである。
そしてカルデアとは、“魔術師”が設立した組織である。
ロンドンの“時計塔”に本拠を構え、数いる魔術師の中でも“ロード”と称される十二人の一人、“マリスビリー・アニムスフィア”が創立者であり、ありとあらゆる優秀な魔術師を引き入れていた。
そして現在、所長であったマリスビリー・アニムスフィアが亡くなり、当代のアニムスフィア家の当主“オルガマリー・アニムスフィア”に変わったとき、事件が起きる。
それまで、何の問題もなく保障されていた人類の未来が、突如として観測出来なくなった。
いや、正確には“観測する未来が無くなってしまった”のだ。
【2016年を最後に、人類は絶滅する。】
これが、カルデアの最新演算装置“トリスメギストス”が出した研究結果だ。
そのようなこと、到底認められるものではない。
調査を進めていくうちに、西暦2004年、過去の日本の地方都市に、観測不能の領域を発見。
ありえない事象に、カルデア機関はこれが人類の絶滅の原因と仮定し、
レイシフトをするにあたり、レイシフトの適正を持った“マスター候補”47人が集められることとなったが、ここでも問題が発生する。
レイシフト直前、カルデアの顧問であった“レフ・ライノール”の策略により、46人のマスター候補と、数百人のカルデア職員が殺されてしまったのだ。
これによって、レイシフトによる歴史の修正は不可能になったかと思われたが、ただ一人、“ちょっとした事情により”生き残っていたのが、数合わせで呼ばれた普通の少年。藤丸立香だったのだ。
そしてレイシフトによってタイムスリップを果たした、藤丸立香と───
「はい。私も、先輩の新人サーヴァントとして、他の英霊の方々とも友好な関係を築きたいです。」
英霊と人間の融合実験、“デミ・サーヴァント”計画。その唯一の成功例である、“マシュ・キリエライト”。
その両名は、“特異点”と化していた日本の地方都市、“冬木市”における問題を解消。見事、特異点の起点となっていた“聖杯”を回収したのだ。
しかし、特異点はあと7つ発生しており、これらの特異点を解決しなければならないのだ。
その為には、今よりも戦力がいる。
そこで、カルデアの英霊召喚システム。“システム・フェイト”を用いて、サーヴァントを召喚しようと言うのだ。
現在、このカルデア、いや、地球上における、“人類最後のマスター”として。
『それじゃあ早速始めるとしようか!とは言っても、やることは簡単。魔力のリソースはカルデアが受け持つし、縁を手繰り寄せるのはマシュの盾。君は“星晶石”を使ってシステムの安定化と、手繰り寄せた縁を君に繋げるために、その場にいてほしい。』
「それだけでいいんですか?」
『あはは。もっと複雑なものを想像してたかい?
本当は長い詠唱とかが必要なんだけど、この英霊召喚システムは、最新の技術で本来のものより簡略化してるからね。この位で十分なのさ。』
不思議そうな顔をしている立香に優しげな声で説明している男の声。
彼の名前は、“ロマニ・アーキマン”。カルデア医療部門のトップであり、現在は、冬木市の聖杯探索において亡くなってしまったオルガマリー・アニムスフィア所長に代わり、司令官代理を務めている。
『それじゃあよろしく頼むよ!藤丸くん。』
「ガチャの時間だー!」
「それはまずいです、先輩!」
立香が、聖晶石を3つ中央に投げると、それを中心に、3つの輪が回りだす。中央にあった星晶石が1つに纏まり、それと同時に3つの輪も収束し、一際強い光を放つ。
「うおっ、まぶし。」
「一体、どんな方が来るんでしょう…」
光が収まると、そこには───
「サーヴァント、アヴェンジャー。君が私のマスターか?
私は神を殺す者。神を殺さなければならない者なのだ。
故にマスター…神を相手にするときは私を呼べ。そうしなければ、私は…フフ…」
実質wikiのコピペ。
大学生のレポートかな?
分かりにくい単語や、人物の解説!
オリ主
金髪赤目の神様絶対ぶっ殺すウーマン(TS)
作者(神)の都合により転生させられ、TSもさせられた人。金髪の子かわいそう…
藤丸立香
ボタン1つでTS自在の一般人(笑)。ぶっちゃけメンタル面で言えば耐久EXはくだらないと思う。
マシュ・キリエライト
眼鏡無知後輩なすび属性に嫁TUEEE要素も兼ね備えたハイスペック後輩。あとマシュマロ。かわいい(こなみ)。
ロマニ・アーキマン
通称ドクターロマン、ゆるふわ製造機、ド(クト)ルオタ。その場にいるだけで場が和んじゃう、一家に一人は欲しい人。
オルガマリー・アニムスフィア
かわいい。とにかくかわいい。
レフ・ライノール
大抵のFGOプレイヤーに嫌われてネタにされる人。通称節穴(笑)。主人公見逃しすぎ問題で祭り上げられてそう(偏見)
マリスビリー・アニムスフィア
パパ。魔術師の中では“比較的”善人な方。ぶっちゃけ、某アラフィフ並のぽっと出おじさんのイメージ。
魔術師
いわゆるマッドサイエンティストに、貴族のめんどくさいところを足したような奴ら。たまに良い人もいる。
時計塔
ロンドンのビッグベンのとこにある魔術師の学校。けど闇の魔術に対する防衛術の授業とかクィディッチとかはやらない。
英霊
アーサー王とか、ジークフリートとか、昔活躍したらしい人たちのオバケ。でたら怖い。
サーヴァント
英霊を使い魔にするためのシステム。実際に召喚されるのは本体の片落ちスペックだが、それでも普通に地面砕いたり出来る。怖い。
座
英霊たちの死んでからの住居みたいなとこ。ここがあの女のハウスね!
カルデア
タイムパトロール隊。もともとは人がいっぱいいたけど、節穴(笑)のせいでかなり人が減り、ブラック企業になってしまった。おのレフ!
トリスメギストス
超スゴい計算機。多分、1,293,855+948,217とかでも一瞬で計算できる。
レイシフト
タイムマシン。選ばれた人にしか出来ないとかいうと中2感満載になる。
マスター候補
タイムマシンに乗れて、サーヴァントも召喚出来る選ばれし人たち(厨二感)。けど節穴(笑)の策略によりあぼん。かわいそうな人たち。おのレフ!
システム・フェイト
英霊を召喚するためのシステム。いちいち召喚のために言う詠唱を簡略化したおかげで、召喚者のメンタルを守れるようになった
冬木市
Fate/stay night の舞台となってから、ちょくちょく争いの場にされる可哀想な都市。FGOでは焼け野原にされる。
聖杯
なんでも願いが叶う便利なコップ。
大体こいつのせい。いいか、これも聖杯ってやつの仕業なんだ!ってやっとけば大体成立する。
聖晶石
他のソシャゲでいうオーブやらダイヤやらのもの。未来を確定する概念だとかフワッフワな説明しかないわりにカチカチ。
ちょっとした事情
校長先生の話って眠くなるよね!
人類最後のマスター
主人公が死ぬと世界も終わる。それぐらいヤバい。
こんなところでしょうか。
ちなみに、オリ主は元々白髪の予定でしたが、完全に所長と被るので急遽変更した、という余談もある。
近々、プロフィールも書く予定