何が為に君は鳴る   作:lmber Levis

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10 やるべき事は明日の自分頼り

せっかくの休みなのに目覚ましで起きる。時雨のお買い物に付き合うためだ。因みに明日は某雷巡達と。俺が2日連続で誰かと外に出るなどあり得ない、面倒臭いし精神的に疲れる。

そんな自分と買い物に行きたい理由など奢り目的だろう。でも時雨はそんな子に見えないんだよなぁ。

ノックの音がなる。

 

「提督入ってもいいかな?」

 

「入っていいよ」

 

「提督何してるんだい?」

俺は着替えた状態でベットでスマホをいじってる。約束の時間までは余裕がある、そう考えると時雨が来るのが早い気がする。

 

「まぁまだ時間に余裕あるからな」

 

「それはそうだけど…」時雨に目を向ける。時雨も勿論私服だ。時雨は美人系だと思う。夕立は可愛い系だけど。なぜか唐突にそんなことを思う。

 

「時雨は今日何を買う予定なんだ?」これがよくわからない。夕立の進水日なのか日にちは知らないけど。そのくらいしか2人で行く理由がわからない。

 

「…行ってから決めるよ」時雨の表情が不満そうだ。擬音で表すならまさしく「ムッスー」とした顔だ。

 

「昼ごはん何か食べたいものあるか?」

 

「提督に合わせるよ」まぁ時雨に聞くとこうなるよなぁ。俺も人に合わせるからなぁ。

 

「少し早いけどそろそろ行くか、俺何かしたか?」

 

「そうだね、提督は女の子が私服着てきたなら何か言って欲しいかな」さっきから何か不満そうだったのはもしかしてそれが理由なのか。俺は服のセンスなんて皆無だし…まぁ女ってのは誰でもいいから言われたいのか。

 

「個人的には結構似合ってると思うぞ」

 

「ふーん、提督はこういう格好が好きかい?」因みに今日の時雨の服装は黒のショートパンツに白のシャツに黒のカーディガン、今日は春らしい気温らしい丁度良さそうではある。見た目以上に大人びては見えるかな。

 

「俺もカーディガンはよく着るぞ」カーディガンは羽織るだけで楽だし、寧ろ服はあまり持ってないからよく着る。

また時雨が不満顔になる。

 

「なんだよ、また何かしてないのか?」

 

「まぁ提督らしいけど乙女心をもう少し勉強して欲しいかな」

 

「身内に姉妹がいればそんな心なんて存在しないことがわかるよ」そう言って俺はベットから降りて部屋を出る。時雨も後ろをついてくる。

 

 

電車で数駅行った場所のショッピングモールに着く。ここに来れば大概必要なものは揃うはずだ。入ってすぐの雑貨屋に目が向く。

 

「時雨ここ入ってもいいか?」時雨は頷く。

 

店の中を物色していると犬の抱き枕型式のぬいぐるみを見つける。抱き枕が最近欲しかったので触ってみると程よい硬さで欲しくなる。

 

「提督これ可愛いね」目をキラキラさせながらこちらを見る。

 

「これ欲しいのか、まぁ他にも店はあるからそれからでも」同じもので悩んでた俺が言えたセリフではないかもしれない。

 

「時雨は服とかが欲しいのか?夕立とかのプレゼントはどうする?」

 

「提督は服とかも買ってくれるのかい?」正直給料そこそこ貰ってるけど使い道あまりないし。

 

「ある程度の物はいいぞ、日頃の感謝だな」

 

「欲しいのがあれば甘えることにするよ、ありがとう」

 

そう言ってぶらぶらしてときおり服を見たり雑貨屋に入ったりなどを繰り返す。時雨は試着する度に評価を聞いてくるけど俺はわからない。そういえば時雨の欲しいもの売ってたのかなとふと思う。

 

「時雨」

 

「なんだい提督」

 

「今更だけど時雨の欲しいものは見つかったのか?」

 

「…」どうして黙るの?恥ずかしいものなのか?下着とかかな。

 

「あー恥ずかしい物ならお金渡すから一人で買っておいで俺は本屋にいるから」本屋は俺にとって暇つぶしに丁度良い。

 

「恥ずかしい物って…僕がそんな物買う訳ないじゃないか」

 

「下着とかが欲しい物じゃないのか?」

 

「恥ずかしい物って下着の事か」消え入りそうな声で時雨が呟く。

 

「結局何が欲しいんだ?」

 

「一通り回ったけど売ってなかったね、夕立にお土産買ってそろそろ帰ろうか」

 

「折角来たんだから何か買うぞ」

 

「それなら始めの雑貨屋さんの抱き枕がいいな」ここに来て俺は思い出す。どうしよう、俺も欲しいけど…羞恥心が凄い。

 

「夕立にはケーキでも買ってくか」陸奥にも必要だし。

 

「そうだねそれなら始めの所に戻ろうか」

途中でケーキを買って雑貨屋に着く。どうしようかなぁ。

 

「提督は何か買わないのかい?」どうしよう、落ち着け。俺は本当に欲しいのか、いや欲しい。買おう。

 

「そうだな俺も時雨と同じもの買うよ」

レジで会計を終える。

 

「提督」呼ばれて時雨の方を見る。

 

「今日はありがとう、また一緒にどこか行こうね」

 

「そうだな時間があればどっか行くか」

 

 

 

 

鎮守府に着く。

「重ね重ねになるけど提督今日はありがとう」

 

「気にすんな、別に大したことしてないし」

 

「提督抱き枕お揃いだね」時雨って笑ってると可愛いよな…

 

 

執務室に戻ると相変わらず陸奥が座っている。そして毎回同じようにケーキを渡す。

 

「あら、ありがとうでも女性に毎回同じものは男性としてどうなのかしら?」

 

「それもそうだな」その瞬間ドアが開く。

 

「ぽーい」飛びついてくる夕立。

 

「部屋の中で暴れるな」

 

「てーとくさん今日ずっと居なかったっぽい、何してたっぽい?」時雨も秘密の理由があるらしいからなぁ、どうしようかな。

 

「夕立、男にはね色々あるのよ」陸奥なんだその意味深のフレーズは。

 

「ふーん、色々あるならしょうがないっぽい」おー!陸奥ナイスカバー。さらっとウインクすんな。

 

「てーとくさんその代わり今日は夕立と一緒にいるっぽい」なんで俺と居たいのかなぁ。まぁ多少はいいか。

 

「できる限り居てやるよ」

 

「なら食堂行くっぽい、お腹すいたっぽい」

 

「そういえば大本営から書類来てたわよ」

 

「後で確認するわ、机の上に置いといてくれ」

 

 

 

 

「なー夕立いい加減離れてくれないか」こいつ執務室からずっと俺に抱きついてる。歩きにくくてしょうがない、夕立も歩きにくいだろう。

 

「てーとくさんが明日遊んでくれるなら離れるっぽい」明日は…そうだハイパーズと出かけるのか、明日も出かけなきゃいけないのか。

 

「明日も用事あるから無理だな」

 

「なら離さないっぽい」

 

 

そんなこんなで食堂に着くがまだ早いのか殆ど人がいない。扶桑と山城が奥の方にいるな、山城は扶桑といる時に話しかけると露骨に顔にでる。挨拶すらままならない。逆に扶桑がいない時は不幸不幸ブツブツ言っていて怖い。扶桑は普通にいい奴なんだけどなぁ。

 

間宮さんに声をかける。今日は日替わり定食にしよう。

「すいません日替わり定食1つと夕立は何にするんだ?」

 

「今日はハンバーグ食べるっぽい」

 

「今日は夕立ちゃんも一緒なんですね」なんでそんなニコニコしてるんですか間宮さん、いつもぼっち飯だと思われてるのかなぁ。

 

「お待たせしました、今日はトンカツです」そう言って間宮さんから受け取り先に座る。夕立は立ってる。

「夕立は座らないのか?」

 

「てーとくさん胡座になってほしいっぽい」まさかとは思うが言われた通りにする。

 

「夕立は今日はここに座るっぽい」予想通りだよ。

 

「私達の提督がロリコンだなんて不幸だわ」山城聞こえてるぞ。

 

「山城、提督はロリコンだけど良いところもあるのよ」扶桑、妹の発言を肯定しないでください。ロリコンじゃないです。

 

「てーとくさん一口欲しいっぽい」そう言ってトンカツを要求してくる。俺が箸で夕立の皿に移動させようとすると夕立は口を開けてる。そこに持っていくと夕立は勿論食べる。嬉しそうに。

 

「もうすぐ提督は憲兵のお世話になるのね、不幸だわ」

 

「そんな訳でないでしょ山城、提督を見なさい」山城わざと聞こえるように言ってるのか?それと扶桑その目は諦めたような目じゃないか。やめてください。お願いします。

 

食堂を出ても夕立は付いてくる。風呂を沸かして入ろうとすると

「てーとくさん夕立も入るっぽい」

 

「夕立はいつものお風呂に入りなさい」

 

「戻るのがめんどくさいっぽい」

 

「仮にここではいるとしても着替えがないだろ?」

 

「下着はあるっぽい」そう言って服の中から恐らく下着の入っているであろう袋を出してくる。ずっと一緒にいたので始めから持ち歩いていたってことだ。つまり元から俺の部屋で入る気満々だったってことだ。

 

「夕立、最初からここで入る気だったのか?」

 

「えへへ、てーとくさんは今日一緒に居てくれるって言ったっぽい、だから今日は寝るまで一緒っぽい」なーんでこんなのと一緒に居るのが良いのかなぁ、子供に好かれる自信はあるけど。

 

「できる限りって言ったろ、早く風呂入って来なさい時雨とか呼ぶぞ」夕立は姉妹が着任してからは姉妹が面倒見てたから最近は一緒に風呂なんてなかったけどな。

 

「それは困るっぽい」そう言って部屋から出て行く。

 

「おやすみ」俺はそう声をかけると夕立はこっちを向いて首を傾げる。

 

「お風呂入ったら戻って来るっぽい」

 

「いやまた戻って来るの面倒だろ」

 

「うーん、それは面倒じゃないっぽい」

 

「とりあえず俺は風呂入るから」そう言って風呂に入る。髪と身体を洗って湯船に浸かろうとした瞬間ドア開く。

 

「ぽーい」せめて前くらい隠せよ、その前になぜ入ってきた。

 

「夕立、風呂入ったら戻って来るって言ったよな?」

 

「てーとくさんがお風呂に入ったから戻って来たっぽい」なるほど一本取られた…とはならないよ。

 

「夕立、お前はもう少し羞恥心ってものを持て」相変わらず隠さないし。

 

「てーとくさんそんなことどうでもいいから久しぶりに頭洗って欲しいっぽい」めんどクセェ。

 

 

「〜〜〜♩」なんで鼻歌歌って上機嫌なんだよ。俺と夕立は一緒に湯船に浸かってる。もう出ようかなぁ。そう思って湯船から出る。続くように夕立も出る。そして夕立にタオルを渡す。髪を乾かすのも俺の役目なんだよなぁ。

 

 

 

 

 

夕立はなかなか策士っぽい。嘘はついてないっぽい。

そういえば夕立は下着以外もってないっぽい。

そんな事を考えてたけどてーとくさんは優しいから髪も乾かしてくれるし服も貸してくれた。そしてベットにダイブ。

 

 

 

「てーとくさんの匂いがするっぽい」

夕立はそんなことを言いながらベットに潜る。俺まだ若いけど加齢臭とかするのかな、少し悲しくなる。もうこうなると夕立戻すのも疲れるし、俺も部屋の電気を消して枕元のランプをつけてベットに入る。このランプは子供の頃から憧れてたから買った。これで読書とかする予定だったけど今はスマホ、虚しいな。

 

「てーとくさん何それ?」そう言って今日買った抱き枕について聞いてくる。

 

「抱き枕だよ、今日買ったから使ってるんだよ」

 

「それ貸して欲しいっぽい」えーすげー気持ちいいのに。やむなく夕立に貸す。そしたら放り投げる。俺は理解できない。

 

「なー夕立なんで放り投げた」

 

「夕立が抱きつけないっぽい」そう言って俺に抱きついてくる。

 

「てーとくさんなでてー」こうやってると本当に犬だよな、そう思いながら頭を撫でる。夕立はなんか幸せそうだなぁ。

 

「抱き枕なら夕立がなるっぽい、だからいつでも呼んで欲しいっぽい」

 

「まぁ気が向いたらな」

 

「夕立はてーとくさんのこと大好き、てーとくさんは夕立のこと好き?」急にどうした。

 

「あー好きだよ」普通にしてれば愛くるしいし。

 

「えへへ、嬉しいっぽい」ん?そういえばさっき語尾おかしな気がするな。

 

「んー」そう言って俺を抱きしめて夕立は寝息をたて始める。

そうだなぁそろそろこいつらの為にも作戦考えないとな、もう少し真面目に給料分働かないと。よし明日から真面目にやるか。

いや明日はハイパーズだよ… 俺も寝るか、ランプの灯りを消して瞼を閉じる。

明日の俺頑張れと思いながら。

 

 

 

 

 

 




提督…今まで明日の俺頑張れ方式で面倒なことを次の日に回してきた。毎回反省するも治らず、だが根は真面目。

時雨…いつか提督に本当のことを言えたらいいなと思ってる。もう少し自分に魅力が欲しいと思ってる。

夕立…着任当初提督からそこそこ提督には構ってもらっている。最近は少し物足りない。
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