バカと天眼の賢者と召喚獣 ※凍結   作:天御柱

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補習第5問 『一難去って……まだ何かあるの!?』

翌朝。

 

目が覚めた僕が時間を確認すると、時計の針は7時を少し回ったところでした。

 

「うん。まあいつも通りだね」

 

学校のない休日は大体この時間に起きています。

 

着替えて顔を洗い、1階に下ります。

客間ではまだ3人が寝ているのでしょう。静かなものです。

 

「……そういえば昨日は姉さんが帰ってきたんだよね」

 

そうして昨晩の騒動を思い出します。同時に若干テンションが落ちる僕。

 

姉さんは落ち着いた優しい女性なのですが、僕をイジるのが趣味というちょっと困った人でもあります。

昔からイジり回されてきた僕にとって、姉さんはある意味天敵と言って差し支えありません。

 

「しかも姉さん、料理できないからな……」

 

割と何でも万能にこなす姉さんが唯一できないこと、それが料理です。

彼女が料理をし始めると、何故か台所からは破砕音や爆発音が聞こえてくるのです。

 

「……さて、それじゃ朝食を作り始めよう!」

 

そこで思考を切り替え、朝食の準備を始めます。

 

「う~ん。姉さんが帰ってきたばかりだから、和食がいいかな?」

 

料理のできない姉さんの事だから、きっと向こうではあまり和食は食べなかったでしょう。

そう考えた僕は、朝食の献立を和食に決めました。

 

 

 

「炊飯器はセットしたからご飯はオッケー。卵焼きは作ったし、煮物もできた。あとは味噌汁と……」

 

着々と準備を進める僕。

 

「ん~!なんかいい匂いがする~!」

 

すると客間の戸が開いて姉さんが出てきました。

 

「おはよう、姉さん。もうすぐ朝ご飯だから2人も起こしてくれる?」

 

「りょうか~い!」

 

まだ眠気が取れていないのか、若干間の抜けた声で姉さんが返事しました。

 

 

 

「「「「いただきま~す!」」」」

 

あの後すぐに起きてきた2人も一緒に、4人で朝食を取ります。

 

「姉さん嬉しいな~。和食にしてくれたんだね、キョウ君」

 

「姉さん、向こうじゃ和食はほとんど食べなかったんじゃないかと思ってね」

 

「流石キョウ君!姉さんの事よくわかってるわね」

 

やはり予想通りだったみたいです。

 

「でもやっぱりいつ食べても鏡護の料理って美味しいわよね」

 

「そうですね。でもそれだけに敗北感が……」

 

「そうなのよね~」

 

優子と瑞希は何やら落ち込んでいる様子。そんなに気にする事はないと思うのですが.....

 

「2人だって料理できるんだから大丈夫だよ。そのうち僕なんか追い抜いちゃうって」

 

「う~ん……」

 

「……そうでしょうか?」

 

「大丈夫だって。姉さんなんて料理できないのに8年も海外で生活でき痛ぁぁっ!ご、ごめんなさい!お願いだから足を踏まないで!」

 

テーブルの下で姉さんが僕の足を思いきり踏みつけてきました。

 

「折角感心してたのに、その言い方はないんじゃないかな?かな?」

 

ハイライトの消えた目で迫ってくる姉さん。

 

「は、はい……申し訳ありませんでした」

 

僕も慌てて再度の謝罪をします。

 

「まったく……。キョウ君は一言余計なのよ!」

 

どうやら姉さんはヘソを曲げてしまったようです。

こうなってしまっては早く機嫌を直さないと、僕に命の危機が訪れる事になりかねません。

 

「わかった。なら、お詫びに買い物に付き合うから許してよ姉さん」

 

「……本当に?」

 

「うん」

 

「今日でもいい?」

 

「いいよ。どうせ休日で暇だからね」

 

「……いいわ。それで許してあげる。もちろん2人も一緒よね?」

 

「え?」

 

「……そう言えば鏡護。清涼祭での『お支払い』がまだだったわよね?」

 

「へ?」

 

突然謎の言葉を持ち出してきた優子。『お支払い』?一体何の事で.....

 

「ああ。優子ちゃん、アレですね?」

 

「そう。アレよ瑞希」

 

.....アレって、まさか!?あの時僕と雄二は売られたんですか!?

 

「拒否権は?」

 

「ない事もないけど、あの場にいた皆に迷惑が掛かるわよ?」

 

優子、それはないと言っているのと同義です.....

 

「……わかった。2人も一緒に行こう」

 

「「やったぁー!」」

 

ハァ.....こういう時、男ってつくづく無力ですよね.....

 

 

 

結局その日は駅前のデパートに買い物へ行くことになり、大量に荷物持ちをさせられた挙句3人に1着ずつ服をプレゼントするハメになりました。

帰る時にはだいぶ懐が寂しくなりましたが、3人とも笑顔になってくれたので良しとしましょう。




あとがき

作者 「いきなりですが次回予告!

   次回、補習第6問『とある恋人達の素敵な休日(仮)』

   を、乞うご期待ください!」
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