「…とく、起きてください提督」昨日目覚ましかけたはずだからまだ起きる時間じゃないはず。俺は寝起きはいつも以上にテンションが低い。場合によってはイライラしてたりもする。
「誰?」俺は消え入りそうな声で呟く。
「誰ではありません、妙高です」みょうこう?妙高かぁ。
「提督少しお話ししてもいいでしょうか」俺何かしたかな。
妙高は普段はいい、ただこの笑ってるようで笑ってない表情の時が1番やばい。九割がた俺がやらかしてる。
「因みに僕もいるよ」声の方を向くと時雨がいる。
「今朝時雨さんから夕立さんが部屋に戻ってきてない聞いたので提督の私室に来てみたんですが」そう言って掛け布団の膨らんでる部分に目を向ける。
「昨日提督と一緒にいるって話は聞いてたから僕は先に寝たんだけど」時雨がそう言ってる時に妙高が布団を剥く。そこには俺に抱きついてる夕立がいる。
「んー…朝っぽい?」目をこすりながら起き上がる。
「てーとくさんおはようっぽい」
「おはよう」俺はそう答える。
「提督はもう少し男女関係を考えてください」俺なのか俺は夕立を返そうとしたんだけど。
「はい」俺はそう答えるしかない。
「まさかとは思いますが一緒にお風呂入ったりしてないですよね?」俺には前科があるその時も夕立からではあったが。
「夕立は昨日一緒にお風呂入ったっぽい」終わった、俺は終わった。
「妙高さん言い訳にはなるんですが夕立と入ろうとしたわけでは」
「結果として入ってますよね」はい、その通りです。
「…しょうがないですね、夕立さんにも非があるようですし今回はこれだけにしときましょう。今後気を付けてください」呆れた声で喋る。
「すいません、気を付けます。」時雨は何でもじもじしてるの?
「てーとくさん遊びたいっぽい」夕立、お前は反省しろ。
「この後予定あるから無理」
「……」何か聞こえるな。ドアの方を見ると隙間空いてるし、メモの音するし。
「おい、そこのドアのやつ出てこい」こんなことをするのは青葉しかいない。ただこいつはこいつでめんどくさい。
「待てと言われて待つジャーナリストはいません。」そう言って飛び出ていく。俺もベットから飛び出して寝間着のまま追う。何で朝っぱらから走らなきゃいけないんだよ。暫く追い続けてようやく腕を掴む。
「捕まっちゃいました」こいつの面倒なのはここからだ。
「さっきメモしたのどうする気だ」
「もちろん青葉新聞のネタになります」ちくしょう。
「今回は何を要求しましょうかね」これだ、新聞の記事代わりの交換というか要求してくる。てか妙高はこいつを裁けよ。
「とりあえず一枚」そう言って俺を撮る。俺の嫌いなものトップ10に入る写真を撮る。写真って取るまでのくだりとか怠くない?
「いやー眼鏡無しの司令官はレアなので撮らせて頂きました」
「ならそれでチャラだな」
「これだけでは釣り合いが合いませんね」
「何すればいいんだ?」
「青葉といいことしませんか?」因みにここは青葉の部屋の横。青葉一人部屋だからなぁ。
「はいはい、そういうのはもういいから」
「そんなこと言ってあの時だって「俺もそっちの欲はある」みたいなこと言ってたじゃないですか」
「お前なぁもう少し自分のこと大切にしろよ」あの時はしょうがなかったんだよ。色々とあったからな。
「大丈夫です、青葉は司令官のことが好きなんで」
「青葉、それが本当ならチョロすぎるだろ」
「いえいえ、あの時助けて貰えれば…可能なら名前呼びしたいんですが」なんで顔真っ赤なんだよ、こっちが恥ずかしくなるわ。
「それは色々とあるから無理」何で名前知ってるんだ。
「司令官が嫌ならしょうがないですね、代わりに青葉をぎゅっと抱きしめてください」
「それで今回はチャラか?」
「まぁそうなりますね」やっぱ衣笠呼んでやるべきなのかなぁ、でもどこも戦力足りないからトレードになるんだけど難しいんだよなぁ。
俺はそんなことを思いながらハグをするが青葉が抱きついてくるからいろいろ当たる、何がとは言わないけど。
「では青葉は次の予定があるので失礼します。」この後まだハイパーズと出かけるのに無駄な体力使ったわ。
「提督何をしているんですか?」大井に声をかけられる。
「青葉がやらかしたから追ってたんだよ」
「私にはハグをしてるように見えたんですが」ねー、大井さん何で声が怒ってるの?今回は貴方に何もしてないし、北上関連でもないよね。
「まぁ交換条件みたいなものだな互いの利益のためだ」
「私には青葉さんに利益があるように見えないんですが」
「まぁいろいろあるんだよ」いろいろとな…
「いろいろですか」てかもうこの話よくね?
「なんだ何か不満なのか?」
「別に不満じゃないですよ」明らかに不満そうだけどここで関わる方が面倒だから俺は部屋に帰る。
「………すか」
「ん?なんか言ったか」何か聞こえた気がしたんだけど
「何も言ってないですよ」俺は大井に背を向けて私室に歩いてく。その後ろを大井が付いてくる。どうしてだろう。その状態のまま執務室の前まで続く。
「大井って執務室に用があったのか?」
「はい?」大井は声に怒気を含んでいる。俺の鎮守府こういうの多いよな。
「もしかしてですけど北上さんと私との予定忘れてないですよね」
「それは大丈夫だけど…大井まだ時間じゃないよね?」うん明らかに予定の時間より早い…はず。起きたの目覚ましじゃないから。早く眼鏡かけないと時計すら見えない。
「提督が遅刻すると北上さんに迷惑がかかるので確認に来たんですが」俺はこれでも約束時間には遅刻したことだが人生ではないはず…まぁ曖昧だけどなあってことにしとこう。
「約束時間に遅刻したことないよな」
「初めてが今日になるかもしれないからです」
「まぁそれもそうだな、せっかく来たんだからお茶でも淹れるか?」
「提督が起きてるのが確認できたのでもう戻ります」ここで疑問が生じる。
「なら何でここまで付いて来た?」会った時点でもうわかるよな。
「私はここで失礼しますね」まぁいいや、俺も部屋でゴロゴロするか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は自分の部屋に向かって走る。曲がり角を曲がったところで止まる。どうして逃げてしまったのだろう、何か言えばいいだけではなかったのではないか。
「相変わらずですね」顔を上げると青葉さんがいる。
「何か?」そう答えるとボイスレコーダーを取り出す。
[恋人みたいじゃないですか]そう流れる。多分私の顔は今までしたことのないような複雑な表情をしていると思う。恥ずかしいような恨めしいような。
「司令官は耳が良くないのかはわかりませんが時には全然気づかないですからね、青葉は記録できましたが」私もそれはときどき思う。
「青葉的にはそう見えたなら嬉しいものですけど」そう言って言葉を続ける。
「大井さんも素直にならないとあの人は気づかないと思いますよ」そう言って青葉さんは去っていく。
私は色々考えながら部屋のドアを開ける。机には紙が置かれてることに気づく。
(大井っちへ
提督とのデート二人で楽しんできてね。私は用事があるから。
大井っちが手に入れた権利だからね。)
私は頭を抱える。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺は部屋に戻ると妙高はいないが夕立と時雨は部屋に残ってた。いや俺のベットで仲良く寝てる。俺はクローゼットを開けて着替え始める。冬用の服なんて2セットしかないから昨日のと違うやつを着るだけ。だから楽ではある。
まだ時間はあるんだよなぁ、ベットは占領されてるし朝飯まだ食べてないんだよなぁ。この時間食堂行くと混んでるだろうし。
そんな事を考えてると昨日の書類を思い出す。執務室の机から出して封を開けて内容を確認する。
端的に言えばiou島方面から艦載機がたくさん飛んできてそれで大破撤退、物凄くわかりやすい負け方だったな。この時点でogswr諸島付近のみの敵艦隊を考えるだけでは無駄になる。敵さんもiou島に航空戦力置くなんてめんどくさいことしてくれるわ。ogswr諸島付近のみの敵艦隊だけなら制空権は簡単に取れただろうに。今から対航空特化の訓練始めても大本営に急かされるだけだから間に合わないからなぁ。
元々ogswr諸島付近のみなら挟み撃ちで終わらす予定だったんだけどどうするかねぇ。五航戦はまだ敵さんに見せたくないからなぁ。
そんなこんなで考えてるとノックの音がする。
「どうぞ」俺はそう声をかける。他の所だと入る前に名前言ったりするんだろうけど別にいちいち入る側も面倒だろうし。真面目な奴は言って入ってくるけど。
「今日も出掛けるんでしょ?」そう言って入って来たのは陸奥。
「毎度毎度悪いな、助かるよ」
「別にいいのよこのくらいは、近海は制海権を確保してるから」
深海棲艦は昼の奇襲は奪回した海域では難しい。まとまった艦隊で来ると海の色が変わるからな。
「それで、今回の作戦はどうするの?」俺が書類を確認してるのを見て質問してくる。
「もう少し考える、だから各々自由行動で」俺が外で遊んでるのに等しいのに(俺からではないが)俺がそれで訓練しろなんて言えないからね。
「私にも読ませて貰える?」俺は書類を渡す。
「私は貴方の指示に従うわ、信じてるから」陸奥は優秀だから小規模なら任せてもいいんだけど。最近思うけど俺この仕事向いてないわ。周りは女性、嫌いな言葉ランキングトップ3に入る責任が付いて回る。
「まぁ作戦考えるのが俺の仕事だからな」毎回陸奥達にはアドバイスもらってるけど今回もそうなるだろう。
時計を見ると思いのほか時間が進んでいた。
「言ってくるわ」そう言って出ようとすると、
「気をつけて行ってらっしゃい」本当に良い女だよ陸奥。
廊下を歩いていると艦娘にすれ違う確率が高いので裏ルートの非常階段から降りる。いちいち話すの疲れるしね。非常階段までの距離は近い。非常階段の出入り口に向かい歩いてると響がいる。
「響はどうしてこんなところにいるんだ」ここは何もない。
「外の景色を見ていたんだよ」部屋には窓がついてるはずなんだけど。とりあえず響を抱き上げて抱きしめる。響から特には抵抗はない、丁度いいサイズなんだよなぁ。いい匂いするし。
「部屋からでも外の景色見れるよな?」
「海を見ていたんだよ」
「そうなのか、それでどうだった?」海なんて毎日見ているだろう。
「私の予想だと雨が降るね、多分」
「海見てわかるものなのか?」
「ところで司令官、どうして私は抱き上げられてるんだい」
「んーなんでだろうな」
「そろそろ降ろしてもらえないかい」
「すまん」そう言って俺は響を降ろす。
降ろしたら響はどっかに歩いていった。響が雨が降りそうとかいってたし信じてみるか。そう思いながら時計を見るとまだ時間があるので自分の部屋に折り畳み傘を取りに行く。
執務室には陸奥がいて本を読んでる。俺の方を一瞬見たがすぐに本に視線を移す。俺は自室のドアを開けると北上がいた。マンガ読んでるし。俺の部屋出入り自由なわけではないんだけど、それよりも今日北上来ないの?
提督…耳が遠い、何故かわからない。
妙高…大本営直属だが訳ありでこの鎮守府に姉妹と来ている。
青葉…昔の色々で提督と色々あった。
響…???
夕立…提督は安眠装置。
時雨…羨ましい。