バカと天眼の賢者と召喚獣 ※凍結   作:天御柱

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第20問 『始まりは突然に!世間は広いようでやっぱり狭い』

――ある日、天水家/朝

 

 

「そういえば姉さん。こっちに戻ってきたって事は就職先はもう決まってるの?」

 

なんとなく、気になっていたことを聞いてみました。

 

「もちろん決まってるわよ?ちなみに今日から出勤ね」

 

「そうなんだ。で、どこなの?」

 

「んふふ~。それはヒ・ミ・ツ♪」

 

何故か姉さんは答えをはぐらかしました。

 

「どうしてさ?教えてくれたっていいじゃない」

 

「その方が私が楽しいからよ」

 

「……姉さん。そうやって僕で遊ぶのはそろそろ止めてくれないかな?」

 

「イ・ヤ♪」

 

イイ笑顔できっぱりと断られてしまいました。

 

「……わかったよ。じゃあ聞かない。っと、そろそろ2人が来る頃だから僕は行くね」

 

「行ってらっしゃ~い♪」

 

姉さんに送り出され、ドアの前で瑞希と優子の2人と合流した僕は学校へ向かいました。

 

 

 

 

 

朝のHRの時間になって、西村先生がこんな事を言いました。

 

「突然だが、今日からFクラスに副担任が来ることになった」

 

途端に騒がしくなる教室内。

 

『おい、聞いたか?副担任の先生だってよ』

『ああ。女の先生か?』

『わからん。だがもし男だった場合は……』

『止めてくれ。そんな事は考えたくもない』

 

クラスメイト達は口々にそんな事を話しています。

 

.....何故でしょう。僕には先程から嫌な予感しかしません。.....まさかっ!?

 

「お前達、少しは静かにしろ!……それでは入ってきてください」

 

「はい」

 

女性と思しき高めの声と共に教室の扉が開けられます。

 

 

――ガラガラガラ

 

 

開いた扉の先には、ビシッとスーツを着こなしている1人の女性が立っていました。

腰まで伸ばした碧銀の髪に、非常に整った顔立ち。そしてスーツを着ているので、はっきりとわかる身体のメリハリ。

要するにとんでもない美人さんなのですが、あれは――

 

「天水先生。こちらへ来て自己紹介をお願いします」

 

「はい。……えっと、Fクラスの皆さんはじめまして。今日からこのクラスの副担任をすることになりました、天水黎夜です」

 

「「姉さん(黎夜さん)っ!?」」

 

僕と瑞希の声がハモります。そして、

 

 

『『なにぃっ!?天水のお姉さんだと!?』』

 

 

クラスメイト達がそれに反応しました。

 

「やっほ~!キョウ君、瑞希ちゃん、そういう事だからよろしくね♪」

 

壇上の姉さんは、僕達を見つけると笑顔で手を振ってきました。あ、頭が痛いです.....

 

「……あ~、コホン。天水先生はFクラスの副担任と共に試験召喚システムの開発チームにも所属することになっている」

 

西村先生が補足説明をしていますが、僕の耳には入ってきません。それよりも重要なことがあるのですから。

 

.....今朝姉さんが答えをはぐらかした理由はコレだったんですね。まさか文月学園(ココ)に就職するなんて.....

 

「そういうわけですので、これからよろしくお願いしますね」

 

外向けモードに戻った姉さんが笑顔で挨拶を締めくくりました。

 

 

『『は~いっ!』』

 

 

そんな姉さんに元気良く返事をするFクラスの面々。

.....本当にこういう時だけは無駄にまとまりがいいですね。

 

「さて、それでは明日から始まる『学力強化合宿』についてだが、詳しい事は今配っているしおりに書いてあるので各自しっかりと目を通しておくように」

 

西村先生がさらに話を進めてますが、僕は隣の瑞希と小声で話をします。

 

「(鏡護君。黎夜さんの事、知ってたんですか?)」

 

「(いいや。ちょうど今朝姉さんにその話をしたら答えをはぐらかされたんだ。で、今こうなってる事に驚いてる)」

 

「(そうだったんですか……。私もびっくりしましたよ)」

 

「(後で優子にも教えに行った方がいいね)」

 

「(そうですね)」

 

そうしていると僕のところにもしおりが回ってきたので、自分と瑞希の分を取って残りを後ろに回しました。

 

「それから、集合時間と場所だけはくれぐれも間違えないように」

 

「後で忘れないように、今すぐ確認した方がいいわよ」

 

確かに、姉さんの言う通りです。

 

そう思いながら、パラパラとしおりをめくって時間と場所を確認します。今回僕達が向かうのは卯月高原という避暑地で、ここからだと車で大体4時間、電車とバスを乗り継ぐと大体5時間といったところです。

 

「いいか。他のクラスと違って我がFクラスは――現地集合だからな」

 

 

『『案内すらないのかよっ!?』』

 

 

あまりにもあんまりな扱いに全級友が涙しました。




あとがき

作者 「原作第3巻、突入~!」

鏡護 「今度は『学力強化合宿』が舞台になるんだね?」

作者 「そうだな。あ、今回はスペシャルゲストがいたんだった。どうぞ~!」

鏡護 「え?一体誰が――」

黎夜 「よろしくお願いします」

鏡護 「――って姉さんだったんだ……」

黎夜 「キョウ君?どうしてそんな嫌そうな顔をするの?」

鏡護 「あ、ごめんなさい。何でもありません」

作者 「弱いな、主人公」

鏡護 「うるさい」

作者 「さて、折角来ていただいたので質問してもいいですか?」

黎夜 「はい。どうぞ」

作者 「それでは早速……スリーサイ――」


――ドゴン!(近くの壁に黎夜の拳が突き刺さった音)


黎夜 「ごめんなさい。手が滑っちゃったわ♪」

作者 「……失礼しました。今のは忘れてください」

黎夜 「あら、そう?」

作者 「気を取り直して……鏡護の副担任となった、その抱負などを」

黎夜 「う~ん。抱負ねぇ……とりあえず鏡護はイジり倒したいわ♪」

鏡護 「止めて姉さん!学校に来てまでそんな事はしないで!」

黎夜 「冗談よ、鏡護。本当は弟とその恋人達を近くで見守る事、かな」

作者 「さすがは3人のお姉さんですね」

鏡護 「姉さん……僕達の事をそんなに思ってくれてたんだ……」

黎夜 「あ、でもやっぱりそれだけじゃつまらないから、鏡護の事はイジるわよ♪」

鏡護 「姉さんっ!?」

作者 「お約束ですね。ありがとうございました。それでは次回予告!

   次回、第21問『合宿スタート!移動と脅迫と冤罪と(仮)』

   を、」

3人 「お楽しみに~!」
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