アサシンクリードオデッセイたのちい
ヤーナムには大量に罠があった。
振り子、とげ付き丸太、薬品棚、エレベーター、アイテム。
その多くはスイッチ式だ。だがそんな仕掛けを作る暇は今はない。
旧市街、そこにいたデュラが使っていた固定ガトリング銃。あれの弾が油壺に当たった時、油壺は爆発した。
私はそれを使おうと思った。悪夢を廻り廻ったお陰で、ガトリング銃は何個も持っている。
固定ガトリング銃を作り、いくつか設置する。油壺の爆発で殺しきれなければそのまま銃殺する。
だが、まだ足りん。
オト工房製の時限爆発瓶を使う。爆発瓶は単体ではほとんど役に立たない。
故に処刑隊の車輪に付け、転がしゴブリン共を潰し、爆破する。
ゴブリン共は卑劣だ。人質、肉壁を使ってくるだろう。
鉱人の
その後はただ冒険者全員で狩り殺す。
そうゴブリンスレイヤーに伝えると
「...ガトリングとやらは何だ」
「これだ」
ガトリング銃を取り出しテーブルに置く。
「狩人がいつも左手に持ってる銃とは何が違うの?」
妖精弓手が首を傾げながら尋ねてくる。
弓使いの彼女には違いがわからないのだろう。
「私がいままで使っていたのは単発式だ。一回撃てばまた装填する必要がある」
「そこは弓と同じよね」
妖精弓手の言葉に頷く。
「だがこれは違う。いちいち装填しなくていい、連射式の銃だ。これを複数用意した」
「何個だ」
「とりあえず引っ張り出してきた八個だ。これを高台に固定してゴブリン共を狙い撃つ」
「扱うのは誰だ」
「遠距離攻撃をしたことがある者...または呪文がきれた魔法使い辺りか」
剣士や槍使い等、近接職の冒険者達には普通に戦ってもらう。
もし扱わせて背中を撃たれたらたまったものではない。
しっかりと狙える者が良い。
デュラが
~~~
牧場の屋根の上で遠眼鏡を持った妖精弓手とガトリング係の冒険者達が辺りを見渡している。
私や槍使い、蜥蜴僧侶等近接職は牧場の周りに散らばり開戦を待っている。
「来たぞ!ゴブリンだ!」
一人のガトリング係が叫ぶ。見れば遠くに蠢く小さな影。薄汚い獣の臭いを私の鼻が嗅ぎ取る。
間違いなくゴブリン共だ。魔術師達が
霧が現れ、先陣を切っているゴブリン共が霧に突っ込みバタバタと倒れていく。
冒険者達と共に詰め寄り、人質を奪い返す。
右手に持った時限爆発車輪をゴブリン共の軍に勢い良く回しながら投げる。
車輪はガタガタと荒ぶりながらもゴブリン共を潰していく。
ガトリング銃が音を立てて弾を撃ち始め、音に気を取られたゴブリンの弓兵達を妖精弓手の矢が打ち抜く。
シャーマンがガトリングに対応しようとするも、呪文を唱える前に撃ち殺される。
「弓兵の数は減らしたわ!」
妖精弓手が矢を番えながら言った。
「うらぁ!やってやるぜ!」
「ヒャッハー!金稼ぎの時間じゃあ!」
「突撃ー!」
槍使いが先陣を切り、冒険者達が叫びながら横側から突っ込んでいく。
私も葬送の刃を変形させながらゴブリンに突撃する。
葬送の刃を振るいゴブリン共の首を飛ばし、飛ばし、斬り捨てる。
「GUR!」
後ろから灰色の狼に乗ったゴブリンが襲い掛かってくる。
それを避け葬送の刃を変形し狼ごとゴブリンを叩き切る。
葬送の刃を仕舞い、爆発金鎚に持ち替え近場に居たゴブリンの頭をピンク色の肉塊にする。
「GURAGURARUARUARUA!!!」
突如唸るような雄叫びが轟く。
雄叫びのした方を見れば
「はっは!っしゃあ!大物だ!いい加減雑魚相手も嫌になってきたとこだ!首おいてけ!」
笑みを浮かべ、人の背丈を超える肉厚の大剣を背負い飛び出していく重戦士。
その後に、やれやれと面倒くさそうに楯を掲げた女戦士が続いていく。
「まったく。私は今、討ち取ったゴブリンの首数を数えるので忙しいんだが....」
「いいから付き合え!」
「わかった、わかった。仕方のない奴め」
減らず口を叩き合っている二人の横を通り抜け、棍棒を振るっている
体勢を崩した
痛みに悲鳴を上げる
爆発金槌を点火させ思い切り
爆発が起こり黒煙が晴れると
「うわぁ...」
「変な恰好してるとは前から思っていたが...あんな奴だったとは...」
後ろで何か言われているが、私はまともな方だ。
脳に瞳を得る(物理)とかしていないし血に渇いても酔ってもいない。正常だ。
彼らが血晶亡者と化した狩人や車輪をぶんまわして肉塊を精製するアルフレートをみたらどう思うのだろう。引くのだろうか。それとも発狂してしまうのだろうか。気になる。
気になるが今はゴブリン狩りの夜だ。狩らねば。
ハアァァと息を吐き出し、爆発金槌に火をつけゴブリン共に叩き付ける。
私がすべきことはこれだけだ。
ゴブリンを狩り、狩り、狩る。最後は
~~~
ゴブリン狩りの夜は終わった。
冒険者達により襲撃のゴブリン共は一匹残らず狩りつくされた。
夜が明けるころには冒険者達も血塗れで狩人のようだった。私は発狂したアルフレートの如き様だったが。
そのせいで数メートルは距離を取られた。あの反応が普通だろう。
まぁすぐ処刑隊装備に着替えたが。頭はアルデオではなくヤーナムの枯羽帽子だが。
アルデオをかぶればさらに距離を置かれるだろうからな。
今はギルドの宴を負傷したゴブリンスレイヤーと牛飼娘と共に見ている。寝てしまったが女神官もいる。
素晴らしい眺めだ。酒を飲み、肉を喰らい、皆が笑いあっている。喧騒が心地よい。
ふとゴブリンスレイヤーと槍使いの会話を思い出し尋ねる。
「そういえばゴブリンスレイヤー、貴公、槍使いに報酬は払ったのか?」
「ああ、既に支払い済みだ」
ゴブリンスレイヤーが嘘を吐くとも思えないから本当だろう。
槍使いは酒をがぶがぶ飲んでいるし、奢られた酒は飲み干したんだろう。
「おーいオルクボルグ!狩人!こっち来て飲みなさいよ!」
「おい耳長の、やめんか!」
酔っぱらって赤ら顔の妖精弓手に呼ばれる。
右手には酒瓶、左手は鉱人道士の首に回している。
「私は行くが、貴公はどうする?」
ゴブリンスレイヤーに尋ねる。
「俺は...」
「ふむ、まぁゆっくりしておけ」
そういいながら妖精弓手の方に歩いていく。
重戦士と女戦士に関わってはいけない奴に向けられる視線を浴びせられた気がするが気のせいだろう。
「へっへー、あんたも飲みなさい!火酒よ!」
「わし秘蔵の火酒じゃわい。うまいぞー」
鉱人道士の酒か。ならばまず間違いなくうまいのだろう。
だが私は生まれてから一度も酒を飲んだことがない。匂い立つ血の酒はノーカンだ。
記憶がなくなる前の私は飲んだことがあるのかもしれないが。
うーむ、どうしたものか。もし酔いでもしてヤーナムの血を誰かにでも入れたりしたら大惨事になる。
「はーやくぅ!」
「おい貴公やめ」
妖精弓手に無理矢理火酒を口に押し込まれる。
周りは面白がりヤジが飛んでくる。
「いいぞいいぞ!」
「もっと詰め込んでやれ!」
「いっそ脱がせ!」
口に突っ込まれた火酒がなくなると新たな酒瓶が突っ込まれる。息継ぎをさせろ。
押し付けてくる妖精弓手の腕を狩人の筋力で引き剥がす。
そのままステップで距離をとる。こんなことで狩人の身体能力を使うとは。
だが酒では酔わないことが分かったからいいだろう。やはり狩人は血でしか酔えないか。
「あぁーーッ!!オルクボルグが兜はずしてるー!?」
ターゲットがゴブリンスレイヤーに向いたようだ。
助かったが、私もマスクを外せとか言われそうだ。
「なにィ!?」
「なんだと!?」
冒険者達が一斉にゴブリンスレイヤーに集まる。
基本兜を外さない彼の顔が気になる冒険者は沢山いるだろう。
いつの間にやら、寝ていた女神官が起きている。彼女がゴブリンスレイヤーの兜を外したのか?
「ほほう。これはまた、戦士の相ですな」
「うむ。さすがかみきり丸じゃ、良い面構えしとるわい」
「ん~?どっかで見たような...?ええい、クソッ!なんか気に入らん!」
「ふふ。やっぱり...。意外と...美男子...よ、ね」
蜥蜴僧侶、鉱人道士、槍使い、魔女が各々感想を述べる。
私には戦士の相とやらはわからないが、戦士らしい顔つきらしい。
ヤーナムの連中の顔を思い出そうとしたが大概マスクや仮面をしていた。
していなかったのはマリアやミコラーシュ、ゲールマン、デュラ、あたりか。
マリアやゲールマン達は戦士だな、ミコラーシュは....ただの狂った学者か。
ヤーナムに戦士らしい顔つきの者はほとんどいないだろう、そういうことにしておこう。
そのまま騒ぎに騒ぎ、気が付けば一日たっていたようだ。
酒瓶が散らかり、冒険者達が床に倒れ伏せ死屍累々であった。
昨日あったゴブリン狩りの夜を、宴を、笑顔を忘れぬ為に、狩人の夢で日記か何かを書こう。
なに、本は大量にあるのだ。一冊ぐらい失敬しても構わないだろう。
ああ、朝日が眩しい。
剣の乙女編では人食い豚がでます(ネタバレ)