「次のコーナーです。藤居朋の占いコーナー、未来は上々!?」
「このコーナーは、リスナーの皆の運勢をあたしが少しだけ占っちゃう、と言うコーナーです」
「た・だ・し、いつも言ってるけど、占いはあくまで占いだから、信じ過ぎるのも良くないですよ…って、信じてもらえないのも悲しいんだけどね」
「未来は自分で掴むもの、占いはあくまでその手助けだからね」
占いの結果を信じすぎて、自分を信じられなくなるのは本末転倒…と言うかそれが前までのあたしだった。
何かにつけ占いの結果を重視して、仕事の内容まで占いで決めようとか、今日は運勢が悪いから何もしたくないだとか、正直扱いに困る子だった。
…こんなあたしを見捨てずに付き合ってくれていたプロデューサーって、実は滅茶苦茶良い人なのでは…と改めて思ったし、プロデューサーに心の中で感謝した。
「さて、本日のリスナーさんは…おっと、さっきの子ね」
「来年受験です、さん。貴方の運勢を占うわ」
「…占いと言っても、星占いや動物占い、色々あるんだけどね」
「……どうリスナーさんのことを占っているのかは、企業秘密よ、ふふっ」
時々、このコーナーのことがSNSでも話題になるらしい。
本当にリスナーを占っているのか、とか占いの方法は何なのか、とか適当に言っているだけなんじゃないのか、とか。
姿が見えないのはラジオの利点でもあり、欠点でもあると思う。
ただ、こればかりは皆にも教える訳にはいかない…と思う。
そんなこんなで、占いの結果が出たのだった。
「出ました。総合運は…かなり良いわ。貴方の願いはきっと叶うでしょう、だって」
「やったわね、自分を信じて、そのまま突き進んで大丈夫よ」
あたしも出た結果にほっとして、胸をなでおろした。
未来は自分で掴むもの、と言ってもやっぱり悪い結果が出たら気になってしまう。
それにこの子は受験生。自分の人生を左右するであろう出来事を前に、こうやって背中を押せるのは嬉しいことだ。
「次に恋愛運…待ち人来ず。自分から動いていくべき、と出たわ」
「…総合運とちょっと関連するかもしれないけど、これも自分の力を信じていくべきね」
「もし好きな人がいるなら、頑張って」
「金運ね…これはまずまず…と言うか現状維持ね。良くもなく悪くもなく、って感じ」
「臨時収入には期待できそうにないわね。今ある財産…と言うのも大げさだけど、それを大切にね」
「こんな感じかしら。貴方の幸せ、祈ってるわ」
「さて、お送りしてきました藤居朋のフォーチュン・ラジオお別れのお時間です。今日も聞いて頂き、ありがとうございました」
「来週もまた、この時間に会いましょう。貴方に幸運が、訪れますように」
最後にお決まりのフレーズを言って、ラジオを〆る。
このフレーズを言うのも何度目だろうか。
最初はたどたどしかった言い方も、今ではもう慣れた物で。
プロデューサーにも、褒められたりした。
それがちょっとだけくすぐったくて、嬉しかった。