バカと天眼の賢者と召喚獣 ※凍結   作:天御柱

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第28問 『嫉妬に狂ったヤツは何をしでかすかわからない』

「さぁ全員席に着け。教科書86ページから始めるぞ。今日の内容は――」

 

清水さんが立ち去り、何事もなかったかのように授業が始まりました。ですが――

 

「はぁ……。またやってるよ……」

 

「ふふっ。2人とも、完全に授業なんてそっちのけですね」

 

僕と瑞希の席から視界に入った明久と島田さんはまた何やらやっているようです。

.....だんだんクラス中から殺気が溢れ始めているのがわからないんでしょうか。わからないんでしょうね反語。

 

イチャつくのは構いませんが、時と場所は選んだ方が身の為ですよ?

 

 

『『もう我慢ならねぇーっっ!!』』

 

 

あ、とうとうキレました。

 

『さっきから見てりゃあ、これ見よがしにイチャイチャしやがって!』

『殺す。マジ殺す。絶対的に殺す。魂まで殺す』

『……お姉さまの髪に触るなんて……八つ裂きにしても尚、赦されません……!』

『出入り口を固めろ!今ここでヤツを確実に仕留める!』

 

ん?何でしょう?何故か清水さんの声が聞こえた気がしたのですが.....

 

『全員カッターを投擲終了後、間髪容れずに卓袱台を叩きつけるのですっ!決してお姉さまに当たらぬよう注意するのですよっ!』

 

『『了解!』』

 

.....いつの間に入ってきていたんですか?というか、Fクラスの皆も清水さんの指示に従わないでください。

そして、明久への攻撃が今まさに始まろうとしたその時、

 

 

「お前ら!今は授業中だぞ!!」

 

 

西村先生が騒ぐ皆を一喝しました。

 

「清水、授業はどうした?」

 

「そ、それどころじゃありません……!お姉さまが」

 

「清水」

 

地鳴りのような低い声に、流石の清水さんも押し黙りました。

 

「二度目の警告だ。おとなしく自分の教室に帰れ。それと、もう一度言うがこの教室の出入りを禁止する。わかったな?」

 

「……わかりました」

 

渋々、といった調子で教室から出て行く清水さん。去り際に明久を親の敵のように睨みつけるのも忘れません。

 

「お前等も授業中に遊ぶんじゃない。そういうことは休み時間にやれ」

 

.....それは休み時間だったら明久がどうなってもいいという事でしょうか?

 

 

 

そして休み時間。

西村先生の言葉通り、Fクラスの面々は明久に襲い掛かっています。

 

「まったく。何をやってるんだか……」

 

「だが、今回は完全に明久に非があるからな」

 

「それにしても凄まじい攻防じゃな」

 

僕はというと、教室の端っこで雄二と秀吉と一緒に話をしています。下手に巻き込まれたくはありませんからね。

 

「…………3人とも、面倒な事になった」

 

あれ?康太ですか?

 

「ムッツリーニか。どうした?」

 

「なにかまた厄介事かのぅ?」

 

「…………(コクリ)」

 

何でしょう?

 

「…………Dクラスで試召戦争を始めようとする動きがある」

 

.....清水さん、そんなに明久が許せませんか?

 

「清水か……」

 

「じゃろうな……」

 

「あれ?どうしたの?皆して真面目な顔しちゃって」

 

おや。明久が帰ってきたようです。そこはかとなく全身ボロボロになってますね。

 

「おお、明久か。ちょうど良いところに来おったな」

 

「何?またトラブル?」

 

「ああ。お前のせいでな」

 

「え?僕?」

 

「うん。実はね……」

 

そうして、僕はDクラス(というか清水さん)がFクラスを相手に試召戦争をしようとしている事を説明しました。

 

「そ、そんな!僕は別にそんなつもりは……」

 

「じゃが、お主にそんな気はなくとも清水はそうは思っておらん」

 

「それに清水さんが言ってたでしょ?卓袱台だからナントカって。彼女は明久と島田さんを引き離すために僕達の机をまたみかん箱にするつもりなんだよ」

 

「そこで、だ。明久、お前に1つ確認しておきたい事がある」

 

「ん?何?」

 

「島田とお前は付き合っているのか?」

 

そういえば、実は僕も今朝から気になっていたんですよ。騒動のせいで今まで聞けませんでしたし。

 

「う~ん。僕の記憶だと、付き合ってはいない、と思う……」

 

自信なさげな答えですね。

 

「じゃが、島田の態度は明らかに付き合っている者のそれじゃったぞ?」

 

「うん。それは多分、強化合宿の時に僕が送った間違いメールが原因で――」

 

明久が僕達に事情を説明します。

 

「つまり話をまとめると」

 

「今回の騒動は僕と雄二のせいって事?」

 

.....ん?でも、ちょっと待って下さい。

 

「そうだよ。2人とも、腹を切って詫びるべきだよ」

 

「まったく。最悪のタイミングでやらかしたものじゃな……」

 

「う……すまん明久」

 

流石に申し訳ないと思ったのか、雄二が明久に謝罪します。

 

しかし、1つの事実に思い至った僕は反論を試みます。

 

「っていうか、僕の携帯には島田さんのアドレスは入ってたんだけど……」

 

「……はっ!?言われてみれば確かに」

 

「…………それに、そもそもの原因は明久の確認不足」

 

「うっ」

 

僕と康太の指摘に、明久もそれ以上は何も言いませんでした。

 

「だが何にせよ、誤解だというのなら話は早い」

 

「そうだね。Dクラス、っていうか清水さんに『島田さんと明久は付き合っていない』って事実を伝えれば、事態は沈静化するはずだよ」

 

「そしてワシらはいつも通りの日常を取り戻せる、というわけじゃな」

 

「何だ。簡単じゃないか」

 

「…………作業を始める」

 

そうですね。それは康太にお任せしましょう。

 

「あ、あの、明久君っ!聞きたい事がありますっ!」

 

瑞希?そんなに慌ててどうしたんですか?

 

「ど、どうしたの姫路さん?」

 

「そ、その……っ!あ、明久君が……美波ちゃんに告白したって本当ですか……?」

 

.....ああ、なるほど。島田さんから話を聞いたんですね。

 

「え、えっと、その話なんだけど……」

 

流石に誤解だとは言い辛いんでしょう。

 

「姫路、その話なんだが、島田と一緒の方がいいだろう。どこにいるかわかるか?」

 

「美波ちゃんなら、さっきまで一緒に屋上にいましたけど……」

 

「よし、それなら俺達も屋上に行くか。ここで話すのもなんだしな」

 

移動ですね。それなら――

 

「康太。屋上に盗聴器があるか、調べられる?」

 

「…………問題ない」

 

相変わらず、頼もしい限りです。

 

 

 

そして屋上に到着しました。

康太は早速盗聴器の有無を確認してくれています。

 

「あ、瑞希――とアンタ達も?皆揃ってどうしたのよ?」

 

驚いた様子で島田さんがこちらを見ています。

 

「ちょっと明久の話を聞いて欲しくてな」

 

「アキの話?」

 

そう言って明久の方を向く島田さん。

 

「あー、えっと……」

 

明久が言い淀みます。真実を話した後で自分がどうなるか考えて怖気づいているのでしょうが、腹を括ってください。

 

「神よ、ご加護を……!」

 

「?何してるの、アキ?」

 

「うん。まぁ、ちょっとしたおまじないだよ」

 

明久が胸の前で十字を切ります。安心してください。骨は拾ってあげますから。

 

「美波、実は強化合宿の時に送ったメールなんだけど……」

 

「あ、あのメールがどうしたのよ?」

 

明久の台詞に、目に見えて動揺する島田さん。わかりやすいですねぇ。

 

 

「実はアレは――誤解なんだ」

 

 

「……え?」

 

真っ赤な顔のまま、島田さんがフリーズしてしまいました。

 

「いや、誤解っていうか、送り先を間違えたと言った方が正しいのかな」

 

「ま、間違えたって、だ、誰と……?」

 

まだフリーズしたままの島田さん。いつ復活しますかね?

 

「須川君、かな」

 

明久……あんなメールを送られたら、きっと須川君だって困りますよ?

 

「「えええっ!?」」

 

ほら案の定、というか瑞希まで一緒に驚いてます。

しかし、意外と簡単に復活しましたね。

 

「じゃ、じゃあ、アキはウチじゃなくて須川に告白したつもりだったの!?」

 

「そ、そんな!明久君は何だかんだ言っても女の子が好きなんだと思っていたのに、やっぱり男の子を、しかも坂本君でも木下君でも久保君でもなくて、須川君が好きだなんて……!」

 

瑞希、その認識はあんまりだと思いますよ?

 

 

ちなみにですが、今挙がったそれぞれが相手のBL本は既に刊行済みです。

タイトルはそれぞれ、

 

『バカと次席と秘密の勉強会』(久保×明久)

『バカと野獣と狂乱の宴』(雄二×明久)

『バカと演劇バカと艶技指導』(明久×秀吉)

 

の3冊で、作者はもちろん僕です。

 

.....え?自分の友人をBLのネタにするな、ですって?

 

大丈夫です。作家としての僕は普段の僕とは完全なる別人、という認識ですから。

 

あ、そういえば須川君のは書いてないですね。まぁ注文がないので今のところ書く予定もありませんが。

 

 

「で、でも、坂本より好きだなんて言われたら普通誤解するでしょ!?」

 

「しないよ!僕は普通に女の子が好きなんだから!」

 

.....何だか指摘するポイントが違くないですか?

 

「あ、明久……。俺はどんな返事をしたらいいんだ……?」

 

雄二がいつぞやの秀吉を真似た返事をしました。まったく、悪ふざけも程々にしてくださいね?

 

「普通に嫌がれ!」

 

屋上に明久の絶叫が響き渡りました。

それを聞いて、雄二は楽しそうに笑っています。

 

「まぁとにかく、そんなワケで間違いメールだったんだよ」

 

「そっか。誤解だったのね。ウチもちょっとおかしいな、と思ったんだけど、やっと納得がいったわ」

 

「あはは。美波はそそっかしいなぁ」

 

「もうっ。送り先を間違えるアキには言われたくないわよ」

 

二人で楽しそうに笑って見つめ合う事しばし――

 

 

「どうしてくれんのよー!?ウチのファーストキスーっ!?」

 

 

突然島田さんが明久の胸倉を掴んでガックンガックン揺さぶりました。

 

「ごごごごめんなさいっ!僕も悪気はなかったんですっ!」

 

もし悪気があったら大変ですよ?

 

「ごめんで済む問題じゃないでしょ!?」

 

その通りです。

 

「そ、その美波」

 

「何よ!?」

 

「えっと――僕も初めてだったから、おあいこって事じゃ、ダメかな……?」

 

「「ダメに決まってんだろ(るでしょ)」」

 

この期に及んで何を言ってるんですか君は。

 

「え……?そ、そうなんだ……。それは、その……えっと……ご、ご馳走さま……?」

 

「ぅおぃっ!いいのか島田!?」

 

雄二が鋭いツッコミを入れます。まぁ本人が満足しているなら、僕は何も言いませんけどね。

 

「あのさ美波。怒らないで答えて欲しいんだけど」

 

「え?何?」

 

「僕と美波が付き合っているって話なんだけど、あれってもしかして、美波が僕の事を……その、す、好き、とか……?」

 

「あ……!そ、それは……っ!」

 

おや、何だか面白い展開になってますね。

 

「雄二、どう見る?」

 

小声で雄二に話を振ってみます。

 

「ん?ああ、アレか。まぁ島田の事だ。素直には答えないだろ」

 

「そっか。もったいないね。折角のチャンスに」

 

「だから島田なんだろ」

 

やはりツンデレはそう簡単にはデレないという事ですね。

 

「あ、あれはね、ほらっ。美春があまりにもしつこいから、彼氏でもいたら諦めてくれるかと思って、それでタイミングよくアキが告白してきたもんだから……」

 

「ああ、なるほど。そういうことか」

 

ん?何だか明久がガッカリしているようですね。.....実は本当に脈アリなのでは?

 

「むぅ。島田にも困ったものじゃな」

 

「…………見ていて歯痒い」

 

秀吉と康太も僕と同意見のようです。

 

「まぁ、どっちにしても苦しい言い訳だな」

 

「告白が誤解だなんて言われて、そうやって誤魔化したくなる気持ちもわかるけど……」

 

「1人以外にはバレバレじゃぞ?」

 

「…………素直じゃない」

 

「べ、別に言い訳とかじゃなくてホントに……っ!だ、誰がこんなバカと!」

 

酷い言われようですね、明久。

 

 

 

その後、相変わらず余計な事を言って悲鳴を上げている明久は放っておきまして。

 

「これで誤解は解けたようじゃな」

 

「うん。後はこの話を清水さんに伝えれば、万事解決だね」

 

「そうだな。これで清水も納得するだろ」

 

「…………話は上手く伝えておく」

 

「よろしく、康太」

 

「…………(コクリ)」

 

これにて一件落着、となればいいんですが.....何故か嫌な予感がするのは気のせいであって欲しいですね。

 

 

 

 

 

明久が島田さんの誤解を解いてから時間は過ぎて、今は昼休み。

康太がまた妙な情報を入手したと言って確認しに出て行きました。やはりまだ何かありそうですね。

 

「…………ただいま」

 

「あ、お帰り康太。で、どうだった?」

 

「どうした?また何かあったのか?」

 

「ムッツリーニ?またどこかに行ってたの?」

 

「今度は何事じゃ?」

 

僕のところに雄二、明久、秀吉もやってきました。

 

「…………今朝よりも良くない状況になってきている」

 

そう言うと、康太はおなじみの小型録音機を卓袱台の上に置いてスイッチを入れました。

スピーカーからは雑音交じりの会話が聞こえてきます。

 

 

『土屋君。吉井君のセーラー服姿の写真を取り扱っているという噂を耳にしたのだが、それは本当かい?』

 

『…………1枚100円。二次配布は禁止』

 

『構わないよ。僕が個人的に楽しめればそれで』

 

 

――ブツッ

 

「…………再生するファイルを間違えた」

 

「ねぇ何!?今の会話は何!?僕にとっては今の会話こそが十二分に良くない情報だったんだけど!」

 

「うるさいぞ明久。つまらん事でガタガタ喚くな」

 

「全然つまらない事じゃないよ!どうして僕の女装写真が秀吉の写真と同じように裏で取引されてるの!?」

 

「ちょっと待つのじゃ明久!今のお主の台詞の方がワシにとっては余程良くない情報なのじゃが!?」

 

思わぬ情報の暴露に明久と秀吉が騒ぎ出します。その隙に、僕は康太に小声で話し掛けます。

 

「久保君は色々吹っ切れちゃったみたいだね」

 

「…………強化合宿以来、お得意さま」

 

「そっか……」

 

.....明久、強く生きてください。

 

「…………こっちが本物」

 

そう言って、同型の録音機を取り出す康太。持っている録音機は1つじゃなかったんですね。

 

 

『Fクラスの様子はどうだ?』

 

『何かまたバカな事をやっていたようで午前中は点数補充もやっていないみたいだ。あの様子だと、こっちの意図に気付く事もないだろうな』

 

『そうか。それならいい。当面は俺達も点数補充をして、向こうにこちらの動きが気取られたら即座に宣戦布告を行おう』

 

『了解』

 

 

「……これはまた厄介な事になってるみたいだね」

 

嫌な予感は的中してしまったようです。

 

「これってDクラス?だとすると、まだ誤解が解けてないってだけなんじゃない?」

 

「…………(フルフル)」

 

明久の質問に康太が首を振って答えます。

 

「Dクラスが既に大人しくなっているのは確認済みだ。これは恐らく別のクラス――指示を出しているのが男子生徒という事から見ても、これは」

 

「…………Bクラスの会話」

 

やはりそうですか。

 

「Bクラス!?どうして!?」

 

「根本のヤツだよ。まったく……随分姑息な事を考えてくれるじゃないか。流石は腐っても《卑怯者》といったところだね」

 

「鏡護の言う通りだ。あのゲス野郎、フザけた真似をしやがって」

 

さて、ここからが問題ですね。

 

「おそらく根本の目的は試召戦争の時の仕返しと、自分への非難を抑える事だろうね。まぁ後者の方が理由としては大きいかな」

 

「ああ。いくらヤツがクラスでの立場がないに等しいとはいえ、『覗き騒ぎの主犯であるFクラスを粛清する』という大義名分があればクラスを動かせるだろうしな」

 

「そうしてFクラスを完全に打倒する事で発言力を取り戻し、なおかつ自分の恨みも晴らすって寸法だね」

 

「ふむ……そうなるとちょっとやそっとの理由では戦争は回避できんというわけじゃな?」

 

「…………しかも今のFクラスは点数補充ができていない」

 

「そうだ。ただでさえ普通にやったら勝ち目のない相手から、まともに戦えるのが3人だけの今の状況で勝ちをもぎ取るのは不可能だ。Dクラスならまだしも、Bクラス相手で今の状態じゃ万に一つも勝ち目はない」

 

先程康太が言っていた通り、今朝よりもさらに深刻な状況になっています。

 

「ならば今からでも申請をして、午後は補充テストを受けるべきではないか?」

 

「そうだね。それがいいよ」

 

「……いや、それじゃダメだ」

 

僕は秀吉と明久の提案を否定します。

 

「え?」

 

「どういう事じゃ鏡護?」

 

「今は時間稼ぎをするべきなんだよ。Bクラスから宣戦布告されるまでの時間をね」

 

「時間稼ぎ?そんな事をして何の意味があるの?」

 

「いいかい明久。今Bクラスから宣戦布告されたら、僕達は必ずBクラスと戦争をしなくちゃいけない。そしてもしそうなった場合、僕達は100%負ける。でもまだ宣戦布告をされていないから、Bクラスとの戦争は回避できる可能性があるんだよ」

 

「でも、根本君には戦争を起こす理由がたくさんあるんだよね?とても取り止めてくれそうにないけど」

 

「うん。だから、Bクラスが戦争をできない状況を作るんだ。幸い、試召戦争のルールではクラス毎の1対1しか認めていないからね。つまり」

 

「他のクラスとBクラスを戦わせるとか?」

 

「いや、そうじゃなくて僕達が他のクラスと戦うんだよ」

 

「他のクラスとワシらが戦う……なるほど。その間はBクラスから宣戦布告をされずに済むし、戦争後は点数補充をする事ができるから、という事じゃな」

 

「その通りだよ」

 

試召戦争の細かなルールの1つに、1つの戦争が終わった後の点数補充というものがあります。例え連戦になったとしても、1つ戦争が終わる度に消耗した点数を補充する期間をもらえるのです。このルールがなかったら、どんなクラスでも簡単に負けてしまいますからね。

 

「先の戦いでは疎ましいと思ったルールじゃったが、今回はそのおかげで助かりそうじゃな」

 

「しっかり点数補充をして僕達にBクラスと戦うのに充分な力があれば、向こうも迂闊に戦争を起こそうとは思わなくなるだろうからね」

 

「確かに、僕らが万全の状態だったらBクラスは攻めてこないんだろうけど……」

 

「じゃが、その相手はどうするのじゃ?ワシらは例のペナルティで試召戦争を仕掛けることはできん。どこかのクラスに攻め込まれるしかないはずじゃが」

 

明久と秀吉の懸念はもっともです。しかし、その点も抜かりありません。

 

「もちろん相手はDクラスだよ。Bクラス相手じゃ危険だけど、Dクラスなら勝つ事は難しくても負けない程度の戦いはできるからね。ありがたい事に、Dクラスも開戦派と非開戦派の論争で点数補充がまだ終わってないんだよ。ね、雄二?」

 

「ったく、やっと俺に振ったと思ったらほとんど言いたい事は言われた後じゃねぇか」

 

雄二が不満を零します。

 

「まぁまぁ。で、もう作戦は決まってるんだよね?」

 

「ああ。当然だ」

 

そう言って不敵に笑う雄二。これは期待しても良さそうですね。




あとがき

作者 「面白い事になってきたな!」

鏡護 「僕達にとってはまさに瀬戸際なんだけど……」

作者 「だって俺から見たら他人事だし」

鏡護 「……そうだよね。作者さんってそういう人だったよね」

作者 「他人の不幸は蜜の味、ってな」

鏡護 「もうツッコむ気も起きないよ……」

作者 「だが、回避の為の作戦はあるみたいじゃないか」

鏡護 「そうだね。雄二の頭脳に期待、かな」

作者 「まぁ、きっと何とかなるって」

鏡護 「うん」

作者 「それでは次回予告!

   次回、第29問『恋人のフリをする話ってよくあるけど、これは……(仮)』

   を、」

作&鏡 「「ご期待ください!」」
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