僕はみんなの希望に   作:ガンマン八号

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 お久しぶりです。大学生になった途端、スランプに陥ってしまいました。今回は続きではなく、感を取り戻すために書き上げたものです。

 続きを楽しみにしていた方には申し訳ないです。もう少しお待ちください。


番外編
IF 学園都市のスパイダーマン


 

 オーケー、それじゃあもう一度だけ説明するね!

 

 僕は縄正 望。

 どこにでもいる普通の男子高校生。16歳。

 放射能の実験を施された蜘蛛に噛まれてから、この二ヶ月間、僕はこの世でたった一人のスパイダーマン!

 

 日本及び世界各国の科学サイドに影響を与えると言われている学園都市で高度な科学技術を学ぶために、今年から一人移り住んできたのさ。

 

 検査を受けるときは、年甲斐もなくワクワクしたね。自分にも何か超能力があるんじゃないかって、期待してたんだ。

 まぁ、結果はレベル0。予想通りで実につまらないね。

 こういうのをお約束って言うのかな?

 

 でも普通に高校で一番の成績を維持できてるし、変わってるけど、やさしい友達も何人かできた。まさに順風満帆な学生生活がスタートしてたんだ。

 

 そんなある日、いつもと変わらない学園都市にある原子核物理学について研究している研究所に見学に行った日、脱走した実験体の蜘蛛に噛まれたんだ。

 その日から僕の人生は大きく変わった。

 とある力に目覚めた。

 最初はまったくわからなかったけど、明らかに僕の体に変化が起きていた。

 そう、例えるなら蜘蛛を人間サイズにしたかのような身体能力と五感を得たんだ。

 

 かの有名なアメリカ合衆国出身の元プロボクサー、元WBA・WBC統一世界ヘビー級チャンピオンモハメド・アリは「蝶のように舞い、蜂のように刺す!」というパフォーマンスを披露していたが、僕はそんな蝶や蜂を捕食する蜘蛛へと変化したんだ。

 

 もしかして僕、モハメド・アリより強くなっちゃった?

 優越感に浸っていたい気分だけど、いいかな?

 あー、いや、やめよう。ボクシングファンに匙を投げられる。そうなったらタオルを投げてくれる人を待たないといけなくなるし。

 

 おっと、話が逸れちゃったね。

 超能力とはまた違う力を得た僕は、昔事故で亡くなった叔父さんの言葉を思い出したんだ。

 

『大いなる力には、大いなる責任が伴う』

 

 この学園都市は8割が学生であり、同じ日本国内とは思えないほど物騒な犯罪や事件が多い。さすが超能力と最新科学が集結している都市だけあるって感じだ。

 もし力を得た僕が何もしないで、取り返しのつかない事があったら、僕はきっと後悔する。

 

 その時僕は決めたんだ。僕はこの力を人助けのために使おうって。

 

 それから僕は試行錯誤を繰り返し、蜘蛛糸をとばすウェブ・シューターと正体を隠すためにスーツを作った。我ながら中々カッコいいデザインのスーツがつくれたものだ!

 スーツにAIとかつけられると便利だよなぁ、とは思ったけど、貧乏学生には到底できそうにないや。ゴミ箱漁ってたら、風紀委員に見つかって、こっ酷く叱られたしね。やめないけど。

 

 そしてスパイダーマンになってから僕は、学園都市を跳び回り、世のため人のために戦うヒーローになったのさ。

 

 

 コンビニを襲う強盗を捕まえたり、カツアゲにあっていた生徒を助けたり、火事が起きている建物から取り残された人たちを助け出したり、道に迷っているおばあさんの道案内をしたりと大活躍!

 

 そんな生活をしていたら僕はあっという間に学園都市の人気者さ!

 テレビのニュースやバラエティ番組、新聞やラジオは僕の話題で大盛り上がり!

 新たなレベル5説、不法侵入者説、実験生物説、宇宙人説と色々飛び交ってるね。どれもかすってないのが残念だけど。

 

 

 若者ばかりのおかげか、スパイダーマンはすんなりと受け入れられた。みんな僕に声援を送ってくれたり、写真を撮ってたり、サインをねだられる時もあるね。

 女の子からキャーキャー言われるなんて、思いもしなかったよ。

 

 それに毎日僕を捕まえようと警備員や風紀委員が血眼になって追いかけ回してきたり、事件現場で犯罪者が銃や火炎瓶をぶつけてきたり、最近じゃレベル5の一人に電撃を放たれたりとファンからの熱ーい賛辞やプレゼントを贈られたりしてる。

 いやー、人気者って大変だね。

 

 

 

 そういえば、最近はよく不幸話をしてくる友人を助けてばかりだね。不良に絡まれた女の子を助けようとして自分が絡まれたり、溺れてる子猫を助けようとして自分が溺れてたり、ついこの間は強盗の人質にされてたっけ?

 3日に1回は助けてるもんだから、この姿でもすっかり仲良くなっちゃったよ。

 

 話の内容や行動から見て、彼も僕と同じ。とても優しくて、そしてお人好しなんだよね。力はないのに、誰かが困っていたらほっとけない。考えるより先に体が動いちゃう。

 

 で、結果貧乏くじを引かされる羽目になるんだよね。助けようとしても、自分はロクな目にあわない。正直、少し前の自分を見ているようだ。だからかな、ほっとけない。

 

 ほら、僕とそっくり。道理で気が合うわけだ。でも靴紐は解けないようにする努力はしてもらいたいね。

 

 

 今のところは順調に事が進んでくれてる。でもきっとこの先、僕の想像なんか決してつかないような苦労や困難が待ち受けているだろう。

 

 その時僕がどうするかはわからない。でも、絶対に諦めない僕でありたい!

 

 何故なら僕はたった一人のスパイダーマン!

 学園都市の悪党どもと戦えるのは、僕だけだからね!




 友人曰く、これを作品にしろと言ってきますが、学園都市から出ていかれたらどうしようもないと思うのは私だけでしょうか。
 いや、書きたいんですけどね私も。誰かいないかなー。

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