バカと天眼の賢者と召喚獣 ※凍結   作:天御柱

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補習第1問 『謝罪には誠意をもって臨むべしっ!』

ガバァッ!

 

 

「忘れてたぁぁっ!」

 

 

あ、皆さんおはようございます。天水鏡護です。

今日はDクラス戦の翌日、ただ今の時刻は午前6時です。

 

って何を暢気に挨拶なんてしてるんですか、僕!

 

.....っとノリツッコミをしている場合でもありません。

 

大変です!これはマズいです!ヤバいです!

昨日は色々とショックなことが重なったせいで、重要な用事をすっぽかしていたことにたった今気付いたんです。

 

その用事とは.....僕の幼馴染の1人、優子への謝罪です。(※第1問参照)

 

彼女の機嫌を損ねたまま日をまたいでしまった.....このままでは恐らく、いえ間違いなく私刑確定です。

うぅ、考えただけで寒気がします.....

 

とにかく、できる限り事態を好転(具体的には私刑の回避)させるために、何か策を講じなければなりません。

さて、何か使えそうなものはないでしょうか.....?

 

 

.....!!ありました!これならなんとかなるかもしれません!

 

 

僕は今日のお昼に待っている、とある特別なイベントに思い至りました。

皆さんも思い出しましたよね?そうです。昨日約束した通り、今日は皆のお弁当を僕と姫路さんが作ってくることになっているんです。(※第3問参照)

今回はこれを利用させてもらいましょう。題して『美味しいお昼であの娘の機嫌も元通り!作戦』ですっ!.....ってそのまんまですね(笑)

 

そうと決まれば、量も必要な訳ですから早速お弁当作りを始めなければいけません。

今日はいつも以上に腕によりをかけて作るとしましょう。なにせ僕の命が懸かってますからね。

そうして僕は手早く身支度を整えると、文字通り命懸けのお弁当作りに没頭していきました.....

 

 

 

 

――木下家玄関前

 

「さあ、ある意味ここからが本番だ……」

 

はい、現在僕は本日のラスボスが住まう城の目の前に来ています。ちなみに時刻は午前7時30分を少し回ったくらいです。

この時間なら間違いなく木下優子(ラスボス)及びその弟は起きています。今頃朝ご飯でも食べているでしょう。

ここからの行動の選択如何によって、僕の寿命が決まると言っても決して過言ではありません。

僕は一度大きく深呼吸をすると、インターホンに指を伸ばしました。

 

 

ぴんぽ~ん!

 

 

「は~い!どちらさまかの?」

 

インターホンに出たのは優子の弟の秀吉でした。.....助かりました。もしここでいきなり優子本人が出て来ていたら、即座にゲームオーバーでしたね。

まずは一命を取り留めたことを神様とかそういう類のものに感謝しておきます。

 

「おはよう、秀吉。天水です。」

 

「何じゃ、鏡護か。珍しいの。どうしたんじゃ?」

 

「実は昨日優子のところに顔出すの忘れちゃってさ……」

 

「……なるほど。それで昨夜も姉上の機嫌が悪かったんじゃな」

 

「……やっぱり?参考までに、どんな感じだった?」

 

「うむ、とりあえず全身から真っ黒なオーラが出ておったの。今朝は多少収まっておるが」

 

「うっ……」

 

「まあ、今朝はそのために出向いて来たんじゃろ?」

 

「ああ。上がってもいいかな?」

 

「うむ。待っておれ。今カギを開けにいくからの」

 

「ありがとう」

 

 

 

しばらくそのまま待っていると、秀吉が出て来て中に通してくれました。

玄関から廊下を進み、突き当たりにあるリビングへと続くドアの前で足を止めます。

 

「ごめん、秀吉。ちょっと待って。まだ心の準備が……」

 

「フフッ。相変わらずお主は姉上を苦手としておるんじゃな」

 

「仕方ないだろう?なにかあると毎回私刑と称して関節技の餌食にされるんだから……」

 

「(姉上も大変じゃな。姉上にも原因があるとはいえ、想い人がこの様子じゃからのう)」

 

そう。学校ではAクラスに所属し、優等生の見本と言われる程に成績優秀・品行方正を地で行く彼女ですが、それは決して真実の姿ではないのです。まあ、あそこまで徹底しているのはある意味尊敬に値しますが。

彼女の本当の姿は普段の家の中で見ることができます。端的に表現するならズボラでとにかく面倒臭がり。

まず、家の中をジャージ(以前聞いたところによると、秀吉と二人の時は下着)姿で歩き回るなど、年頃の女の子的恥じらいは皆無と言って差し支えありません。

また彼女の趣味は乙女小説を読むことで、その登場人物についても12歳以下の美少年がストライクゾーンという、正直コメントしにくい(したくない)感じです。

さらに割と沸点が低くて、怒り出すと問答無用でサブミッション(関節技)を仕掛けてくるのですから始末に負えません。往々にしてその矛先は僕か秀吉に向ってくるので、潜在的に恐怖を刷り込まれているのです。

 

そういう訳で、僕は彼女に対して第1級指定危険人物の認定をしています。

そういう意味では、学校での猫を被った彼女しか知らない大多数の生徒達を非常に羨ましく思っているんですよ.....

 

 

 

「……よし。行くぞ」

 

そうして気合を入れてドアを開け、リビングに踏み込んだところで――

 

「おはよう、鏡護。今日はどうしたのかしら?」

 

「――ッ!?」

 

刺すような視線でこちらを睨みつける優子に出迎えられて僕の時間は止まりました.....

 

 

.....ってマズい、早く何か言わないと殺される!頭の中でレッドアラートがガンガン鳴り響きます。

 

 

「あー、えーっと、そのー、………優子様っ、大変申し訳ございませんでしたぁっ」ガバッ

 

僕は勢いよくその場で土下座を敢行しました。背に腹は代えられません。男のプライド?何それ?おいしいの?

 

「えー、振り分け試験でのことをご報告していなかったのはひとえに私めの落ち度でございます。僭越ながら優子様の本日のお昼をご用意させていただきましたので、よろしければどうぞお納めください。それでも足りないようでしたら、今度優子様のおっしゃることを何でも1つ聞かせていただきます。ですからどうかご容赦を」

 

とにかく間に一言も挟まれないよう一気に喋ります。

 

 

.....何も反応がありません。やはりダメでしょうか。

 

 

そう思って恐る恐る顔を上げると、

 

「……ハァ、わかったわよ。もういいから土下座は止めなさい。あと様付けも止めて。なんかムカつくわ(……それにその捨てられた子犬みたいな目、反則よっ////)」

 

.....やりました!正義は必ず勝つのです(?)!生命の危機は去りました!

 

「ありがとう、優子!」抱きっ

 

すぐさま土下座を止めると、そのまま優子に抱きついてしまいました。

 

「ちょ、ちょっと鏡護!アンタ何してるの!? (キャーキャー////鏡護に抱きつかれちゃった////)」

 

なにやら優子が喚いていますが、そんなの気にしません。とにかく今は生きている幸せを噛み締めていたいんですっ!

 

 

 

しばらくそうした状態が続いていましたが、僕が状況に気付くと、2人して顔を真っ赤にしてお互いすぐさま距離をとりました。

 

「うぁ、その、なんかごめん」

 

「う……あ、謝らないでっ。べ、別に怒ってないから(ほんとはもっとして欲しかったんだし……////)」

 

「そうか、よかった。」ニコッ

 

拒絶されるかも、と思った僕はそう言ってくれたことが嬉しくて、優子に微笑み返しました。

 

「……ッ////そ、それよりさっき言ったこと、本当なんでしょうね?」

 

「もちろんだよ。お昼の方なんだけど、休み時間になったら迎えに行くから教室で待っててくれる?」

 

「わかったわ」

 

「うん、じゃあそういうことで。もう1つの方は決まったら連絡してよ」

 

「ええ、そうね。フフッ、何をしてもらおうかしら?」

 

「うっ……。一応僕のできる範囲にしてよ?」

 

「それくらいはわかってるわよ。安心しなさい」

 

「……素直に安心できないから言ってるんじゃないか(ボソッ)」

 

「……鏡護、何か言ったかしら?」

 

「いいえ。滅相もございません」

 

「そう。でもね、やっぱり何かムカつくからお仕置きよっ!」

 

「ちょ、ちょっと待て。絶対さっきの聞こえてたんだろ!?この地獄耳が――って、や、止めろ優子っ!その関節はそっちには曲がらな……っ!」

 

 

 

結局その後優子にボロボロにされた僕は、二人と共に登校することになりました。

道中、僕の腕の関節を極めながら上機嫌で歩く優子を見て、僕は思わず心の中で呟きました。

 

 

.....なんでさ?




あとがき

作者 「えー、本日もスペシャルゲストをお迎えしております。……どうぞ、お入りください」

?? 「よろしく」

作者 「なんか素っ気ないですね……。コホン、本日のゲストは拙作のもう1人の正ヒロイン、木下優子さんです!」パチパチパチ

優子 「私には気にせず進めて頂戴」

作者 「うわぁ、バッサリ斬られました。……仕方ありません、ここは対木下優子専用決戦兵器を使うとしましょう……」


   ジャジャジャジャ~ン!鏡護'sベストショット(盗撮)写真集~!


優子 「……ごめんなさい、何でも聞いていいわよ?」ニコッ

作者 「スゲェ……。恐ろしい変わり身の早さだな……」

優子 「もちろん、そちらの品はいただけるんですよね?……Noって言ったらどうなるか、わかるわね?」

作者 「ッ!?サー、イエスマム!」

優子 「よろしい。では始めましょうか」

作者 「ありがとうございます(※直立不動、最敬礼)!早速ですが、優子さんは鏡護氏のことが好きなのでありますか?」

優子 「――ッ////そ、そうよ!悪いっ!?」

作者 「いいえ、とても素敵なことだと思いますっ!しかし、ライバルがいらっしゃるようですが……」

優子 「へぇ、それは初耳ね。……いったいどこの誰なのかしら?」

作者 「申し訳ございません。これは個人のプライベートに関わりますので、申し上げることはできません!」

優子 「ふぅん……。まあいいわ。それで、もちろん応援してくれるのよね?」

作者 「いやぁ、実はまだどうするか決めてな――も、申し訳ありません、う、嘘ですっ!だからそこはそんな風には曲がら……っ!」

優子 「次やったらその命、無いものと思いなさい」

作者 「ハァ、ハァ……。こ、これだから暴力女は……」

優子 「……余程死にたいようね。いいわ。望み通りにしてあげましょうっ!」

作者 「あ、ご、ごめんなさい、もう言いませんからこれ以上は勘弁……ってギャァーーッ、無理っ、無理だからっ、それ以上はヤメテェーーーッ!」


   お見苦しい場面が続いております。しばらくお待ちください.....


優子 「皆さん、申し訳ございません。作者さんは急用ができたためお帰りになられました」ニコッ(※全身を返り血で紅く染めながら)

優子 「ですので、今日の次回予告は私が代行させていただきます。それでは、

   次回、第5問『女の子の手作り弁当はそれだけで男の浪漫』

   を、よろしくお願いします!」
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